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もうすぐ北風が強くなる

泥舟からかいらい三党談合に乗り換えたつもりの野田某

 民自公の三党談合で、表面的にはとりあえず米国のかいらいが国会の圧倒的多数となった。
 だが実質は民主党の党内権力簒奪による形式的なものである。
 民主党は崩壊し始めている。

 野田たち松下塾グループは、民主党の壊滅を見切っている可能性が高いだろう。
 従ってこの三党談合をかいらい勢力として結合し、なんとか次期選挙での過半数を確保する方向性が強い。
 
 国民の真剣で強力な態度表明が問われる。
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  「とりあえず増税党」の勝利 民主党を見切った野田首相  8/16  山田厚史 ダイヤモンド・オンライン

 国会では急転直下、消費税増税法案が成立した。野田首相は民主党の事情より消費税増税を選んだ。衆目監視の密室会談は「解散時期」にとどまらず、解散後の協力関係まで話し合われたのではないか。
 政権交代から3年、天下を取ったのは「とりあえず増税党」だった。これで民主党の崩壊が加速しそうだ。

  自民党の強硬姿勢に危機感を抱いた財務省

 自民党が3党合意破棄の強硬姿勢に転じたことに、最も危機感を抱いたのは財務省だった。
 政治を消費税増税へと導き、採決の直前まで漕ぎ着けたというのに、土壇場でひっくり返ったら血の滲むような努力が帳消しになる。
 勝栄二郎次官を中心に官房に「対策本部」を置き、培ってきた財務省人脈を駆使して自民党強硬派を抑え込んだ。

 財務省をヒヤッとさせた自民党内の動きは小泉純一郎元首相が本尊で、切り込み隊長は息子の進次郎衆議院議員。原動力は党内にくすぶる世代交代論、と読んだ財務省は、若手の動きを警戒する重鎮議員に働きかけた。
 「増税をつぶしたら国際的信用を失います」「格付けが下がり長期金利が跳ね上がる」。小泉親子の策動は火遊びだ、と古参議員に決起を促した。
 世代交代の標的・森喜郎元首相ばかりか、懐かしい名前の額賀福志郎元財務相まで声を上げ「谷垣支持」の党内世論を広げ、火消しは成功した。

 民主党対策は、「党と官邸の切り離し 」だった。
 輿石東幹事長周辺に財務省人脈は手薄だ。「早期解散反対」でまとまっている幹事長周辺から、妥協策を引き出すのは難しいと見て、自民党の交渉相手を首相官邸に絞った。
 官邸は「財務省支配」の牙城である。

 民主党執行部を蚊帳の外に置けば、財務省シナリオは進めやすい。交渉役の野田首相・谷垣自民党総裁は「とりあえず増税党」の二枚看板だ。
 予算のやりくりは財務省の大事な仕事で、財政が深刻な状況になっているのは確かである。
 だが財政は、政治が目指すビジョンや幸福感を創造するための「道具」である。

 財政を使ってどのような社会を実現するか、大きなデザインを示さず帳尻合わせに躍起となっていては、政治家は経理屋の僕(しもべ)になってしまう。
 現状に危機感を募らせ、増税を自己目的にする財務省の意向を、政治の場で実践するのが「とりあえず増税党」である。
 社会保障と税の一体改革といいながら、社会保障のあり方を議論ぜず、不足財源の穴埋めだけを論ずる政府の姿勢はその典型である。

  野田首相の盟友は 自民党の谷垣総裁

 野田・谷垣の二人に共通する思いは、 消費税増税法案の不成立は避けたいという一点だった。

 厄介なのはそれぞれの党内事情。解散を急ぐ自民党内と早期解散を避けたい民主党。両方の顔を立てることはできない。
 財務省・野田首相が選んだのは自民党だった。自民を離反させたら3党合意は破棄され、消費税増税が吹っ飛ぶ。
 民主党に未来はないと見る財務省は、自民党対策に重点を移している。野田首相もそれに乗っただけなのかもしれない。

 民主党がつむじを曲げても、消費税法案を通してしまえば、一仕事終わりである。野田首相も9月の総裁選で引きずり下ろされることは覚悟の上の決断だろう。
 思いがけず首相の座につき、歴史に名を残す消費税増税に手を付けただけで十分、という心境かもしれない。

 盟友は民主党の輿石幹事長ではなく、「とりあえず増税党」の同志・谷垣自民党総裁である。
  2月に密かに会い増税法案の成立を誓い合った仲だ。二人の視野には2014年4月から始まる消費増税の実現がある。法案が成立しても安定政権が生まれなければ、増税は軌道に乗らない。
 低所得者への税還付、そのためのマイナンバー制度、生活必需品などへの軽減税率、導入の障害になりかねない景気条項の取り扱い。
 安定政権が生まれなければ、増税は日の目をみない。この点で野田・谷垣は一致している。

