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東電の電気料金値上げは絶対に許されない

 「総括原価方式」などと言う奇怪なやり方、でいくら経費をかけてもそれに3%の利益を乗せて電力料金にするという非常識な制度。
 電力会社の非常識さはこんなやり方が原理になっているところからも来ているのだろう。
 こんな馬鹿馬鹿しいやり方は許してはならない。

 関連ページ「電力は経費をかけるほど儲かる総括原価方式」、「地域独占、東電の利益は9割が家庭用」。
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   東電の電気料金値上げが絶対に許されないこれだけの理由  6/1  岸博幸 ダイヤモンド・オンライン

 東京電力が家庭向け電気料金を10%値上げしようとしており、経産省に設置された有識者会議がその妥当性を審査しています。その様子は会議が開催される度に大きく報道されますが、それを見ていて違和感を抱かざるを得ません。
 経産省の目指す路線にメディアも乗ってしまっているのではないでしょうか。今回の値上げは絶対に認可すべきではありません。

  なぜ人件費ばかり報道される?

 この有識者会議では値上げの妥当性について検討することになっていますが、委員会での議論とメディアの報道の双方で、どうも東電の人件費にばかり焦点が当たり過ぎているようにも感じます。

 今週開催された委員会を受けた報道でも、東電が冬のボーナスを含めていた、2014年度に500人規模の新規採用を考えていたなど、人件費に関する指摘ばかりが目立っていました。

 公的資金という輸血によって債務超過と法的整理を免れていることを考えると、社員にボーナスを払おうというのは論外です。また、JALは法的整理で社員の1/3を削減したことを考えると、実質的に債務超過の東電が、リストラについて国民が納得するレベルに達していない中で大量の新規採用を行うというのも論外です。

 こうした身勝手な人件費増を原価に入れて国民にツケ回しすることが許されないのは当然です。ただ、同時に、人件費ばかりに注目し過ぎてもいけないのではないでしょうか。これらの人件費を削っても大きな金額の節約とならない一方、もっと大きな無駄と不合理が原価に含まれているからです。

 その典型例は電源開発促進税(電促税)です。電源立地の促進に必要な政策のために電力会社が政府に納める税金であり、それが電力料金に転嫁されて国民負担となっているのですが、今回の値上げ申請では1000億円も原価に算入されています。

 この電促税の大半が、特別会計を通じて原発の立地促進のために使われてきました。しかし、そもそも政府の方針は“脱原発依存”のはずです。それならば政府は電促税を廃止すべきではないでしょうか。そうすれば東電の値上げの原価は1000億円下がります。

 こう言うと、電促税は法律に定められているから無理と思われる方も多いと思いますが、電促税を廃止する程度の法律改正は大変ではありません。その気になれば、条文の準備→法制局審査→閣議決定→国会審議というプロセスは1週間程度で終えられます。

 次におかしいと思うのは、東電の利益(事業者報酬)として2815億円も原価に算入されていることです。公的資金という輸血で法的整理を免れている企業が、原発事故の翌年からこれだけ大きな利益を得るというのは、常識的にはあり得ないのではないでしょうか。少なくとも数年は利益を最小限に抑えるべきです。そうすれば原価は更に2000億円近く下がります。

 こう言うと、原子力損害賠償支援機構(機構)から借りた賠償資金の返済のためには東電が一定の利益を上げることが機構法上必要、といった反論があると思いますが、法律改正すればいいだけの話です。国民からすれば税金も電力料金も同じ負担です。将来の税負担よりも今の電力料金値上げによる負担を優先しなければいけない理由はありません。

  経産省の姑息な戦略か?

 その他にも、東電の経営の失敗(原発事故)によって生じた廃炉費用や賠償費用などを原価に入れるのもおかしいなど、様々な問題点を指摘できます。

 そして、東電と機構が策定した総合特別事業計画に添付された資料を見ると、電力供給全体としての収支不足額は6763億円ですが、そのうち規制部門(家庭向け)の収支不足は2535億円です。

 つまり、電促税と事業者報酬を大幅に削減するだけでも、10%の値上げは不要となるのです。しかし、この2つの項目は、逆に経産省からすれば絶対に確保しておきたい部分のはずです。

 そう考えると、有識者会議での議論やその報道で、東電の人件費という金額的に少ないところばかりに焦点が当たるというのは、経産省の姑息な戦略なのかもしれません。

 敢えて東電の人件費に焦点を当てて世論の敵である東電を叩いている図を演出し、国民の溜飲を下げつつ最終的には10%から1~2%程度落として値上げを認可しようとしている、とも考えられるのです。この手の会議の筋書きは事務局を務める官僚が作っていることを忘れてはいけません。

  10%値上げは絶対に認可すべきではない

 それに加え、今回の電気料金10%値上げを絶対に認可すべきではない理由がもう2つあります。

 1つは、今回の値上げ申請の根拠となっている原価に廃炉費用が含まれていることです。一方、廃炉費用の総額が今後どこまで膨張するか、まだ誰も分からないということです。

 かつ、廃炉費用が含まれたら、今は政府が立て替えている除染費用もいずれ原価に入ってくるでしょう。しかし、廃炉費用と同様に、除染費用もどこまで膨張するか、誰も分かりません。

 このような状況で廃炉費用が原価に含まれた値上げを今回認可したら、今後は廃炉費用や除染費用が膨張する度に電気料金が値上げされるという、無限地獄に突入しかねません。

 もう1つは、電気料金の値上げを審査するに当たっては、本来は景気や国民生活の現状を踏まえた判断も必要ということです。

 経産省の設置法上、経産省は電力を含むエネルギーの安定供給という責務を負っていますが、この“安定”には低廉な価格での供給も入るはずです。かつ、電気事業法上も“電気の使用者の利益を保護”することが目的と明示されています。

 即ち、有識者会議では値上げ申請の根拠となっている原価の中身ばかりを議論していますが、本来は電気の使用者である家計の側がどれ位大変な状況になっているかも考慮しないといけないはずです。

 そして、家計の状況は悲惨です。長引くデフレなどで給料も下がり続けています。かつ、昨年3月11日の原発事故からの一年で既に家庭向け電気料金は10%程度上がっています。更に10%上げるのが今の経済状況から本当に適切かと考えると、明らかに違うと言わざるを得ません。

 これらの点も兼ね合わせて考えると、経産省は今回の電気料金10%引き上げを絶対に認可すべきではありません。ただ、経産省の官僚は、総合特別事業計画に基づく値上げに向け、確信犯的に有識者会議の議論を誘導している可能性が高いと考えざるを得ません。

 それならば、有識者会議のメンバーの有識者の方々にはぜひ良識を発揮してもらいたいですし、そこでの議論を報道するメディアも、官僚の筋書きをそのまま報道するのではなく、もっと厳しく監視すべきではないでしょうか。
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