ふくしま集団疎開裁判:井戸、柳原氏スピーチ
2012-08-28
8/24官邸前集会スピーチ 8/26 「ふくしま集団疎開裁判」から
志賀原発差し止め判決の井戸謙一元裁判長
みなさん,こんばんは
弁護士の井戸といいます。滋賀県から来ました。
毎週,ネットでみなさんを応援していましたが,いてもたってもおられず,やってきました。
3.11はショックでした。しかし,私は,この国が,市民を守ろうとしないことにもっとショックを受けました。
子供たちにヨウ素剤を飲ませず,スピーディの情報を隠して住民に高濃度の被曝をさせ,挙句の果てが子供たちに年20ミリシーベルトまで被ばくさせるという政策です。
年20ミリシーベルトは,18歳未満立入り禁止とされる放射線管理区域よりもはるかに高濃度です。
チェルノブイリでは年5ミリシーベルトを超える地域は,強制避難の対象とされたのです。
3.11のあと,私は,この国の政府が国民の大多数の意思を平然と無視することにショックを受けました。
60年安保のとき,当時の岸首相は,国会に押し寄せているのは一部の国民で,サイレントマジョリティは政府を支持していると言いました。
しかし,今や,脱原発がサイレントマジョリティも含め国民の多数の意思であることは明らかです。それをどうして平然と無視できるのか。
どうして,原子力規制委員の過半数を原子力村の住人とするような人事案を出せるのか。
彼らは一体何のために,誰のために政治をしているのか。
私たちは,フクシマのような事態を2度と起こさせてはなりません。そして,それと同時に,福島の人々,とりわけ福島の子供たちを支援しなければなりません。
健康な子供が2割しかいないというベラルーシやウクライナの今日の状況は,このままいけば福島の明日になってしまいます。
なぜ,政府は,チェルノブイリの教訓に学ばないのでしょうか。
すでに健康被害の兆候はあちこちに表れています。放射能を浴びるのは少なければ少ないほどいい。
遅すぎるということはないのです。今からでも,福島の子供たちを安全な地域に逃がすべきです。
郡山の子供たちが,郡山市に対し,疎開させてほしいという裁判をしています。ふくしま集団疎開裁判といいます。
私もその弁護団に入っています。1審では却下されました。
今,仙台高裁で審理中です。
マスコミはほとんど報道しません。是非,皆さんのご支援をお願いします。
ふくしま集団疎開裁判弁護団の柳原敏夫氏
今週の22日、私たちがこの間取り組んできた「ふくしまの子どもたちの集団避難の即時実現」、この申入書を野田首相に手渡すことができました。これは首都圏反原発連合とここに集まった大勢の皆さんひとりひとりの力のおかげです。ありがとうございました。
しかし、今日現在まで、野田首相は、集団避難の即時実現を検討するように閣僚に指示していません。
野田首相は誰ひとり住んでいない竹島問題ならすぐ動くのに、大勢の子どもたちが住み、彼らの命がいま危険にさらされている福島問題でちっとも動こうとしない。それはなぜか。
その訳は、日本政府がチェルノブイリ事故から学び尽くしていて、子どもたちの集団疎開はタブーとすると決めているのです。
なぜなら、チェルノブイリ事故でソ連政府が最もタブーにした1つが子どもたちの被ばくデータだからです(七沢潔「原発事故を問う--チェルノブイリからもんじゅへ」137頁)。
いま私が手にしているのはチュルノブイリ事故で多重先天障害を負った子どもたちの写真ですが、このような子どもたちの被ばくに関するデータが明らかになると、原発事故で子どもたちがどれほど深刻な、どれほど悲惨な被害を受けるか、これが人々の前に明らかになります。
なおかつ、深刻な被ばくから子どもたちを救うために集団避難を実施するとどれくらい大規模なプロジェクトになるか、これが人々の前に明らかになります。
その結果、誰もが、二度と、決して、原発事故はあってはならないと、深く確信するようになるからです。そして、二度とこのような悲惨な事故を起こさないために二度と原発は稼動してはならない、廃炉にするしかないと、深く確信するようになるからです。
