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マスコミの人間に心はあるのか

 日本のマスコミの視線ー政府の腐敗より京都の遺族   4/28 seetell

先週の月曜日、京都で2人の人間の命が奪われた。一台の車が、小学生の列に突っ込んでいったのだ。亡くなったのは、小学生一人と、その子供の傍らで一緒に立っていた妊婦だった。本当に、悲劇としか言いようがない。ご家族と地域の方々のことを思うと、私たちの心も痛んでたまらない。

今回、この出来事のあとに何が起こったのかについて書こうと思う。記事の内容を以下に記す。

先週の月曜日に京都で起こった死傷事故は、無免許運転のドライバーが引き起こした交通事故だった。このドライバーの運転する車が、小学生の列とその傍にいた妊婦に突っ込んでいったのだ。妊婦と一人の子供が亡くなり、8人の子供が負傷した。

この事故は、地域住民に強い衝撃を与え、憤慨させた。だが、全く思いがけないところから痛烈なコメントが飛び出した。
現場にヘリを出動した但馬救命救急センター(TECCMC)によるコメントだ。それも、無免許運転のドライバーに対してではなく、マスコミが同救急センター内で行った勝手な取材に対してだった。
救急センターのスタッフは、公式ブログに『マスコミの人間に心はあるのか』と題して、コメントを掲載している。

ブログには、センター側が再三取材拒否をしているにもかかわらず、それどころかまるで構うことなく、複数のマスコミ関係者が慰安室の前で家族の映像を撮ったりしていたと書かれている。
記者やカメラマンらはまるで、ずけずけと土足で他人の家に乗り込んで、そのままぶらぶらと居座るような無礼さだった、とも書かれている。

さらに、「ご家族、医療者、関係者の心情を考えられないくらいマスコミの人間の心は腐っているのでしょうか」とも書いている。救命センタースタッフの怒りが、いかほどのものであるかが想像される。

ブログの中には、かなり辛辣なコメントさえあった。同センターは京都にあり、京都の人は日本人の中でもとりわけ、あからさまには人の悪口を言わない,と言われているのにもかかわらずだ。
スタッフの怒りは明らかで、「このブログが多くの方に読まれていることは十分に存じ上げております。だからこそ敢えてここで述べます。」と記し、コメントを締めくくっている。


救命センターのスタッフのこの行動を心から賞賛したい。彼らは、人々の悲しみの場面で勝手気ままに振舞ったマスコミに対して声を挙げ、公に反論を唱えたのだ。
だが実は、私たちのこの賞賛は、突然の不幸にみまわれたご家族にマイクやカメラを向けて更なる苦痛を味わわせたマスコミに対する、強い非難でもあるのだ。

さらに重要なことは、この報道関係者たちは、一体、どれほど暇だったのだろう、ということだ。世の中には、小さな地町村であれ、一つの地方であれ、国家レベルであれ、膨大な数の不正や汚職、腐敗がはびこっており、報道関係者たちが調査、報道すべきネタなど、それこそいくらでもある。
そしてマスコミは、言論出版界、いわゆる第4階級である。本来の任務は、普通の家族の守り手であり、真実を発見することだ。加えて、政治家・官僚・企業・特別利益団体や圧力団体に、その説明責任を果たさせる役割を担っているのだ。

しかし、日本ではマスコミは力のある者の側につき、ごく普通の人々の側には立ってはいないのだ。腐敗した側につき、その言いなりだ。
一般人を騙している権力側の人間たちに代わって、謝罪までするのだ。マスコミは、政財界のえり抜きの権力者たちに擦り寄る、取り巻きのおべっか野朗どもなのだ。
結局、マスコミそれ自体ももはや腐敗しているのである。マスコミは、エリートたちが遂行する仕事を詳細に取材して調べ上げるという、まさに必要とされている本来の使命、つまり公益のための奉仕をしていない。
それどころか、もっぱらこのエリートたちを、立派な尊敬すべき地位というオーラの中に包み隠す役割に専念しているのである。

