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「日銀バブル」が崩壊したら」座談会

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   もし「日銀バブル」が崩壊したらどうなるのか  3/12 渋澤健、中野晴啓、藤野英人 東洋経済オンライン

  日経平均「15年ぶり高値」の裏側にあるもの

株価が堅調に推移しています。直近ではやや高値波乱となっていますが、米国やドイツでは連日、過去最高値を更新。日本の株価も15年ぶりの高値水準を付けてきました。
その背景には何があるのでしょうか。草食投資隊の3人が、「株価の裏側」について検証します。

  日本株は公的セクターの「総食投資」状態?

藤野:「マーケットが汚れている」って思いませんか?

中野:ん?どういうこと?

藤野:このところの上昇相場についてなんですが、まあ、株価が上がっているのはよしとして、問題はプレイヤーだと思うのですよ。
株高なのに、個人投資家は売っている。じゃあ、なぜ株価が上がっているのか。
これ、サラリーマン買いですよね。GPIFとか日本郵政とか、あるいは日銀が、「仕事だから」と言って買っているだけ
結果、インデックス買いになって、確かにインデックスは上昇しているのだけれども、個別銘柄で見ると、あまり株価が上がっている感じがしない。

渋澤:我々は「草食投資隊」だけれども、今のマーケットの主役は「総食投資隊」だね。

中野:ますます???わからない。

渋澤:いや、つまりね、国を挙げて、総出で日本株を買いに来ているな~って思って、「総食」。GPIFも日銀も、そして、今度は郵政まで……。
爆買い状態じゃないですか。

中野:あ、なるほどですね。総食(笑)。

藤野:そして、この爆買いの裏にあるのが、今や世界的に進行している金利の急低下。金利が消滅しかかっています。

中野:確かに、イールドカーブ、すなわち金利曲線を見ると、今まで見られなかった形をしていますよね。
本来イールドカーブって、短期が低くて、長期になるほど上がっていくという形だったのですが、最近は短いところから中期にかけて下がり、その先の長いところに向けて上昇していくという形になっています。

  マイナス金利というバブルは、なぜ起きているのか

藤野:経済の教科書になかった現象ですよね。

中野:そもそも「マイナス金利」って経済の教科書に載っているんでしょうか。

渋澤:載っていないでしょう。このままだと日本でもいずれマイナス金利が実現しそうですよね。
これ、明らかにおかしい現象でしょう。本来、金利ってお金を借りた側が、お金を貸した側に支払うものですが、これが逆転するということでしょう。
あまりにもおかしな話だし、そのなかで株価が上昇するのはいいけれども、あまりにも不安定という感じがします。

藤野:まあ、そうなのですが、でも下がるとはかぎらないのがマーケットなのですよね。

渋澤:でも、それってバブルでしょう。

中野:仮に今、起っているのがバブルだとしても、それがいつ弾けるのかがわからない。
下手をすれば上に持っていかれてしまう恐れがある。
だから、買わざるをえないというのが、今の株高の裏にあるようですね。

藤野:マーケットの主要プレイヤーが、ヘッジファンドから各国中央銀行に移りましたよね。
特にリーマンショック以降、その傾向が加速した印象を受けます。

中野:それは当初、合理性があったと思うのですよ。
何しろリーマンショックの直後は、マーケットから完全に流動性が消えてしまったのですから。
まさに中央銀行が最後の買い手になったわけです。

ただ、異常な事態が収束したら、さっさと中央銀行は奥に引っ込まなければならなかったのに、ずっと主役の座に居座り続けてしまった
米国は今、ようやく出口に差しかかってきましたが、その途端、今度は日本と欧州が量的金融緩和を実施して、状況がますますおかしくなったというのが、現状でしょう。

渋澤:市場に流動性を供給という大義で、日銀はETFやJ-REITを買っているじゃないですか。欧米って、どうなんだろう。

中野:少なくとも米国の場合は、国債とファニーメイなどの住宅ローン債権です。

渋澤:国債も住宅ローン債権も償還日が設けられていますよね。
中央銀行が継続的に買ったとしても、一方で償還を迎えるものがあるから、両者が均衡すれば、バランスシートの保有資産として、残高が大きく積み上がることはないでしょう。

