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ウォール街を占拠せよ、その後

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2012/5/1 ニューヨーク

 ウォール街を占拠せよ。1%の彼らから99%の我々へ。
 運動は公園から排除されたが5月1日のメーデーを機会に、再び盛り上がりを見せている。
 なお、米国は従来から5月1日のメーデーがなく、9月のレイバーディがメーデーに相当するものとなっている。
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  米反格差デモのオーガナイザーに聞く―メーデーでの再集結から運動の将来まで 5/11  WSJ

 5月1日、米反格差・民主主義デモ「ウォール街を占拠せよ」(OWS)が、冬眠から覚めたかのように、ニューヨークやシカゴ、サンフランシスコなど、全米複数の都市で再び盛り上がりを見せた。
 ニューヨークのズコッティパークを追われて以来、小規模化し、消滅の可能性もささやかれていただけに、プロテスターズ(抗議者たち)は、周到に準備を重ね、運動の威信をかけてメーデーに臨んだ。

 ニューヨークでは、まずミッドタウン・ブライアントパークでティーチイン(勉強会)やワークショップなどが行われ、1000人ほどが集まった。
 その後、現在、占拠運動の拠点となっているミッドタウンのユニオンスクエアには、労働組合のメンバーたちや活動家なども交え、2000人ともいわれる参加者たちが集結。

 そして、ユニオンスクエアからウォール街までのデモ行進、金融機関前でのシュプレヒコール、自由の女神を遠くに望むバッテリーパークでの打ち上げパーティーなど、早朝から真夜中過ぎまでイベントが目白押しだった。
 一時は5番街の車道にまでデモ隊があふれ、ニューヨーク市警(NYPD)と対峙する場面も。本紙(5月2日付)によると、50人以上の逮捕者が出たもようだ。

 この勢いは続くのか。今後、運動はどこに向かうのか。昨年9月、OWS開始とともに、ユタ州から200ドル(約1万6000円)の貯金を手にニューヨークにやって来て以来、オーガナイザー(呼びかけ人)の一人として活動し、メーデーの計画立案にも携わったディエゴ・イバニャスさん(23)に話を聞いた。

――メーデーのイベントは、成功裏に終わったと思うか。

イバニャスさん もちろん。真夜中の打ち上げパーティーでは、野宿をしようと思ったが、警官に追い払われた。最も革新的だったのは、メーデーに向けて再結成した参加者の連合や労組、移民の人権団体が同じテーブルを囲んだことだ。
 大半は左翼だが、すごくコンサバなグループもいれば、急進派もいる。政治スペクトル的に幅の広いデモ参加者たちが共に計画を練ったという点が、最もパワフルなことだった。ぶつかり合いもあったが、成長するには、議論や対話を重ね、お互いをよりよく理解することが必要だ。

 メーデーは、昔から続く国際的な労働者の日だが、米国の多くの若者は、その存在さえ知らない。そうした若者の関心を喚起したという意味でも、意義があった。

――ズコッティパークを追われて以来、運動が下火になったと言われているが。

イバニャスさん 1カ月に一度の割合で「総会」も続けている。次回は、今月13日、「母の日」に(ダウンタウンの)ワシントンスクエアパークで行う予定だ。労組のオフィスや教会などで、連日、ミーティングや集会も開かれている。

 運動を段階的に見ると、バブルが一気に大きくなり、爆発し、はじけたのが第1段階。大きくなりすぎ、コントロールできなくなった。現在は第2段階だが、小さめのバブルがたくさん生まれ、どんどん成長している。最終的には、1つめのバブルを超えるだろう。
 今は、デモ参加者や団体とのつながりを拡大し、コミュニティーをつくり上げているところだ。

――オーガナイザーの人数は?

イバニャスさん ニューヨークだけで150~200人。デモ参加者は白人男性が多いかもしれないが、オーガナイザーは、今や女性が主流だ。僕はフルタイムのオーガナイザーで、翻訳などのアルバイトをしながら仲間の家を泊まり歩き、生活している。
 近いうちに就活を始めるかもしれないが、労組や非営利団体などで、オーガナイザーとしての経験を生かした仕事をしたい。大学を中退し、ニューヨークに来たため、働いた経験がない。今のところ、OWSが僕の全人生だ。

――占拠運動の究極のゴールは、格差の解消か。それとも、真の民主主義の確立か。

イバニャスさん 平等なしに、民主主義は存在しえないと思う。その際、忘れてはならないのが、人種問題だ。資本主義下では、格差をつくり上げるために、人種を分断させ、持てる者と持たざる者を生み出す必要がある。
 同じように貧しくても、白人と黒人では状況が違う。OWSは、直接民主制と参加型民主制に重きを置いている。平等を考えるに当たって、人種問題への対処は欠かせない。警察による(黒人への)暴力、ブロンクスやハーレムでの人種差別といった問題だ。

