国際金融秩序に挑む中国、アジアインフラ投資銀行に英国が参加
2015-03-14

昨日、アジアインフラ投資銀行についての山田厚史氏の記事を紹介したばかりです。
「国際金融秩序に挑む中国、ためらう日本:山田」。
即日、イギリスが参加を発表してしまいました。
域外国の出資比率は合わせて25%までに制限されているわけだが、イギリスが参加するということは欧州の金融寡頭勢力が中国主導の開発資金に同調するという意味に他ならない。
同時に、ドル基軸通貨制が不安定に向かって進みつつあることを、欧州金融寡頭勢力が世界に認めたという意味にもなる。
ドイツ、フランス、その他欧州各国があとに続く可能性は高いだろう。
米国を盟主としIMF、世銀などによる金融覇権から、世界は大きくまわり始めている。
政治関係への影響は間接的にだが、当然あるだろう。
米国の覇権はもはや金融から変わりつつある。
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イギリス財務省、アジアインフラ投資銀行への出資を発表 3/13 FNN
イギリス財務省は12日、アジアインフラ投資銀行に出資すると発表した。
中国が設立を主導する一方、日本やアメリカは距離を置くアジアインフラ銀への参加を表明したヨーロッパの主要国は、イギリスが初めて。
アジアインフラ銀は、途上国向けにインフラ整備の資金を貸し出す、新たな国際的な金融機関として、中国が主導し、これまでにアジアや中東など、27カ国が参加で合意している。
イギリスの参加表明には、中国との経済関係を強化し、国際金融サービスの分野で主要な地位を維持する狙いがあるとみられている。
一方、アメリカや日本は、世界銀行やアジア開発銀行など、既存の国際金融体制を揺るがしかねないとして、中国の動きに距離を置いている。
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ウィリアム王子訪問の本当の「理由」 3/13 NEVADAブログ
先のイギリス王室のウィリアム王子の日本・中国訪問ですが、昨日イギリス財務省が発表しました声明を見て、これが日本・中国訪問の本当の理由だったのだと納得された方も多い筈です。
(報道省略)
中国とイギリスはこれで完全に関係が修復されたことになり、今後エリザベス女王の中国訪問や習近平国家主席のイギリス訪問への支障がなくなったことになります。
本来なら中国訪問だけだったはずですが、それでは見え見えであり、ならば日本訪問を入れて実の母の軌跡を辿るという話や被災地を訪問するという形で注目をそらし、本番の中国訪問を「軽く」見せた、イギリス外交の
したたかさを見せつけたことになります。
今回のウィリアム王子の日本・中国訪問前に、ロンドンでウィリアム王子が誰とどのような会話をしていたか、それを知るだけでも今回の訪問の本当の意味が分かります。
日本でも有名な「ジャッキーチェーン」氏と会談しており、ウィリアム王子は中国語で新年のお祝いを述べていたのです。
(勿論、露払い役として北京から”しかるべき要人”がロンドンに行っていたのは言うまでもありません)
中国とイギリスは今後あらゆる場面で緊密な関係を作りますが、これがEUからのイギリスの脱退や対ロシア金融制裁問題にも色々影響を与えることになります。
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中国主導のアジアインフラ投資銀行に加盟希望国が続出=英国が表明、韓国・豪・独・伊・仏・加も追随か―迫られる日本の判断 3/14 レコードチャイナ
(抜粋)
英国に続いてドイツ、イタリア、フランスなどの欧州諸国やカナダ、オーストラリア、韓国なども追随する可能性がある。
米国も参加国増加は止められないと見てAIIBを容認する姿勢に転じている。
シーツ財務次官は、「国際通貨基金(IMF)など既存の国際金融機関を補完し、(1)透明性とガバナンス重視、(2)借金国の返済能力への配慮、(3)環境重視、(4)高水準の調達基準―などを順守すれば歓迎する用意がある」と表明している。
カート・トン米首席国務次官補代理(経済担当)も2月、アジア開発銀行研究所(東京・霞が関)で講演し、「米国はAIIB設立に反対していない。
