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米英軍産複合体と国際金融資本

 米国はLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の談合不正事件がバークレイズ、RBS、UBSと拡大している中で、イランとの不正取引ということでスタンダード・チャータード、HSBCを摘発した。
 いずれも米国経済の利益に反する行為との意味だが、10年以上まえから黙認してきた事を今摘発したのは意図的なタイミングであろう。
 また、この両事件の摘発対象が直接に国際金融資本の本流(デル・バンコ)であることは、この対立が相当に激しいものであるようだ。

 国際金融資本としては傍流だが軍産複合体と結びつくロックフェラー系の金融資本はサブプライム・ショックとリーマン・ショックで大きな痛手を受けたが、FRBの過剰流動性供給とユーロの危機で相対的に立ち直りつつある。
 ロックフェラー系(米英の軍産複合体と共和党、保守党が結びつく)による、国際金融資本本流への逆襲とも見える。

 関連ページ「過剰信用と恐慌、焼け太る国際金融資本「家」」、「国際金融資本と軍産複合体の矛盾が吹き出すか」、「国際金融資本が仕掛けたヨーロッパの危機」、「LIBORの談合不正、国際金融の虚構」。
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  また米国当局が英銀大手を不正取引で摘発  その1  8/8  「闇株新聞」から

 8月6日に米国ニューヨーク州の金融規制当局が、英銀大手のスタンダード・チャータードの米国拠点が米国の経済制裁対象であるイランの中央銀行を含む金融機関との間で10年以上にわたって2500億ドル(現在の為替でも20兆円!)もの不正な取引を行っていたと発表しました。

 スタンダード・チャータードは否定しているようですが、ニューヨーク州当局は巨額の罰金と州内の営業免許の取り消しを示唆しています。
 
 米国当局の英銀大手に対する「不正摘発」は、7月2日に発覚したバークレイズのLibor不正操作事件(米英当局が360億円の罰金を科しました)、7月19日に米国上院小委員会が発表したHSBCのマネーロンダリングに次ぐものです。

 HSBCについてはその後イランの金融機関との取引も明るみに出ており、またLibor不正操作事件では同じく英銀大手のRBSにも巨額罰金が科せられそうです。

 何故ここ1ヶ月ほどの間に立て続けに、しかも英銀大手だけが軒並み摘発されているのでしょう? しかも不正そのものは、それぞれ5~10年前からの話なのです。

 大きく分けて理由が2つあると思いますが、本日は紙面の関係で1つだけ書きます。

 それは、今回「摘発」された英銀大手のうちHSBCとスタンダード・チャータードは、営業活動は英国国内やEU内に比べて圧倒的に「その他の全世界」の比率が大きく、当然にテロ集団や麻薬取引が多い地域にも圧倒的なネットワークを確立していることです。

 必然的に「米国にとって好ましくない相手との取引が多い」とされ、米国当局の監視の対象になっていたことです。

 まずHSBCとは、そもそもの母体が1865年に英国の植民地であった香港で、スコットランド人の商人・トーマス・サザーランドが設立した香港上海銀行です。すぐに共同租界のあった上海でも営業を開始します。また翌年の1866年には、横浜に日本支店を開設します。日本に銀行そのものが無かった時代のことです。

 香港返還(1997年)の可能性が出てきた1980年代に、米国・英連邦(カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)・中南米・東南アジア・南アジア(インド・パキスタンなど)
の有力銀行を次々買収して香港の依存度を下げ、1991年にロンドンにHSBCホールディングスを設立して本社機能を移しました。

 現在では世界最大級の総資産・収益力・時価総額を持つ金融グループなのですが、特に「ほぼ全世界」に営業網を持つ世界で唯一の銀行グループです。

 一方、規模ではHSBCに劣るのですが、スタンダード・チャータードとは1865年に設立されてアフリカ全土で営業していたスタンダード銀行と、1853年に設立されて香港・上海を含むアジア全域で営業していたチャータード銀行が1969年に合併したものです。

 その後も北米・南米を含む全世界で営業を拡大し、2005年に韓国第一銀行も買収しています。なお日本へは1880年に横浜に出張所を開設しています。

 つまりHSBCもスタンダード・チャータードも、英国に本社機能があるとは言え、その沿革からして完全に「全世界銀行」なのです。あとこの2つに対抗できる「全世界銀行」はシティコープだけですが、現在は実質的に米国の公的管理下にあります。

 最近になってから米国政府は明らかに、この「2大・全世界銀行」を「攻撃」し始めたのです。極論すれば「米国にとって好ましくない相手との取引を大々的に行う銀行グループ」は「米国にとって(少なくとも米国内から)追放しなければならない銀行グループ」ということになるのです。

