山本太郎:生活の党合流とNHKバトル
2015-03-06

なぜ「生活の党と山本太郎となかまたち」なのか? NHKバトルの真相 3/6 DMMニュース
昨年末にお騒がせした小沢一郎さんの「生活の党」との合体。
党名は、「生活の党と山本太郎となかまたち」
なめてるのか? と、一部で話題になりましたが、こちらは本気です。
まず、合流のきっかけ。当時、小沢さんの「生活の党」に所属する国会議員は4人でした。
「政党要件を満たすためにはもう1人必要だ」
という話の中で、お話が来た訳です。
政党要件(法律上、政党として認められる条件)を満たしたい理由は何? 一番にたたかれる理由としては、
「政党交付金目当てだろう」という批判でしょう。
この交付金、自民党は174億円、民主党にも77億円近く支給されています。
それぞれの議員数だけでなく、得票数にも応じて配分されるものですから、大政党になればなるほど金額は大きくなります。
政党交付金、そもそもは、「企業・団体献金をやめさせようぜ」という発想から生まれたそうです。
企業・団体の紐がつくような政治活動をやめさせる。
でも、政治活動には多額のお金がかかる。
だから、その部分を税金でまかなおうという話。
日頃の政治活動は勿論、莫大な選挙費用など政治にはお金が掛かります。
例えば、先に行われた衆議院、比例選挙のみで全ブロックに候補者を立てるとすると、エントリー費用のみで2億5200万円掛かります。それに事務所費用や宣伝カー、その他の選挙活動費用を合わせるととんでもない金額。
政党要件を満たさずに立候補するハードルの高さは、異常です。
はっきり言って、新規参入を潰す方法として、高額な供託金・選挙費用や政党交付金は存在している、と僕は考えます。
世界を見てみると、政治に挑戦する時に掛かるエントリー費用、入場料は桁違いに安いのです。
例えば、アメリカ、デンマーク、フランス、ドイツは供託金制度は存在していません。
フランスは1995年に廃止され、アメリカでは州ごとに異なりますが手数料として、連邦議会の議員歳費(議員の給料)の数パーセントを納める程度。(ネブラスカ州1740ドル、ジョージア州5220ドルなど)
オーストラリアの上院では1000ドル、下院で2000ドルの供託金。
カナダの下院で1000ドル、ギリシャの比例代表制では候補者1人あたり146ユーロ程度。
世界と比べても、日本の政治に挑戦するための入場料(供託金)の高さは異常です。
なぜこの様な高額な設定になるのか。
売名行為や、候補者乱立などを防ぐ、などもっともらしい言い訳が用意されていますが、狙いは、「俺たちの縄張りを荒らさせない」と言う意識なのではないでしょうか。
選挙に掛かる費用が格段に安くなり、新規参入勢力によって、自分たちの権力構造を揺るがす事に繋がりかねないルール変更を大政党は望みません。
これらの不平等ルールを変更するには、多数派を形成しなければなりません。
つまり、まずは相手の土俵で、不平等ルールに従い、高額な供託金を用意して、選挙で勝利した多数派が、変える以外に方法はないのが現状。
今現在、政治に参加する為には、どう逆立ちしても、お金は必要なのです。
ですから、党になったのは、お金が目当てだろ、と言う批判は一部正解に含まれるでしょう。
とはいえ、僕が小沢さんと合流する1番のメリットと考えたのは、メディアへの露出の可能性です。
特にテレビ。
視聴率1%で約100万人。
悔しいけれど、これだけ多くの人々に政策を訴えられる、波及力のあるメディアは他にありません。
じゃあ、そこに出るためにどうすればいいか。
一番手っ取り早いのは政党に属すること。そして、肩書を持つことです。
そのためにも共同代表と政策審議会長の2つのポジションを頂いたわけです。
とはいえ、スポンサーがついている民放はハードルが高い。
社会問題の多くが民間企業、スポンサーと直結します。
原発に関してもそうです。
年間1000億円近くを広告宣伝費と言う名の口止め料でメデイアにバラまいていた電力会社だけでなく、三菱、日立、東芝、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、鹿島建設、大林組、日本生命、明治安田生命などなどが自分たちのハラを痛めずに税金と電気料金から美味しい思いをするのが原発だ、今やエネルギーの問題ではないと発言していた山本太郎ですから。
「スポンサーは神様」の民放からすれば、僕は放送禁止男的扱いです。
たまにメデイアに登場するのは、何かやらかした時だけ、です。
その状況を変える為にも、合流は有効と考えました。
一方で、公共放送のNHKは? スポンサーは企業でなく、受信料を支払っている視聴者の皆さんです。
民放ではスポンサーの不利益発言をするかも知れない山本太郎は、放送禁止扱いかもしれませんが、NHKが「公共放送」を名乗り、「不偏不党」、「公平」を旗印にしているのですから、公党の代表であり政策審議会長の山本太郎にも出演の機会を他の野党と平等に与える事は当然であり、必然です。
であれば少なくとも、NHKでの出演は担保できる。そこでの発言が、トリッキーなものでなければ、デッドボール以外も投げられる事が伝われば、民放にまで拡がる可能性があるかもしれない、と考えました。
特定企業名をあげなくても、問題の指摘はできますし、国会の委員会でも1年半やってきましたから、難しい話ではありません。
ところが、合流後、当然出演するものと思っていたNHK「日曜討論」に出られなかった。
そればかりでなく、我が党を含む、政党要件を満たす4党(生活の党と山本太郎となかまたち、日本を元気にする会、新党改革、太陽の党)が除外された。
政党要件とは、公職選挙法などによると、現役国会議員が5人以上、選挙での全得票数の2%を獲得している、の「いずれか」があれば、政党要件を満たした状態。
しかし、NHKは独自ルールがあり、政党要件を満たす現役国会議員5人以上&2%の得票、この両方を満たしている政党が出演条件だと。
我が党を含む4党に対する得票数をざっと計算しても、520万。
今回のNHKによる4党除外は、520万人への情報提供を怠ったばかりでなく、520万人もの受信料支払者への裏切りである。
その日曜討論への出席に関してはNHKとバトルもしました。
与党VS野党、のラウンドテーブルでの議論に出席するのは自民・公明以外では5つの野党のみ、が番組の前提でした。
僕が言いたいのは、公共放送の理念を忘れていないか、ということなんです。