でも、ETFやJ-REITには償還日がないので、買い続けているかぎりは残高が積み上がってしまいます
このようなバランスシートって、中央銀行の役目なんでしょうか。
いずれ経済が正常化した時に、中央銀行のバランスシートも正常化させるために、これらが売りに出される必要がありますね。
その時のインパクトって、どうなんでしょう。

中野:過去数十年にわたって続いたことは、徐々に常態化していくわけですが、それが今、大きく変わろうとしています。まさにターニングポイントなのでしょう。
FRBのバランスシートが4倍にまで膨らむなんて、今までになかったことですが、恐らくこれが元の状態に戻ることはない

これからは、中央銀行がバランスシートを膨らませて、市場に流動性を供給することが、ごく普通に行われるようになるのかも知れませんし、この超低金利もデファクトになるのかも知れません。
問題は、それが何を意味するのかということですね。

  国家資本主義経済で歪むマーケット

渋澤:官製・国家主義資本経済ということでしょうか。

藤野:総売りの中で官だけが買うという、今の国債市場に起こっていることが、いずれ株式市場にも起こるのかも知れませんね。
まさに中央銀行ひとりの爆買い。

渋澤:ただ、GPIFや郵政の財源は国民の資産ということで中身がわかりやすいですが、日銀の場合、よくわかりませんよね。
それをやり続けるのは危険な気がします。しかも、ETFやJ-REITを買っているお金って、どうやって調達しているの? FB(政府短期証券)を発行して調達した資金?

中野:いや、FBは為替介入を行う際の資金ですよね。
輪転機回してお金を刷って、それをETFやJ-REITの買い付けに回しているだけじゃないですか。

渋澤:え~、紙幣を刷るということは……、お金を増やして、それで株を買ってる。
なんか、ますます“きな臭い”感じがしますね。

藤野:ただ、今のところは、ものすごい含み益になっているはずです。

中野:だから、マジックなんですよ。
日銀による国債の買い入れは財政ファイナンスだという批判を受けていますが、ETFは現物を買っているわけですから、日銀は株式そのものを買い出したということですよね。
このまま買い続けたら、日銀は実質的に日本企業の大株主?

藤野:メガバンクは保有している国債を日銀に買ってもらう。
そこで得た国債の売却資金を、今度はJ-REITの買い付けに回している。
企業融資などの成長資金には回らない
なんだか滅茶苦茶な状態ですね。

渋澤:しかも機関投資家は、保有している国債が償還を迎える一方、新たに発行される国債は金利がゼロだから、投資資金を持っていく場がない
マーケットがどんどん、ひずんでいく感じがします。

中野:渋澤さんも藤野さんも、長年、金融の世界で生きてきたわけですよね。
言うなれば、この分野のプロです。
でも、今の状況をきちっと整理して説明しろと言われても、なかなか決め手に欠ける。
そんな状況ですから、多くの国民は今、債券市場や株式市場で何が起こっているのか、ほとんど理解できていないのではないでしょうか。
そのなかで、恐らくはとんでもないことが起こっている。
よく考えてみると怖い話です。

渋澤:運用会社にはスチュワードシップ・コード、企業にはコーポレートガバナンス・コードが導入されつつありますが、国家資本主義が進むとなれば、政府や中央銀行にもコードが必要になるはず。
でも、この状況を見て国民がジャッジするのは非常に難しい。
このままだと、政府や中央銀行のやりたい放題になることを懸念します。

藤野:金利が消えつつあることの意味を、もっと深く考える必要はあるかも知れませんね。要するにこれって、みんなが現金をそのまま抱えて、じっとしているからでしょう。
この間、ある小売業の経営者と、最大のライバルはどこかという話をしていたのですよ。
本来なら、どこかのスーパーマーケットとか、百貨店とか、あるいはネット通販の名前が挙がると思うじゃないですか。

ところがそうじゃない。最大のライバルは「現金」だというのです。
20万円の現金と20万円のバッグを並べた時、多くの人は現金を選ぶと言うんですね。
完全にお金が目的化している。お金を使って何かをしようという発想がなくなっている。
拝金主義ここに極まれり、という感じです。

中野:人生で最も大事なことはお金を集めること、なんですね。

渋澤:しかも、それを日銀がバックアップしているようにも見えます。何しろETFやJ-REITを買って、世の中にお金をどんどんばらまいているのですから。

中野:まあ、でもこうしてせっせとETFを買っているわけですから、株価そのものは上がりますよね。

渋澤:225平均株価で2万円という声がだいぶ高まってきましたが、自然とその水準に達するでしょう。
ただ、ゼロ金利ということは、経済成長もないことを意味します。なのに、株価だけは上がっている。

