県といわき市は勿来海水浴場を再開
2012-08-09

福島県といわき市は勿来(なこそ)の海水浴場再開を許可した。
健康と安全への行政の責任はどこへいってしまったのだろう。
あくまで安全キャンペーンのみを進める。
政府と東電にこんなひどい目にあわされても、ブレーキなきアクセルのみの放射能安全行政!
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シュツットガルト新聞「福島の海で水遊び」 8/7 翻訳書き起こし「Entelchen」のブログから
ドイツ人の友達が「読んでいて気持ち悪くなった」と言いながら、シュトゥットガルト新聞の切り抜きを持ってきてくれました。
「チェルノブイリではソ連政府は”大事故が起こったから被害を最小限に留めるようにしよう”と言う対策を取ったけど、日本政府は”実は大事故が起こったんだけどなるべく被害はなかったことに見せよう”と言う対策を取っているんだね」と...。
******以下記事和訳*****
福島の海で水遊び
原発事故からようやく一年半が経とうかという時に福島で初めての海開きが行われた。本当に何の心配もなく海水浴をしていいのだろうか?
カラフルな浮き輪を持って波間で水遊びを楽しむ子供達。大人達は浜辺に寝転がって日光浴。一見典型的な夏の一日の光景である。しかしこの詩情は見かけ騙しのものなのだ。
と言うのも大きなブルーの看板を見ればわかるとおり、ここは普通の海岸ではない。Welcome to Fukushima の文字。ここからわずか65キロ北に行ったところに16ヶ月前津波を伴った地震のために三基の原子炉がメルトダウンを起こし、世界中を震撼させた原発があるのだ。
いわき市の勿来(なこそ)海岸は原発事故後心配される放射能汚染にも関わらず福島県内で行政が再開を許した最初のそして唯一の海岸である。
かつてこの海岸には盛夏ともなると白砂と周辺の豊かな緑を求めて、大勢の行楽客が押し寄せた。
しかし今日はわずか200人あまりの海水浴客が見られるだけである。とは言えその中には子供の姿が多い。
「放射能のことを四六時中心配したら何も出来なくなってしまう」と言うのは2歳の娘を腕に抱く女性。
家にこもっていることに耐え切れなくなり、家族連れ立って勿来海岸に来た。一番近場だったからだそうだ。
「私達は庭で採れる野菜も食べていますし、子供達は学校のプールにも入っています。」
ボーイフレンドと浜辺に寝そべっていた若い女性は海水浴客が少ないことに驚き、「放射能のことは全く考えませんでした」と話す。
また年金生活者だという客は「ここの線量は私たちが住んでいる場所よりもずっと低いのですよ」と言う。
彼は福島第一原発近郊の立ち入り禁止区域楢葉町の出身、二人の孫娘を連れて海岸を訪れた。
公式観測によれば、実際この日の空中線量は人体に害があるとされる数値、また多くの国々の自然放射線量よりもはるかに低い。
地元の役所は海水浴をしてもまったく心配ないと発表した。しかし海中の放射線量は明かされなかった。
また地元の環境保護団体が、砂浜から少し離れた茂みで高い線量を計測していることを市の役人も認めている。
ただしその場所を閉鎖する計画はないそうだ。と言っても住民の不安をあっさり否定するつもりもないと言う。
「確かに市は再び海開きを行いましたが、一人一人に自分で判断を行っていただきたいです。そもそも放射能の心配をしている人はここには来ませんし。」そしてそう言う人は本当に多い。
ある旅館の経営者は、原発事故以来予約はわずかになったと悔やむ。「かつて夏は駐車場はいっぱいでしたし、ホテルも宿泊予約で溢れていました。」
しかし事故以来放射能の影響を恐れて数万人が福島県を離れた。
反原発市民運動グループ”原子力情報資料室”の研究者渡辺美紀子は行政の態度を「地域の放射能汚染にも関わらず海開きをしたり、子供達に学校のプールの使用を許可していることは問題です」と批判する。
メルトダウン直後、福島原発の所有者である東電は、約1万1500トンの放射能汚染水を太平洋に廃棄し、当時世界中から非難の声を浴びた。
地元の漁師達も抗議に加わった。彼らのほとんどは現在に至るまで漁業を再開できずにいる。
しかしこの件に関するテレビや新聞の報道は今日皆無に等しい。
市民団体は、役人の言うことを繰り返すだけのマスコミのあまりに無批判な態度を糾弾する。
”子供たちを放射能から守るネットワーク”の中手聖一は、今回の海開きが日本政府とマスコミによる健全な福島のイメージを伝えるためのキャンペーンの一端であると言う。
中手氏のグループは福島の子供達を全員安全な地域に移住させるよう政府に訴え続けてきたが効果はなかった。そこで今度は国際社会に訴えかけるのだ:
「今ここで起こっていることはただ酷いというだけではなく、危険であり、非人間的です!」
(dpa通信)
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