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欠陥オスプレイ受入れを要請する、米軍使い走り

 6月30日。 日本の防衛大臣なる人物が沖縄を訪れて、欠陥オスプレイの受け入れを要請した。
 破廉恥というか、こどものお使いというか、一体何のための政府で何のための防衛大臣なのだ。

 「最終的に押し返すことが無理だった」……………。
 最終的どころか、最初から逃げているからあっという間に押し切られたのだ。いつものとおりの「日米主従関係」だ。

 米軍の使い走りしかできない防衛大臣なら、もう、そんな者と会ってもしょうがない、というのが沖縄の本音だろう。
 沖縄の二大新聞である、琉球新報と沖縄タイムスの社説から。
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  社説 [オスプレイ配備通報]防衛相は「使い走り」か  7/1  沖縄タイムス

 森本敏防衛相は、6月30日が沖縄にとってどんな日か、知っていたのだろうか。

 自国民の不安や懸念をそっちのけに、防衛大臣が米国の「使い走り」をするようでは、世も末だ。

 53年前の1959年6月30日、石川市(当時)の宮森小学校に米軍のF100戦闘機が墜落した。パイロットは墜落直前に脱出して助かったが、児童ら17人(後に後遺症で1人)が死亡、210人が負傷した。この事故は、今でも沖縄の人々の記憶に深く刻まれている。

 宮森小では29日、追悼集会が開かれ、児童や遺族らが花や千羽鶴を手向け、黙とうをささげたばかりだ。

 よりによって米政府は、追悼集会のあったその日に、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場への配備を通告した。

 よりによって森本防衛相は墜落事故のあった30日に来県し、宜野湾市の佐喜真淳市長にオスプレイの受け入れを要請した。

 おぞましい話である。政府は「CH46ヘリからMV22オスプレイへの通常の機種変更」だと説明するが、ことはそんな単純なものではない。

 沖縄のすべての自治体議会がオスプレイ配備に反対し、決議や意見書を可決した。

 米国でも日本本土でも受け入れられないことがなぜ、沖縄だったら許されるのか。

 党派を超え、年齢を超え、職業を超え、多くの人たちがオスプレイ配備に怒りを募らせているのは、そこに、米軍基地をめぐる構造的差別の存在を感じているからだ。

 オスプレイをめぐっては、米国内でも、さまざまな動きが浮上している。

 安全性を疑問視する声は米軍関係者の中にも存在する。国防予算の大幅削減に取り組んでいる米議会も、オスプレイの安全性や保有機数などに不明な点がある、として海兵隊当局に情報公開を求めた。

 4月のモロッコでの墜落事故も、6月のフロリダでの墜落事故も、最終調査結果はまだまとまっていない。

 はっきりしないことがあまりにも多すぎるのだ。加害者は歴史を忘却しがちだが、被害の記憶は簡単には消えない。ましてやオスプレイの普天間配備は、沖縄にとって「今、そこにある脅威」である。

 信頼性の乏しい米軍の中間報告をひっさげて、のこのこ沖縄を訪ね、欠陥飛行場への欠陥機の受け入れを要請する―一国の防衛を預かる大臣が、そんな政治感覚しか持ち合わせていないことこそが危機的、というべきである。

 公正な負担を実現するため、日本における米軍基地のあり方を根本的に見直す必要がある。

 基地の管理権を日本側に移し、地元自治体との間で基地使用協定を結ぶこと。
 基地の自由使用を保障した諸取り決めを廃止すること。
 地位協定を改定すること。
 外務省や防衛省の米国寄りの基地政策を監視し、県民の人権や財産を守るための、駆け込み寺的な第三者機関を政府の中に設置すること、などを真剣に検討すべきである。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 社説  オスプレイ配備通告/欠陥機受忍の義務はない 国会で日米関係議論を 6/30  琉球新報

 これは「ごり押し」以外の何物でもない。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場への配備について、日本政府の延期要請を押し切って、米政府が正式通告の手続きを取った。
 配備されるのは日本の国内である。国内で国民が危険を強いられることを、なぜ日本政府が拒否できないのか。拒否どころか、なぜ、たかが延期ですら実現できないのか。不思議でならない。
 拒否権も留保すらも許されないこのような関係が妥当なのか。ことは日本の主権にかかわる。政府は一から仕切り直すべきだ。

“宮森”当日
 配備について、米国は日米安全保障条約上の権利と主張したという。それなら、危険と恐怖を耐え忍ぶのは日本の義務だというのだろうか。しかし、欠陥機を受け入れる義務などない。
 ところが日本政府は突き返すどころか、結局は受け入れた。「最終的に押し返すことが無理だった」(藤村修官房長官)と語るだけの政府に、国民を災厄から守ろうとする気概は感じられない。
 それどころか、森本敏防衛相は米側の正式通告(接受国通報)を受け、早速それを沖縄県に伝達するため、30日に来県する。
 オスプレイは県内各地を飛ぶ予定だ。県民は頭上に、いつ墜落するか分からないものを絶えず抱えることになる。この切実な不安を受け止めず、むしろ恐怖を強制するとは、いったいどこの国の大臣なのだろう。
 30日は宮森小学校米軍ジェット機墜落事故から53周年の当日である。森本氏はそれを承知で来県するのだろうか。
 そもそも普天間問題は、1995年に大田昌秀知事(当時)が返還を求めたのが出発点である。その理由として挙げたのが、飛行場周辺に19もの小・中・高校・大学が存在し、宮森の悲劇を繰り返しかねない、というものだった。
 よりにもよってその原点の日に来県し、墜落の不安を強いるとは何事か。県民の戦後の苦難に向き合う気持ちなどみじんもないということであろう。
 自国内でありながら、土地(基地)や空の使い方について政府が口出しできない状態は、上海など戦前の租借地を想起させる。まさに植民地にほかならない。
 森本氏が一国の大臣であるなら、米国の使い走りのごとく、配備先を行脚するより先にやることがあろう。むしろ、このような日米関係でよいのか、国会で正面から議論すべきではないか。

心強い動き
 国民もまた、事態を「沖縄問題」であり、「人ごと」だと受け止めているかのように見える。だがオスプレイは本州、四国、九州で低空飛行訓練をすることも分かっている。その意味で高知市議会が反対決議をしたのは心強い。この動きが広がってほしい。
 米国は、米国内での墜落事故の調査情報を日本側に伝えるまで、岩国での試験飛行を見合わせるという。だが7月に岩国基地に搬入し、普天間に配備する計画は変えない。あまつさえ、通告の中で米側は、10月初旬に普天間で本格運用を始める方針を明記している。
 配備反対の県民大会に県内11の市長全員が賛成し、県議会も超党派で開催に前進していることは、米国も承知しているはずだ。そんな中で配備を正式通告するのは、沖縄の強い反発を力で押さえ込もうという姿勢にほかならない。
 通告について仲井真弘多知事は「危険で落ちるというものを、(配備すると言われて)ああそうですかとはいかない」「いい加減にしてくださいとしか言いようがない」と述べた。
 同感だが、それなら知事は県民大会に積極的な姿勢を示すべきだ。大会への参加について知事は「検討させてほしい」と慎重姿勢を示したが、容認の含みがあるとの誤ったメッセージを発することになりかねない。むしろ先頭に立つ気構えを示してほしい。
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