藤野:水をどんどん足して、お風呂の水位が上がっているのと同じ状況ですからね。
逆にお風呂の栓を抜けば、ぐっと水位が下がる。
だから、栓を抜かないかぎり、株価は上昇し続けるでしょう。

渋澤:この世で無限なのは、宇宙と中央銀行(笑)。

藤野:中央銀行の爆買いが続くと、いつの日かビッグバンです(笑)。

中野:それ、怖いですよね。お札をどんどん刷ってETFを買い続けると、日銀に対する信用が大爆発するかも。

藤野:お金は日銀に対する信用が裏付けになって初めて価値が生まれるものだから、その信用が崩壊したら、現金を抱えていること自体がリスクになります。
現金で持っていれば安心だと思っているのであれば、ちょっと考えなおした方がいいかも知れません。

渋澤:その意味では、株式投資の方が安心とも言えますね。
現金は、中央銀行に対する信用がなくなれば価値がなくなる恐れがありますが、仮にそうなったとしても、日本人の生活は続きます。
その生活のために必要な、日本企業に対する信用までなくなるわけではありませんから。

藤野:確かに。先の戦争でも、実は株価は上がっていましたからね。

渋澤:まさに究極のリスクヘッジ手段。

中野:株式は企業の実体が裏付けになっていますからね。
ここまで大量にお金を刷るという現実を目の当たりにすると、逆に現金のほうが、バーチャルな存在かも知れません。
そこをしっかり理解したうえで、自分の資産の置き場所を考えてもらいたいですね。
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世界はドルの基軸通貨性よりも中国の金融財政力を選んだ

 AIIB0328.jpg
 図は東京新聞 

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)はアジアのインフラ整備に各国の投資参加を呼びかけるものだが、3/28現在で42か国となった。
 米国は昨年からこの機構に参加しないよう世界に呼びかけていたが、英国の参加を皮切りに西欧主要国、豪州、ロシア、トルコ、韓国、台湾、ブラジルが続いた。
 逆に日米を除く世界金融機構の形態となったわけだ。
 後は出資国としては北欧、南アくらいしか残されていない。

 日米を除く世界の金融主要国すべてが出資することになる。
 この経過は世界の主要な金融(寡頭勢力)が、当然のように米国よりも中国の財政金融の信用力を選んだ、としか言いようがない。
 その現実を世界に知らしめた結果となった。

 米国の信用力はドルの基軸通貨性にあるわけだが、それはすぐではないが、いずれ下落の果てに消滅すると公言したに等しいだろう。
 また、このことが政治的な米国の凋落につながり、それが米国の軍事覇権にも影響するだろう。
 日米は新たな国際金融機構に、逆包囲されたようなものである。  
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
   孤立する米国、中国主導のAIIBで変わる世界構図  3/27  AFP

 中国が設立を主導する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank、AIIB)」をめぐり、米国が孤立を深めている。
 欧州勢の参加表明は、AIIBに否定的な立場を取ってきた米国にとって不意打ちだった。

 英国、ドイツ、フランス――欧州の米同盟国が次々とAIIB参加を決めるのを、米国は指をくわえて見ているしかなかった。
 アジアの同盟国、韓国も26日、参加を決定したと発表。
 既に参加表明国が約30か国に上る中、オーストラリアも参加を検討している。
 国際通貨基金(International Monetary Fund、IMF)のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)専務理事も、AIIBの設立計画を歓迎する声明を出した。

 AIIBは、米国が強い影響力を持つ世界銀行(World Bank)やアジア開発銀行(Asian Development Bank、ADB)と競合する国際開発金融機関となる可能性がある。

 元IMF幹部(中国担当)のエスワル・プラサド(Eswar Prasad)氏は「経済的・政治的に緊密な同盟国が相次いで参加を表明したのは、米国にとって想定外だった」と述べ、世界の経済政策を主導する立場としての米国のパワーは縮小していると指摘した。