我が党だけ出して貰える様になっても意味がないのです。
520万人が支持した4つの政党を除外して、この国に関わる事を議論したつもりになっては困る、という話なのです。
それぞれの党に政策の違いがある訳ですから、支持者以外にも、全ての受信者に対して、どの様な考え方があるのか知らせる責務が公共放送にはあるのではないか。
「どうして俺たちを、“ためしてガッテン”に呼ばないのだ」
と言っているのではありません。
税金で雇われている国会議員が、この国の未来を議論する公共放送での政治番組において、どの様な考えを持っているのか、視聴者がチェックできる様に、議論の場に立たせなくてはならない、それが出来るのが公共放送であると。
それを否定するなら、公共放送を名乗る資格、公共放送の存在意義、に繋がる問題ではないか、という事なんです。
すると彼らは言い方を変えてきた。
「1時間という枠では7人のゲストが限界。でないと議論を深めることはできないでしょう」
僕も20年以上、芸能界で生きてきましたから、時間内で、どれ位の人数が話を掘り下げる限界か、という話は理解できます。
だからと言って、与野党の議論において、政党要件を満たす4党が除外されていい理由にはならない。
時間が問題と言うなら、構成で、幾らでも工夫はできるはず。
あくまで1視聴者としての提案、と前置きし、2週連続での放送は難しいのか。
1週目と2週目で野党がシャッフルすれば公平性は保たれ、成立するのではないか? と聞いてみた。
これは持ち帰って話合うとの事で、翌週答えが帰ってきた。
「忙しい政治家の皆さんに2回連続、日曜日にNHKに来ていただくのは難しい」
はあ??
二週連続の企画の為に、毎日曜日にNHK行く必要なんてないでしょ。
TVで1日2本取りなんて、普通ですよ。
3本取りも、4本取りもあるでしょ、時によっては。
僕も震災前は、収入の三分の一はNHKから、って位お世話になってました。
NHKでも普通に2、3本撮りやってましたよ。
1本目は生放送、2本目は、徹子の部屋みたいに生放送風、「取りきりで」対応できるでしょ、NHKさん。
大丈夫。心配しなくても、番組内ではデッドボールすれすれの発言で抑えますから。
今や安倍政権の御用放送局に成り下がった、との噂もあるNHK。
NHK上層部の皆さん、優秀で仕事熱心なNHK職員の皆さんが泣いていますよ。
是非、その汚名を挽回する為にも、公共放送の使命を思い出し、520万人が支持する4政党の意見が除外されること無きよう、与野党の議論の場に呼び、ヤギのケンカみたくガチンコの討論をさせて下さい。
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美濃加茂市長の無罪記者会見(全文)
2015-03-06

【全文】藤井市長「起訴されたら99%有罪と聞いていた。無罪判決にホッとした」 美濃加茂市長収賄事件に関する記者会見でコメント 3/5 Logmi
3月5日、現役の全国最年少市長の汚職事件として注目を集めていた、岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長に無罪判決が下りました。判決後初の記者会見の様子を全文書き起こしでお伝えします。
【スピーカー】
美濃加茂市長 藤井浩人 氏
主任弁護士 郷原信郎 氏
弁護士 神谷宗幣 氏
【動画もぜひご覧ください!】
【美濃加茂市長収賄事件】 藤井市長・弁護団 判決後記者会見
検察が有罪の体裁をつくりあげようとしていた
藤井浩人氏(以下、藤井):本日は皆様、お集まりいただきましてありがとうございました。本日わたくしと、また弁護団が主張してきたことが、公判の場で認められたことを心から感謝したいと思っております。
これまで本当に多くの方々に支えていただきまして、今日無罪を勝ち取ることができたことを本当に嬉しく思っていると同時に、最後に裁判長からこれからも市政に邁進するようにと激励の言葉をいただきました。
これからも市長として頑張っていきたいと思います。
(会場拍手)
郷原信郎氏(以下、郷原):主任弁護人の郷原から、若干のコメントをしたいと思います。
今日の一審無罪判決は、藤井市長と我々弁護団が一貫して主張してきた「市長は無罪、無実である」という主張が認められたものですが、それは我々にとっては、極めて当然のことだと考えております。最初からずっと言い続けてきたことです。
証拠的にも、捜査の経過からしても、この事件への正しい判断として全く当然のことだと思うんですが、しかし一方で、そういう当然の判断であっても、こういう検察が面子にかけても有罪にしないといけないと考えて、取り組んできているような事件、無罪がでたら重大な責任にもつながりかねないような事件で、まさに必死になって有罪の体裁をつくりあげようとしている事件において、その当然の判断を裁判所が出すことがいかに難しいのか、私はこの実務の中で痛感しております。
それだけに、今回名古屋地裁の鵜飼祐充裁判長以下が、公正な判断を下していただいたことに心から敬意を払いたいと思います。
こうして裁判所の判断が、藤井市長が無実であるということを明らかにすることで、藤井市長に更に市長として活躍してほしいと願う市民からの期待に応えることに喜んでおります。
私のほうからは以上です。
神谷宗幣氏(以下、神谷):弁護士の神谷です。当初から言っていたものとして、いかに検察段階の調査でひどいことを言われて、体調も悪くなるよいうような経験をされたと思います。
今、捜査の可視化。特に警察における捜査の可視化が望まれると。これを契機としてでも、ぜひそういう声を強めていきたいと思います。
この判決はやっぱり証拠のない事件は無罪になるという当たり前といえば当たり前ですけど、我々司法関係者、特に弁護士にとって希望を与えてくれる判決だと。
「疑わしきは被告人の利益に」という原則を定めてくれた判決だと思います。ありがとうございました。
郷原:若干追加したいと思います。検察に対して言いたいです。
改めて我々弁護団が主張してきたことを、弁論を改めてじっくりと詳細に読んでいただければと思います。
いかに検察が立証しようとしてきたことがデタラメかというのが明確に認識できると思います。
これ以上、美濃加茂市長を収賄で起訴したことによる、迷惑を与え続けないでほしい。
無意味な控訴は行わないでほしい。
十分な検討が行われれば、この事件で控訴しても勝ち目が全くないということを十分に理解できるはずです。
それともう1つ。この事件の報道に関して、一言言わせていただきたいと思います。