中国が責任あるステークホルダーとなり、国際社会にさらに多くの公共財を提供することを望む」と踏み込んだ。
世界一の成長センターであるアジアのインフラ整備を商機とみてAIIBに関心を示す国が続出しているという。
「AIIB構想が具体化するにつれ、新たな対応を迫られているのは日米の側」(日本の有力大教授)との指摘もある。
中国主導の構想にあえて関与し、「内側から日本の立場を反映すべきだ」との意見もあり、日本は難しい選択を迫られそうだ。
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"安倍不安"のすべてを覆う「きのこ雲」 3/14 世相を斬る あいば達也
(アジアインフラ投資銀行関係のみを抜粋)
英国に続いて豪州も参加を検討すると表明した。
ウッカリすると、独仏も追随する可能性が高いので、置いてきぼりを食うのは、「日米の馬鹿ども」だけのようだ。
虚栄心の為に、歴史認識を誤り、アメリカ一国主義教を信じているのが、コテンパに叩きのめされた日本唯一とは、腹を抱えて笑いたくなるほど、時代の潮流を感じない連中である。
アメリカ様様時代は終わっているのだ。
英国は米国無視で動いたようだ。オバマは不快感を露わにしたようだが、もうアメリカの顔色見ているのは、日本だけになったようだ。
市井のブロガーでも理解出来る歴史観における、時代の潮流なのに、ポジショントークを続ける官僚や識者のお陰で、日本中のどいつもこいつも、ミスジャッジに陥っている。
鳩山由紀夫の動きも、そういう意味で、時代認識が正常なのである。
付和雷同して、鳩山を悪しざまに言い放った人間は、全員、自分の発言を記憶にとどめておくべきだ。
ロシアへの経済制裁で、痛い目に合っていないのは、経済関係希薄なアメリカ一国だと云う事実を見逃している。
中露同盟に楔を打ちたいアメリカの国益に不承不承つき合っている他国だが、日本人は国際社会の正義だと思っている(笑)。
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鳩山氏訪問、クリミアに東からのそよ風
2015-03-14

対米盲従政府の非難を蹴って、鳩山氏がクリミアを訪問した。
政府の行動を批判も追及もしないマスコミは、例によって報道封殺している。
ロシア側報道から紹介します。
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鳩山元首相「クリミアの人々は自分達をロシアの一部と認識」 3/11 ロシアの声 ロシアNOW
日本の元首相で日ロ協会の指導者である鳩山由紀夫氏が、クリミアの政治的経済的状況を個人的に視察するため、3日間のクリミア訪問をスタートさせた。
この訪問は、日本外務省の抗議にもかかわらず行われている。
鳩山元首相は、ロシアTV第一チャンネルのインタビューに対し「私はクリミアの状況を理解したい。東京に戻った後、日本の人々に、クリミアの人々がロシアを受け入れ、ロシアの中でよい気分でいる事を説明する。
ここには戦争はない。人々は楽しんでおり、自分達はロシアの一部だと認識している」と述べた。
クリミア訪問第一日、鳩山元首相は、1945年に有名なヤルタ会談が行われたリヴァディア宮殿を訪れ、この歴史的出来事に関する展示品の数々を見て回った。
今日11日、鳩山元首相は、クリミア共和国のセルゲイ・アクショーノフ首長と会う予定で、明日12日にはセヴァストーポリを訪問する。
なお鳩山元首相は「クリミアと日本の間の文化的人道的交流発展を促したい」と述べた。日ロ協会の幹部である鳩山元首相は、自分の今回の訪問が、日本とクリミアの友好を深めるスタートになる可能性があると期待している。
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クリミアに吹いた東からのそよ風 3/13 ヴァジム・ニキーフォロフ, コメルサント紙 ロシアNOW
クリミアを訪問した日本の鳩山由紀夫元首相は、クリミアのロシア連邦への編入の是非を問う住民投票は「民主的な手続きに沿って」実施され「クリミアの住民の現実的な意思表示」となった、との結論を導いた。
