配管を無くせないなら再稼働するな
2012-08-29
福島第二原発の建設から福島第一原発のメンテナンスをしていた技術者のブログから。
原発の最も弱い部分は、その膨大な量の配管であること。
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再稼働するなら配管を無くせ…無くせないなら再稼働するな! 8/23 「がんばれ福島原発」から
原発の建設が真っ盛りだったのは、1980年代でそれまでに今回事故を起こした福島第一原発は完成していた。
80年代には、東電を対象にすると福島第二原発の1~4号機が次々と営業運転を開始し、柏崎・刈羽原発が着工した。
その当時原発1基3000億円とも4000億円とも言われ、その要因は、原発の建設工期の長期化がその要因の一つであった。
この為、原発の建設工事について、合理化を強く求められ工期短縮が強く言われるようになっていた。
ここで、メーカが強く押し出したのが、各部材のモジュール化であり、出来る限り現地作業を少なくし、工場で組み上げたものを設置することで、工期の短縮を図るというものだった。
この発想は、建設工程の短縮だけでは無く、現地溶接点数を減らすことが出来ることから品質向上にも繋がることから、多くのエリアをモジュール化することが急速に進んだ。
設計図面上では、そのモジュール化は理想的であり、全体の溶接点数は、30%程度圧縮することが出来たのだが・・・
合理化策が功を奏して、原発建設の全体工程は、福島第二原発建設当時が60ヶ月であったものが、柏崎・刈羽原発建設時には、50ヶ月強まで圧縮することができた。
電力会社は、建設時においてもコストをカットし、いかに安く原発を作るかを模索していたのだ。
また、定期検査においてもその工期の短縮をメーカに押し付け、一日も早く発電し利益を得ようとする姿勢が如実に現れていた。
しかし、その裏側で隠れた大きな問題が発生し始めた。
それは、設計図面と実際の現場のずれが各所で発生し始め、それを現場合わせで対応していくと、その歪みは、最終的には大きな歪みとなって現れ、設計変更を余儀なくされるというトラブルが多く発生した。
このときは、設計者が現場に来て実際に計測作業を行うので、しっかりと設計図面に反映されるので、その後の管理が出来るということだが、現場合わせでどうにか対応してしまった箇所については、その歪みを抱えたまま営業運転に入ってしまうことになる。
再稼働するなら配管を無くせ…無くせないなら再稼働するな!(2) 8/24
原発は1年に1回定期点検で停止する。
営業運転から大体5年程度過ぎると、改造工事と称して、新しい系統を追加したり、改善をするために、新たに配管の設置工事が行われる。
メーカで管理されている図面(3次元CAD等)には、現場の歪みは管理されていないために図面と現場のズレが大きく出てしまっていることが発覚することは、日常茶飯事だった。
私が、ウィークポイントと指摘する配管とその溶接部・フランジ部等は、こういった現場と設計との相違からも来ている。
配管は、大小に関わらず必ずそれを支持するオイススナッバー等の支持構造物が存在するのだが、その支持構造物でさえ格納容器や建屋にボルト等で固定され支持されている。
また、原子炉建屋とタービン建屋では、設計上の耐震クラスが違うために、原子炉建屋とタービン建屋の地震時の揺れ方が違うのは当たり前なのだが、そこを貫通している配管は、その揺れの違いを吸収しなくてはならないが、鋼構造部である配管にその余地は無い。
代表的な配管は、主蒸気配管でそれがタービン建屋に伸びる原子炉建屋には、MSトンネル室(Main Steam Tunnel Room)が存在し、そこには、主蒸気第三弁と言われる大きな弁が存在する。
この部屋には、原子炉建屋からタービン建屋に貫通する配管が集中して配置されており、おそらく、福島第一の1~3号機は、ここが水没し原子炉建屋側からタービン建屋側へ高線量水が流れ込んだとのだと想定している。
(1号機のこの部屋の扉が歪んで開かなかったことからも、ダメージの大きさが伺えると同時にこの部屋を調査したかった東電の意向は、この事実を確認したかったのだろう)
こうして、合理化策を進めて、発電コストを下げる一方で津波対策などを分かっていてやろうとしなかった
東電の”利益最優先”の経営体質は、崩壊させなければいけない。
国有化された今しか、その体質改善はできないのだ。
モジュールが大型化されればされるほど、現場と設計の間で深い溝が広がっていった。
原発直下断層ずれても運転可能にする新基準導入を保安院が検討・・・腹が立ってしょうがない! 8/29
原発直下に地盤をずらす「断層」があっても原発の運転を一律に禁止せず、継続の可能性を残す新たな安全評価基準の導入を、経済産業省原子力安全・保安院が検討していることが分かった。
保安院は従来「活断層の真上に原子炉を建ててはならない」との見解を示していた。
新基準では、これまでは活断層と判断される可能性があった一部の断層について原発の直下にあっても、ずれの量が小さく原子炉建屋などに影響が生じないと評価されれば原発の運転継続も可能になるとみられるとし「ずれの量の正確な評価手法はまだ完全ではない」などと課題を一応挙げたものの新基準を無理やり作る事は明らかだ。
こんなことがあっていいのだろうか?