 中国が昨年10月に発表した資本金500億ドル(5兆9500億円)のAIIB設立構想に対し、米オバマ政権は控えめながら熱心なロビー活動を展開してきた。
 米政府高官は、AIIBによって国際的な開発支援の審査・融資基準が低下するとほのめかしている。

 ジェイコブ・ルー(Jacob Lew)米財務長官は先週、議会で「AIIBは、これまで国際金融機関が築いてきた高い基準に忠実だろうか。労働者の権利を保護したり、環境に配慮したり、汚職問題に適切に対処したりできるのか」と、疑問を投げ掛けた。

 だが、こうした米国の率直な反対姿勢は失敗に終わった。
 元米財務省職員のスコット・モリス(Scott Morris)氏は、こう説明する。
 「米国は、比較的早い段階で孤立した。極めてあからさまに批判を口にしていたからだ。その結果、米国はAIIB参加を検討する国々とオープンな議論を重ねる機会を失った

  ■「自信過剰」な米国へのいら立ち

 国際金融システムの構築に精通している米国は、自信過剰になり、中国の誘引力や資金力を過小評価していたのかもしれない。

「米国はリーダーとしての地位しか知らない。中国など他の国々が台頭してきている現実に、心理的に順応できていない」と、カナダのシンクタンク、国際ガバナンス・イノベーション・センター(Centre for International Governance Innovation、CIGI)のホンイン・ワン(Hongying Wang)氏は分析する。

 また、米政府は同盟国を含む一部の国に、停滞した多国間経済の現状に対する倦怠(けんたい)感が漂っていた点も軽視していたと、専門家らは指摘している。
 米国は、2010年に新興国の議決権比率を引き上げるIMF改革を阻止したほか、世銀の意向を無視しているとしばしば批判されている。
 モリス氏は「より大規模な多国間制度に意欲的な国々は、あまり積極的でない米国の立場にいら立ちを募らせていた」と述べた。

  ■変わる世界の構図

 孤立を自覚した米国は、年内にも発足予定のAIIBとの協調に向けて、態度を軟化させつつある。
 米財務省は先日、公式ブログで中国への「直接的な関与」を続けると表明し、他の友好国と連携して「AIIBが高い基準を導入・実施していくためにはどうすればよいか、具体的に提案していく」方針を示した。

 ただ、米国がこれ以上の行動を取るのは難しいとみられる。
 AIIBに参加しようとすれば米議会の反発は避けられず、「政治的な要因から極めて困難だろう」とモリス氏はみている。

 いずれにせよ、AIIBをめぐる一連の動きによって、世界の構図には変化が生じている。
 中国は、自国が主導するプロジェクトに多数の参加国を集めることで「成熟の最終段階」に入ったことを証明し、国際社会で「建設的なリーダーシップ」を発揮できることを示したと、プラサド氏は説明。
 「中国が世界に及ぼす影響力の拡大に、米国が対抗するのは一層、困難になる」との見方を示した。
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食の裏側、人気ハンバーグ

   某ファミレス「人気ハンバーグ」の裏側  2014/5/30  河岸 宏和  東洋経済オンライン
外食の達人が激怒!「このハンバーグはひどすぎる」

河岸:(席に着くなり)この店はダメだよ。おいしくない。

N君:まだ何も食べてないじゃないですか!?

河岸:だって入り口にゴミが落ちていたし、トイレもすごく臭い。衛生管理ができていない

店がおいしいわけがない。

N君:「汚い店にうまいものなし」ということですか?

河岸:そう、店の掃除に気を配れない店が、食材にまで気を配れるわけがない。考えてみれば当然だよね。お客さんのことをどう思っているかという話。

ここは都内某所にある大手ファミレス・チェーン店です。

新刊『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』の執筆のため、編集者のN君(34歳)と一緒に“市場調査”で足を運びました。

前回は都内某所にある洋食屋の「680円激安ステーキ定食の裏側」を紹介しましたが、今回取り上げるのは、某大手ファミレス・チェーン店です。
みなさんも一度は行ったことのあるファミレスだと思います。

自分で言うのも手前味噌ですが、畜産大学を卒業後、大手ハムメーカーに10年間勤めた経験のある私は、自他共に認める「肉のプロ」です。
今でも肉片を見れば部位や国籍がわかりますし、肉の加工品(ハムやソーセージ)を食べれば味付けや配合だけでなく、使われている食品添加物もおよそわかります。

そんな私が実際に、このファミレスの人気メニューの「ハンバーグ」を食べてみました。税込み1000円近い値段がするので、決して安くはありません。

しかし、食べた感想は「ひどい」の一言。正直、すべて食べ切るのもやっとで、「このハンバーグはひどすぎる」と怒りさえ覚えるほどでした。

いったい、何がそんなに「ひどい」のか? 何に「激怒」したのか?