 仮に米国から「追放」されると「全世界銀行」の取引の大半を占める「ドル決済」が、不可能にはならないもののかなり制限されることになり、相当のダメージとなります。

 これに対して中国政府は「友好な関係」を維持しているようです。その1例が、香港では中国人民銀行(中国の中央銀行)と並んでHSBCもスタンダード・チャータードも香港ドルの発券銀行としての地位を続けていることです。

 日本政府は2004年にスタンダード・チャータードがヤミ金融のマネーロンダリングという「日本政府にとって好ましくない取引」をしていたにもかかわらず、一部業務の停止の行政処分を出しただけでした。またHSBCは「何故か」最近になって日本における営業網を縮小し始めています。

 因みに英国5大銀行グループとは、上記2グループのほかに、もともと英国商業銀行であるバークレイズ、RBS(注)、ロイズTSBを加えたものです。このもともと英国商業銀行のバークレイズとRBSがLibor不正操作事件の対象となっているのですが、このLibor不正操作事件と、イランとの取引やマネーロンダリングは明らかに「事件の質」が違います。

 もう1つの理由とは、米国当局の英国およびEUに対する「思惑」なのですが、次回にします。

  また米国当局が英銀大手を不正取引で摘発  その2

 昨日の続きです。昨日はHSBCとスタンダード・チャータードという「2大・全世界銀行」が米国当局の「攻撃」を受けた理由は、テロや麻薬取引だけでなく「米国にとって好ましくない国家・団体・企業・個人すべて」を攻撃するために「2大・全世界銀行」を少なくとも米国内から追放しようという米国政府の意思が現れていると書きました。

 この「2大・全世界銀行」も本社機能はロンドンにあり、他の英銀大手のバークレイズやRBSがLibor不正操作事件の捜査対象となっており、いずれにしても英銀大手だけが米国当局の「攻撃」を受けていることは間違いありません。

 そのもう1つの理由は、米国政府の英国およびEUに対する「思惑」です。

 まずEU(欧州連合)とは、欧州諸国が「緩やかに」統合することにより米国に対抗できる勢力になろうとするもので、「ユーロ」とはEUの基本政策のなかの経済政策のなかの通貨政策に過ぎません。

 従って「ユーロの行方」を考える時は、経済的要因より政治的要因を重視しなければならないのです。

 米国にとっては、EUの拡大は「世界の政治バランス」の観点から、ユーロに対する世界の信認の向上は「ドル基軸通貨体制の維持」の観点から、それぞれ「好ましくない」のです。さらに、米国外における「ドル取引」の中心である英国政府やシティーの英銀大手が、EUやユーロとの結び付きを深めてしまうと「大変に好ましくない」ことになるのです。

 もちろん英国は1973年からEU(当時は前身のEEC)に加盟しています。しかしロンドン(シティー)は冷戦時からユーロドル(米国外にあるドルという意味)の中心地であり、1980年代のビックバンで金融・証券市場の規制緩和が進み、NYと並ぶ世界の金融の中心地となっています。

 ここで米国としては、英国がこれ以上政治的にEUに組み込まれ、ロンドン(シティーの英銀大手)がEUの金融政策に取り込まれることは「大変に好ましくない」のです。

 英国はユーロ構成国になるため自国通貨を一定期間基軸通貨(ユーロのことです)に対して上下2.25%に維持しなければならないERMを1992年に離脱したままなので、ユーロ構成国になる可能性は全く無いのですが(スウェーデンも同じ)、米国にとっての関心事は「英国が米国の身内として米国外におけるドル取引の中心地」であるかどうかなのです。

 2008年頃のLibor不正操作事件が今頃突然に「発覚」したのは、この米国政府の「思惑」が必ず入っていると思われます。

 そこから考えられることは、日本政府は中途半端にEUや中国政府に「いい顔」をして、「ユーロ支援」や「人民元の国際化」に過剰に乗り出してはならないことになります。

 幸か不幸か東京はドル取引の中心地ではないため、米国政府にとっての重要度はロンドンよりはるかに小さいのですが、あまり無神経なことを続けているとある日突然に日本のメガバンクなども「攻撃」されることになるかもしれないのです。

 2日にわたって「米国政府による英銀大手の摘発」について書いてきたのですが、ポイントは「米国政府にとって好ましくない相手にダメージを与えるためには2大・全世界銀行を(協力しなければ)米国内から追放する」と「米国外のドル取引の中心である英国政府・ロンドン(シティー)・英銀大手は、米国政府にとって(どんな手を使っても)身内に留めておかなければならない」の2点です。

 日本政府や日本の金融当局はこれを「十分に頭に入れておかなければ」今度は日本が「攻撃」される番なのです。「材料」はいくらでも米国当局に掴まれているはずなのです。

 少し紙面が余りましたが、民主・自民・公明の3党が「増税法案成立」「不信任案否決」で合意したようです。解散については「近い将来に信を問う」そうです。

 「近い将来」とは、来年夏の任期満了の1か月ほど前のことだと思います。本音では誰も「落選のリスクのある解散」を望んでいないからです。
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