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もうすぐ北風が強くなる

ピケティ「21世紀の資本」への評価:佐藤優、水野和夫

 21世紀の資本

  2/9  週間ダイヤモンドから
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本主義の行方に危機感 国家の強権化は暴走を招く
佐藤 優(作家・元外務省主任分析官)

 日本でこの本が売れたのは、邦訳が出る前に「21世紀の資本論」と紹介されたため、マルクスの『資本論』の現代版だと思った人が多かったからでしょう。
 日本でマルクス主義経済学が退潮し、格差や貧困といった問題を扱う経済学がなくなったことも、ブームの要因だと思います。

 一昔前までは、大学の経済原論といえばマルクス主義経済学と近代経済学の2本立てでした。それが今や全部、主流派経済学になってしまった。

 ピケティの主張が正しいかどうかという議論はあまり意味がない。
 彼は単に、膨大なデータを分析し、結果を示したということです。
 でもそこからは、マルクスの指摘した労働力の商品化、資本主義の矛盾といったものは見えません。格差がいくら開こうが、また失業して絶望する人がいようとも、システムとしての資本主義は続く。
 資本主義はそうヤワなものではない
、というのがマルクスの理論です。
 仏教とキリスト教を比較しても意味がないように、ピケティとマルクスの研究はそもそもカテゴリーが違うのです。
 
 米国は現在、いわば戦争を公共事業に組み込んでまで経済の需要を増やそうとしている。その一方で、もうけ過ぎた一部の個人がいる。
 彼らの資産に課税して分配しないと資本主義は駄目になる、というピケティの危機意識はよく分かります。

 自由だ平等だといわれながら、実は一定の大金持ち、投資銀行のディーラーなんかがもうけている構造を解明したいという正義感があったのだと思います。
 インサイダー的な取引により一部で大もうけし、残りかすを一般庶民に与える、それは良くない。
 成功したのは全部自分の能力だ、というのはおかしい。半分は運なのだから、分配するのは当たり前、という考えなんでしょう。

 そもそもアメリカの名門大学を出ている連中なんて、マルクス的に言えば資本家ですよ。大学の学費も高くて、労働者が通えるわけがない

 ピケティ自身も米国の大学で教えていて、米国の金持ちがMBA取って大儲けして、南の島に別荘作って自家用ジェット機を買って…。
 画一的なことしかできない彼らを見ていて、バカバカしくなったんでしょうね。

 ただ、問題は資産課税の実効性です。欧州の枠内なら可能かもしれない。特にフランスでは、官僚はエリートであり、私腹を肥やすのは例外だという認識がある。
 しかしロシアや中国で同じことができますか。

 ピケティはタックスへイブンによる租税回避の問題も指摘しています。しかしここでも最終的には国家が出てくる。
 貨幣の価値を裏打ちするのは、本来は市場と関係のない国家ですから。税を捕捉できず破綻する国家が出てくる中、勝ち残る国家もいるでしょう。
 タックスヘイブンには、かつて多くの植民地を有していた英国の影を感じますね。ポンドの流通量など、実態を調べようとしても、よく分からないのです。

 英国の中学校の歴史教科書なんて、すごいですよ。タイトルが「帝国のインパクト」。
 我々は宗主国だったんだと。植民地時代に獲得した遺産が今でも社会に息づいている、それなしに我々は生きてはいないと教える内容なんです。
 やっぱり大英帝国なんですね。彼らがいる限り、タックスヘイブンはなくならないと言えるかもしれない。

  主張の展開は誠実

 この著書への私の支持率は90%。
 過度な数学を使って読者の目をくらます現在主流の経済学を用いず、読者の検証可能なデータを使って論じた点は、知識人として誠実です。論理の飛躍や幻惑もありません

 ではなぜ100%ではないのか。
 それは、国家に対する認識が甘過ぎるから。国家が個人の資産に手を付けるようになれば、必ず暴走すると思います。
 国家による経済統制は、国家資本主義や国家社会主義に近い。非常に窮屈な世の中になりますよ。