  「リン酸塩」の味がすごい。「植物性タンパク」のカサ増しもひどい

N君:あっ、来ましたよ、ここの人気メニューのハンバーグです。

河岸:(一口食べて)う〜ん……

N君:微妙な顔ですね。 

河岸:このハンバーグは「混ぜもの」がすごいね。「リン酸塩」の味がすごくする。
肉に「植物性タンパク」(下記イラスト)を混ぜ込んで、かなり増量しているね。

植物蛋白
ハンバーグをカサ増しさせる「植物性タンパク」の正体。混ぜれば混ぜるほど、利益率が高くなる

N君:「リン酸塩」って食品添加物ですよね。添加物に味があるんですか?

河岸:独特の苦みのような味がある。少量なら気にならないけど、さすがにこんなに入っていたらわかる。「pH調整剤」「乳化剤」「着色料」なんかも使っている。

N君:着色料? なぜハンバーグに色をつける必要があるんですか?

河岸:「植物性タンパク」をこれだけ入れたら、色が白っぽくなって、見た目がまずそうになってしまうでしょう。だから「着色料」を入れて肉の色に近くしているの。

N君:そんなにいっぱい入っているんですか。

河岸:ここまで「植物性タンパク」を入れたら、もう肉の味もしないでしょう。だから、ソースの味を思いっきり濃くしてごまかしている。

N君:確かにソースの味はかなり濃厚ですね。

河岸:このソースは「グルソー」(グルタミン酸ソーダ)が0.3%ほど入っているね。

N君:配合までわかるんですか! 0.3%ってどのぐらいの量ですか?

河岸:かつて「中華料理店症候群」というのが騒がれたことがあったでしょう。中華料理では「グルソー」が大量に使われるけれど、あれは1%ぐらい入っているの。
ひとつの鍋に大さじ2杯ぐらいガサッと入れる。これはそこまではいかないけど、それに近い味だね。

「肉のプロ」から見た某ファミレス「人気ハンバーグの裏側」を公開します。

  だまされた!「US産ビーフ」「オージー・ビーフ」は違う商品のこと

N君:いろいろ混ぜるのは肉自体の味がまずいからですか?

河岸:いや、肉の味をごまかすというよりも、量を増やすためにやっているんでしょう。コスト削減のため。
とはいっても、これは肉自体も何の肉を使っているかわからないね。

N君:えっ、ハンバーグだからビーフなんじゃないんですか?

河岸:メニューを見てごらん。
すぐ近くにあるサーロインステーキには「US産ビーフ」、ビーフハンバーグステーキには「オージー・ビーフ使用」と書いてあるけど、ハンバーグには何も書いてないでしょう。

N君:ホントだ……。メニューをよく見ないと、ごまかされますね。

河岸:ここがずるいというか、巧妙なところ。
確かにハンバーグにも牛肉が一部は使われているだろうけど、そのほかにブラジル産鶏肉、アメリカ産豚肉も混ざっているかもしれない。

N君:僕には普通のビーフハンバーグとしか思えませんが……。それなりにおいしいですし。

河岸:ビーフ100%のハンバーグと食べ比べたらわかるよ。
ソースの味でごまかされてしまうけど、本物を食べたら明らかに違う。この店は昔は「混ぜもの」なんか使っていなかったのに。

N君:付け合わせのブロッコリーはどうですか?