――OWSは、社会主義を求めているのか。

イバニャスさん 反資本主義は、社会主義や共産主義とは違う。また、すべてのデモ参加者が反資本主義というわけでもない。問題は、現在、米国の資本主義システムが機能していないことだ。
 まだ、これという答えは見つけていないが、新しい生活方法や思考法があるはずだ。だからこそ、より良い解決策に向かって、参加者全員の声を聴き、共に考え、進む必要がある。

――運動を継続させられるだけの資金はあるのか。

イバニャスさん 当初は60万ドル以上あったが、食料や逮捕者の保釈金などに使い、残っているのは10万ドル以下だ。とはいえ、必ずしも募金の要請はしない。
 最も大切なのは、労働者や市民との関係を築き上げることであって、コミュニティーの支援を仰げれば、お金は、さほど問題ではない。お金に価値を見いだすのは、企業の世界観だ。占拠運動は、お金の多寡では測れない。

――現在、OWSが最もフォーカスしている問題は?

イバニャスさん まず、学生ローンや学費の高騰など、学生の負債だ。ニューヨークの学生とのネットワークをつくり上げる必要がある。
 次が住宅問題。多くの人たちが、フォークロージャー(住居差し押さえ)で家を失っている。
 3つめが、(2月、フロリダ州で、自警団員によって射殺された黒人少年)トレイボン・マーティンに代表される人種差別。
 最後が移民問題だ。低賃金で働き、米国人のような権利を与えられていない移民労働者がたくさんいる。米国にとって重要な問題だ。

――OWSは公園を占拠することはできたが、世界を変えるにはほど遠い、という批判がある。

イバニャスさん 対話を変えることが目的である以上、それは達成した。なぜウォール街なのか。お金とは何を意味するのか、資本主義とは何か。
 人々が、そうした会話を交わし、(これまで当たり前だと思っていた)問題に気づくことができたことだけでも、意味がある。運動は無駄だったという批判は、まったくお門違いだ。

――銀行家は「敵」なのか。

イバニャスさん そうは思わない。銀行家が身を置いている「構造」が、僕たちを威圧しているのだ。
 銀行家は、苦闘している市民たちと断絶している。銀行家や政治家が問題に気づくのを待つつもりはない。僕たちは、行動することで、この手に(理想とするものを)取り戻す。

――OWSは、どこに向かうのか。

イバニャスさん まず「占拠」の意味を置き換える必要がある。寝泊りするために公園を占拠するのではなく、何かを占拠することで、それをコミュニティー全体のために機能するようにつくり変えるのだ。
 たとえば、学校を占拠し、教師を巻き込んで、コミュニティーのために再開させる、といったことだ。

 半年後には、学生や働く人々、看護師、公務員などと一緒に、学校や職場、病院、市庁舎を占拠する光景が見られるだろう。「
 占拠」を、僕たちの手にパワーを取り戻すための戦法や大義として使うのだ。成長を止めることはできない。運動はサバイバルしていく。

――デモ参加者のオバマ大統領観は?

イバニャスさん 多くの仲間が、とても失望している。反面、政治家は誠意がないものだと分かっていたから、驚きもない。
 大勢のデモ参加者がオバマに1票を投じたが、誰に入れても同じだと、がっかりしている。
 もはや誰も、オバマ大統領が国を変えてくれるなどという希望はほとんど抱いていない。
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 このブログ内の「ウォール街を占拠せよ」運動の関連ページはつぎのとおり。

通貨戦争(23)全世界で拡大する格差と貧困
ウォール街を占拠しよう
「ウォール街を占拠しよう」が拡大している
さら急拡大しているウォール街占拠
ウォール街を占拠せよ-10.15行動の呼びかけ
世界中に広がったウォール街占拠
アメリカ全土に広がる抗議行動
NY反格差行動に2万人、警察が400人逮捕
自治体破綻とウォール街占拠運動:トッテン
関連記事

