電力は経費をかけるほど儲かる総括原価方式
2012-05-23
地域独占である電力会社は、原発建設から福利厚生、寄付に至るまでほとんどの経費をかければかけるほどに利益が増える仕組みになっている。
実に常識では理解できない仕組みなのだが、これがために「値上げは権利だ」などの異様な発言をする背後にはこの非常識な制度がある。
旧ソ連には物資の輸送距離に応じた減少量率「歩留まり」があったが、この逆みたいな制度である。
電力会社の総括原価方式とは、非常識な利益率の保障制度で、不要な経費でもかければかけるほど一定率の利益が増大し、利益を含めた経費全体を電力料金に上乗せすると言う、まったく結構な制度なのである。
おかげで「世界一高い電気料金」になっていたのだ。
わりと解りやすい説明を紹介します。
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総括原価方式(打ちでの小槌)をポイントカードで理解しよう 5/21 「院長の独り言」から
難しいことをみんなにわかりやすい言葉で説明する。それは、宗教がもっとも得意とするところですし、専門家がみんなにわかるように説明するのに必要な技術の一つでしょう。
原発事故を台所で考えてみる・・は、なかなか評判がいいです。ベント、ベント とフクシマの当初に言っていました。その際、NHKの解説者が、ベントとは圧力鍋の蒸気を抜く行為と同じです。と説明してくれればいいのに、解説者自身がベントが意味するところを正確には理解できていない・・そういうことが垣間見えました。
さて、今回は、「総括原価方式」をわかりやすく?説明してみます。
「総括原価方式」と言われる特殊な会計方法を採用していることが、電力が原発を推進する本当の理由です。この仕組みがわかれば、カラクリが全部見えるようになりますので、勉強会でもよく説明しています。
総括原価方式
一般会社
利益=収入-必要経費
電力会社
利益=必要経費×3%
電力会社は必要経費が高ければ高いほど利益が増える
このスライドを用いて、電力は使えば使うほど、儲かる。だからこそ、発電原価の高い原子力を推進すると説明していました。ところが、母にこの説明は何度聞いてもわからないと指摘され、そのように考える女性が多いことに気がつきました。
どうやら、一般常識にあまりにも反している経済行為であるため、どうしてもピンと来ることができない・・・なにか、実生活に即した行為がないかな・・
皆さんご存じの、買い物につくポイントカード。これが、この総括原価方式を理解するのにぴったりです。
電力会社の事業報酬は、かかった費用の3% = 買い物カードのポイントが3%
と考えればぴったりです。ポイントカードのポイントは、自分の利益(へそくり)になると考えてみてください。
一枚のスライドを作りました。自分のお金で食事をするときには、500円の定食を食べて、15円のポイントをためる。無駄遣いしてはどうしようもありませんからね。
ところが、義父母なりのスポンサーがいて、必要であればいくらでも支払ってあげるよ と言われたらどうしますか?
500円の定食か1万円のフルコースか。スポンサーが金持ちであれば、自分のへそくりを増やすために1万円のフルコースを頼んで、300円のへそくりをためるでしょう。
このコースにアルコールを頼むときはどうしますか?
アルコールも必用経費として認めてくれそうですから、発泡酒ではなくヱビスビールを、そしてワインも国産の安ワインではなく、フランスのブランドワインを当然頼みますよね?
そうすれば、自分のへそくりがどんどん増えるわけですから。
そのお店で募金も受け付けているとしましょう。スポンサーが払ってくれるのなら、1000円ではなく、それこそ10万円募金するかもしれません。そうすれば、30円ではなく3000円もへそくりが貯まります。
だんだん、交通費も自分で運転するのがばからしくなって、お抱えのハイヤーを頼んで、それにもポイントをつけたくなるでしょう。
自分のカネでもないのに、豪勢に使うことで、そのお店からはちやほやされますし、下にも置かないおもてなしを受けることができるでしょう。
そのレストランは儲かり、自分も儲かる。この輪の中に入ってしまえば、誰も損しない理想的な状況だと思えますね。
それが、電力の言う「電力料金」に含まれているという言葉の真実なのです。つまり、使えば使うほど儲かるという、不思議な打ち出の小槌の完成です。通常は企業間の競争がありますから、こんなことをしていればその会社は潰れてしまいますが、電力は地域独占。他の選択肢などはないのですから、このような神をも恐れぬやり方が通用するのです。
では、東京電力がどのようなカネを経費=ポイントが貯まる として、計上しているか。
・社員専用の飲食施設の維持管理費
・サッカーチームの運営費
・東京電力管弦楽団の運営費
・福利厚生の補助
・健康保険料の70%負担
・社員の自社株式の購入奨励金
・利子補助
・原発立地自治体への寄付金
これら、すべてにポイントがつくのですから、電力としては堪えられません。使えば使うほど儲かるのですから、自治体にもよろこんでたくさん寄付をします。
例えば、LNGなどもわざと高く買えば、買うほどポイントが貯まる。なんの工夫もいらない会社ですし、かりに予算より安くLNGを購入してしまうと、ポイントが減少してしまうわけです。
電力会社は、ポイントを他人のカネでためている・・だから、できるだけ高い発電方法=原発 を利用する・・そう理解してはいかがでしょう。
