プーチン 大統領になって15年「エリートでなかったこと」
2015-04-29

大統領初就任から15年のプーチン 4/28 ロシアNOW
国営テレビ「ロシア1」は26日、大統領1期目の就任から今年5月で15年を迎えるウラジーミル・プーチン大統領の、特別ドキュメンタリー・インタビュー番組「大統領」を放映した。
プーチン大統領が語った、これまでのエピソード、欧米との関係、国民との関係などについて、ロシアNOWがポイントをまとめた.
初めて大統領に就任した時のこと
「エリツィン政権の首相を務めていた時、エリツィン大統領が私の大統領選への立候補について明らかにした。
するとオリガルヒ(新興財閥)の一部がベールイ・ドームの私の執務室に来て、向かい側に座り、『大統領になんて絶対なれるわけないって、わかってますよね』と言った。私は『さあ、どうでしょう』と答えた」。
いかにしてオリガルヒを黙らせたのか、という質問に、プーチン大統領は、「いろいろと。異なる手段で」と答えた。
「20年近くKGBで対外諜報活動を行っていた私にさえ、共産党の一党支配というイデオロギー的な防壁の崩落にともなって、すべてが根本的に変化するように思えた。
だが、根本的に変化することはなかった。いかなるイデオロギーとも無関係な地政学的利益というものもある、という単純なことが、遅ればせながら判明した。
ロシアのような国にも地政学的利益があるということを、他の国は理解する必要がある」
大統領の国民との直接対話の結果
「FSBの長官だった時、さまざまな作戦に関する書類を読んだ。そこには、『今は特別な歴史的瞬間。ロシアからカフカスを切り離せるチャンスが俺達にはある。今を逃したら、次はない』と書きあっていた国際的なテロリストの追跡作戦もあった。
そして、今ロシアが踏ん張らなければ、もう国を維持できるチャンスは二度と訪れないということが、我々にもはっきりしていた」
「ロシアの特殊機関はある時、北カフカスの戦闘員と、アメリカの特殊機関の関係者が、アゼルバイジャンで直接交流していたのを記録した。これは実際的な支援で、輸送まで手伝っていた。
私がこれを当時のアメリカ大統領に言ったところ、こういう回答をもらった。『じゃあ、あいつら(アメリカの特殊機関関係者)のケツを蹴飛ばしておくよ』(言われたまま)と。だがその10日後、私の部下のFSBの幹部たちは、アメリカの特殊機関の幹部からこういう内容の手紙を受け取った。『ロシアのすべての反政府勢力との関係を維持してきたし、維持していく。我々にはそれをする権利があると考えており、今後も続ける』と」
この15年でもっとも悲劇的なできごと
「むろん、恐ろしいテロ攻撃。それはベスランであり、ドブロフカの劇場であり。(中略)これはおそらく、国民が通らねばならなかった、もっとも、もっとも困難なこと」
西側がロシアを好きになってくれる時
「ロシアが人道支援を必要とすれば、西側に愛される、という印象を時々受ける。そうすればすべてが丸く収まり、西側はジャガイモを送ってくれる。(中略)これらの国の統治層、政界のエリートや経済界のエリートは、赤貧で物乞いをしているロシア人が好きなのだ」
プーチン支持率を上下させるもの
「ロシアは物事の決まりを破ってなどいないと、深く確信している。物事の決まりとは、何よりも国際法、国際公法、国連憲章とこれに関連するすべてのこと。これはロシアとウクライナとの関係、クリミアの状況、世界の他の地域における対国際テロへのロシアの立場についてである」
「我々にとってもっとも重要だったのは、クリミアの住民が何を望んでいるのかを理解すること。(中略)ロシアに戻りたい、またネオナチ、極端な民族主義者、バンデラ主義者の統治下にいたくないというのであれば、こちらには住民を放置する権利はない。(
中略)何かを奪いたいからというわけではないし、クリミアが黒海において戦略的に重要だからというわけでもない。
これが歴史的正当性の要素だから。我々は正しいことをしたと思うし、私は何も後悔していない」
自分自身のこと
「私はいわゆるエリートであったことがない。これは大変良いこと。
別の階層で暮らしたり、または生まれたりすることも悪いことではないし、ここには独自のプラスもある。(中略)
だが、私のような仕事をしている者にとって、一般の人への帰属感というのは極めて重要」
「私は追加的な(情報)源を探そうとはしていない。十分に足りているから探す必要はない。