原発直下の活断層の存在が、世の中に知られて追い詰められたと思ったら、そんなことはお構いなしで新たに基準を作って、無理やり再稼動させようとするこの腐った組織はなんなんだ!
権力を傘にしたあまりの酷すぎる横暴は許せない。
技術的にも断層のずれが発生したときにそのズレで大きな影響を受けるのが、ずっと言い続けている配管であることは、誰が考えても分かる事だ。
こんな腐った組織は即刻解体せよ!
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津波ではない、その前の地震で既に配管破断して電源喪失していた事実。
このことについてのページリンク。
メルトダウン!
3号機、大津波の前に地震で配管破損、漏出!
次の原発大事故を準備する政府
すべての原発が地震で配管破断の危険
原因は津波ではない、地震による配管破断
原発は地震で壊れていた:ネイチャー
これからの生活と放射能汚染
地震の配管破断でメルトダウン、津波原因説の矛盾
原発事故の地震原因を封印する保安院
津波ではない、原発は地震で壊れた:国会事故調
原発の最も弱い部分は、その膨大な量の配管であること。
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再稼働するなら配管を無くせ…無くせないなら再稼働するな! 8/23 「がんばれ福島原発」から
原発の建設が真っ盛りだったのは、1980年代でそれまでに今回事故を起こした福島第一原発は完成していた。
80年代には、東電を対象にすると福島第二原発の1~4号機が次々と営業運転を開始し、柏崎・刈羽原発が着工した。
その当時原発1基3000億円とも4000億円とも言われ、その要因は、原発の建設工期の長期化がその要因の一つであった。
この為、原発の建設工事について、合理化を強く求められ工期短縮が強く言われるようになっていた。
ここで、メーカが強く押し出したのが、各部材のモジュール化であり、出来る限り現地作業を少なくし、工場で組み上げたものを設置することで、工期の短縮を図るというものだった。
この発想は、建設工程の短縮だけでは無く、現地溶接点数を減らすことが出来ることから品質向上にも繋がることから、多くのエリアをモジュール化することが急速に進んだ。
設計図面上では、そのモジュール化は理想的であり、全体の溶接点数は、30%程度圧縮することが出来たのだが・・・
合理化策が功を奏して、原発建設の全体工程は、福島第二原発建設当時が60ヶ月であったものが、柏崎・刈羽原発建設時には、50ヶ月強まで圧縮することができた。
電力会社は、建設時においてもコストをカットし、いかに安く原発を作るかを模索していたのだ。
また、定期検査においてもその工期の短縮をメーカに押し付け、一日も早く発電し利益を得ようとする姿勢が如実に現れていた。
しかし、その裏側で隠れた大きな問題が発生し始めた。
それは、設計図面と実際の現場のずれが各所で発生し始め、それを現場合わせで対応していくと、その歪みは、最終的には大きな歪みとなって現れ、設計変更を余儀なくされるというトラブルが多く発生した。
このときは、設計者が現場に来て実際に計測作業を行うので、しっかりと設計図面に反映されるので、その後の管理が出来るということだが、現場合わせでどうにか対応してしまった箇所については、その歪みを抱えたまま営業運転に入ってしまうことになる。
再稼働するなら配管を無くせ…無くせないなら再稼働するな!(2) 8/24
原発は1年に1回定期点検で停止する。
営業運転から大体5年程度過ぎると、改造工事と称して、新しい系統を追加したり、改善をするために、新たに配管の設置工事が行われる。