多くの人々がこの不動の確信をすることを、ソ連政府も日本政府も最も怖れているのです。
だから、子どもたちの被ばくデータを隠すのです。
そうであれば、皆さん、今こそ、「ふくしまの子どもたちの集団避難」を多くの人々に訴え、日本政府がいま最も恐れている、たとえどんな迫害を受けても決して脱原発の決意を曲げない、不屈の絶対平和主義者ならぬ、不屈の絶対脱原発の信念を持った人(=絶対脱原発主義者)に多くの人々になってもらおうではありませんか。
ソ連政府は、事故から5年後に子どもたちの深刻な健康被害が明らかになってから、ようやくまともな住民避難基準(参考:これと同一のウクライナ法)を採用しました。
しかし、それでは遅すぎました、98万人もの貴い命が失われたからです。そして数ヵ月後にソ連も崩壊しました。子どもの命を粗末するような国に未来はないからです。
この事実こそ日本政府はチェルノブイリ事故の最大の教訓として学ぶべきです。つまり、5年後ではなく、今すぐふくしまの子どもたちの集団避難を実行すべきです。
さもなければチェルノブイリより人口密度が15倍の福島県で(たとえ福島第一原発の東半分が海だとしても)どんな悲惨な被害が生じるか、それは1年を経ずして35%もの福島の子どもたちの甲状腺に異変が見つかったひとことからも明らかです(その分析をした松崎道幸医師の意見書参照)。
もちろん日本政府も崩壊です。
こんな粗大ゴミ、誰も支持しないからです。
しかし、こうした異常な事態は今だったら、まだ間に合うのです。防げるのです。
最後にもう一度、言います。
日本政府は粗大ゴミになり果てたくなかったら、今すぐ、ふくしまの子どもたちの集団避難の即時実現に向けて行動せよ。
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柳原敏夫氏の関連ページ
権力にとってのチェリノブイリの教訓
志賀原発差し止め判決の井戸謙一元裁判長
みなさん,こんばんは
弁護士の井戸といいます。滋賀県から来ました。
毎週,ネットでみなさんを応援していましたが,いてもたってもおられず,やってきました。
3.11はショックでした。しかし,私は,この国が,市民を守ろうとしないことにもっとショックを受けました。
子供たちにヨウ素剤を飲ませず,スピーディの情報を隠して住民に高濃度の被曝をさせ,挙句の果てが子供たちに年20ミリシーベルトまで被ばくさせるという政策です。
年20ミリシーベルトは,18歳未満立入り禁止とされる放射線管理区域よりもはるかに高濃度です。
チェルノブイリでは年5ミリシーベルトを超える地域は,強制避難の対象とされたのです。
3.11のあと,私は,この国の政府が国民の大多数の意思を平然と無視することにショックを受けました。
60年安保のとき,当時の岸首相は,国会に押し寄せているのは一部の国民で,サイレントマジョリティは政府を支持していると言いました。
しかし,今や,脱原発がサイレントマジョリティも含め国民の多数の意思であることは明らかです。それをどうして平然と無視できるのか。
どうして,原子力規制委員の過半数を原子力村の住人とするような人事案を出せるのか。
彼らは一体何のために,誰のために政治をしているのか。
私たちは,フクシマのような事態を2度と起こさせてはなりません。そして,それと同時に,福島の人々,とりわけ福島の子供たちを支援しなければなりません。
健康な子供が2割しかいないというベラルーシやウクライナの今日の状況は,このままいけば福島の明日になってしまいます。
なぜ,政府は,チェルノブイリの教訓に学ばないのでしょうか。
すでに健康被害の兆候はあちこちに表れています。放射能を浴びるのは少なければ少ないほどいい。
遅すぎるということはないのです。今からでも,福島の子供たちを安全な地域に逃がすべきです。
