翁長vs菅会談、「政治の堕落ではないか」
2015-04-05

「日本政治の堕落ではないか」
4/5 ハフィントン・ポスト
菅義偉官房長官、沖縄県知事と会談したが物別れ 翁長氏「日本政治の堕落ではないか」
菅義偉官房長官と沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は、4月5日、午前9時半から約1時間、那覇市内のホテルで会談した。
二人の会談は翁長氏の知事就任以来、初めて。
菅氏がアメリカ軍普天間基地の危険性の除去に向けて、那覇市辺野古への基地移設計画への理解を求めたのに対し、翁長氏は計画を断念するよう求めた。
朝日新聞デジタルによると、会談は冒頭30分間が報道陣に公開され、菅氏、翁長氏がそれぞれ、約15分ずつ考えを述べた。
菅氏は「日米同盟の抑止力の維持や、(普天間飛行場の)危険性除去を考えたときに辺野古移設は唯一の解決策であると政府は考えている」として、「関係法令に基づき、環境などに配慮しながら、粛々と続ける」と述べた。
これに対して翁長氏は、「官房長官が『粛々(と進める)』という言葉を何回も使われる。
僕からすると、問答無用という姿勢が埋め立て工事に関して感じる」と指摘。
さらに、「危険除去のために『沖縄県で負担しろ』という話をされること自体が日本政治の堕落ではないか」と反論した。
翁長氏は「日米安全保障体制は重要だと理解しているが、日本の安全保障は日本国民全体で支えるという気構えがなければならない。
沖縄がみずから基地を提供したことはない。
辺野古の新基地は絶対に建設することはできないと確信している」と述べた。
会議の後、菅氏は記者団に対し、「国と沖縄県が話を進めていく、第一歩となったと思う」とコメント。
さらに、「政府は、国民の安全保障を守るという極めて大きな責任がある。ギリギリの解決策が辺野古への移設であった。
沖縄の(前)知事と、辺野古の(当時の)市長に同意を頂いている。相手の国のある話だから、そこは進んでいかないと、今の状況はなかなか改善することは難しいのではないか」と述べた。
翁長知事の安倍首相との面会については、具体的なことが聞かれなかったとして、今後対話の中で進めるとした。
一方で、翁長氏は会見後、公開されなかった会談内容について記者団にコメント。
菅氏から出された経済振興の話題については「基地の話と経済新興は別の話」として本州四国連絡橋や、九州新幹線などを例にあげ、「基地や原子力発電所があるから、九州や四国に橋や新幹線がつくられたわけではなく、経済を発展させ日本に貢献せよということだったはずだ。
沖縄の振興策も同じかと聞くと菅氏もそうだと。
(※北風 地域振興は原発や基地の見返りではないはずだ、との意味。菅も肯定せざるをえなかった。)
それで、基地とは関係なく、沖縄がアジアと日本の架け橋、日本のフロントランナーとなるよう応援してもらいたいと伝えた」と話した。
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※ 現実に地域振興予算が原発などの見返りになっている。
原発や基地に反対すると地域振興予算を減らすというアメとムチがまかり通っている現実を、菅に否定させたものである。
翁長知事の発言は、そうした現実が建前上は認められないことを、菅に確認させたものであり、評価したい。
それにしても、この菅という男。翁長氏とはずいぶんと風格が違うものだ。
皆さんのまわり、とりわけ上にいたら嫌なタイプの顔。
はっきり言うと、小ずるさがにじみ出ていて、弱いものに押し付けて上にはごますりする奴。同僚だったら足を引っ掛ける油断のならない奴。
外観であれこれ言うつもりはないが、四十過ぎたら自分の顔に責任を持てとも言う。
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要地イエメンを空爆するサウジ、支援する米軍、影のイスラエル
2015-04-05

地中海からインド洋へ結ぶ要路。
ジブチはそのために作られた欧米のかいらい基地国家。対岸イエメンはフーシ派民兵が主要地を掌握し、暫定政権は南岸のアデンのみ。
一部にアルカイダ系がいる。
サウジが主導し、フーシ派に空爆を加えている。米軍はサウジに協力を言明。影ではイスラエルが支援している。
サウジはアラブ連盟統合軍を主唱。
パレスチナ解放のためではないどころか、イスラエル、米軍の協力でフーシ派民兵を皆殺しにしようという邪悪さ。
サウジはほとんどISISと同じ立場を露呈した。
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イエメンはアラビア海から紅海へ入る海峡に面する重要な国で、サウジや米国が支配を目論んできた 4/4 櫻井ジャーナル
イエメンが戦略上、重要な位置にあることは地図を見ればすぐにわかる。
アラビア海から地中海へ抜けようとする場合、アラビア海からアデン湾へ入り、紅海を経由し、スエズ運河を通過するのが通常のコース。
アデン湾と紅海の境目にあるのがバブ・エル・マンデブ海峡で、非常に狭い。
つまり、容易に封鎖でき、そうなると石油の輸送が止まる。
スエズ運河と同じように、この海峡は産油国にとってもヨーロッパにとっても重要な場所だ。
バブ・エル・マンデブ海峡はジブチとイエメンにはさまれている。
ジブチは小さい国だが、アメリカ軍の拠点で、JCTF(統合連合機動部隊)約1800名が駐留、無人機の基地もあり、偵察だけでなく攻撃も実行されている。
この国は海峡を守るために作られたとも言えるだろう。
この国には自衛隊の拠点基地が約47億円をかけて建設されている。
ジブチの隣国が「アフリカの角」と呼ばれるソマリアで、ここも戦略的に重要。
CIAはJCTFを介してソマリアの武装勢力へ資金と供給、その勢力が劣勢になると、エチオピア軍を投入して支配しようとした。
ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、2001年9月11日から間もない頃、ジョージ・W・ブッシュ政権が作成した攻撃予定国リストには、イラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、スーダンと同様、ソマリアも含まれていたという。
イエメンでサウジアラビアは2009年にフーシ派を倒すため、特殊部隊や空軍を派遣したと伝えられている。
何度も書いているように、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟はアル・カイダやIS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISIS、ISIL、IEIL、ダーイシュとも表記)を利用して侵略してきた。
2009年、イエメンではAQAP(アラビア半島のアル・カイダ)が組織されている。
ところが、その後、フーシ派は勢力を拡大。サウジアラビアは大々的な空爆をする必要に迫られたということのようだ。
フーシ派をイランの傀儡だと考えると、その強さを見誤る。
傀儡でないからこそ、強いのだ。
イエメン南部のアデンにサウジアラビアの特殊部隊が展開、アメリカの艦船も参加していると報道されている。
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※ 位置関係のわかりやすい地図をNetで探したのですが、面白いことに「ジブチ」の名がない地図ばかり。
国連も米軍もロシア人もみないったん「ジブチ」に引き上げていると報道されている。
自衛隊の本格的海外基地があるのだが、ほとんど報道されていないことを意識しているのだろう。
日本のマスコミは「ジブチ」を隠しておきたいらしい。
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