国会事故調報告の批判に馬耳東風の政府、鉄槌を
2012-07-09
「国会事故調報告」について報道を紹介しましたが、黒川委員長の報告の中で、日本の社会組織に特有の欠陥が指摘されていたことが明らかになった。
英語版で表明されてされていた項目で、日本語版にも追記すると言う。
内容は明治以来の依存的で集団的なマニュアル・ロボット教育の弊害として、従来からも批判されてきた体質である。
自立した判断思考が弱く、出る杭が打たれやすく、集団同調圧力が強い代わりに責任感と実行力が弱いことなどの日本の官僚機構や大手老舗企業によく見られる特徴である。
「誰も責任を負わず、逃げまわる」体質は、原子力のような絶対的な安全対応を求められる運営では、致命的な惨事をもたらす、ということである。
原発を推進し、見ざる、聞かざる、米国の指示のみ行動する「馬耳東風」政府への批判でもある。
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日米両体験者・黒川国会事故調委員長の批判に馬耳東風の既得権益者:われら国民は次期総選挙で鉄槌を下そう 7/8 山本尚利氏から
1.東電福島原発事故の事故調・黒川委員長、英語で本音をポロリ
2012年7月6日、国会事故調査委員会(注1)の黒川清氏が日本外国特派員協会で記者会見しましたが、ここで話題となったのは、黒川氏の序文に関して、日本語版と英語版で異なる箇所があった点でした(注2)。
問題の個所は英語版要約書序文の“What must be admitted – very painfully – is that this was a disaster “Made in Japan.”Its fundamental causes are to be found in the ingrained conventions of Japanese culture: our reflexive obedience; our reluctance to question authority; our devotion to ‘sticking with the program’; our groupism; and our insularity.”
黒川氏は事故をもたらした背景に日本文化があると指摘しています。そして、5つの要素を列記しています。
(1)反射的・盲目的な従属(従属至上主義)
(2)権威を疑問視することに消極的(権威依存主義)
(3)決まった計画に固執する(計画・前例踏襲主義)
(4)集団主義
(5)島国根性
本件について日本語版では書かれていません。
2.黒川委員長の真意とは
黒川委員長の個人的結論を要約すると、今回の事故は“メイド・イン・ジャパンの人災”ということになります。ということは、言外で、東電福島原発を米国など日本以外の国(先進国)の専門家が管理運転していたら、3.11地震・津波に襲われてもここまでの大被害は起きなかったのではないかと示唆しているわけです。
同氏の個人的意見を日本語で公開すると物議をかもすので、あえて、英語版のみに本音をしのばせたと思われます。
黒川氏の認識は有名な『失敗の本質』(注3)の分析を彷彿とさせます。
3.なぜ、黒川氏はあえて、東電福島原発事故原因に文化論を持ち出したのか
黒川氏(注4)は医学博士号を持ち、かつてはUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の医学部教授であり、帰国後、東大医学部教授になり、その後、東海大に転出しています。
筆者がかつて東大医学部関係者から聞いたところによれば、東大医学部教授時代、黒川氏は日米比較の観点から、東大医学部体質に極めて批判的だったそうです。
そのためか、黒川氏は国際腎臓学会の理事長を務めるほどの国際派東大医学部教授だったにもかかわらず、非常に権威ある東大医学部長に選ばれていません。
黒川氏の過去著作からわかるのは、同氏は米国組織で厳しい競争でもまれ、勝ち抜いてきた経験に踏まえ、帰国後、日本組織の因習や文化を徹底批判して、その改革を訴えてきた人物である点です。
黒川氏は基本的にはUCLA医学部と東大医学部の両体験者(日本では希少な存在)ですから、医学研究の観点から日本組織のもつ固有な文化に我慢ならなかったと思われます。
筆者も典型的日本型組織IHIで16年、米国シンクタンクSRIインターナショナルで16年半を経験し、日米組織の両体験者ですから、黒川氏の持論に強い関心を持ってきました。
その意味で、今回の黒川氏の上記指摘はそれなりに理解できます。
ところで、黒川氏も筆者も、2001年、9.11事件前の古き良き時代の世界覇権国・米国の組織文化体験者ですが、日本文化批判する際に、それを米国文化と比較する場合、9.11事件後の米国文化に関しては黒川氏のもつ模範的な米国文化イメージとは大きく異なって、今は悪化していると思います。
4.日本人が日本人を文化論で批判すると反感を持たれる
黒川氏は日本人が日本人または日本組織を文化論で批判すると日本では反感を持たれることを知っていたのでしょう。しかしながら、東電福島原発事故の“失敗の本質”がそこにあることは何とか言っておきたかったわけです。