郡山の子供たちが,郡山市に対し,疎開させてほしいという裁判をしています。ふくしま集団疎開裁判といいます。
私もその弁護団に入っています。1審では却下されました。
今,仙台高裁で審理中です。
マスコミはほとんど報道しません。是非,皆さんのご支援をお願いします。
ふくしま集団疎開裁判弁護団の柳原敏夫氏
今週の22日、私たちがこの間取り組んできた「ふくしまの子どもたちの集団避難の即時実現」、この申入書を野田首相に手渡すことができました。これは首都圏反原発連合とここに集まった大勢の皆さんひとりひとりの力のおかげです。ありがとうございました。
しかし、今日現在まで、野田首相は、集団避難の即時実現を検討するように閣僚に指示していません。
野田首相は誰ひとり住んでいない竹島問題ならすぐ動くのに、大勢の子どもたちが住み、彼らの命がいま危険にさらされている福島問題でちっとも動こうとしない。それはなぜか。
その訳は、日本政府がチェルノブイリ事故から学び尽くしていて、子どもたちの集団疎開はタブーとすると決めているのです。
なぜなら、チェルノブイリ事故でソ連政府が最もタブーにした1つが子どもたちの被ばくデータだからです(七沢潔「原発事故を問う--チェルノブイリからもんじゅへ」137頁)。
いま私が手にしているのはチュルノブイリ事故で多重先天障害を負った子どもたちの写真ですが、このような子どもたちの被ばくに関するデータが明らかになると、原発事故で子どもたちがどれほど深刻な、どれほど悲惨な被害を受けるか、これが人々の前に明らかになります。
なおかつ、深刻な被ばくから子どもたちを救うために集団避難を実施するとどれくらい大規模なプロジェクトになるか、これが人々の前に明らかになります。
その結果、誰もが、二度と、決して、原発事故はあってはならないと、深く確信するようになるからです。そして、二度とこのような悲惨な事故を起こさないために二度と原発は稼動してはならない、廃炉にするしかないと、深く確信するようになるからです。
多くの人々がこの不動の確信をすることを、ソ連政府も日本政府も最も怖れているのです。
だから、子どもたちの被ばくデータを隠すのです。
そうであれば、皆さん、今こそ、「ふくしまの子どもたちの集団避難」を多くの人々に訴え、日本政府がいま最も恐れている、たとえどんな迫害を受けても決して脱原発の決意を曲げない、不屈の絶対平和主義者ならぬ、不屈の絶対脱原発の信念を持った人(=絶対脱原発主義者)に多くの人々になってもらおうではありませんか。
ソ連政府は、事故から5年後に子どもたちの深刻な健康被害が明らかになってから、ようやくまともな住民避難基準(参考:これと同一のウクライナ法)を採用しました。
しかし、それでは遅すぎました、98万人もの貴い命が失われたからです。そして数ヵ月後にソ連も崩壊しました。子どもの命を粗末するような国に未来はないからです。
この事実こそ日本政府はチェルノブイリ事故の最大の教訓として学ぶべきです。つまり、5年後ではなく、今すぐふくしまの子どもたちの集団避難を実行すべきです。
さもなければチェルノブイリより人口密度が15倍の福島県で(たとえ福島第一原発の東半分が海だとしても)どんな悲惨な被害が生じるか、それは1年を経ずして35%もの福島の子どもたちの甲状腺に異変が見つかったひとことからも明らかです(その分析をした松崎道幸医師の意見書参照)。
もちろん日本政府も崩壊です。
こんな粗大ゴミ、誰も支持しないからです。
しかし、こうした異常な事態は今だったら、まだ間に合うのです。防げるのです。
最後にもう一度、言います。
日本政府は粗大ゴミになり果てたくなかったら、今すぐ、ふくしまの子どもたちの集団避難の即時実現に向けて行動せよ。
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柳原敏夫氏の関連ページ
権力にとってのチェリノブイリの教訓
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