実に常識では理解できない仕組みなのだが、これがために「値上げは権利だ」などの異様な発言をする背後にはこの非常識な制度がある。
旧ソ連には物資の輸送距離に応じた減少量率「歩留まり」があったが、この逆みたいな制度である。
電力会社の総括原価方式とは、非常識な利益率の保障制度で、不要な経費でもかければかけるほど一定率の利益が増大し、利益を含めた経費全体を電力料金に上乗せすると言う、まったく結構な制度なのである。
おかげで「世界一高い電気料金」になっていたのだ。
わりと解りやすい説明を紹介します。
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総括原価方式(打ちでの小槌)をポイントカードで理解しよう 5/21 「院長の独り言」から
難しいことをみんなにわかりやすい言葉で説明する。それは、宗教がもっとも得意とするところですし、専門家がみんなにわかるように説明するのに必要な技術の一つでしょう。
原発事故を台所で考えてみる・・は、なかなか評判がいいです。ベント、ベント とフクシマの当初に言っていました。その際、NHKの解説者が、ベントとは圧力鍋の蒸気を抜く行為と同じです。と説明してくれればいいのに、解説者自身がベントが意味するところを正確には理解できていない・・そういうことが垣間見えました。
さて、今回は、「総括原価方式」をわかりやすく?説明してみます。
「総括原価方式」と言われる特殊な会計方法を採用していることが、電力が原発を推進する本当の理由です。この仕組みがわかれば、カラクリが全部見えるようになりますので、勉強会でもよく説明しています。
総括原価方式
一般会社
利益=収入-必要経費
電力会社
利益=必要経費×3%
電力会社は必要経費が高ければ高いほど利益が増える
このスライドを用いて、電力は使えば使うほど、儲かる。だからこそ、発電原価の高い原子力を推進すると説明していました。ところが、母にこの説明は何度聞いてもわからないと指摘され、そのように考える女性が多いことに気がつきました。
どうやら、一般常識にあまりにも反している経済行為であるため、どうしてもピンと来ることができない・・・なにか、実生活に即した行為がないかな・・
皆さんご存じの、買い物につくポイントカード。これが、この総括原価方式を理解するのにぴったりです。
電力会社の事業報酬は、かかった費用の3% = 買い物カードのポイントが3%
と考えればぴったりです。ポイントカードのポイントは、自分の利益(へそくり)になると考えてみてください。
一枚のスライドを作りました。自分のお金で食事をするときには、500円の定食を食べて、15円のポイントをためる。無駄遣いしてはどうしようもありませんからね。
ところが、義父母なりのスポンサーがいて、必要であればいくらでも支払ってあげるよ と言われたらどうしますか?
500円の定食か1万円のフルコースか。スポンサーが金持ちであれば、自分のへそくりを増やすために1万円のフルコースを頼んで、300円のへそくりをためるでしょう。
このコースにアルコールを頼むときはどうしますか?
アルコールも必用経費として認めてくれそうですから、発泡酒ではなくヱビスビールを、そしてワインも国産の安ワインではなく、フランスのブランドワインを当然頼みますよね?
そうすれば、自分のへそくりがどんどん増えるわけですから。
そのお店で募金も受け付けているとしましょう。スポンサーが払ってくれるのなら、1000円ではなく、それこそ10万円募金するかもしれません。そうすれば、30円ではなく3000円もへそくりが貯まります。
だんだん、交通費も自分で運転するのがばからしくなって、お抱えのハイヤーを頼んで、それにもポイントをつけたくなるでしょう。
自分のカネでもないのに、豪勢に使うことで、そのお店からはちやほやされますし、下にも置かないおもてなしを受けることができるでしょう。
そのレストランは儲かり、自分も儲かる。この輪の中に入ってしまえば、誰も損しない理想的な状況だと思えますね。
それが、電力の言う「電力料金」に含まれているという言葉の真実なのです。つまり、使えば使うほど儲かるという、不思議な打ち出の小槌の完成です。通常は企業間の競争がありますから、こんなことをしていればその会社は潰れてしまいますが、電力は地域独占。他の選択肢などはないのですから、このような神をも恐れぬやり方が通用するのです。
では、東京電力がどのようなカネを経費=ポイントが貯まる として、計上しているか。
・社員専用の飲食施設の維持管理費
・サッカーチームの運営費
・東京電力管弦楽団の運営費
・福利厚生の補助
・健康保険料の70%負担
・社員の自社株式の購入奨励金
・利子補助
・原発立地自治体への寄付金
これら、すべてにポイントがつくのですから、電力としては堪えられません。使えば使うほど儲かるのですから、自治体にもよろこんでたくさん寄付をします。
例えば、LNGなどもわざと高く買えば、買うほどポイントが貯まる。なんの工夫もいらない会社ですし、かりに予算より安くLNGを購入してしまうと、ポイントが減少してしまうわけです。
電力会社は、ポイントを他人のカネでためている・・だから、できるだけ高い発電方法=原発 を利用する・・そう理解してはいかがでしょう。
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