そこで、日本国民に気を使って、日本語版でカットして、英語版のみで述べたため、逆に、この部分のみが脚光を浴びて目立ってしまったと言えます。
黒川氏の指摘は、野口悠紀雄氏の持論“1940年体制”とよく似ています(注5)。
両者、言いたいことは類似していると思いますが、野口氏は日本組織や日本の体制の問題を文化論で説明するのを嫌っています。
なぜなら、文化論で説明すると解決策がなくなるからです。確かに日本人の文化や価値観はそう簡単には変えられません。
この手の問題は、われら日本国民にとって頭ではわかっても身体がついてこないというか、行動が伴わないのです。だから結局変われないのです。
その証拠に、70年前の日米大西洋戦争時代と現在で、日本の実質的な官僚主導体制はまったく変わっていません。
5.悪徳ペンタゴン勢力は1940年体制をさらに強化している
本ブログのメインテーマは悪徳ペンタゴンおよび悪徳ペンタゴン体制です。
なお、上記、悪徳ペンタゴンを構成する日本人勢力およびその黒幕・米国戦争屋の定義は本ブログのNo.576の注記をご覧ください。
2009年、画期的な脱・悪徳ペンタゴン体制の実現に向けて小沢・鳩山政権が誕生しましたが、この3年、1940年体制を死守する悪徳ペンタゴンの猛攻撃によって、小沢・鳩山政権は打ち砕かれ、その結果、逆に、今では、悪徳ペンタゴン体制がさらに悪い方向に強化されてしまいました。
この体制の延長線上にて、日本で利権集団化している原子力マフィアがいまだ、弱体化せず、国民意思に逆らって、老朽原発再稼働を強行しています。
上記の黒川レポートなどは馬耳東風、まったく無視されています。
このところ、毎週金曜日夕方、官邸・霞が関を包囲する無辜の国民の抗議が収まる様子はありません。
われら国民はステルス化する悪徳ペンタゴンや国民の味方の振りをする悪質な悪徳ペンタゴンをきっちり識別する眼力を身に付けましょう。
そのためにはマスコミ報道ではなく、ネットから情報を取るのが有効です。
そして、次期総選挙では、われら国民は悪徳ペンタゴンの駆逐に向けて再度、挑戦し、悪徳ペンタゴンの増長を断固、阻止すべきです。
注1:国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会
http://www.naiic.jp/
注2:朝日新聞“原発事故はメイド・イン・ジャパン 日本語版にも明記へ”2012年7月7日
http://www.asahi.com/politics/update/0707/TKY201207070003.html
注3:失敗の本質
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%B1%E6%95%97%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%B3%AA
注4:黒川清
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E5%B7%9D%E6%B8%85
注5:ベンチャー革命 No.132『1940年体制からの決別』2002年12月22日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr032.htm
英語版で表明されてされていた項目で、日本語版にも追記すると言う。
内容は明治以来の依存的で集団的なマニュアル・ロボット教育の弊害として、従来からも批判されてきた体質である。
自立した判断思考が弱く、出る杭が打たれやすく、集団同調圧力が強い代わりに責任感と実行力が弱いことなどの日本の官僚機構や大手老舗企業によく見られる特徴である。
「誰も責任を負わず、逃げまわる」体質は、原子力のような絶対的な安全対応を求められる運営では、致命的な惨事をもたらす、ということである。
原発を推進し、見ざる、聞かざる、米国の指示のみ行動する「馬耳東風」政府への批判でもある。
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日米両体験者・黒川国会事故調委員長の批判に馬耳東風の既得権益者:われら国民は次期総選挙で鉄槌を下そう 7/8 山本尚利氏から
1.東電福島原発事故の事故調・黒川委員長、英語で本音をポロリ
2012年7月6日、国会事故調査委員会(注1)の黒川清氏が日本外国特派員協会で記者会見しましたが、ここで話題となったのは、黒川氏の序文に関して、日本語版と英語版で異なる箇所があった点でした(注2)。
問題の個所は英語版要約書序文の“What must be admitted – very painfully – is that this was a disaster “Made in Japan.”Its fundamental causes are to be found in the ingrained conventions of Japanese culture: our reflexive obedience; our reluctance to question authority; our devotion to ‘sticking with the program’; our groupism; and our insularity.”