なぜかはわからないし、説明することもできない。
(中略)ただ自分をこの国の一部、国民の一部だと感じている。(中略)国民が不満を持っていると感じると、シグナルは瞬時に私に届く」
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地中で再臨界、原発事故は新たな危機の可能性
2015-04-28
“フクイチ”で新たな恐怖! 海外の研究者や政府関係者が不安視、苛立つ最悪の「地底臨界」危機進行中? 4/28 週プレNEWS
4月3日から福島第一原発2号機の格納容器の温度が約20℃から70℃へ急上昇し、2日後には88℃に達した。
それと連動するように、原発周辺の「放射線モニタリングポスト」が軒並み高い線量を記録。
復旧したての常磐自動車道・南相馬鹿島SA(サービスエリア)で通常の1000倍にあたる毎時55μSv(マイクロシーベルト)を最大に市街地各所で数十倍の上昇が見られた。(前編記事→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/04/27/46919/)
これは一体、何を意味するのか? 考えられるのは、原発内の核燃デブリ(ゴミ)が従来の注水冷却工程に対して異なった反応を示す状態に変化した可能性。
例えば、デブリが格納容器下のコンクリートを突き抜けて地盤まで到達(メルトアウト)し、地下水と接触するなどだ。
福島第一原発1~3号機では、巨大地震直後に圧力容器内の核燃料がメルトダウンし格納容器の下部へたまった。
それは昨年4月から7月にかけて名古屋大学が2号機で実施した、宇宙線から生じる物質貫通力が強い「ミュー粒子」を利用した透視撮影で明らかになった。
さらに、同じく1号機格納容器内の底から約2m上の作業スペースで行なったロボット調査でも、数千℃の超高温デブリが圧力容器を溶かして落下した痕跡が撮影された。
だが、デブリの正確な位置は特定されていないし、ミュー粒子画像に映った格納容器の底は平坦に見えた。
となると、100t超といわれる大量のデブリ塊はどこへ行ったのか?
半球状の格納容器底部の内側は厚さ約3mのコンクリートを敷いて平らになっているが、そのうち深さ70cmほどが事故の初期段階で高熱デブリによって溶解した可能性があると、東電はこれまで発表してきた。
この推測について、元・東芝の研究員で原子炉格納容器の強度設計を手がけた後藤政志氏(工学博士)に意見を聞くと、「今回のミュー粒子による撮影でわかったのは、格納容器が間違いなく壊されたことで、これは2、3号機にも当てはまると思います。
しかし、ほぼ地面と同じ高さに感光板を置いた撮影なので、核燃料が実際今どこにあるのかの判断材料にはなりません。東電の言う70cmという数字の根拠はよくわからない。コンクリートや建材の金属と核燃料が混ざり合った状態のデブリは、もっと下まで潜り込んでいるとも考えられます。
ただし、ほかの物質が混じって時間がたっているのでデブリの放熱量は減り、容器の底の鋼板(厚さ20cm厚)までは達していないはずです。仮に鋼板が溶けても、下には5、6mのコンクリート層があるため、その内部で冷却バランスを保って止まっていると思います」
もしも核燃デブリが格納容器を突き破れば、メルトダウンから先の「メルトアウト」に進んでいくわけだが、実は先日、調査途中で止まったロボット装置について記者会見に臨んだ東電の広報担当者は、意味深長な感想を述べた。
格納容器内では10Sv(1000万μSv)のすさまじい高線量が計測されたが、それでも予想していた10分の1ほどだったと言ったのだ。
その意味するところは、デブリが金属格子の作業用足場から見えるような位置ではなく、ずっと深くまで沈んでいるということではないのか。
また最近、東電の廃炉部門責任者がNHK海外向け番組で「2020年までに核燃デブリの取り出しに着手する」という作業目標について「困難」とコメントしたが、これも状況が非常に悪いことを示唆しているのかもしれない。
「メルトアウト」または「チャイナ・シンドローム」とは、核燃デブリが原発施設最下層のコンクリートすら蒸発させ、地中へ抜け落ちていく状態で、それが現実化するかどうかは後藤政志博士が語ったデブリの温度次第だ。
1~3号機内では4年後の今も各100tのデブリが4000~5000℃の高温を発し、メルトアウトの危険性が高いと説く海外研究者もいる。