日本の外務省は、元首相のクリミア訪問を非難したが、専門家らの指摘によれば、このような大物政治家がクリミアを訪れるのは同半島のロシア連邦への編入後初めてのことであり、これまではロシア連邦に対する制裁を批判する欧州の野党政治家らがクリミアを訪れていた。
日本の鳩山由紀夫元首相は、3月10日にクリミアに到着した。
同氏は、自身の訪問の目的はロシア連邦への編入後の「クリミアの人々の様子」を知ることである、と述べた。
同氏によれば、日本では「クリミアにおける出来事がありのままの形で伝えられていない」。
「ここで、私は、2014年3月16日の全クリミア住民投票が平和裡に民主的な手続きに沿って実施されクリミアの人々の現実的な意思表示となったことを、知った」と同氏は述べた。
鳩山由紀夫氏は、制裁という状況において自分の行動は日本の当局によって「あるまじき行為」とみなされている、と語ったうえで、クリミアのロシア連邦への編入は「米国によって日本政府へ押しつけられた公式の姿勢というプリズム」を通さずにもっと視野を広げて見る必要がある、と述べた。
元首相は、「同半島における住民投票の平和的な実施」に関するものを含むクリミアについての真実を日本の社会へ届けることを、自らの主な使命とみなしている。
クリミア国家会議の報道係で「コメルサント」紙に明らかとなったところでは、訪問のプログラムは、シンフェロポリに在るロシア連邦外務省の代表部で作成され、ロシア連邦大統領付クリミア常駐代表のゲオルギイ・ムラードフ氏が、鳩山氏の受け入れを担当した。
日本の元首相は、クリミアの主都から政府専用車でヤルタへ移動し、現地のリヴァディア宮殿で1945年のヤルタ会談に関する展示に接し、ヤルタの行政長官であるアンドレイ・ロスチェンコ氏が、来賓歓迎のレセプションを催した。
11日、鳩山由紀夫氏は、シンフェロポリのクリミア連邦大学の学生たちと交流した。
同氏は、日本はもっぱら「米国の圧力のもと」ロシア連邦に対する制裁を実施した、と語った。
訪問の初めに、鳩山氏は、自分は「その美貌の崇拝者」であるとしてクリミアの検事総長ナタリア・ポクロンスカヤ氏との面会が叶わないことをこぼしていた。
11日、同女史は、日本の元首相とクリミアの指導者らとの会合に在席した。
ポクロンスカヤ氏は、クリミアの露日友好協会の会長に就任するが、これは、鳩山氏がクリミアの検事総長が「日本で人気抜群である」ことを伝えて要望したもの。
日本の政治家は、同自治共和国の要人らとも認識を共有したが、なんでも、クリミアのセルゲイ・アクショーノフ首相は同共和国の相撲協会の会長とのこと。
社会経済政治研究所・クリミア支部のアレクサンドル・フォルマンチューク支部長は、「これほどの人物は、この一年クリミアを訪れておらず、ただ単に来訪するわけではない。
このことは、2014年3月にクリミアで起こったことの不可逆性を西側が徐々に認めていることを物語っている。」と述べる。また、ロシア政治学者協会の会員であるニコライ・クジミン氏は、欧州諸国の元の指導者たちがクリミアのロシア連邦への編入について肯定的な発言を行っている点を指摘している。
この一年間にクリミアを訪れたもっともステータスの高い外国の客人として、まず、スロヴァキア人のフランティシェク・ラウリンツ執行委員を団長とするUEFA(欧州サッカー連盟)の代表団の一行を挙げることができる。
彼らは、サッカーの競技施設を視察し、8チームで争われるクリミアにおける個別の大会の組織について協議した。
また、ジンバブエのセイヴィオル・カスクヴェレ環境水資源気候相も、クリミアを訪れ、同氏は、制裁に耐える経験を分かち合う用意があると声明した。
極右政党「フランスのための運動」のフィリップ・ド・ヴィリエ党首は、クリミアに公園を建造することを約束した。
日本の新右翼団体「一水会」の木村三浩代表は、9月14日のクリミア国家会議およびセヴァストポリ議会の選挙日に「外国の客人」としてクリミアを訪れ、選挙は「民主的に実施された」と述べた。
10月には、イタリアの野党「北部同盟」のマッテオ・サルビーニ党首が、同半島を訪れ、EUの制裁の撤廃を目指して闘うと声明した。
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