消費増税に議員の76%が加担した怖さ
2012-07-10
宙に浮いた考え方とかではなく、ものごとの利害関係をきちんと判断することが民主制度の前提である。
つまり、情緒的な感情論でも、特定の社会思想や宗教信条ではなく、現在の日本ならば圧倒的な多数を占める勤労者階層が(短期または長期に)利益を受けるか、不利益を受けるかの問題で是非が判断される。
消費増税は輸出大企業の幹部と株主(国民の1%)が利益を受けて、国民の大多数(99%?)が不利益を受けることは疑いない。
つまり、勤労者、中小零細業者、農林漁業者が収奪強化され、その分が輸出大企業幹部などへ再配分される結果となる。
消費増税とはこうした代物である。
増税法案可決で反対した少数の議員に期待したいが、実に衝撃的な事実はこのほぼ全国民に不利益を及ぼす法案に363人もの議員が賛成したという事実である。
衆議院議員数の76%である。
仮に欧米のように党議拘束など無く、マスコミ総出の増税圧力なども無く、議員一人ひとりが自己の判断で是非を決めるなら、圧倒的な多数の反対で、最初から提案さえできないのが自然である。
いくら民・自・公の三党談合とはいえ、この国民との乖離は恐ろしい事実である。
これだけ国民と乖離し、政権交代の公約を反故にする議決に、76%とは。
これは与野党談合と党議拘束、マスコミ圧力などが揃えば、まったく国民の意思を無視して憲法改正さえ自由自在であることを示す。
選挙での国民の意思も現在の国民大多数の利害も、まったく無関係に政策実行が可能なことを示しており、この民主制度が何も機能していない、叩き潰されたということだ。
恐ろしい状態である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
消費増税法案可決の本当の怖さ 6/27 闇株新聞から
本日(6月26日)午後、消費増税法案が衆議院本会議で可決されました。
注目された民主党議員の反対は小沢グループを中心として57人となりましたが、それよりも衆議院議員総数478人(議長と欠員1人を除く)のうち75.9%に相当する363人もが賛成したという「国民感覚から大きく遊離した立法府」の不気味さです。
つまり「立法府である国会が、いつの間にか主権者である国民から全く遊離して制御不能」となっているのです。これは民主主義国家ではありません。
これは決して自慢するために書くのではないのですが、4月2日付け「たくさんある重大事件それぞれの行方 その2」の中ほどに以下のように書きました。
結局は「政治家は言い訳だけできるようにしてやれば、最終的には保身を図り反対しない」ことを「官僚組織」に見透かされているのです。(中略)最終的に増税法案は「意味のほとんどない修正(これが政治家の言い訳になります)」だけ加えて国会で可決されてしまうことを意味します。もちろん解散もありません。
正直に言うとこの時点でも、まさか自民党と公明党まで含む363人もが賛成するとは思っておらず、ましては「意味のない修正」すらなしで可決されてしまうとも思っていませんでした。つまり社会保障改革を棚上げして政治改革・公務員改革も全く伴わず、文字通り「消費税率の引き上げだけ」を可決してしまったのです。
まさに「最終的に勝(栄二郎)さんの思惑通りに進んだ(週刊現代)」のです。
昨日その週刊現代の記事を引用したことについて「財務省が抗議する品格の雑誌ではないため、もう少し格上のメディアの記事を引用したらどうか」とのコメントを頂きました。
「マスコミの品格」とは、「信頼できる情報源から取材しているのか?」あるいは「取材対象(財務省)のなかでほぼ平均的な意見なのか?」だと思うのですが、本誌が理解している「財務省の体質」を見事に表した記事だったので引用させてもらいました。
つまり本誌の言葉で書いたとしても「似たような内容になっていた」はずです。
本誌は一貫して「官僚組織が支配する弊害」について実例をあげて書いてきました。そして「官僚組織」の強さとは、701年の大宝律令以来1300年以上にわたって「時の権力者」を裏から操って生き残り、その間に張り巡らせた利権を含む支配構造は、時の政権が「どうこう」出来るレベルではないのです。
確かに「官僚組織」の中では省庁間の暗闘があるのですが、対国民(政治家を含む)では「OBを含むオール官僚組織」は見事に団結して大変な力を発揮するのです。
その原型を作ったのが藤原不比等です。昨年5月16日付け「書き換えられた歴史・藤原氏の正体 その1」、5月17日付け「同、その2」、5月18日付け「同、その3」に書いてあります。
そして、日本の歴史の節目には「傑物官僚」が暗躍した形跡がはっきりと残るのです。詳しくは別の機会に書きますが、明治維新の中心にいたのは岩倉具視です。下級公家の出なのですが「広義には官僚」です。明治維新を推進したのは坂本竜馬でも勝海舟(勝栄二郎とは関係ないようです)でもありません。
言いたいことは「日本の仕組みを(もちろん官僚組織のために)変えてしまう傑物官僚が歴史上ちょくちょく現れている」ことと、今回の消費増税を(官僚組織にとって)何の犠牲も払わずに強行してしまった勝栄二郎は、ひょっとして藤原不比等や岩倉具視クラスの「傑物官僚」かもしれないことです。
能力はともかくとして、間違いなくその野心は持っているような気がします。
あと1年間、財務省だけでなく全官僚組織を率いて、万全のマスコミ対策を行い、向こう100年間(1300年とは言いませんが)持続する官僚支配の仕組みの強化を行ってしまうのではないかと心配しているのです。
財務省だけでなく官僚組織とは「傑物官僚」がでてくると余計に団結して「大きな目標」に向かうもののようです。「あんな優秀な事務次官に出会えて幸せ(週刊現代)」なのです。
これが創刊以来一貫して「官僚組織」について考えてきた本誌が、本日の消費増税の可決をみて感じた「正直な実感」なのです。
