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消費増税の裏で浮上する日銀法改正論

 1998年に改正された日銀は中央銀行の独立性の観念があいまいであり、デフレ脱却の阻害物となっている。
 少なくとも政治は国民に責任があるのに、日銀は誰に対しても責任がなく、いったん決めたら誰にも罷免できないと言う不可解な法制となっている。
 関連ページ「日銀法の改正」。
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消費増税の舞台裏で浮上する「日銀法改正」  5/20  田村秀男2012/05/20 17:46

 日銀にとってみればまさに薮(やぶ)から棒、とでも言うべきか。消費増税法案をめぐる与野党のせめぎ合いの中から、日銀法の改正案が飛び出す雲行きだ。

 現行日銀法は1998年4月に施行された。日銀が80年代後半、ワシントンの意向を受けた大蔵省(現財務省)の圧力に屈して超金融緩和政策を長引かせたために、株や不動産のバブルを膨張させたという反省から、同法は日銀に対し、政治や政府からの高度の独立性を保障した。

 ところが、日本はこの98年から物価が継続的になだらかに下がる慢性デフレ病にかかった。2008年9月の「リーマン・ショック」からは悪化し、治る見通しが立たない。「物価安定」を日銀の判断に委ねていては、デフレからいつまでも脱出できないという批判が強く出るようになった。

  疑われる「本気度」

 改正案の要点は、日銀政策の「目標」と「手段」を明確に分ける。金融政策をどう運営するかは日銀の判断だが、目標については、政府と共有するか、政府や国会の意向に沿うようにする。そして日銀に明確な「インフレ目標」値を持たせ、達成を義務付ける。

 日銀は伝統的に「物価上昇率ゼロ%台」をめざし、インフレを極度にまで警戒してきた。2010年秋以降は「同1%程度」を内部での「理解」と説明するようになったが、目標値とするのを拒否してきた。

 米連邦準備制度理事会(FRB)がこの1月下旬に「インフレゴール(目標)」を打ち出すと、急遽(きゅうきょ)2月14日に「1%の消費者物価上昇率のメド」を決定し、市場を驚かせ、円高に歯止めをかけた。が、その後市場から「本気度」を疑われる始末で、4月後半にはその効力が失(う)せた。

 白川方明日銀総裁自身、金融政策による脱デフレ効果について「限界がある」と繰り返してきた。米欧のような大胆な通貨発行は、悪性インフレのような弊害を招くと警戒する。

 日銀は10年10月に「包括的な金融緩和政策」を打ち出したが、中央銀行資金をふんだんに供給する米欧タイプの「量的緩和」には背を向けている。日銀のバランスシート「資産」の部に「資産買入等基金」という特別枠を設け、日銀の貸し付けの担保と、買い入れる国債などの金融資産を選定して、「基金」枠の中に分類するが、資産全体総額の伸びや日銀資金供給残高の増加を最小限に抑えている。いわば、「擬装」緩和である。

 ドルやユーロに比べた円の供給量は極端に小さいままだ。このアンバランスが円相場に反映し、リーマン以来、この5月中旬で円は対ユーロで46%、対ドルで33%円高になっている。超円高はデフレを加速し、株価を押し下げ、半導体の「エルピーダメモリ」の破綻(はたん)や家電各社の苦境をもたらした。

  消費増税とセット

 日銀法改正は真っ先に「みんなの党」が言い出したが、国会での推進派議員は多数を占めるには至ってはいない。日銀の金融政策は一般有権者にはなじみが薄い。議員多数は日銀法改正への関心が薄いからだ。

 だが、ここに来て新たな動因が生まれた。消費増税法案である。野田佳彦首相ら民主党執行部は自民党案を丸のみしてでも法案を成立させたい。自民党のほうは消費税率10%案を最初に言い出した手前、増税そのものには反対ではないが、野田案とははっきりと区別できる独自案を提案しないと、有権者の評判の悪い野田案と「談合」したと受け取られ、低迷する世論の支持率を引き上げられない。

 そこで、消費増税とセットで日銀法改正案を提案しようと、安倍晋三元首相グループなどが自民党内の説得を進めている。民主党執行部も、小沢グループとは距離を置いている脱デフレ議員連盟グループを取り込むため、日銀法改正は説得手段になりうる。

 不気味なのは、財務官僚の出方である。与野党議員に対して圧倒的な影響力を持つ財務官僚の工作次第では、これまで無関心だった議員も前向きになる可能性がある。財務官僚にとってみれば、まず、最優先する消費増税法案を成立させることだ。ついでに、現行日銀法とともに失われた日銀への支配力を回復できればそれに越したことはない。今はまだ音無しの構えだが、そう小ざかしく計算しておかしくない。

 こうみると、「日銀の独立性」は政官の思惑に比べるといかにも軽いようにも見えるが、国際的な量的緩和に背を向け、自前の理論に固執するだけで一向に脱デフレの成果を挙げられない日銀の分は悪い。他方で、大型増税自体、デフレ・円高要因だ。政治家が日銀をせき立てるだけでは日本は再生しない。改正派議員は金融と同時に、増税路線も厳しくチェックすべきだ。
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