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尖閣をめぐる日中の対立:イラン国営放送

ペルセポリスダリウス1
 ペルセポリス ダレイオス1世宮殿

  尖閣諸島をめぐる日本と中国の対立  10/1 イラン国営放送

日本と中国は尖閣諸島の領有権を巡り対立しています。この対立の根源を分析し、その原因を見つけるには、昔の両国の対立の背景について調べる必要があります。
この番組では、この対立について簡潔に振り返るとともに、この問題を様々な側面から検討してみたいと思います。

日本、あるいは中国のいずれの側からであれ、ごく小さな挑発行為や、相手側に苦痛を与える措置によって、双方の対立は戦争に発展する可能性があります。
しかし、ここで留意すべきなのは、この戦争が軍備を整え、兵器を使用して、広範なアジア太平洋地域を戦火に巻き込む戦争ではない、ということです。
これまで日本と中国は、色々な理由から賢明になって考えることで、少なくとも日中両国が満足し、また双方が勝者になるという原則に基づいた条件と一致する方向性で、自国の利益を追求するために努力してきました。

日本と中国は東シナ海の天然ガスの採掘を巡り、対立しています。
中国は、何かと物議をかもす、日本の政府関係者による靖国神社参拝に抗議しています。
日本の学校で使用される教科書の問題も、両国が対立する問題の一つです。
中国の見解では、日本の学校教科書が戦争の真実と日本軍による侵略行為が、日本にとって都合のよいように歪曲されている、と解釈されています。
これに加え、アメリカの防衛計画に関する日本の真剣な協力と、日本がNMD・アメリカ本土ミサイル防衛構想について、アメリカと歩調を合わせていることも、日本と中国の大きな対立の一つである、とみなされています。
これに対し、アメリカと歩調を合わせている日本は、中国が軍備を増強し、軍事予算を明らかにしていないことについて、批判の矛先を向けています。

2009年に民主党が政権を掌握したことにより、日本政府が中国に対する態度を修正するだろと予測されました。
東シナ海にある春暁(しゅんぎょう)ガス田などの採掘に関する件では、日本政府は中国政府と協力を継続していました。
しかし、数度にわたって協議が行われたにもかかわらず、東シナ海のガス田採掘を巡る中国と日本の対立は根強く残りました。

その他の分野に関しても、中国は、靖国神社の参拝により中国国民の自尊心と感情を傷つけることのないよう、何度も日本政府関係者に要請してきました。
靖国神社は日本国内外の戦争で亡くなった人々を偲ぶ目的で、明治天皇により建立(こんりゅう)されました。
中国はこの神社を、当時の中華民国の首都南京で数千人の中国人を殺害し、30万人以上の女性を性的に利用した、日本の侵略主義的な軍人が葬られている場所である、としています。
日本の教科書の出版に対する中国の抗議は、まさにこの事実と関係しています。
日本人は教科書の内容に、勇敢で祖国への愛にあふれた軍人や将校に関する事柄を割り当てようと試みました。
しかし中国の見解では、この措置は事実の明らかな改ざんである、とされています。中国は、このような教科書の出版が、戦時中における日本の侵略的な様相を隠蔽するものである、と考えています。

中国は歴史の中に残された、日本との一部の対立について黙認しようとしており、またそれを提示しようという意思はない、ということができるでしょう。
しかし、間違いなく中国政府関係者は、中国を長期的にけん制することを目的とするアメリカの防衛構想への日本の参加については、決して妥協する意向はなく、またその理由は明らかです。
なぜならNMD、アメリカ本土ミサイル防衛構想がアジアの広い地域で実現した場合、アメリカと日本は台湾をこの防衛構想の中に引き入れようとすることが考えられるからです。
これは即ち、アメリカと日本が、中国にとっての許容ラインを超えることを意味します。

現在中国は、急速かつ慎重に軍備の刷新に努力していますが、同時にアメリカと日本の反応に直面しています。
中国がもし陸、海、空軍を増強しようとする場合、台湾や朝鮮半島上空を利用するのは極めて明確であり、これはアメリカが望むところではありません。

5年前に防衛庁から省に昇格した日本の防衛省は、最新の防衛白書の中で、「できるだけ早い段階での、ミサイル監視防衛システムの設置を目的としたアメリカとの協力が、(日本の防衛省の)基本的な措置であり、戦略である」と記述しています。
この省庁は専守防衛から一線を越える日本政府の政策に従いアメリカに同調し、中国の軍備拡張と北朝鮮の核計画に大きな懸念を示しています。

日本は数年前から、南アジアと東南アジアにおける中国の軍事的な影響力の拡大を阻止するために、アメリカにより接近し政治的な協力を行なうと表明しました。
その一方で、中国政府は自国の軍事力はあくまでも国防が目的であるとしており、アメリカに対してより多く協力を行なう日本の措置は、アジアにおける安全保障環境を変化させた、と評価しました。

ここまでは、日本と中国の対立の背景と、この両国の関係の悪化の理由について述べてきました。
しかし、日本の中国侵略と日中戦争の勃発の影響により、中国人の脳裏に深く刻まれた、歴史的な因縁の他にも、日本と中国の対立の背景には、日本が朝鮮戦争におけるアメリカの基地としての役割を果たしていたことや、日本と台湾の平和条約の締結、そして日米安全保障条約の締結など、別の要素が含まれています。

一般的には、近年、一部の政治的、経済的な配慮が日本と中国という、アジアの2つの大国の関係拡大に影響を及ぼしていると考えられます。
しかし、日本と中国の主権問題に関係すると見られる、一部の重要な要素が、両国の対立の主要な原因に変わってしまった、としています。
このため、今や日本と中国の間で、ひいてはアジア太平洋地域という広域における、最近の危機の原因となった尖閣諸島問題が、現在世界や地域の政界の注目を集めているのです。

