ニセ科学の犠牲者、売上を誇る医師
2012-05-23
東にニセ科学とテレビの信者がいれば、西には営業利益を上げるためじゃんじゃん癌を切り取る医師がいる。
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☆☆★ 痛風とニセ科学の犠牲者 「異端医師の独り言」から
尿酸とは核酸(DNAとRNA)の最終代謝産物で、腎臓から尿中に排泄されます。
血液中(pH=7.4、37℃)の尿酸の飽和点は「8.5mg/dl」で、これより濃いと尿酸の結晶が関節内や血液中に析出し、関節内に析出すると(好発部位は足の親指)、白血球がこれを攻撃し、痛風発作と呼ばれる炎症反応がおこすことがあります(遺伝的素因があれば)。
尿酸結晶が血液中に析出すると、腎臓(の糸球体)に詰まって行き、痛風腎と呼ばれる腎障害を引き起こします。
知らずに放置しておくと、ついには腎機能が廃絶し、透析を受けないと生命を維持できなくなります(糖尿病に続いて、腎不全のの第二の原因)。
たかが「痛風」と侮っていると、取り返しがつかなくことがあるのでご注意下さい。
医師が知識を持って、先行き(予後)を大きく変えられる病気はほんのわずか、高尿酸血症はその一つなのです。
近隣に、EM菌、トルマリン、マイナス・イオンなどを心から信じる「ニセ科学原理主義者」が営む、ボッタくり焼き鳥屋がある。
常連に、その信者(市・職員)がいた。彼は痛風を患い、尿酸値を自慢され、「痛風クラブでもつくるんべ」と、聞くに堪えない冗談を言っていたが、口を挟むわけにもいかず、聞き流していた。
2006年春、その常連客が「きんたまが腫れた」と当院を受診された。診ると下半身の重度の浮腫で、高尿酸血症(12.4mg/dl)による腎障害、そして肝障害、栄養失調と重度貧血を併発していた。
原因は、痛風の放置、アルコール過飲の他、ニセ科学による治療、有機農法信奉による極端な偏食である。
浮腫の治療は、厳格な減塩(無塩が望ましい)と利尿剤で、改善度は体重で判断する。
3日間で体重は 3.6Kg減少したが、下げ止まり 2週間で元の体重に戻ってしまった。
「塩は摂ってないべ」とおっしゃるので食事内容を聞くと「漬物と味噌汁とご飯しか食べていない」とのこと。
漬物一切れに食塩 1.5g、味噌汁一杯には 3g含まれていることを説明しようとも思ったが、49歳になる彼の脳はニセ科学で構成されているので諦めた。ご本人の希望もあり、近隣の大きな病院へ紹介した。
焼き鳥屋のご主人は、彼が入院中、クエン酸が良いとか訳の分からない理由で、何と梅干(塩分 1個あたり 2g)を差し入れていた。
ご主人は彼を「身内」と呼んでいたが、2009年 2月現在、彼は焼き鳥屋に姿をみせない。ご主人は永遠に、自分が加害者であることを知ることはないだろう。
☆★ 無塩食と外科医
北里研究所病院(1990~96年)時代、数人の内科医は、重度の浮腫や腹水患者の治療を私に依頼してきた。
摂食できる患者には「美味しく無いことを説明した上」無塩食を処方、点滴で命をつないでいる患者では、点滴中の NaClを一日 2gに調整、利尿剤、そして連日の体重測定。腹水を抜くのは禁忌である(=決して行ってはならない医療行為のこと)。
外科では、腹水が貯まると、つど抜くか、お腹の中に管を入れっぱなしにして、持続的に抜いていた。
ある日、外科医長・豊田先生と胸部外科・上里先生と雑談していると「リー先生の治療は荒っぽいと評判だよ」。「ハテ何のことやら」。
「患者に無塩食を食べさすそうじゃないか」。「ハー」。絶望感から反論しなかった。
豊田先生は手術がご趣味で、癌患者に転移があってもお構いなしに拡大手術をして、売上げを誇っていた。彼の消化管縫合法は、前近代的なものであったが、大過なく消化管はつながった。
上里先生は、沖縄の米軍病院で研修された経験から、肺がん検診は無意味と知っていたが、立場上見つけては肺を摘出していた。