コメント

「ウォール街を占拠せよ」に経緯を表して

 「ウォール街を占拠せよ!」は発生すべくして発生した出来事です。「資本主義の終焉が相当古くから叫ばれ、終わっても良いと言われ続けてもなお終わらない。そのジレンマが一つの極限に達したからこそ起こったことなのでしょう。
 しかし、「ウォール街を占拠せよ」運動は明確な目標を持たなかったが故に尻切れトンボの状態に陥ってしまっている。非常に残念なことだ。
 「ウォール街を占拠せよ」のことは、私はニュースで知った。アメリカで発生することは予想していたが、こんなに早く発生するとは予想していなかった。彼らは理論的根拠を知らなかったために目標を見失ったのだ。では何を目標にすべきだったのか。
 「金は天下の回りもの」と言う諺が日本にある。事実その通りなのだが、一つだけ明確に違うものがある。個人の富である。通常の資金は様々に環流していくが、「個人の富」は環流していかない。だから彼らの目標の一つには「(個人の)資産を環流させよ」とすべきである。

コメントをありがとうございます

「ウォール街を占拠せよ」の運動は、その占拠するスタイルとしては消えたかに見えます。
だが
「発生すべくして発生した」運動は、それを生み出した環境とその力は消えていないと思うのですよ。
権力側は強制的に占拠を禁止することで、占拠のスタイルを消滅させましたが、ニュースバリューは無いかもしれないが各種の運動の形態に引き継がれているように思います。
「1%対99%の我々」などの理念は欧米の労働運動、経済論、社会論、政治の一部にも広まったと思います。
>資産を環流させよ」とすべきである。
そのとおりなのですが、1つだけ加えたい。
金融博打以外の個人資産(1%の)は所詮はまわり回って99%から搾取収奪したものなのですから、
「1%の資産を99%に還流させよ」
政治が所得の再配分を強化して、生活消費需要を上げればまわり回って1%だって潤うのですから。
現実は1%の諸君が個人的に強欲すぎるので、再配分がうまくいかない。
このことが明らかになったことも重要と思います。

成功者は引退せよ

 第二には「成功者は引退せよ」の目標を掲げるべきである。勝てる者が何処までも勝ち続けてしまう。もう天井が見えたのですから、新しい価値観は必要だと思います。毎年世界の金持ちリストが発表されます。一体現代社会において、個人がそれほど巨額の資産を持つ意味が何処にあるのでしょうか。「成功者は引退せよ」です。「勝ち」を次に譲るべきなのです。

ピントのずれたコメントですが

 私は宗教は持っていないのですが、あの世を信じています。死んだら魂になってお迎えに導かれて極楽(天国?)に行く予定です。そこで私は懐かしい人たちにまた会うでしょう。
「罰当たりな事したら、罰当たって、地獄に堕ちる」と言います。実際は死んでみなきゃわかりませんが、世界中の民話、童話の中に「地獄」はあります。そしてこの世には「不思議」もあります。
 強欲な人たちもやがては死んで[魂」になるのではと思うけれど、地獄、または無明の闇が怖くないのでしょうか。
 子供のころ、強欲は欲ボケともいわれてました。

Re: タイトルなし

>  子供のころ、強欲は欲ボケともいわれてました。
 欲ボケ程度ならまだ少しは許せるかも。
 本当の強欲は金銭を蓄財することを強烈に「信仰」して「神」にしていますから、正義も不正もない連中ですよね。
 やはり、地獄に落ちると言わずばなるまい。
 やはり、1%くらいはいるような。

富の私的所有は何時から始まったのか

 私的所有がいつから始まったのか。何年とは明確な資料はないが、おおよその事情は推察できる。今から6,000~7,000年前頃だ。民族によって多少年代は異なる。それ以前はどうだったのか。これは後で述べる。これらのことはエンゲルスの「家族・私有財産および国家の起源」によってある程度の経緯がわかる。私的所有が人類の歴史の最初からあったわけではない。公平な・平等な社会が続いていて、それが変わる転換点があった。転換点の前と後についてはエンゲルスの著書に詳しい。しかし、そのターニング・ポイントについては何も語っていない。

Re: 富の私的所有は何時から始まったのか

およそ1万年前に農耕牧畜が現れましたが、その後も長期にわたって部族管理が続きます。
土地からの生産物と、それが価値を保存できることによって、徐々に土地と領域の社会思想が生まれてきます。
交易の起源を部族間の交換に求める説が強いわけですが、「交換」は必ずしも対等、等価とは限りません。
暴力的な略奪と分配は動産の私的所有をもたらします。
これが所有は占有によると言う概念の起源でしょう。
だが、私的な所有の意識がなされるのは生産の母体を成す「土地」の所有からです。
基本的な「権利」としての私的所有権が確立したのは16世紀ころになります。
部族共有であった農地(牧地を含む)に領主が私的所有権を主張し、実力で行使したわけです。
社会的な法的権利として確立したのは18世紀になります。
いまだ形成途上の概念でもあり、将来にわたってこのままとは言えません。

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