先ほども申しましたように、もともと証拠的に見ても、どう考えても市長が現金を受け取ったという事件を立証することがムリだということが、私は当初から明らかだったと思います。
そういうことはこういう会見の場でも再三に渡って、マスコミの皆さんにも申し上げてきました。
それにも関わらずこの事件の、収賄事件としての特殊性を十分に考慮した報道がなされてきたと私は思っておりません。
マスコミの皆様が今回の事件の報道で行ってきたことをもう1回よく検証してみていただきたいと思います。
起訴されたら99%有罪と聞いていた、無罪判決にホッとした
記者:まずは藤井市長にお聞きしたいんですけど、判決が出て自分の中で変化したという部分がありましたら教えて下さい。また、弁護団の先生方には今回の判決で、もともとのポイントといいますか、認められたと思われる点を教えてください。
藤井:今回の事件に関しては逮捕当初から、私の中にそういった事実が一切ないということで、私の中のことは変わりませんでしたけれども、逮捕・起訴されて、裁判を通しても私が主張していること、弁護団が主張していることがいかに全うかということを皆様にわかっていただけたと思うんです。
やはり起訴されたら99%は有罪になるということも当然聞いておりましたので、裁判長から主文を聞くまではドキドキしていたのは間違いありませんし、無罪と言い渡されたときはほっとしました。
郷原:今日の判決理由の中で、弁護人として主張してきたことはほとんど認めていただけたんじゃないかと思います。
特に最後のところで、虚偽供述の動機について、かなり詳細にふれられておりました。
我々弁護人としては、この中林に十分な虚偽供述の動機があるということを立証することは本件で、藤井が無実であることを明らかにする上で極めて重要だと思って、当初から闇取引の疑いというのを1つの主題として、公判前整理手続きの中で、その中から様々な事実を引き出し、公判で主張してきました。
もちろん明示的な闇取引の証拠があるわけではありませんし、取引そのものが立証できるという可能性は高いと思ってなかったんですが、むしろ重要なことは今日の判決の中でも詳細に認定していただいたように、中林が融資詐欺の捜査、処分に対して、自らに有利になることを目論んで、虚偽の贈賄自白をした疑いがあるということが明確に認定されたことです。
この点が、その前に指摘されている供述の変遷の不合理さ、そして供述内容、贈賄の場面についての不合理さ、不自然さなどを合わせてですね、この贈賄そのものを極めて疑わしいという認定につながり、そして判決の中でも述べられていたように、果たして中林が自己の記憶を述べているのかすら疑わしいということが判示されたわけです。
そして検察官が述べている供述内容が自然で、不合理な点がないとか、客観的証拠と矛盾しているとか、そういうようなところは我々も弁論で述べてきましたが、検察官と中林との間で多数回にわたって、我々弁護人が朝から晩までと表記しましたが、それだけの証人テスト、打ち合わせを繰り返してきたこの検察官と中林との間ではいくらでも創り上げられるものだという弁護人の主張を裁判所に認めていただいた。
そういう面で我々弁護人にとっては本当に満足できる判決内容であったと考えております。
検察官が出した証拠はほとんどこじつけ
記者:検察の反省すべき点について教えてください。
郷原:検察が反省すべき点は、これまでも、こういう場でも、山ほど指摘してきましたが、詳しくはそちらをもう一回見直してもらうしかないんですけど。とくに今日は判決の中で、指摘するといった中で、相当深刻な点がいくつかあるんじゃないかと思うんですね。
ひとつは検察官の主張について、客観的証拠と符合しているというけども、全然関連性が無いんじゃないか。これは弁護でも強く主張しております。
普通ありえないと思うんですよね。検察官が証拠に基づいて、立証することが義務ですから。
その証拠からどういうことが言えるのか、ということについて、その見解って当然認識しておかなければいけない。
それをほとんどこじつけのようなことで。
メールのこととか、あるいはお金の出入りのこととか。そういったことを無理やりこの事件にこじつけてきたんですね。そのほとんどが裁判所で否定された。
それ自体が極めて異例であり、深刻な事態だと思います。
そして、供述の信用性について、検察が主張していることについても、裁判所からですね、結局あれだけ多数回打ち忘れとか、いくらでもつじつまあわせはできるということまで指摘されているわけです。
そういう面で今回の立証のあり方に根本的な問題があったということは、今日の裁判所の指摘から明らかだと思います。
堂々と市長としての業務にあたりたい
記者:その後、裁判が続いているということで、市長として市政を行う上でどのような障害があったか、抗議された場合にそういったことが続くと思うんですけど。
藤井:被告人として、やはり市長としてという形についてですけれども、まず私が保釈された後にですね、市の職員はそれまでもそうなんですけど、本当に一生懸命、今まで以上に私を支えてがんばってくれましたし。
市民の皆様もこの公判の内容を注視しながら、市長を信用できるという形で応援してくださいましたし、
それは議会でも議員の皆様にお力をいただけたので、市政になにか影響があったかということに対してはほとんど無い形でスムーズにできましたが。
やはり将来を見越したときに、裁判の結果がどういうものになるのかというのは、市民の皆さん、職員の皆さんの中にもあったと思いますので、そういった中で、今日第一審が出たということで、多くの方々が安堵してくれて。
また、新年度に向かっても思い切った挑戦ができると思いますが、そういった面で被告人という面では、様々ありましたけれど、今日一区切りついたので、私としては、引き続き堂々と、市長として取り組むことは変わらないので。
郷原:そういった、前回もそうですけど、仮に公訴されたとしても、もちろんこれまでの一審の段階とはまったく違うと思います。
もともと起訴されても、推定無罪の原則っていうのがあるという点では同じですが、それから一審無罪判決で一層強まっているわけですから。
少なくとも起訴された被告人という立場ではまったく見えなくなると思います。
それに先ほども言っているように、この事件、控訴だとしても私はまったく無駄だと思っています。仮に起訴されても早期決着するものと考えています。
裁判長が最後にかけた言葉の真意とは?