メーカで管理されている図面(3次元CAD等)には、現場の歪みは管理されていないために図面と現場のズレが大きく出てしまっていることが発覚することは、日常茶飯事だった。
私が、ウィークポイントと指摘する配管とその溶接部・フランジ部等は、こういった現場と設計との相違からも来ている。
配管は、大小に関わらず必ずそれを支持するオイススナッバー等の支持構造物が存在するのだが、その支持構造物でさえ格納容器や建屋にボルト等で固定され支持されている。
また、原子炉建屋とタービン建屋では、設計上の耐震クラスが違うために、原子炉建屋とタービン建屋の地震時の揺れ方が違うのは当たり前なのだが、そこを貫通している配管は、その揺れの違いを吸収しなくてはならないが、鋼構造部である配管にその余地は無い。
代表的な配管は、主蒸気配管でそれがタービン建屋に伸びる原子炉建屋には、MSトンネル室(Main Steam Tunnel Room)が存在し、そこには、主蒸気第三弁と言われる大きな弁が存在する。
この部屋には、原子炉建屋からタービン建屋に貫通する配管が集中して配置されており、おそらく、福島第一の1~3号機は、ここが水没し原子炉建屋側からタービン建屋側へ高線量水が流れ込んだとのだと想定している。
(1号機のこの部屋の扉が歪んで開かなかったことからも、ダメージの大きさが伺えると同時にこの部屋を調査したかった東電の意向は、この事実を確認したかったのだろう)
こうして、合理化策を進めて、発電コストを下げる一方で津波対策などを分かっていてやろうとしなかった
東電の”利益最優先”の経営体質は、崩壊させなければいけない。
国有化された今しか、その体質改善はできないのだ。
モジュールが大型化されればされるほど、現場と設計の間で深い溝が広がっていった。
原発直下断層ずれても運転可能にする新基準導入を保安院が検討・・・腹が立ってしょうがない! 8/29
原発直下に地盤をずらす「断層」があっても原発の運転を一律に禁止せず、継続の可能性を残す新たな安全評価基準の導入を、経済産業省原子力安全・保安院が検討していることが分かった。
保安院は従来「活断層の真上に原子炉を建ててはならない」との見解を示していた。
新基準では、これまでは活断層と判断される可能性があった一部の断層について原発の直下にあっても、ずれの量が小さく原子炉建屋などに影響が生じないと評価されれば原発の運転継続も可能になるとみられるとし「ずれの量の正確な評価手法はまだ完全ではない」などと課題を一応挙げたものの新基準を無理やり作る事は明らかだ。
こんなことがあっていいのだろうか?
原発直下の活断層の存在が、世の中に知られて追い詰められたと思ったら、そんなことはお構いなしで新たに基準を作って、無理やり再稼動させようとするこの腐った組織はなんなんだ!
権力を傘にしたあまりの酷すぎる横暴は許せない。
技術的にも断層のずれが発生したときにそのズレで大きな影響を受けるのが、ずっと言い続けている配管であることは、誰が考えても分かる事だ。
こんな腐った組織は即刻解体せよ!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
津波ではない、その前の地震で既に配管破断して電源喪失していた事実。
このことについてのページリンク。
メルトダウン!
3号機、大津波の前に地震で配管破損、漏出!
次の原発大事故を準備する政府
すべての原発が地震で配管破断の危険
原因は津波ではない、地震による配管破断
原発は地震で壊れていた:ネイチャー
これからの生活と放射能汚染
地震の配管破断でメルトダウン、津波原因説の矛盾
原発事故の地震原因を封印する保安院
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