黒川氏は事故をもたらした背景に日本文化があると指摘しています。そして、5つの要素を列記しています。
(1)反射的・盲目的な従属(従属至上主義)
(2)権威を疑問視することに消極的(権威依存主義)
(3)決まった計画に固執する(計画・前例踏襲主義)
(4)集団主義
(5)島国根性
本件について日本語版では書かれていません。
2.黒川委員長の真意とは
黒川委員長の個人的結論を要約すると、今回の事故は“メイド・イン・ジャパンの人災”ということになります。ということは、言外で、東電福島原発を米国など日本以外の国(先進国)の専門家が管理運転していたら、3.11地震・津波に襲われてもここまでの大被害は起きなかったのではないかと示唆しているわけです。
同氏の個人的意見を日本語で公開すると物議をかもすので、あえて、英語版のみに本音をしのばせたと思われます。
黒川氏の認識は有名な『失敗の本質』(注3)の分析を彷彿とさせます。
3.なぜ、黒川氏はあえて、東電福島原発事故原因に文化論を持ち出したのか
黒川氏(注4)は医学博士号を持ち、かつてはUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の医学部教授であり、帰国後、東大医学部教授になり、その後、東海大に転出しています。
筆者がかつて東大医学部関係者から聞いたところによれば、東大医学部教授時代、黒川氏は日米比較の観点から、東大医学部体質に極めて批判的だったそうです。
そのためか、黒川氏は国際腎臓学会の理事長を務めるほどの国際派東大医学部教授だったにもかかわらず、非常に権威ある東大医学部長に選ばれていません。
黒川氏の過去著作からわかるのは、同氏は米国組織で厳しい競争でもまれ、勝ち抜いてきた経験に踏まえ、帰国後、日本組織の因習や文化を徹底批判して、その改革を訴えてきた人物である点です。
黒川氏は基本的にはUCLA医学部と東大医学部の両体験者(日本では希少な存在)ですから、医学研究の観点から日本組織のもつ固有な文化に我慢ならなかったと思われます。
筆者も典型的日本型組織IHIで16年、米国シンクタンクSRIインターナショナルで16年半を経験し、日米組織の両体験者ですから、黒川氏の持論に強い関心を持ってきました。
その意味で、今回の黒川氏の上記指摘はそれなりに理解できます。
ところで、黒川氏も筆者も、2001年、9.11事件前の古き良き時代の世界覇権国・米国の組織文化体験者ですが、日本文化批判する際に、それを米国文化と比較する場合、9.11事件後の米国文化に関しては黒川氏のもつ模範的な米国文化イメージとは大きく異なって、今は悪化していると思います。
4.日本人が日本人を文化論で批判すると反感を持たれる
黒川氏は日本人が日本人または日本組織を文化論で批判すると日本では反感を持たれることを知っていたのでしょう。しかしながら、東電福島原発事故の“失敗の本質”がそこにあることは何とか言っておきたかったわけです。
そこで、日本国民に気を使って、日本語版でカットして、英語版のみで述べたため、逆に、この部分のみが脚光を浴びて目立ってしまったと言えます。
黒川氏の指摘は、野口悠紀雄氏の持論“1940年体制”とよく似ています(注5)。
両者、言いたいことは類似していると思いますが、野口氏は日本組織や日本の体制の問題を文化論で説明するのを嫌っています。
なぜなら、文化論で説明すると解決策がなくなるからです。確かに日本人の文化や価値観はそう簡単には変えられません。
この手の問題は、われら日本国民にとって頭ではわかっても身体がついてこないというか、行動が伴わないのです。だから結局変われないのです。
その証拠に、70年前の日米大西洋戦争時代と現在で、日本の実質的な官僚主導体制はまったく変わっていません。
5.悪徳ペンタゴン勢力は1940年体制をさらに強化している
本ブログのメインテーマは悪徳ペンタゴンおよび悪徳ペンタゴン体制です。
なお、上記、悪徳ペンタゴンを構成する日本人勢力およびその黒幕・米国戦争屋の定義は本ブログのNo.576の注記をご覧ください。
2009年、画期的な脱・悪徳ペンタゴン体制の実現に向けて小沢・鳩山政権が誕生しましたが、この3年、1940年体制を死守する悪徳ペンタゴンの猛攻撃によって、小沢・鳩山政権は打ち砕かれ、その結果、逆に、今では、悪徳ペンタゴン体制がさらに悪い方向に強化されてしまいました。
この体制の延長線上にて、日本で利権集団化している原子力マフィアがいまだ、弱体化せず、国民意思に逆らって、老朽原発再稼働を強行しています。
上記の黒川レポートなどは馬耳東風、まったく無視されています。
このところ、毎週金曜日夕方、官邸・霞が関を包囲する無辜の国民の抗議が収まる様子はありません。
われら国民はステルス化する悪徳ペンタゴンや国民の味方の振りをする悪質な悪徳ペンタゴンをきっちり識別する眼力を身に付けましょう。
そのためにはマスコミ報道ではなく、ネットから情報を取るのが有効です。
そして、次期総選挙では、われら国民は悪徳ペンタゴンの駆逐に向けて再度、挑戦し、悪徳ペンタゴンの増長を断固、阻止すべきです。
注1:国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会
http://www.naiic.jp/
注2:朝日新聞“原発事故はメイド・イン・ジャパン 日本語版にも明記へ”2012年7月7日
http://www.asahi.com/politics/update/0707/TKY201207070003.html
注3:失敗の本質
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%B1%E6%95%97%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%B3%AA
注4:黒川清
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E5%B7%9D%E6%B8%85
注5:ベンチャー革命 No.132『1940年体制からの決別』2002年12月22日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr032.htm
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