 解散・総選挙になれば、民主党が政権にとどまることはまず不可能だ。自民党単独政権も難しい。
 大連立を組むか、民主党を割って自民党に合流するか。そうした政権構想が密室会談で語られたとしても不自然ではない。

 野田首相にとって都合がいいのは谷垣氏が引き続き自民党総裁にとどまること。
 自民党政権になっても、谷垣氏が権力を握っていれば、野田氏の政治家としての存在感は維持できる。一派を率いて合流する選択だってある。
 この局面で谷垣総裁の顔を立てることは、自分の将来につながる。後ろ盾は財務省である。

  「早期解散」を約束した 首相は確信犯

 財務省にとって野田首相・谷垣自民党総裁は絶妙のコンビだった。長年の政界対策が実を結んだ成果である。
 野田政権に増税法案を担がせ、谷垣自民党に協力させることに成功した。だが「やりすぎ」とも思える財務省主導の政局への軋(きし)みが与野党に生じている。

 民主党は分裂し、残留組にも財務省憎しの感情は根強い。自民党で「小泉父子の乱」が起きたのも、財務省依存への反発が底流にある。
 財務省OBからも「再選されるか分からない谷垣さんに、これ以上テコ入れするのは危険」という声が聞こえる。
 だが、勝次官らは増税実現のために野田・谷垣ラインを必死で支えた。

 8日の党首会談には自民党から石原伸晃幹事長が同席したが、民主党の輿石幹事長は出なかった。「声もかかっていない」と輿石氏の周辺は漏らしたという。
 幹事長を外して「近く民意を問う」という重大な約束を党首が行う、というのだから民主党は党として体をなしていない。

「しかるべき時期に」としていた解散が、「近い将来」になり、それでも自民党の納得がえられず、「近く国民の信を問う」へと踏み込んだ。
 民主党議員総会で「解散に時期は明示しない」と約束しながら、首相は裏で早期解散へと歩み寄っていたのである。
 どう言い繕っても「早期解散」を約束したもので、民主党側の意向を踏みにじった。首相は確信犯である。

  野田首相が果たした役割は 「民主党の自民党化」

 政権基盤である与党をこれほどまで粗末にするのは、野田首相が「民主党の時代は終わった」と思っているからではないか。

 野田政権の主だった政策である消費税増税、原発再稼動、TPP交渉参加、オスプレイ配備、これからの課題とされる秘密保護法や集団安全保障といった懸案は、民主党というより自民党の政策である。
 「保守政治家」を自認する野田首相が、官僚機構が温めてきた政策に共鳴したのか、言われるままに応じているのかは定かではないが、有権者に約束したことではない
 首相が政権を持ったまま自民党に走った、ともいえる展開である。

 民主党では難破船からネズミが逃げ出すように、離党者が増えている

 8日には小泉俊明、小林興毅 の衆議院議員が離党した。一方でそんな動きを歓迎する声もある。「文句ある人はどんどん出ていけばいい。党内論議がすっきりする」というのだ。
 どうせ政権から降りる、自民党と連立を組むなら大所帯でなくてもいい。数が減ればポストが回ってきやすくなる、という思惑のようだ。
 政権から降りても権力の側に居たい、という民主党議員は少なくない。解散を前に、民主党の腰砕けが始まっている。

 解散は早くて、今国会の審議が終わる9月はじめ、ここで解散に打って出れば、自民党は谷垣総裁、民主党は野田党首での総選挙になる。民主党内で相当な反発が出るだろう。
 今国会では1票の格差是正や赤字国債の発行を認める法案が成立していない。臨時国会で、これらを処理すれば解散は10月以降になる。いずれにしろ年内解散は濃厚となった。

 3年前、国民が政権交代に求めたものは何だったのか。
 こんな事態を予想した人はいなかったと思う。
 マニフェストは棚上げされ、「やらない」と言っていた増税が国会を通った。
 官僚主導から政治主導へと言われたが、官僚が操る「とりあえず増税党」が与野党横断で天下をとった。

 野田首相の果たした役割は「民主党の自民党化」という総仕上げだった

 2大政党の対立を前提にした小選挙区制なのに、自民党と「第2自民党」の争いになった。解散総選挙になっても有権者は選択に迷うだろう。

 我が国の政治の混乱を突くように、領土問題がくすぶり始めた。憤懣がナショナリズムに火をつけるかもしれない。
 鬱憤は橋下徹率いる「維新の会」への期待へとつながるのか。首相官邸を包囲した市民のデモへの共感が、新た潮流を創り出すのか。

 政治を利益誘導と考え「政治家なんてろくな仕事ではない」と冷ややかに見てきた国民に、突きつけられた現実がこれである。
 「任せて文句だけ言う政治」から決別しない限り、政治の惨状は続くだろう。
 さてどうしたらいいのか。正解のない設問が私たちに突きつけられている。
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