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☆☆★ 痛風とニセ科学の犠牲者 「異端医師の独り言」から
尿酸とは核酸(DNAとRNA)の最終代謝産物で、腎臓から尿中に排泄されます。
血液中(pH=7.4、37℃)の尿酸の飽和点は「8.5mg/dl」で、これより濃いと尿酸の結晶が関節内や血液中に析出し、関節内に析出すると(好発部位は足の親指)、白血球がこれを攻撃し、痛風発作と呼ばれる炎症反応がおこすことがあります(遺伝的素因があれば)。
尿酸結晶が血液中に析出すると、腎臓(の糸球体)に詰まって行き、痛風腎と呼ばれる腎障害を引き起こします。
知らずに放置しておくと、ついには腎機能が廃絶し、透析を受けないと生命を維持できなくなります(糖尿病に続いて、腎不全のの第二の原因)。
たかが「痛風」と侮っていると、取り返しがつかなくことがあるのでご注意下さい。
医師が知識を持って、先行き(予後)を大きく変えられる病気はほんのわずか、高尿酸血症はその一つなのです。
近隣に、EM菌、トルマリン、マイナス・イオンなどを心から信じる「ニセ科学原理主義者」が営む、ボッタくり焼き鳥屋がある。
常連に、その信者(市・職員)がいた。彼は痛風を患い、尿酸値を自慢され、「痛風クラブでもつくるんべ」と、聞くに堪えない冗談を言っていたが、口を挟むわけにもいかず、聞き流していた。
2006年春、その常連客が「きんたまが腫れた」と当院を受診された。診ると下半身の重度の浮腫で、高尿酸血症(12.4mg/dl)による腎障害、そして肝障害、栄養失調と重度貧血を併発していた。
原因は、痛風の放置、アルコール過飲の他、ニセ科学による治療、有機農法信奉による極端な偏食である。
浮腫の治療は、厳格な減塩(無塩が望ましい)と利尿剤で、改善度は体重で判断する。
3日間で体重は 3.6Kg減少したが、下げ止まり 2週間で元の体重に戻ってしまった。
「塩は摂ってないべ」とおっしゃるので食事内容を聞くと「漬物と味噌汁とご飯しか食べていない」とのこと。
漬物一切れに食塩 1.5g、味噌汁一杯には 3g含まれていることを説明しようとも思ったが、49歳になる彼の脳はニセ科学で構成されているので諦めた。ご本人の希望もあり、近隣の大きな病院へ紹介した。
焼き鳥屋のご主人は、彼が入院中、クエン酸が良いとか訳の分からない理由で、何と梅干(塩分 1個あたり 2g)を差し入れていた。
ご主人は彼を「身内」と呼んでいたが、2009年 2月現在、彼は焼き鳥屋に姿をみせない。ご主人は永遠に、自分が加害者であることを知ることはないだろう。
☆★ 無塩食と外科医
北里研究所病院(1990~96年)時代、数人の内科医は、重度の浮腫や腹水患者の治療を私に依頼してきた。
摂食できる患者には「美味しく無いことを説明した上」無塩食を処方、点滴で命をつないでいる患者では、点滴中の NaClを一日 2gに調整、利尿剤、そして連日の体重測定。腹水を抜くのは禁忌である(=決して行ってはならない医療行為のこと)。
外科では、腹水が貯まると、つど抜くか、お腹の中に管を入れっぱなしにして、持続的に抜いていた。
ある日、外科医長・豊田先生と胸部外科・上里先生と雑談していると「リー先生の治療は荒っぽいと評判だよ」。「ハテ何のことやら」。
「患者に無塩食を食べさすそうじゃないか」。「ハー」。絶望感から反論しなかった。
豊田先生は手術がご趣味で、癌患者に転移があってもお構いなしに拡大手術をして、売上げを誇っていた。彼の消化管縫合法は、前近代的なものであったが、大過なく消化管はつながった。
上里先生は、沖縄の米軍病院で研修された経験から、肺がん検診は無意味と知っていたが、立場上見つけては肺を摘出していた。
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