例えば、「IAEA(国際原子力機関)」の“不測事態の管理技術会議”は、2012年時点でデブリが格納容器と下層コンクリートを溶かし、自然地層へ抜け出た可能性を指摘している。具体的にはデブリが施設地下6、7mまで沈み、直径10~15mの大穴の底にたまっているというのだ。
この仮説でも地殻を突き抜けるようなメルトアウト現象は否定しているが、代わりにひとつ厄介な事態を予測している。それはデブリの核分裂反応が再び爆発的に加速化する可能性だ。
通常ならば、原子炉や実験施設内でコントロールされる「再臨界」は自然状態でも一定の条件が整えば起き得る。
その条件とは中性子と水、地質。IAEA技術会議のシミュレーションでは、まず原発地下の水流と岩盤層が中性子の反射装置となり、デブリ内のウランやプルトニウムが連鎖的に核分裂していく。
そして膨大な崩壊熱で水蒸気爆発が繰り返され、新たに生まれた放射性物質が地上へまき散らされる…。
琉球大学理学部の古川雅英教授(環境放射線学)は、こう分析する。
「そうした自然界の臨界現象は、アフリカ中西部のウラン鉱山(ガボン共和国オクロ)で20億年前に起きており、当時の地層が海底にあったことが中性子による核分裂反応を少なくとも60万年間にわたり持続させたようです。その点では、大量の地下水が流れる福島第一原発の地質構造も共通した条件を備えているかもしれません」
飛距離パワーが強く、人体を含めて通過した物質の原子を「放射化」させる中性子線そのものの威力はとてつもない。1999年に東海村の核燃加工場で起きた「JCO臨界事故」では、ウラン化合物約3kgの連鎖分裂で半径10km圏の住民約30万人が屋内退避した。
それに対して、質量がケタ外れに多い福島第一原発のデブリが「地底臨界」すれば、東日本どころか地球規模の超巨大原子力災害に突き進む!
だからこそ海外の研究者や政府関係者たちも福島第一原発事故処理の不透明な現状に対して不安と苛立ちを募らせているのだ。
事実、この悪夢のような破局シナリオが決して絵空事でないことは、他の科学的事実からも裏づけられる。
そのひとつ、CTBT(包括的核実験禁止条約)に基づき「日本原子力開発機構」が群馬県高崎市に設置した高感度の放射性核種監視観測システムには、昨年12月から福島第一原発の再臨界を疑わせる放射性原子、ヨウ素131とテルル132が検出され続けている。
また福島第一原発2号機横の観測井戸では、今年に入って新たな核分裂反応の再発を示すセシウム134とトリチウムの濃度が高まるばかりだ。昨年秋に開通した国道6号線の第一原発から第二原発までの12km区間でも高線量が続いている。
果たして、福島第一原発はメルトアウトで地底臨界という最悪の事態を迎えつつあるのか?
今回の格納容器温度の急上昇、一部地域での急激な線量アップは、原発事故が日本政府の大ウソ「アンダーコントロール」とは正反対の新たな危険領域へ入ったことを示しているのかもしれない。
4月3日から福島第一原発2号機の格納容器の温度が約20℃から70℃へ急上昇し、2日後には88℃に達した。
それと連動するように、原発周辺の「放射線モニタリングポスト」が軒並み高い線量を記録。
復旧したての常磐自動車道・南相馬鹿島SA(サービスエリア)で通常の1000倍にあたる毎時55μSv(マイクロシーベルト)を最大に市街地各所で数十倍の上昇が見られた。(前編記事→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/04/27/46919/)
これは一体、何を意味するのか? 考えられるのは、原発内の核燃デブリ(ゴミ)が従来の注水冷却工程に対して異なった反応を示す状態に変化した可能性。
例えば、デブリが格納容器下のコンクリートを突き抜けて地盤まで到達(メルトアウト)し、地下水と接触するなどだ。
福島第一原発1~3号機では、巨大地震直後に圧力容器内の核燃料がメルトダウンし格納容器の下部へたまった。
それは昨年4月から7月にかけて名古屋大学が2号機で実施した、宇宙線から生じる物質貫通力が強い「ミュー粒子」を利用した透視撮影で明らかになった。
さらに、同じく1号機格納容器内の底から約2m上の作業スペースで行なったロボット調査でも、数千℃の超高温デブリが圧力容器を溶かして落下した痕跡が撮影された。
だが、デブリの正確な位置は特定されていないし、ミュー粒子画像に映った格納容器の底は平坦に見えた。
となると、100t超といわれる大量のデブリ塊はどこへ行ったのか?