記者:市長にご質問があります。市民に対して、応援してくれた方も多かったと思うんですけれども、何かコメントをお願いします。
藤井:先ほど申しましたが、市民の皆様方のおかげで、今日なんとか市長という立場を維持しながらこのような判決を勝ち取ることができましたので、心から感謝申し上げたいと思います。
しかしながら、大切なのは一日一日の市政運営が市長として委ねられている1番の仕事ですので、これから先も市民の皆様方に応援していただきながら一緒になって美濃加茂市を作っていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げますとお伝えしたいです。
記者:裁判長の最後の言葉、「市政に邁進することを期待します、頑張ってください」は市長としては裁判所からのどのようなメッセージだと受け取りましたか?
藤井:裁判長からあのような言葉をいただけるとは本当にありがたかったんですけれども、私が市議会議員にどのような気持ちで向き合ってきたか、市長になってからどのような活動をしてきたかということを、知っていただけたんじゃないかなと思う中で、このような言葉をいただけたことを、本当にありがたいと思っておりますし、しっかりと頑張りたいという思いだけですね。ありがとうございます。
郷原:私は判決の最後の裁判長の言葉には、やはりこの裁判を通して藤井市長が見せた姿勢、態度、そしてその供述内容に対して、市長という職に対する姿勢というものを感じ取ってくれたんじゃないかというような印象を受けました。
そして、刑事裁判の場で検察から収賄で起訴されて、99%以上が有罪になってという現実の中でもやはり公平に公正し、市長という立場にあるものの刑事事件として判断をしていこうと、ずっと貫いてきた裁判長の姿勢が最後の言葉にあらわれたのかと思います。
一方でこの事件、捜査の段階から警察の取り調べにおける暴言とか、こんな無理やりな事件において、警察が無理やり逮捕し、警察が起訴し、地方自治を蹂躙したに近いと思っておりますが、そういう警察・検察の姿勢とは、同じ司法に関わる機関として全く違う姿勢を示していただけたんじゃないかなと思います。
報道のあり方によって、市民の見方が変わる
記者:今回の教訓と今後というような意味で、市長はこれから何か新しいことですとか民間との取り組みをすすめていく上で、今回も個人的な意味でですね。違うやり方をされていくお考えがあるのか、今まで通りのやり方でいいんだといふうに自信をもたれたのか。その点を教えていただけたらと。
藤井:今回このような判決を勝ち取れたということは、前に一緒にいてくれる素晴らしい弁護団の先生方、家族、支援者の方であったり、市民の方々のおかげで、ある意味奇跡的にこのような無罪を勝ち取ることができたので、決してこの結果に驕ってはいけないと思っております。
今回の教訓としましては、1つは別の容疑でといいますか、犯罪を犯している人間を見破れなかったということは当然落ち度でありますし、そういった人との付き合い方や人を見る目というのはしっかりと気をつけていきたいと思っておりますし、
今わたくし自身、市長ですので、そういった面では組織のトップとして、組織としてあるべき行動を取って行きたいと思っておりますし、
市民の方々やこれから地方活性化する中で、民間の知恵や力を借りていかなければいけないと思っておりますので、そこはしっかりとした根をもって、頑張っていきたいと思います。
記者:いま国会のほうでですね、政治とカネの問題というのが盛んに言われておりますけれども、市長としてのお金との付き合い方というものを、市長のほうで考えられているものがあったら、教えてください。
藤井:当然、市民の方々、国会であれば国民の方々に対して、不信を抱くような行動はとってはいけないと考えておりますが、先ほども先生方から発言がありましたが、報道のあり方によって、市民の方々の受け取り方というのは、色んな見方が出てきてしまいますので。
今回の事件、本当に市民の方々が裁判の対応、弁論、論告の内容であったりとかをしっかり読んでいただいて、私を応援してくださったりとか、メッセージをくださったりとか本当にたくさんありました。
ですので、政治が全て悪いという言い方ではなくて、1つ1つの案件に対して市民の皆さん、国民の皆さんに対しては判断をしていただくというのが大事じゃないかなと私自身は思いました。
現職の市長が起訴され、無罪で公務に復帰するのは極めて異例
記者:今回の事件は汚職事件で無罪ということで、非常に異例だったと思うんですけど、これは検察そのものの、日本の司法にとっての威信についてコメントいただければと思います。
郷原:現職の市長が逮捕、起訴されて、現職のまま保釈されて、公務に復帰したというのは極めて異例な事態ですし、私は過去にこのような事例を知りません。
その事例で、なおかつ一審で現金の授受そのものが否定されたというのは、検察にとって極めて重大かつ、深刻な事態だと思います。
市長は多くの美濃加茂市の市民の人たちに支持されて、美濃加茂市民の代表として市長職を務めていたもので、今も市長職に復帰して、引き続き市長としての職を行っております。
そういう市長に対して検察が行ってきたことはどういうことだったのか、ということを真剣に反省してもらわないといけない事件になるんじゃないかと思います。
それだけに、通常はこの手の事件は検察が一審無罪判決に対して、控訴をするというのが通例だと思います。
ほとんどの事件がそうだと思いますけれども、しかし私が先ほど申しましたように
この事件、改めて証拠関係、論告、弁論を見直していただけたら、控訴などは到底認められる事件ではないことが明白だと思います。
