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LIBORの談合不正、国際金融の虚構

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 イングランド銀行

 世界の金利目安となるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)談合により不正操作されていた事件は、当然と言えば当然ありうる談合だが、こう赤裸々になったことで国際金融と言うものが虚構の管理であって、不正の利得であることを世界に知らしめてしまった。

 欧米も日本もエコノミストはほとんどが「知らないふり」で切り抜けようとしている。
 だが、もともと「ロンドン銀行間取引金利」が公正で適正だなどと信じさせていた御用エコノミストにも責任はあるのだ。
 市場原理は常に不正と腐敗の温床である。
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  LIBOR事件の不気味な深淵 虚構の国際金融  8/2 田村秀男

 事は重大すぎる。現代金融が虚構に過ぎないことを示すからだ。そこで、どこまで書こうか、書くべきか。
 米英の経済ジャーナリストは迷っているに違いない。ならば、真相は日本の拙論が解き明かそう。

 今、ロンドン発で世界を騒然とさせているのは五輪ばかりではない。「LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)」不正操作事件だ。
 LIBORとは世界の標準金利で、一般には耳慣れない金融用語だが、事件の深淵は底知れない不気味さがある。

 ■デリバティブ膨張

 グローバル金融全盛の現代では、デリバティブ(金融派生商品)が宇宙規模にまで膨張している。
 デリバティブとは、現物、つまり既存の金融商品やモノの市場価格の変動により想定されるあらゆるリスクを仮想金融商品として仕立てたもので、コンピューター空間でいくらでも創出できるし、ものすごい勢いで増殖する。

 例えば、将来の特定の期日の為替相場や商品相場の受渡価格を決めて取引する「先物」やその売り買いの権利だけを取引する「オプション」、変動金利の契約を固定金利契約と交換する「金利スワップ」が代表的なデリバティブである。
 売り手は国債など債務証券の焦げ付きリスクを引き受ける代わりに、手数料をもらう「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」と呼ばれるデリバティブもある。
 各種の住宅ローンの金利部分を切り取って他の金融商品と合成して金融商品として売り出した証券化商品も文字通り派生商品である。

 2008年9月のリーマン・ショックはデリバティブ市場が舞台になった。
 にもかかわらず、デリバティブ市場はリーマン危機から立ち直り、銀行のデリバティブ契約規模は2011年末で約650兆ドルに上る。
 このうち金利関連が500兆ドル以上で、円換算すると4京円(4兆円の1万倍)に上る。
 金利が極めて微小、例えば0.01%変動するだけで、金融機関のデリバティブ取引は4兆円の利益または損失が発生する

 ドルのLIBORの場合、18の銀行が申告し、このうち中間値に近い10行の平均値をとる。
 LIBORメンバーの銀行が申告値を実勢値よりも0.1%ごまかすとしよう。
 10行平均に直すと0.01%に薄まり、通常の変動範囲内に楽々とおさまり虚偽は発覚しにくい。容疑のように英バークレイズなど大手銀行複数が談合すれば、操作は完璧だ。

 金融当局は監視どころか、逆に金利操作を黙認したり、催促する場合も十分ありうる。
 現に、中央銀行のイングランド銀行幹部がバークレイズなどに不正申告を教唆したと、バークレイズ元幹部は暴露した。
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 ■NY連銀も認識か

 英金融当局にとどまらない。ロイター通信によれば、米ニューヨーク連銀が07年8月ごろ、LIBORなど世界の基準金利が操作されている事実を認識していた可能性がある。
 バークレイズは、LIBORの問題をめぐり米連邦準備制度理事会(FRB)当局者と最初に接触したのは07年8月28日だと明らかにしている。
 当時ニューヨーク連銀総裁を務めていたガイトナー財務長官の行動記録で、28日午後2時半から3時まで、「LIBOR操作」問題について会合が開かれた。会合には少なくとも8人のFRB当局者が出席していた。
 バークレイズはLIBORについて、08年10月までに10回にわたりFRB当局者と接触した。

 ここでグラフを見てほしい。07年8月は米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライム・ローン)バブルが破裂し、ドルの市場金利が急騰し始めていた。
 FRBはニューヨーク連銀を通して市場に資金供給し、市場金利の誘導目標(フェデラル・ファンド=FF)金利の引き下げを繰り返したが、市場金利の標準であるLIBORは逆に上昇する具合だった。
 高いLIBORで資金調達せざるをえない銀行や証券会社は信用力が乏しいと判定され、資金調達できずに経営破綻する。
 すると、金融市場では借り手が破綻すると貸し手が信用を失う負の連鎖反応が起き、金融恐慌に発展しかねない。
 08年3月には米証券大手ベア・スターンズが破綻し、08年9月のリーマン・ショックへと続く。

 グラフ中のFF金利とLIBOR金利の差が危機の程度を反映している。
 FRBとしては、英米の大手銀行による談合を黙認してまでも、LIBOR金利を引き下げるよう「指導」することが、金融市場崩壊を防ぐうえで優先すると判断したのではなかろうか。
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