半球状の格納容器底部の内側は厚さ約3mのコンクリートを敷いて平らになっているが、そのうち深さ70cmほどが事故の初期段階で高熱デブリによって溶解した可能性があると、東電はこれまで発表してきた。
この推測について、元・東芝の研究員で原子炉格納容器の強度設計を手がけた後藤政志氏(工学博士)に意見を聞くと、「今回のミュー粒子による撮影でわかったのは、格納容器が間違いなく壊されたことで、これは2、3号機にも当てはまると思います。
しかし、ほぼ地面と同じ高さに感光板を置いた撮影なので、核燃料が実際今どこにあるのかの判断材料にはなりません。東電の言う70cmという数字の根拠はよくわからない。コンクリートや建材の金属と核燃料が混ざり合った状態のデブリは、もっと下まで潜り込んでいるとも考えられます。
ただし、ほかの物質が混じって時間がたっているのでデブリの放熱量は減り、容器の底の鋼板(厚さ20cm厚)までは達していないはずです。仮に鋼板が溶けても、下には5、6mのコンクリート層があるため、その内部で冷却バランスを保って止まっていると思います」
もしも核燃デブリが格納容器を突き破れば、メルトダウンから先の「メルトアウト」に進んでいくわけだが、実は先日、調査途中で止まったロボット装置について記者会見に臨んだ東電の広報担当者は、意味深長な感想を述べた。
格納容器内では10Sv(1000万μSv)のすさまじい高線量が計測されたが、それでも予想していた10分の1ほどだったと言ったのだ。
その意味するところは、デブリが金属格子の作業用足場から見えるような位置ではなく、ずっと深くまで沈んでいるということではないのか。
また最近、東電の廃炉部門責任者がNHK海外向け番組で「2020年までに核燃デブリの取り出しに着手する」という作業目標について「困難」とコメントしたが、これも状況が非常に悪いことを示唆しているのかもしれない。
「メルトアウト」または「チャイナ・シンドローム」とは、核燃デブリが原発施設最下層のコンクリートすら蒸発させ、地中へ抜け落ちていく状態で、それが現実化するかどうかは後藤政志博士が語ったデブリの温度次第だ。
1~3号機内では4年後の今も各100tのデブリが4000~5000℃の高温を発し、メルトアウトの危険性が高いと説く海外研究者もいる。
例えば、「IAEA(国際原子力機関)」の“不測事態の管理技術会議”は、2012年時点でデブリが格納容器と下層コンクリートを溶かし、自然地層へ抜け出た可能性を指摘している。具体的にはデブリが施設地下6、7mまで沈み、直径10~15mの大穴の底にたまっているというのだ。
この仮説でも地殻を突き抜けるようなメルトアウト現象は否定しているが、代わりにひとつ厄介な事態を予測している。それはデブリの核分裂反応が再び爆発的に加速化する可能性だ。
通常ならば、原子炉や実験施設内でコントロールされる「再臨界」は自然状態でも一定の条件が整えば起き得る。
その条件とは中性子と水、地質。IAEA技術会議のシミュレーションでは、まず原発地下の水流と岩盤層が中性子の反射装置となり、デブリ内のウランやプルトニウムが連鎖的に核分裂していく。
そして膨大な崩壊熱で水蒸気爆発が繰り返され、新たに生まれた放射性物質が地上へまき散らされる…。
琉球大学理学部の古川雅英教授(環境放射線学)は、こう分析する。
「そうした自然界の臨界現象は、アフリカ中西部のウラン鉱山(ガボン共和国オクロ)で20億年前に起きており、当時の地層が海底にあったことが中性子による核分裂反応を少なくとも60万年間にわたり持続させたようです。その点では、大量の地下水が流れる福島第一原発の地質構造も共通した条件を備えているかもしれません」
飛距離パワーが強く、人体を含めて通過した物質の原子を「放射化」させる中性子線そのものの威力はとてつもない。1999年に東海村の核燃加工場で起きた「JCO臨界事故」では、ウラン化合物約3kgの連鎖分裂で半径10km圏の住民約30万人が屋内退避した。
それに対して、質量がケタ外れに多い福島第一原発のデブリが「地底臨界」すれば、東日本どころか地球規模の超巨大原子力災害に突き進む!
だからこそ海外の研究者や政府関係者たちも福島第一原発事故処理の不透明な現状に対して不安と苛立ちを募らせているのだ。
事実、この悪夢のような破局シナリオが決して絵空事でないことは、他の科学的事実からも裏づけられる。
そのひとつ、CTBT(包括的核実験禁止条約)に基づき「日本原子力開発機構」が群馬県高崎市に設置した高感度の放射性核種監視観測システムには、昨年12月から福島第一原発の再臨界を疑わせる放射性原子、ヨウ素131とテルル132が検出され続けている。
また福島第一原発2号機横の観測井戸では、今年に入って新たな核分裂反応の再発を示すセシウム134とトリチウムの濃度が高まるばかりだ。昨年秋に開通した国道6号線の第一原発から第二原発までの12km区間でも高線量が続いている。
果たして、福島第一原発はメルトアウトで地底臨界という最悪の事態を迎えつつあるのか?