 それに資産課税を強化すれば、本当の超富裕層は、あらゆる手段を使って資産を隠したり、キャピタルフライトしたりする。

 そもそも、ものすごい金持ちというのは、国家と仲がいいんです。
 ロックフェラー3世の本に、富を維持するためには、大衆にねたまれないように寄付をしろ、国家にできない外交をしろと書いてある。

 つまり、国家と超富裕層は持ちつ持たれつの関係です。政府もここには手を突っ込めない。ピケティのような議論がいずれ出てくることを想定して、富裕層はすでに手を打っているわけです。
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【資本主義と経済成長】
実力で所得は決まらず 近代の欺瞞暴いた
全面的に支持する
水野和夫(日本大学教授)

 18世紀のフランス革命以後、先進諸国は、選挙権を取り入れて身分や性別による格差をなくした。そのため、誰もが能力に応じて所得や資産が決まる「近代社会」になったと疑っていませんでした。

 しかし経済的には、それはうそだった。ピケティによると、資本が常に成長率よりも速いスピードで自己増殖し、かつ、その過程で集中化する。それが分散するわけでもない

 フランスでも革命後しばらく、所得と資本の比率は大きく変わらなかった。
 唯一変わった時期は、世界大戦期だけ。近代の理念を実現するために変えたのではなく、戦争で変わったというのがポイントです。

 これは、資本主義が民主主義とは相いれないことを示しています。参政権は万人に開放されたのに、富の分配については、資本主義がそれを拒否したのです。

 東西冷戦期は共産主義があったため、資本主義と民主主義が手を組んでいました。
 しかし現代では再び、フランス革命前のアンシャンレジーム期に戻りつつある。
 近代社会の欺瞞性を暴いた点で、ピケティの著書を全面的に支持します。

 日本でも、小泉改革やアベノミクスは、新自由主義者による「アンシャンレジーム党」ですね。生前贈与への税率緩和がいい例ですよ。
 企業も非正規社員を合法的に奴隷化している。正社員をなくしても、99%の「第三身分」が出てくるだけです。
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※北風  ピケティとマルクスの研究はそもそもカテゴリーが違うということについて。

 マルクスの基本的な考え方は、資本の収益は労働力商品の購入使用による剰余価値であり、資本蓄積の動機で当然最大化を図る。
 そのために常に労働賃金は労働力の再生産費まであるいはもっとさらに下げようとする。
 この資本の過剰蓄積によって窮乏化が一定段階に達すると消費需要が経済成長を下回ることで金融循環が信用恐慌を起こす。
 もしくはそれを転換しようと戦争となる。

 つまり、マルクスにおいては資本の収益と労働賃金は拡大成長するパイの分配率ではない
 経済行為は民主制度ではないので労働力商品の交渉は概ね雇う者、資本家が勝利する。
 まあ、ここから階級闘争論である。
 労働者は組織として団結し、使用者側資本家階級と闘うべしとなる(デモ、スト、選挙、ゼネストから暴力革命まで)。

 ピケティはあくまで西欧民主制度からのアプローチなので、労働者階級と資本家階級を区別しない(ブルジョワジーとプロレタリアが連合したフランス大革命)。資本収益と労働力商品の価格にすぎない賃金所得をほとんど区別しない
 拡大成長するパイの分配率としてみている
 逆にこの格差の拡大が民主制度を壊してしまう、という危機感であるだろう。
 それはそれとしてトリクルダウンの欺瞞を暴き、民主制度を打ち固める成果である。
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脱法行為の国債買い入れで窮乏化、インフレ、日本売りへ進む日銀:野口

 ハイパーインフレ

   野口悠紀雄氏がアベノミクスを批判 「異次元緩和は脱法行為」  2/9  日刊ゲンダイ

「アベノミクスの成功を確かなものにすることが最大の課題」――。昨年末の衆院選後も、安倍首相は引き続き「デフレからの脱却」を最優先に掲げた。だが、アベノミクスによって輸入物価は急上昇し、中小企業の「円安倒産」が相次いでいる。
 多くの国民に「成功」の実感はない。安倍首相の力説する「この道しかない」の先にどんな事態が待ち受けているのか。
 日銀の異次元緩和を「金融政策の死」と切り捨てる野口悠紀雄・早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問は、「日本は没落するかもしれない」と警告した。