エリートたちの言動とその振る舞いの、裏と表を調査・取材する代わりに、今回、マスコミのしたことは何か。それは、計り知れないほどの不運と悲しみの中にいる、京都に住むごく一般の家族にスポットを当てるという選択だ。
すでに腐敗し倦怠しているマスコミにとっては、手軽なネタだったろう。やることなど何もない中、ラジオのニュース速報だけは聞いていていたはずだ。これだ、と思わず膝を叩いたに違いない。この話だったら、マスコミ本来の仕事をする必要がないのだ。
マスコミ側がすべき調査は必要とされない“ネタ”だ。報道関係で働く者たちは、もはや、真実を暴くことでキャリアを積もうなどとは思っていない。エリートが一般の人々から隠したいような真実を、だ。
その代わりに、それまで手にしていたカップを置き、飢えた野犬の群れのように大急ぎで悲しみの現場に駆けつけるのだ。
泣き崩れる家族の映像と、悲しい事故についての“感想“を、一つでも二つでも、ただただ手に入れたい一心で。常識と良識のある人たちなら、すでに誰でも思っていることだが、全く、不愉快極まりない。

この恐れを知らない記者たちが、悲しみの只中にいる人々のプライバシーを侵害しているというのに、他方、政治家たちが企んでいる国の政策については、誰が知っているのか。
官僚と大企業の経営者らの間で、どんな裏取引が交わされているのかなど、一体誰にわかるというのだ。
もちろん、誰にもわからない。マスコミはよそ見をしているのだから。
記者たちは、救急車を追いかけるのに忙しすぎて、日本という国を崩壊させつつある政治腐敗など、気にかけている暇はないのだ。
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コメント

記事を拝見して関係ないのですが去年の鉢呂元大臣の辞任記者会見を思い出しました。その際鉢呂氏に罵声をあびせた大手の報道者に心ある別の報道者が止められました。ある意味自分たちが正しいと思い込んでいる人たち。
 記者会見等大手しか入れない場合もあるとか聞きますし長いものに巻かれろ的な人しか残れないのかもしれません。

ついに九州にも

数少ない残された地、九州までも汚染の危機に瀕しています。

化学工業日報 4月20日

 三菱マテリアルは、東日本大震災で大量に発生した災害廃棄物を、全国に5つある同社のセメント工場すべてでセメント原燃料として受け入れる。まず5月から宮城県の下水汚泥の受け入れを開始する。ヘドロや建築廃棄物なども、準備が整い次第、受け入れる。各工場はフル稼働させ、本格的な復旧・復興需要に向けたセメントの増産と合わせて災害廃棄物処理にも貢献していく。
 今回の震災で発生した災害廃棄物量は、宮城、岩手、福島の3県で阪神大震災の1・7倍に当たる2500万トンと推定され、ヘドロや自動車などを加えれば、その2倍近くになるとの見方もある。市町村が持つ焼却施設や処分場だけではとうてい賄いきれず、国は毎年2500~3000万トン規模で産業廃棄物を処理しているセメント業界に災害廃棄物の受け入れを要請していた。
 三菱マテリアルは、青森工場(青森県下北郡、クリンカ生産能力年間50万トン)、岩手工場(岩手県一関市、同50万トン)、横瀬工場(埼玉県秩父郡、同110万トン)九州工場・黒崎地区(福岡県北九州市、同60万トン)、九州工場・苅田地区(福岡県京都郡、同634万トン)の国内のセメント工場すべてで災害廃棄物を受けれることにした。九州の2工場は海上輸送で廃棄物を搬入する。
 現在までに処理の要請があったのは、津波の被災により地元の処理施設が運転を停止している宮城県からの下水汚泥。経済産業省と環境省からは大量に打ち上げられたヘドロ、東北電力、東京電力からは石炭火力発電設備の石炭焼却灰の処理要請を受けている。このうち宮城県の下水汚泥は5月から受け入れを開始する。建物のガレキ類などについても準備が整い次第、受け入れる方針だ。
 セメントの原燃料としての受け入れには、分別や塩分除去などの前処理が不可欠で、同社は、こうした作業に当たるゼネコン数社と処理方法の技術的な検討を進めている。
 5工場はフル稼働させる方針だが、セメントの復興需要が本格化するのは半年先とみられ、その間の生産過剰分は輸出量を増やすなどして調整する。
 災害廃棄物処理にあたってはいくつかの問題もある。今回の災害廃棄物の多くは津波によるもので塩分が含まれるため、セメント原燃料には使えない。このため被災地の集積所で水洗いし、乾燥させて工場に運ぶ予定だが、それでも残った塩分がセメントの品質に影響を及ぼすという。5工場には塩素除去装置もあるが、除去能力を増強しなければ対応は難しい。
 災害廃棄物受け入れの要請を受けたセメント協会は、塩素除去設備に対する国の補助金などの支援を求めている。政府は設備新増設への補助金制度の検討に入っている。制度化されれば、同社もこれを活用して設備対応を具体化する方針。
 また岩手工場は気仙沼港を通じて原燃料を海上輸送してきたが、現在は港が使用できず、秋田県からコストのかかる陸送で対応している。このため早期の港湾の復興も求めていく。