つまり、情緒的な感情論でも、特定の社会思想や宗教信条ではなく、現在の日本ならば圧倒的な多数を占める勤労者階層が(短期または長期に)利益を受けるか、不利益を受けるかの問題で是非が判断される。
消費増税は輸出大企業の幹部と株主(国民の1%)が利益を受けて、国民の大多数(99%?)が不利益を受けることは疑いない。
つまり、勤労者、中小零細業者、農林漁業者が収奪強化され、その分が輸出大企業幹部などへ再配分される結果となる。
消費増税とはこうした代物である。
増税法案可決で反対した少数の議員に期待したいが、実に衝撃的な事実はこのほぼ全国民に不利益を及ぼす法案に363人もの議員が賛成したという事実である。
衆議院議員数の76%である。
仮に欧米のように党議拘束など無く、マスコミ総出の増税圧力なども無く、議員一人ひとりが自己の判断で是非を決めるなら、圧倒的な多数の反対で、最初から提案さえできないのが自然である。
いくら民・自・公の三党談合とはいえ、この国民との乖離は恐ろしい事実である。
これだけ国民と乖離し、政権交代の公約を反故にする議決に、76%とは。
これは与野党談合と党議拘束、マスコミ圧力などが揃えば、まったく国民の意思を無視して憲法改正さえ自由自在であることを示す。
選挙での国民の意思も現在の国民大多数の利害も、まったく無関係に政策実行が可能なことを示しており、この民主制度が何も機能していない、叩き潰されたということだ。
恐ろしい状態である。
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消費増税法案可決の本当の怖さ 6/27 闇株新聞から
本日(6月26日)午後、消費増税法案が衆議院本会議で可決されました。
注目された民主党議員の反対は小沢グループを中心として57人となりましたが、それよりも衆議院議員総数478人(議長と欠員1人を除く)のうち75.9%に相当する363人もが賛成したという「国民感覚から大きく遊離した立法府」の不気味さです。
つまり「立法府である国会が、いつの間にか主権者である国民から全く遊離して制御不能」となっているのです。これは民主主義国家ではありません。
これは決して自慢するために書くのではないのですが、4月2日付け「たくさんある重大事件それぞれの行方 その2」の中ほどに以下のように書きました。
結局は「政治家は言い訳だけできるようにしてやれば、最終的には保身を図り反対しない」ことを「官僚組織」に見透かされているのです。(中略)最終的に増税法案は「意味のほとんどない修正(これが政治家の言い訳になります)」だけ加えて国会で可決されてしまうことを意味します。もちろん解散もありません。
正直に言うとこの時点でも、まさか自民党と公明党まで含む363人もが賛成するとは思っておらず、ましては「意味のない修正」すらなしで可決されてしまうとも思っていませんでした。つまり社会保障改革を棚上げして政治改革・公務員改革も全く伴わず、文字通り「消費税率の引き上げだけ」を可決してしまったのです。
まさに「最終的に勝(栄二郎)さんの思惑通りに進んだ(週刊現代)」のです。
昨日その週刊現代の記事を引用したことについて「財務省が抗議する品格の雑誌ではないため、もう少し格上のメディアの記事を引用したらどうか」とのコメントを頂きました。
「マスコミの品格」とは、「信頼できる情報源から取材しているのか?」あるいは「取材対象(財務省)のなかでほぼ平均的な意見なのか?」だと思うのですが、本誌が理解している「財務省の体質」を見事に表した記事だったので引用させてもらいました。
つまり本誌の言葉で書いたとしても「似たような内容になっていた」はずです。
本誌は一貫して「官僚組織が支配する弊害」について実例をあげて書いてきました。そして「官僚組織」の強さとは、701年の大宝律令以来1300年以上にわたって「時の権力者」を裏から操って生き残り、その間に張り巡らせた利権を含む支配構造は、時の政権が「どうこう」出来るレベルではないのです。
確かに「官僚組織」の中では省庁間の暗闘があるのですが、対国民(政治家を含む)では「OBを含むオール官僚組織」は見事に団結して大変な力を発揮するのです。
その原型を作ったのが藤原不比等です。昨年5月16日付け「書き換えられた歴史・藤原氏の正体 その1」、5月17日付け「同、その2」、5月18日付け「同、その3」に書いてあります。
そして、日本の歴史の節目には「傑物官僚」が暗躍した形跡がはっきりと残るのです。詳しくは別の機会に書きますが、明治維新の中心にいたのは岩倉具視です。下級公家の出なのですが「広義には官僚」です。明治維新を推進したのは坂本竜馬でも勝海舟(勝栄二郎とは関係ないようです)でもありません。
言いたいことは「日本の仕組みを(もちろん官僚組織のために)変えてしまう傑物官僚が歴史上ちょくちょく現れている」ことと、今回の消費増税を(官僚組織にとって)何の犠牲も払わずに強行してしまった勝栄二郎は、ひょっとして藤原不比等や岩倉具視クラスの「傑物官僚」かもしれないことです。
能力はともかくとして、間違いなくその野心は持っているような気がします。
あと1年間、財務省だけでなく全官僚組織を率いて、万全のマスコミ対策を行い、向こう100年間(1300年とは言いませんが)持続する官僚支配の仕組みの強化を行ってしまうのではないかと心配しているのです。
財務省だけでなく官僚組織とは「傑物官僚」がでてくると余計に団結して「大きな目標」に向かうもののようです。「あんな優秀な事務次官に出会えて幸せ(週刊現代)」なのです。
これが創刊以来一貫して「官僚組織」について考えてきた本誌が、本日の消費増税の可決をみて感じた「正直な実感」なのです。
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