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もうすぐ北風が強くなる

サプリメントのほとんどはでまかせ

 以前に「疑わしいサプリメントの効能と副作用」を掲載しましたが。仙台日赤のの岡山医師がそのブログに効能が疑わしいことのほかに、その宣伝広告によって社会的な論理性の劣化を招いていることも指摘しています。
 バナナ・ダイエットやら納豆やら騒動になるくらいですから、サプリメントのテレビ広告に騙される患者は多いので実感するのでしょう。
 関連「薬の犠牲、薬害を撒き散らす医師」も御覧ください。
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サプリの殆どはでまかせ。やめよう  岡山博氏のブログから

         サプリの殆どはでまかせで無効

サプリメント(健康補助食品)の効能の殆どはでまかせで無効す。
何に効くか、なぜ効くか、感想ではなく本当か、出演者の本当の感想で人に奨めることに責任を持つか、きちんとした説明をせず、少しでも怪しいのは全部でまかせ。
専門家を納得させる根拠や、質問にまじめに応える根拠を持たず、まじめに説明しようともしません。
専門家でなくとも、考えれば分かります。

有効とは言わず、あたかも有効であるかのような表現を使って宣伝して販売しています。

例1「XXX は体にいいのはわかっているけど、毎日摂るのはむずかしい・・・・」
本当に体に良い?どのように?なぜ?根拠は?どの一つでも不明確なら殆どでまかせです。
一部に正しいことを言えばよいのではなく、一つでも嘘があったらその主張は誤りです。
これはサプリに限らず、論理の基本です。

例2.酵素やコラーゲンは何百~何千のアミノ酸が結合した大きな蛋白です。
蛋白は飲んでも蛋白のままでは大きくて吸収されません。
アミノ酸まで消化されてはじめて吸収されます。
蛋白はアミノ酸に分解されたら蛋白の性質はなくなります。
アミノ酸は20数種しかなくどの蛋白にも含まれているから、肉・卵・魚・牛乳からアミノ酸(蛋白)を摂るのと同じことです。
肉を食べたらそのアミノ酸が肉に、コラーゲン(スジ肉の主成分)を食べたらコラーゲンになるわけではありません。

大豆の蛋白を食べても体内で大豆の蛋白が出来ないことと同じです。
同じ種類のアミノ酸であれば、元の食品が何であっても全く同じで違いはありません。

それぞれの蛋白はどのアミノ酸を多く含むかは決まっていますが、全体を平均すれば同じです。

老化して皮膚のコラーゲンが減るのは材料不足が原因ではなく、作る能力の不足なので、材料を余計に食べても意味がありません。
皮膚に塗っても吸収しません。

吸収しやすいように「小さなペプチド」にしたらコラーゲンではなくなります。

コラーゲンを仮に外から皮膚に入れたとしても皮膚の構造にはならず異物になるだけです。

アミノ酸は蛋白の材料・栄養として大切です。塩も脂肪も水も大切なのと同じです。

それぞれのアミノ酸は材料として他のアミノ酸の代わりにはなれませんから、20数種のアミノ酸を全て摂るのが望ましいですが必須アミノ酸以外は、不足すると、他の栄養を使って体の中で作ることも出来ます。
牛乳や卵は全てのアミノ酸を含む蛋白食品という点ではほぼ完璧です。

アミノ酸には蛋白の材料になる以外の役割もあります。
だからそれぞれのアミノ酸の1種類だけをとりあげて、重要性を言うことはできます。

しかし普通に蛋白を摂っていれば食物の中に全てのアミノ酸が十分含まれています。
だからあるアミノ酸を特別工業的に作って、薬のように準備して余分に取る理由はありません。

20数種類のアミノ酸の1つを工業的に別々に作って、おいしくもないのに金を出して摂るべきものではありません。
アミノ酸やビタミン、微量元素などは、食品の一部で普通に食品に含まれています。

飢餓に苦しむアフリカの子どもに与えたら絶大な価値がありますが、サプリを買う余裕がある日本人なら、通常食物から十分に摂っています。

走るためにはエネルギー(カロリー)が必要だと言って80歳の人に余分に栄養を与えても20歳の人のように走ることはできません。
普通に食事している老人に、余分にカロリーを摂らせても、その分早く走ることも、心臓を強くすることも出来ません。
それと似ています。

食品以外のサプリは、薬理効果を狙っているので、さらに殆どはでまかせです。

例3.伝統的治療法には、3000年の昔から「血行をよくする」というものが多いです。
昔はそのときの全知識を使って良く観察、考え推測して結論を出したのでそれで悪くない。
しかし現在は血流であれば、20年以上前から簡単に測れるようになっています。
測定もせずにでまかせを言って根拠にしています。検査し測って確認して言うべきです。
測定したら殆どは血流増加がないことが分かります。

もしどこかの血流が増えれば、心臓から血液の拍出量が増えて心臓の負担を増やしたり、その分他の臓器の血流が減るかですが、どう考えるか私が知る限り、説明をしているものはありません。

         サプリメントを宣伝し販売することの問題

サプリメントに関して考えるべきことは、新興宗教に対する注意と共通しています。
不安に付け込み欺いて儲ける。

薬理効果はないから「個人の感想」を紹介して宣伝しています。
以前は薬事法その他でこのような宣伝は禁止されていました。
「個人の感想を言うのは自由だ」といって「規制緩和」しました。