東シナ海に浮かび、台湾に近い尖閣諸島は、8つの岩島を含み、その総面積は7平方キロメートルと計測されており、地域の重要な漁場とされています。
日本は1894年の日清戦争で、この島の領有権を獲得しました。1895年4月に、圧力を受けていた中国の清王朝は下関条約に調印し、この条約に従い台湾及び、澎湖諸島を含む台湾周辺の全ての島を日本に譲渡しました。
1951年、日本とアメリカは中国が出席しないままサンフランシスコ平和条約に調印しました。
この条約の第2条には、日本は台湾および澎湖諸島の全ての権利、請求権を放棄する、とされています。
しかし第3条には、尖閣諸島及び、当時琉球地域と見なされていたその他の島々は、基本的にアメリカの信託統治下に置かれる、とされていました。
当時の中国の周恩来首相は、この内容に激しく抗議し、「中国政府は決して、サンフランシスコ平和条約を正式承認しない」と語りました。
これに続き、中国政府は、自国の領海域に関する声明に関して、「日本は、台湾やその周辺の島々をはじめとする中国の全ての領土を、中国に返還すべきである」と表明しました。

1969年11月11日、日本は沖縄返還を取り決めたアメリカとの条約に調印しました。
続いてアメリカは、中国に対する冷戦を継続するため、1971年に尖閣諸島を含むアメリカの統治下にあった島々を日本に返還しており、日本政府もまた、この島々を沖縄県に編入させました。
しかし、中国はこの措置を受け入れず、1971年12月に「尖閣諸島は台湾に帰属しており、台湾と同じように、常に中国の不可分の領土の一部である」と正式に表明しました。
ここで注目すべきことは、尖閣諸島が、日中国交正常化の妨害要素として提示されており、中国と日本の間での平和友好条約の締結の妨げとなったことです。
こうした状況にもかかわらず、日本と中国は、より適切な条件の中でこの島をめぐる領土問題の解決策を見出すために、この島の問題を未来に託すことに合意しました。
こうした中、1972年に日本と中国の国交正常化に確信を持ち、1978年には日中平和友好条約の締結にこぎつけました。
こうした一方で、中国の政府当局は、日本が尖閣諸島に関する中国の領有権を認めることを条件に、この島に関して協力する意向を表明しました。

中国の人々は、このような議論が起こっていることは、日本政府内部に過激な右翼主義者が出現し、中国が頭角を現したという否定できない結果を物語る、と考えています。

1960年代末期には、尖閣諸島で石油と天然ガスの大規模な埋蔵源が発見されました。
日本は、この地域に調査団と探索用の船舶を派遣し、この島が中国領であることを示す表示物を全て撤去し、その代わりに日本の国境の島であるという表示を設置しました。
しかし、日本はこの措置に満足せず、さらに8つの島に改めて独自の名前をつけました。
こうした中で、一部の日本の国会議員が中国に対し、この島における日本の主権を正式に認めるよう求め、また同時に日本政府も右翼主義者の呼びかけに応じて、中国の漁船を監視する目的で、この島々の周辺に巡視船や偵察機を派遣しました。

1979年、日本はヘリコプター発着の基地を設置するために人員と設備を尖閣諸島に派遣しました。
また1990年10月には、天安門広場における民主化運動の弾圧を理由にアメリカを筆頭とする西側諸国が、中国に制裁を行使していた際、日本の右翼主義者もこれに乗じて、尖閣諸島のひとつに灯台を建設しました。
これに続き、日本政府は台湾の漁船がこの島に近づかないよう、12隻の船舶と2機のヘリコプターを派遣しました。
また興味深いのは、1996年7月20日、日本が以前と同じように、この日を「海の日」であるとし、公休日に制定したことです。
まさにこの日は、日本が国連海洋法条約を施行し、尖閣諸島を含む200海里の排他的経済水域を発表した日だったのです。

もっとも、日本の周囲には、韓国が領有権を主張する竹島もあり、この島は韓国では独島と呼ばれています。
このようにして日本は自国の領海を10倍以上に拡大し、その総面積は600万平方キロメートルに及ぶことになり、世界で6番目の広さを持つ領海を持つ国であると主張しているのです。

いずれにせよ最近、尖閣諸島をめぐって東アジアの広範囲にわたる地域、しかも中国と日本の間で浮上してきた危機は、多くの要素に起因しており、そうした要素とは拡張主義と優越志向を持った、日本と中国という2大国家の間における政治的、経済的、安全保障面での対立、冷戦時代以降のナショナリズムの復活、中国と日本をはじめとする地域諸国の政治グループの間におけるこれらの問題の発生と言ったものであることが指摘できます。
アメリカのような世界の大国や、そうした国の軍隊の地域における秘密裏の行動や影響が、国民主義的なグループの思想や見解に影響力を与えていること、そしてこのような大国が対立に関与している明白な証を、無視することはできません。

どのようなものであれ、日本と中国の対立の溝が深まることにより、東アジアの戦略的で重要な地域が損害をこうむるのは言うまでもありません。
一方で、アメリカのような利害関係を有する国の圧力や関与がなければ、この対立は発生しなかったとされています。
その理由は、現在の対立の激化により、地域における大国の軍隊の駐留の下地が作られ、最終的には中国に対する脅迫ラインに至るからです。
しかし、この対立においては日本と中国の指導者が現実的な捉え方をすることが、この問題の平和的な解決の必要条件であり、それはまた、地域外の大国が利益を享受する可能性を減らすことにもなるのです。
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