 本当に交通事故と、私には関係のないニュースばかり、しつこく一斉に繰り返し・・
島田市の焼却灰汚染が深刻な時も、某タレントの死去のニュースを取り上げていて、まったく、ダメでしたね。アナウンサーも、とてもきれいだけど、小さくまとまって、政治を語れる人がいないんでしょうね。

>そしてマスコミは、言論出版界、いわゆる第4階級である。本来の任務は、普通の家族の守り手であり、真実を発見することだ。加えて、政治家・官僚・企業・特別利益団体や圧力団体に、その説明責任を果たさせる役割を担っているのだ。

そうですよね、そんなニュース番組本当にみたいです。そして信頼出来る世論調査を知りたい。

ところで「ガレキの広域処理」小沢さんはどうなのですか?

Re: タイトルなし

鉢呂氏の件は意図的な5社示し合わせの謀略と思っていますが、その底にある傲慢さは、共通するものと思います。
被害者家族の涙などと情緒的な報道をしながら、最も遺族に失礼な行動をとっているのが大マスコミの連中ですね。
確かに「長いものに巻かれろ的な人しか残れないのかもしれません。」
同感です。

Re: タイトルなし

マスコミは芸能馬鹿番組と洗脳ニュース解説ばかり、多少まともなことは深夜かラジオでしか放送しないようですね。
Netでの日刊ゲンダイと東京新聞、琉球新報、次いで中日新聞、北海道新聞、信濃毎日、沖縄タイムスなども時折まともな記事があるようですね。
テレビと5大全国紙のみ視聴している人はほぼ騙されっぱなしになって居るように感じます。
小沢氏は瓦礫については特に発言はないようですが、
原発事故と放射能については、昨年から何度も発言しています。
原発は使用済み燃料のガラス固化さえ未だにできていないので展望はない。
放射能は何があろうといくら予算がかかろうと、迅速に封じ込めなければならない。
(マスコミと政府の隠蔽で)みんなは危険なことを知らされていないが、大変な事態になっている。
と言うスタンスでした。

Re: ついに九州にも

瓦礫として微量の放射能であっても、焼却すると空中を汚染する、と共にその焼却灰は高濃度の放射能汚染物となり、一体誰が責任をもって保管し続けるのか。
原発事故の超小型版を全国に再現することになる。
岩手、宮城の瓦礫は現地で集積し、上に覆土し緑化するのが妥当な方法。
JAはTPPに猛反対しているが、瓦礫には関心が低い。
瓦礫の拡散処理は全国の農産物に被害の可能性を作り出す。
米国、豪州などは今から舌なめずりしているだろう。

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