検察には早急にこの事件をきちんと総括して、反省をしていただきたいと思っています。
これからは可視化が必須になるんじゃないかと。それが本件では行われてたとは思えないですね。
もし可視化されてれば、当然検察官がそれに基づいて何らかの立証ができたはずですし、そんな無茶なことはできなかったと思いますし、可視化されてないがゆえに、供述経過に関する問題、供述の変遷に関する不合理さの問題が覆い隠されるような形で検察の立証が行われたということが言えるんじゃないかと。
そういう意味でも、被疑者、被告人本人にとっての可視化というよりも、本件の場合は、重要証人の供述の信用性についての可視化の必要性を強く示す事件になったんじゃないかなと思います。
日本では「起訴されたら有罪」の風土がある
神原:中林の供述は本人が記憶のないこと、本人が全く嘘を言っていると思っているんですけれども、その客観的証拠を、例えばラストに3人でいったというのを警察が出してきて、その時はこうだったじゃないか、ああだったじゃないかというのが供述を作り上げたという過程だろうと。
可視化しておれば、そういうところが全部出てくるんですけれども、可視化しないがために、無理に証拠を作るような過程があとで検証できない。
可視化したビデオを全部見るわけじゃなくて、おかしな供述があるときに、あとで検証するためにそういったビデオをとっておく必要があるわけですね。
だからこういう事件なんかまさにそうであって、あとで本当に変な捜査が行われたんじゃないかって検証するために、ビデオをとっておく必要があるということはこの事件では重々承知したということであります。
そして先ほども申し上げましたが、検察が無理にこじつけてて客観的証拠を出してきたということは、検察官はどうしても有罪にならないと困るわけですね。
有罪にならないと。降格しちゃったり、将来、検事正になれないということが出てきたりというのが実際に世の中にはあるわけですね。
どこが悪いかと言いますと、起訴された99%が有罪になるということは、有罪無罪のふるい分けを我々が見えないところでやっていると。
検察の中でこれは起訴すべき事件かというところを、ふるいにかけちゃってると。
しかし今のこの我々のような社会ではですね、嫌疑があったら起訴をして、本当に有罪か無罪かはですね、表でオープンなところで皆で証拠を出しあってやりましょうという方向に行かなきゃいけないわけですね。
ところが今、検察の中で有罪か無罪を決めちゃって、有罪のやつだけ起訴するっていうことをやるもんだから、別件ですけど、検察官が証拠を偽造するような件が出てきちゃうわけですよね。
無罪になったら大変だということで。
そうじゃなくて検察官は、怪しければ起訴するというところで検察官の仕事としては完了と。
あとは法廷でオープンに証拠を出し合ってやりましょう、という本来の考え方に戻る時期に来ていると。こういう事件を経験するたびに思います。
一般的にはそうなんですけど、現職市長へそれをやられると市民への迷惑が……。
無罪推定の地位があって、この人は起訴されてはいるけれども、隣人として付き合える人だという風土がありませんね、起訴されたらあいつは有罪だと。
そういう風土ですからね。そういうところを変えていかなければならないなと。
今直ちにといったら大変ですけれども、こういう間違いがおこるのは、起訴されたら有罪にしなければいけないという検察のプレッシャーがあってね。
それは私も見てて気の毒だと思いますけど、そういうところを改善していかなければいけないと思います。
検察と若林被告の闇取引はあったのか
記者:今回、検察と若林被告との間に一種の協働関係のようなものがあったというのは今回どれくらい認められたのでしょうか。相当詳細な打ち合わせをしていたと判決にはあったと。
郷原:先ほども言ったように、我々は主題として闇取引というのを掲げることによって、手続きに対する段階から、色んな証拠の開示を求めることができましたし、まず主題を掲げることに大きな意味があったと思います。
もちろん明示的な取引が行われた可能性が高いとも思ってませんし、黙示的な取引というよりも、弁論の中にも書きましたけれども、少なくとも中林の側では贈賄の自白をすることによって、少しでも融資詐欺の起訴の範囲が少なくなることを意図していたと。
逆に検察官の側では、ずっと協力を受け続けないと収賄事件を立件できないわけですから、そういうふうに若林が期待していることを認識しつつ、融資詐欺を最小限しか立件しなかった。
そういった両者の持ちつ持たれつの関係っていうのが虚偽の贈賄疑惑につながったというのが我々の弁論で主張したことです。
それは今日、判決で認定されたこととほとんど変わらないと思っております。
記者:市長にお伺いしたいんですけれども、調査機関に対して言いたいことはありますか?
藤井:私は特に先生方とは違って、取り調べというものを生まれてはじめて体験する中で、非常に厳しいことも言われましたし、市長としてというよりも市民の方々を侮辱するような取り調べをされましたので、そういったことに関しては正してもらいたいという思いは当然あります。
それに私は本当に素晴らしい方々に支えていただいたおかげで、何とか今日を勝ち取ることができましたけれども、場合によっては私のようには行かずに泣き寝入りするしかない方も、たくさんいるんだということを身をもってわかりましたので、やはりこのようなことが二度とないようお願いしたいと思っていますし、自分もすべき行動を取っていきたいなと思っております。
記者:市長のお父様が警察官だったということもありますし、警察官に対して恨みであるのか、変わってほしいという期待はあるのかという点はいかがですか?