河岸:輸入ブロッコリーだろうけど、これは使い方が悪い。解凍したものをゆですぎているから、全然おいしくないね。

N君:わざわざ輸入品を使うこともないのに……。

河岸:そう。安いから使うんだけど、国産だってジャガイモなんか安くておいしいんだから、そういうのを出せばいいのにね。

  普通のことをやっていれば、十分おいしい

このファミレスのハンバーグはひどいものでした。

「リン酸塩」を入れて思いっきりカサ増ししています。
「リン酸塩」は水を抱えるから、いくらでも増量できるのです。
ひき肉に「リン酸塩」と水を入れて練れば、「リン酸塩」が水を抱え込んで膨らむわけです。

「リン酸塩」の独特の味がするし、食感がプリプリしているから、すぐわかります。
「植物性タンパク」の混ぜ具合もすごいの一言でした。

これに「調味料(アミノ酸等)」や「肉エキス」で味をつけ、「着色料」で茶色に色をつけたら誰もが肉だと思ってしまう。
下手をすれば、肉の割合は20%以下でしょう。

これはもう「牛肉ハンバーグ」ではない、「植タン(植物性タンパク)ハンバーグ」とでもいうべきシロモノです。
下のラベルは、違う外食店のハンバーグですが、これとおよそ大差ない中身でしょう。

ハンバーグラベル
 厨房には、ラベルのついた状態で袋に入っている。だけど、お客さんに提供するときには、表示は不要

この店で頼んだもので唯一マシだったのは、チキンのガーリックステーキでした。
これは生の鶏のもも肉をガーリックソースと一緒に焼いたもので、店の厨房で作っていました。
何も変なことをしていないから、普通においしい


そうやって普通のことをやっていれば十分おいしいのに、なぜカサを増した「植タンハンバーグ」を出したりするのでしょうか。

そこにあるのは「儲かればいい」という姿勢でしかありません。
原価を下げるため、儲けるために「肉以外の混ぜもの」を目いっぱい入れ込んでいるわけです。

おいしいものをお客さんに食べてもらおう、喜んでもらおうという姿勢が、まったく感じられない店でした。

ただし問題は、こんなひどいことをしているのが、この店だけではないということです。
今の外食店、特に全国チェーンでは、このような変なことをする店が多くあります。

この店は、今の外食産業の姿を表しているひとつの典型例だと言えるのです。

  「肉のプロ」が断言!「生焼きハンバーグ」は絶対食べてはいけない

このチェーン店のことではありませんが、地方に行ったときに「ある事件」がありました。

なんと、「生焼きハンバーグ」を出すチェーン店に遭遇したのです。
しかもイラストのように店内ポスターで堂々と宣伝していて、開いた口がふさがりませんでした。

生焼けハンバーグ
 某チェーン店。生焼けハンバーグは食中毒のリスクがあるので、絶対に食べてはいけない

大手ハムメーカーに勤め、「肉のプロ」とも呼ばれ、長年食品の衛生管理にも携わってきた私に言わせれば、「中まで火の通っていないハンバーグ」など論外です。
私なら絶対に食べません。

なぜ生焼きハンバーグは絶対に食べてはいけなのか?

すべての肉は菌や寄生虫に汚染されている危険性があります。これは牛肉、豚肉、鶏肉すべてに共通して言えることです。

しかし牛肉の場合は「出血性大腸菌群」がつくのは表面だけで、肉の中に入り込むことはありません。
普通は表面を焼けば「出血性大腸菌群」は死滅するので、牛肉はレアやミディアムで食べられるのです。

一方、豚肉や鶏肉は、表面だけでなく内部まで寄生虫や「サルモネラ菌」に汚染されている危険性があります。
だから、しっかり中まで焼いてから食べないといけないのです。

ただし牛肉でも、ひき肉にすると表面についている大腸菌などが中に入り込む可能性があります。
だから家庭でも、ハンバーグ、餃子、ミートローフなどミンチ肉(ひき肉)を料理するときは、よく火を通すように心掛けたほうがいいでしょう。

特に小さな子どものいる家庭では要注意です。
ハンバーグは家庭でも外食でも、必ず中までしっかり火を通したものを食べることを、強くお勧めします。

今回は「ハンバーグの裏側」を取り上げましたが、同じように「植物性タンパク」で増量した「水ぶくれ唐揚げ」や、「植物性タンパク」だけでできた「肉なし餃子」なども、安い居酒屋や外食店、持ち帰り弁当などではよく使われます。
また今回取材に行ったファミレスでは、デザートにもひどい「ごまかし」がありました。

外食にはびこる「数々のカサ増し食品の裏側」や「ファミレス・デザートの裏側」については、長くなるので、詳しい解説は新刊に譲りたいと思います。

ぜひ「外食にはびこるカサ増しの立役者『植物性タンパク』の裏側」を知ったうえで、「安くておいしいもの」を食べるスキルを身に付けてください。
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