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「よく効く新しい薬」は患者がモルモット
2015-04-28

「よく効く新しい薬」は極めて危険?強烈な副作用、多数の死亡者発生のケースも 4/28 biz-journal
みなさんのなかには、医師から「新しく開発された薬」を勧められた経験のある人もいるのではないでしょうか。
人は好奇心が旺盛な生き物ですから、目新しいものに興味を示すものです。特に日本人は総じて、新しいもの好きです。
車やスマートフォン、タブレット端末、化粧品、掃除機……「新製品」と聞くと、これまでにない優れた機能を備え、より使い勝手が良くなっているのではないかと、期待を膨らませます。
薬の場合も、「新薬」と言われると、多くの人が「いかにも効き目がよさそう」と感じられるのではないでしょうか。
「あなたの症状に、もっとよく効きそうな薬が出た」と医師に言われれば、つい「では、試してみようかな」と思ってしまいます。
医師が自分のために新しい薬を見つけてきてくれた、という錯覚すら抱いてしまいがちです。
しかし、新しいということは、それだけ臨床実績が少ない、つまり、まだその薬を飲んだ人もデータも少ないということです。
したがって、すでに出ている薬以上に、何が起こるかわからない代物を体内に入れることになるのです。
新薬が市場に出る前に厚生労働省の承認を受けるのですが、その承認を得るための臨床テストを受けているのは、一般的に健常成人男性です。
インフルエンザの特効薬として登場したタミフルにしても、服用して症状が治まった人がいる一方で、部屋の中を駆け回る、家から飛び出す、窓から飛び降りるなど、異常行動を起こして思わぬ展開を招いた事例がいくつも報告されました。
これらの異常行動とタミフルとの因果関係は明らかにはなっていませんが、もし「タミフルを飲んだ後に異常行動を起こした人が何人もいる」という情報を事前に知らされていたら、タミフルを安易に服用する人はかなり減っていたのではないでしょうか。
「インフルエンザを治す」とうたわれた薬が、このような悲劇を招くかもしれないなどということは、発売当初誰も予想しませんでした。
ちなみに、2009年8月に新型インフルエンザが流行した際、死亡者10人のうち9人はタミフル投与者でした(同年9月3日現在)。
また、だいぶ前から、タミフル耐性ウイルスも出現しています。
新薬は、自分が実験台になる可能性もある
それほど薬は、個々人の体内でどのように作用するかわからないものなのです。
薬の中には、体質との相性や、他の薬との飲み合わせに関する禁忌事項が記されているものもあります。
それらの禁忌事項は、開発段階で明らかになったものもありますが、当然、臨床によって明らかになったものもあります。
人体に実際に投与してみた結果、「こういう副作用が報告された」「こういう体質の人にはよくないようだ」「こういう組み合わせで飲むといけないようだ」などと、過去に誰かが、その薬で苦しい思いをした結果が禁忌事項につながった場合もあるのです。
肺がん治療薬、イレッサの副作用によって、多くの患者さんが間質性肺炎を発症して死亡しました。
イレッサは07年7月、申請から5カ月という異例のスピードで、世界で初めて日本において承認されました。承認前には副作用が少ないと宣伝されていましたが、11年9月までに公式発表されただけでも834人が副作用の間質性肺炎で亡くなっています。
特に初期の頃に死亡者が集中しており、承認から半年で180人、1年で294人が亡くなっています。
この死亡者数は、他の抗がん剤より著しく多く、イレッサの間質性肺炎による最近の副作用死亡者数と比較しても10倍近い数となっています。
イレッサは今も肺がんの特効薬として副作用に注意しながら使用されていますが、それは、多くの犠牲者が身をもってイレッサの危険性を示してくれたからにほかなりません。
薬が体内でどんな化学反応を起こすかわからない以上、自分が新たな禁忌事項のきっかけになる可能性はゼロではないでしょう。
新しい薬ほど、その危険が高いことは言うまでもありません。
薬を飲むか飲まないかは最終的に本人、服用するのが子どもならその保護者が決めることです。新薬に期待をかけるのも、その人の自由です。
ただし、「新薬は、飲んだ人が少なく、その効果についても副作用についても極めて情報が少ない。そして服用した場合、どういうことが起こるかはよくわかっていない」ということをしっかり認識し、そのうえで服用するかどうかの判断をしていただきたいと思います。
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