藤井:父親も警察でありましたし、私も市長として地元では事件の前後変わらず、警察官の方々に支えられて市民の安心安全を確保しておりますし、私の逮捕勾留中も現場で対応してくださる警察官の方々は真摯に対応してくれました。
そういったことからしても、恨みとかがあるわけではなく、今後このような事件がないようにしっかりと変えるべき点を変えていただきたいという思いです。
記者:ご家族の方とはもうお話されましたか?
藤井:まだ目線を合わせただけですね。
記者:どなたと目線が合いましたか?
藤井:いちおう全員と目線は合いました。
司会:長い時間となりましたが、ありがとうございました。
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小沢氏3/3会見、政権交代がなければ民主主義ではない
2015-03-06

小沢一郎 代表 記者会見 生活の党と山本太郎となかまたち 3/4 「銅のはしご」氏から
玉城 デニー 幹事長
今日は,山本代表が委員会視察のため欠席となっておりますので,小沢一郎代表のみということになります。
【 記者質疑 】
朝日新聞 ; 衆議院の選挙制度改革の定数配分について,調査会でアダムズ方式(※1)<各都道府県の人口を一定の数で割り、得られた商の小数点以下を切り上げた数をその都道府県の議席数とする方式>というのが良いのではないかとなっているが,どのようにお考えかを。
小沢 一郎 代表
(アダムズ式を)知らないわ。どういうの?
朝日新聞 ; 今は,定数配分を1人別枠方式で各都道府県に 1人と残りは剰余方式で配分して295にするが,アダムズ方式では 1人別枠は維持したまま残りを ドント方式で割り振る形で割り振る形と同じになる。人口配分のドント方式で割り振る。
小沢 一郎 代表
<首を傾げて>1人(別枠方式)は残すの?
朝日新聞 ; 1人は事実上残る。1人別枠方式という言い方ではないが,アダムズ式だと1人別枠方式と全く同じ結果になる。その上で定数配分のやり方をドント方式で残った部分を割り振る。
小沢 一郎 代表
じゃあ,同じになるということ?
朝日新聞 ; 1人別枠の部分は同じで,残りの議席をどう配分するかというやり方がちょっと違う。
小沢 一郎 代表
それがアダムズ方式というの? アダムズってのが考えたの? どこの人?
朝日新聞 ; それは知りません。どこかの人で。
小沢 一郎 代表
ああ,どこかの人か。
衆参で,本来的には選挙制度も選び方も違って良いと,僕は思ってんだ。 だけどこれは,憲法問題だからね,そう簡単に変えられないんだけれども。
本来的な機能からすれば,衆議院は,より国民の意見を可能な限り反映できるようなやり方にしていこうというのが,衆議院としての本来のあるべき形ではないかと思う。
その意味では,僕はもうずうっと前から言ってるんだけれど,一々,一々,やれ ここを どうする,こうする ということをやってると,国会議員にやらしちゃあ,もうなかなかできないんだよ,事実上。自分のことだから(できない)。
だから1つは,少なくとも衆議院は人口比例にすべきだと,僕は思う。
それから5年に1度の国勢調査があるから,国政調査のときに,その数字に則って自動的に人口比例で定数配分を行なうという案が僕は一番良いと思う。
そうすると,一々国会で,いや,どうの こうのだの,詰まらない審議会作ったりする必要もないし。そういう法律を与野党で作っちゃえば,誰もね文句言いっこなしみたいになっちゃうから,僕は従来からそういうふうに,少なくとも衆議院はしたほうが良いと(主張している)。
参議院はちょっとね,本来的に性格が違うべきだしね。これは何も衆議院と一緒にする必要はないだろうと思ってるけれども。
衆議院はそういうふうに(すべきだと)僕は思ってます。
讀賣新聞 ; その調査会で選挙制度の議論がスタートすると思うが,もし調査会である程度答申がまとまった場合,党としてそれには従うかを。
小沢 一郎 代表
僕は従いますけれどもね。従うべきだろうと思うけれども,その調査会とか何とかって,日本人はみんな隠れ蓑ばっかり作るんだ。政府も,国会も何もかも。<厳しい調子で>
そういうやり方が,僕は良くないと思うから,だから,今言ったような法律を作っちゃえば良いんだ。
そうすると自動的に5年毎の国勢調査でもって,人口比例で定数が決まると誰も何だかんだ言う必要がない。
そう言っても,まあまあ日本的な風土の中では,調査会だなんだって良く意味の分からないものばっかり,できてるけれども,そういうことでできた調査会の結論であれば,それは尊重しなきゃいけないと思いますよ。。
テレビ朝日 ; 今国会で政治と金の問題が議論されていて,与野党とも同じような問題が出てくる中で,企業団体献金は廃止したほうが良いのではないかという議論もあるが,それについてを。
小沢 一郎 代表
これもずっと以前から言ってますけれども,企業も団体も 社会的存在であることは間違いないんで,それを,企業だからいけないとか,団体だからいけないとか,個人なら良いとかいうような仕分けの仕方は,僕は間違いだと思います。
個人であればあるほど,単位が小さくなればなるほど,献金とそのいわゆる期待感というのは,強くなるわけだ。
逆なんだよ,あなた方が言うのと。
大きくなればなるほど,特定の個人との繋がりというのは一般的には薄れてくるわな。
個人からいっぱいもらってたら,それは物凄い繋がりになっちゃうだろ。出すほうも何か期待するだろうしな。
メディアもすぐ,献金について,企業がいけないだの何がいけないだの。
まあ,他にいけないことは,いっぱいあるけどさ。それは別として。
企業(献金)だからダメだとか,団体(献金)だからダメだとか,個人(献金)なら良いとかいう仕分けの仕方は,事実上の政治資金のあなた方が言う本来のあるべき姿とは,その仕分けは関係ない。