効果がありえない事を、個人の感想として有効であるかのように欺く宣伝が氾濫しています。
出演者が「サプリで効果あった。よくなった。個人として人に薦めたい」というなら、企業から金をもらわず、自費で放映料を払って発言すべきです。

企業の代弁ではなく個人意見であるなら、個人で内容に責任持つべきです。

自分の考えとして言っているのか、台本どおりに言っているのかをはっきりすべきです。
不特定多数に対して発言するなら、その覚悟と自覚を持って言うべきです。

台本によってではなく個人として、無効なのに有効と説明して金を得れば、首謀は官僚と企業ですが、出演者も詐欺で共犯です。

台本に沿っての発言であれば、個人の感想ではなくなるので、放送や紙面に載せて宣伝するのは法律違反です。

          人と社会の健全性をを害する

無効なサプリの無責任宣伝は、以下の害悪を社会にもたらしています。

有効でないのにサプリを使えば、経済的に浪費であると共に、論理的に判断する姿勢と能力、人としての自覚・覚悟・知性を劣化させるという意味でも有害です。

でまかせや嘘を言って儲ける人が批判されず、逆に幅をきかす社会は、まじめな人や、信頼や誠実を無視・軽視する嘘・恫喝・暴力が力を持つ不健全な弱肉強食社会の基盤になります。

最近は製薬会社も、意味のないサプリを販売するようになりました。

製薬会社は、蛋白のままでは吸収されないことや、特定のアミノ酸が不足していないこと、その他有効性を疑わせるたくさんのことを知っているのに、有効と証明もせずに有効であるかのような宣伝をして販売しています。

「人=社会と消費者を偽る」という一線を越えた製薬会社が、製薬事業をするようになりました。
体への作用を偽って商品を売る製薬会社が、医療にとって不可欠の製薬事業をして良いだろうか?

このような意味でも、サプリ氾濫は医療と社会のまともさ、誠実・健全を損なっています。

厚生労働省が絡んでいることも国の行政の健全性が損なわれている結果でもあり、健全性を阻害する原因にもなっています。

サプリを買う人が、健康対策、医療費のように考えて出費している現状は、まともな医療を破壊します。

無効なサプリの無責任宣伝は、以下の害悪を社会にもたらします。

1.莫大な浪費。日本の医療費は年間30兆円です。
病院や診療所の医師・看護師、検査技師、リハビリ技師、栄養士・事務職員の人件費や、病院施設の建設維持費用、薬剤費、検査費用、入院費用全部合わせて30兆円です。低く設定された医療費(病院収入)の為多くの病院と職員が疲弊しています。
サプリで国民が使うお金は年間15兆円。まともな医療費に回すべきです。

2.人を欺く宣伝氾濫と詐欺的儲けを容認しているために、人と社会の健全性を破壊しています。
サプリを使うことが、空気に流されて論理的に考え判断する能力と自覚を阻害しています。
製薬会社やサプリ企業は、サプリを売るために道義性と責任感を放棄しました。
そのような会社は社内で、社員が、会社の道義性を話題にすることは困難になっていると思います。。

この10年、日本の人と社会の劣化が著しいです。

サプリの氾濫は、健全な医療にかかる費用を抑えたまま、浪費をして、日本人と日本社会を劣化させている一因になっています。
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コメント

 まあ、昔から、生老病死をネタにして(人を不安にさせ)、銭を儲ける事は、ヤクザ物のする事と相場は決まっていた訳でして・・・。

Re:

コメントをありがとうございます。
サプリメント、化粧品いずれもボロ儲けの世界ですね。医薬品のように開発費さえかからない。
もっとボロ儲けは保険業界かも知れませんが。

 ホメオターシスとは恒常性。生物においてその内部環境を一定の状態に保つ働きのこと。
 恒常性は、体温や血圧、体液の浸透圧やpHなどをはじめ病原微生物やウイルスといった異物(非自己)の排除、創傷の修復など生体機能全般に及ぶ。これらが変化したとき、それを元に戻そうとする作用。

 ほっとけば治る、(治らなきゃあきらめる)、栄養なども少しくらいなら不足してもホメオターシスが頑張って、クリアーしてくれる。だから砂漠でも人は生きることができるって訊いたことがある。下手にサプリに依存するとホメオターシスが混乱しないかと個人的に心配。でも、人に向かって言うだけの自信もないのですが・・

 「スーパーコンピューター 京」 よりも優れた「スーパーコンピュター 大自然」が人体をコントロールしてる。と。思っています。
 

Re: タイトルなし

私の若い頃からホメオスタシスの概念はあったようですが、医学的には「だからどうなの」といった扱いだったようです。
近年になって、人間の身体がヒトと言う一個の生物ではなく、ミトコンドリアのような細胞内の異種も含めて非常に膨大な菌類あるいは微生物の集合体として、恒常性維持の機能を発揮していることが明らかになるにつれて、病院内でもホメオスタシスは日常語になってきたのだと思います。
つれて、高血圧と塩分摂取、高脂血とコレステロール摂取など、実際にはそんな強い相関的な原因ではないことが明らかになって来ました。
肝臓だけではなく、生体の様々な部分で有機分子結合の変換が行われ、この過程に異種の微生物が多く関係していること。抗生物質の乱用弊害から判明したものも多いようですが。
まあ、貧血に鉄剤が効くなどというのはかなり早くに淘汰されたようですね。

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