僕はだから,収支の公開,オープン,それをすべきだと。どこからもらったって別に構わないんで,ただ,国民が,どこからもらったということがハッキリ分かりゃあ良いし,それは何に使ったということが国民に分かるということが大事で。
あらゆる日本の社会は非常にクローズドの社会だから。(とりわけ)官庁で何やってるかなんて全然分かんないじゃない。
マスコミだってそうでしょ。官庁の言うことを報道する話しになっちゃうでしょ。
その(内容が)全部 本当にオープンになってるかどうかというのは,まったく,外の人には関知できない。認識できない。
だからそういう意味で,もっとあらゆる分野でオープンな社会にすべきだというのが,私の持論です。
テレビ朝日 ; もともとは企業 ・団体献金をやめて税金でその政治のコストを負担しようということで政党助成金ができた。国民1人あたりコーヒー1杯分と最初は言われたが,それと二重取りという言い方もされる場合もある。 それについては。
小沢 一郎 代表
いや,そうでもないんだよ。俺自身,手がけて作ったやつだから。そういうことじゃないんだよ。
また,小選挙区制は,金のかからないようにするために小選挙区制にするんだと 俗論を言う人がいるけど,そうじゃないんだよ,別に。
そのために小選挙区制(を作ることを)俺,一生懸命やったんじゃないんだ。
それは,政権交代を可能にし,議会制民主主義を日本に定着させようと。そのためには小選挙区制度のほうが良い,という考え方の下でやったんで。
金かかるか,かからないかなんてのはまた別な次元の話しなんで。
ですから政党助成金も,要するにアメリカのように,ものすごく個人の献金というのが かなり多い。そうは言っても,アメリカだって事実上,大口献金は全部企業だけどね。
だけど,いずれにしろ日本よりは,はるかに個人献金が多いというようなところは,それなりの政治活動の資金としてかなり集まるということもあり得るけれども。
他のヨーロッパの国でも,色んな形があるけどね。ドイツなんかは政党のシンクタンクの費用も国の補助金で全部出して,韓国もそれに倣ってるかな。
政党助成金というのは,そういうことだから,片っ方はやめろとか,良いと悪いとかいう話しではなくて,やっぱりそれも使われ様じゃないかな。
国民が納得すりゃあ良いんだもん。国民が納得できないような使われ方をしたときに,それはいけないんじゃないかなという批判が起きるわけであって。
本質的な問題として,相容れないものではないかと思う。
NHK ; その関連で,今回,安倍総理大臣と民主党・岡田代表が,補助金を支給した企業から献金を受けていた。それぞれ,知らなかったと説明している。こうした問題になっていることへの見解を。
小沢 一郎 代表
そういう事実を知らなかったということが一般的には本当だと思います。
わたくし自身も,どこだっけ...どこだったかな,どっかの会社でもってあれだ(同様なことがあった)という報道があって調べましたところ,その事実がありましたので返還するように命じておきました。
補助金をもらってる会社ということもあるし,例えば会社自身が何か過去にトラブったことがあるということも,あるわな。脱税したとか,何したとか,かにしたとかっていう。
そういうのは,献金を受ける立場からすれば「あんたところ何もしてないでしょうね?」<笑>って,一々聞いて受け取るわけじゃあないから。「どうぞ使ってください」って言われりゃあ「有り難うございます」っつうのが普通だから,特別な癒着関係があれば別だけど,一般的には知らないでもらうことが多いんじゃないかな。
その事実があれば,返還するということをきちんとやる以外に方法はないということだと思うな。
NHK ; 今,予算委員会では政治と金の問題で追究し合うような形になっているが,予算委員会の場でそういう議論が行なわれることについてのお考えを。
小沢 一郎 代表
そのこと自体は,献金の性質によって違うさ。例えば国務大臣であれ,一般の国会議員であれ,その職務に関して献金をもらったと。
もらったことによって(企業にその)見返りがあったとか,そういう類いの,職務の公正性,政治家としての議員としての公正性を疑われるようなことで資金の,献金の授受があってはいかん ということが,常識的に一般的なことだと思うよ。
だから,そういうような問題点を含む献金だとすれば,それは,それで良いのかという議論はあっても当然だと思う。
IWJ ; 先月,超党派の「犬猫の殺処分ゼロを目指す議員連盟」が発足した。<2月12日。会長・尾辻秀久(自)ほか53名参加> 小沢代表がかつて民主党時代に鳩山由紀夫・元総理と「動物愛護管理法改正検討議員連盟」あったが,動物愛護の法律・政策が進んでおらず,いまだに動物の殺処分があるが。
小沢 一郎 代表
殺処分というのは,事実上,今やってないよ,公的機関ではな。多分。犬猫だろうが何だろうが。
だけど,そういうのが起きるのは,なぜかというんだよ。
飼い主がいけないんだよ。 色んなものだって何だって,ペットにもう飽きちゃったから捨てるとか,大きくなっちゃったからもう捨てちゃうとか,そういう類いだ。
あるいは,犬はだいたい鎖付けて(飼ってい)るのが多いけど,猫は勝手にまんま歩いてるでしょ。飼い主がきちんと飼ってさえいりゃあ,そういうトラブルは起きないはずなんだよな,本来。
殺処分を何でもかんでもやりゃあ良いっていうことは,すべきでないと思うけれども,飼い主の責任というのをもう少しきちんとさせたほうが僕は良いと思う。
あまりにも,人に危害を加えたり,日本の生態系を崩したりするようなものがいっぱいあるでしょ。それを,もっと厳しく取り締まったほうが良いし,やっぱり売るほうも売るほうだけど,飼ってるほうがね,責任を持つべきじゃないかな。
そうすりゃあ必然的に殺処分なんていうこともしないで済むわけだ。死ぬまで飼ってりゃあ良いんだから。と思いますね。
毎日新聞 ; 献金について。代表が報道でその事実があると知り,返還するように命じたと仰ったが,返還はもう済んでいるのかどうかを。
小沢 一郎 代表
それは,担当の秘書に聞いてください。どっから幾らもらったか,どうしたか,まだ分かんないから。
そういう事実があったというから,じゃあそれは返しなさいって言っただけで。 僕の役目はそれで良いんじゃないかと思ってる。後は秘書に聞いてください。
毎日新聞 ; 補助金を受けていたということを知らなかったということか。
小沢 一郎 代表
もちろん(知らなかった)。もちろん。
フリーランス記者 ; 小選挙区制で政権交を可能にすると仰って,確かに歴史的にはそうなりました。<小沢代表・頷く>
ただし,中選挙区制の頃の自民党は,右から左まで幅広くて,それが日本の政治の柔軟性であったと思う。小選挙区制になって,執行部に睨まれるとお終いだからということで,ああいう独裁型になっている。日本の民主政治を考えた場合に中選挙区制に戻したほうが良いんじゃないかと思うが,いかがか。
小沢 一郎 代表
中選挙区制に戻しゃあ,また自民党政権がずっと続く。
フリーランス記者; それでも今より良いですよ。
小沢 一郎 代表
いやあ,そんなことない。それはもう民主主義じゃないです。 政権交代がないということは,民主主義じゃないから,それはダメ。僕の考えは。
小選挙区制だと執行部の力が強まって,確かに強まる可能性はあるけれども,それは本人自身がきちんと選挙強くなりゃあ良いんですよ。
小選挙区制は,ヨーロッパもアメリカも,みんなそうですよ。それで1人の指導者が,それはリーダーシップある奴はね,例えばサッチャーみたいなのも20年続けたいなんて言ってたけど12年で終わっちゃった。
リーダーシップがあって皆が支持すりゃあ良いけども,そうでない場合は,きちんと党内で声を上げるべきだと,私は思いますよ。(そうした声を)上げられないというのは,小選挙区制のせいだとは思わない。
フリーランス記者 ; 公認されなかったら,どうしようも ないじゃないですか。それは(小泉元総理の)郵政選挙のときに,郵政(改革)に反対した奴は(自民党の)公認から外された。
小沢 一郎 代表
それは,反対だったら,その前に党内で(議論を)やれば良いじゃない。
あのぐらいの人数が本気で(反対の議論を)やったらば,そう簡単に小泉さんだって,やれなかったよ。 だから,いくら強大な与党でもね,本気になって10人,20人が反対したら,できないよ。
今,誰も(反対を)言わないから,言うとおりになっちゃってる。
フリーランス記者 ; 中選挙区制の頃の自民党って,ものすごい<以下不明>
小沢 一郎 代表
小選挙区制じゃない。 それはね,選挙制度の転換じゃない。それはやっぱりね,資質の問題だ,政治家の。
フリーランス記者 ; ああ。
小沢 一郎 代表
みんなやっぱり,考え方が(変質した)。自民党が変質したと僕は思ってるんだ。昔の自民党は,ああじゃなかった。
今言ったように(自民党には)右から左まで色んな考え方の人もいたし,それなりの自分の持論を主張できる力を持ってる人たちがいた。
だから,自分に異論を言う奴がいたら,それを党で公認しないというのはね,そりゃあ,いくら何でも今の自民党でも受け入れられないと思うよ。もし,そういうことをしたら。
安倍さんのことを批判的に言ってたから,あいつは公認しないとかね。それはね,そこまではできないと思う。
フリーランス記者 ; そこが大事ですね。
小沢 一郎 代表
本人が勇気持ってやりゃあ良いんだよ。
フリーランス記者 ; 玉城デニー幹事長に沖縄の件で1つ質問です。 先々週の日曜日(2月15日)起きた辺野古の山城さんの逮捕と抗議活動の排除で,アメリカ国防総省の指示だったという説を(2月)25日の沖縄タイムズが報じている。 27日には琉球新報で,同じく米国防総省の情報として,それは否定している。どちらなのか。
玉木 デニー 幹事長
簡潔にお答えいたします。私は,基地司令官の命令だと聞いています。
国防総省は飽くまでも政治とは言っても文官ですから,彼らが直接軍隊を指揮・命令することはできないことなんですね。
それは,その基地の管理を任されている司令官ですから,恐らく司令官の指示によって,政府雇用 ・米軍が使用している日本人の従業員 ・警備員が排除の行動に出たんだと思います。その件に関しては(2月)23日に沖縄防衛局に11項目の質問を出しています。
それを今日確認しましたら,まだ米国と政府からの回答がないのでそれを待っていますということでした。それが出次第,公表したい。
フリーランス記者 ; (回答が)出たら,お願いします。
小沢 一郎 代表
<厳しい表情で> 問題は日本政府だよ。 日本政府が,きちんとアメリカと話さなきゃいけないんだよ。
軍人はね,自分たちの領域のことだから,やりたいんだよ。
官僚は膨張したいんだから。それは軍人は軍事のことについては,どんどん,どんどん広げたいわな。
みんな,官僚の癖だ,それは。
だけど,それは政治できちんとコントロールしなきゃいけないので(あって) それは日本政府とアメリカ政府がもっとね(話し合うべきだ)。 こんなね,何が何でもといって官邸が(辺野古の工事強行を)やってね。
僕は,アメリカも絶対得しないと思うし,多分アメリカの政治的判断は,いつか国務省の誰かが,県民が反対するのを押し切ってまでやるのはどうかということを誰かが言ったよね。<2014年8月ジョセフ・ナイ元国防次官補の発言か(※2)>
政治的に考えりゃあ,そうなんだよ。マイナスになるばっかりだよ,日米関係に。
それは日本政府とアメリカ政府がきちんと話しすべきだけど,日本政府が今のような態度を取ってるのは,僕はちょっと不思議でならない。
玉木 デニー 幹事長
補足を有難うございました。
小沢 一郎 代表
<笑>はははは。これは,持論だよ。
玉木 デニー 幹事長
では,以上です。有り難うございました。
小沢 一郎 代表
はい,どうも有り難う。
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