  ■安倍政権の「この道」とは国家統制の“戦後レジーム”経済

――日銀の黒田総裁が先月の政策決定会合後の会見で、「物価上昇2%」の目標達成時期が16年度にずれ込む可能性を認めました。あらためてアベノミクスをどう見ていますか。

 アベノミクスの中心目標は「2%の物価上昇(インフレ)」ですが、この目標自体が間違っていると思います。
 今、原油価格が下がり続け、一時期に比べて半値ほどになりました。本来、原油価格の下落は、日本企業にとっても国民にも大変望ましいことです。
 しかし、それではインフレ目標が達成できないため、日銀は追加の金融緩和策を打ち出し、輸入物価を上げようと円安投機をあおりました。
 つまり、2%上昇を達成するために原油効果を打ち消そうとしている
 国民が望ましくないと思っても、苦しくなっても構わない、という考え方で、いかにもおかしい。
 「デフレ脱却が日本経済に望ましい」という考えは、基本的に間違っているのです。間違っている目標だから、15年4月に達成しようが、16年度にずれ込もうが、どちらでもよいことです。
 ただ、最初に設定した目標がなぜ実現できなかったかについての納得いく説明は必要でしょう。

――円安はなぜ好ましくないのでしょうか。

 円安というのは、分かりやすくいえば、ドルベースで見て、日本人の労働者の賃金が切り下がったということです。
 ここ数年間で2~3割も切り下がった。つまり、円安は日本の労働者を貧しくするということなのです。
 だから、大企業の利益が増えたのですね。
 現在の1ドル=120円というのは「名目レート」で見れば07年と同じですが、「実質レート」で見ると、当時より3割ほど円安です。
 「実質レート」が最も高かった95年と比べると、今は半分ほどです。
 それだけ日本人が貧しくなっている
のです。

――しかし、安倍政権は「この道しかない」と突き進む考えです。

「この道しかない」というのは、英国のサッチャー首相の言葉「There is no alternative.(TINA)」ですが、意味するところは安倍首相と正反対です。
 サッチャーが言ったのは「市場における自由競争しか方法がない」という意味で、「新自由主義」を擁護する内容です。
 しかし、安倍政権は民間企業の賃金決定に介入し、企業に内部留保を使えと言う。国が民間経済活動を指導すると言っているわけで、保守主義や新自由主義とは正反対です。

――それでは安倍政権の「この道」とは何だと思いますか。

 経済面でいえば、「戦後レジーム」への復帰。国が民間経済に介入することです。
 私は、戦後の日本は「戦時レジーム」で発展したと考えています。岸信介元首相(安倍首相の祖父)がつくり上げた仕組みで、戦前の日本にあった自由主義的な経済を否定し、当時のソ連やドイツのように国家社会主義的な考え方を進めようとした。
 金融は国家統制的になりました。その仕組みが戦後続き、日本の高度成長を実現したのです。
 安倍首相がやろうとしていることも同じです。金融緩和策にもそれが現れています。
 政府の目的に従えと中央銀行に言っているわけで、中央銀行の独立を否定している。ここでも、保守主義と正反対です。

  ■国債の「マイナス金利」のツケは国民が税金で負担

――安倍首相は「強い経済を取り戻す」として、法人税減税などを進めようとしています。

 安倍政権が目指しているのは、高度成長期の中心であった「製造業」の復活です。
 そのために法人税減税が必要と言っているわけですが、私は現在の世界環境や技術条件の中では、製造業は復活し得ないと考えています。
 そもそも、日本の製造業が衰退したのは、世界の経済構造が大きく変化したからで、その状況に日本が対応できていない。
 例えば、世界で最も強い経済力を持つ米国をリードしている会社に「グーグル」と「アップル」があります。「グーグル」は広告業ですが、検索エンジンという技術を持つ。製造業とサービス業の中間です。
「アップル」は製造業ですが、自前の工場を持たず、部品を作っているのは世界各地のメーカー。こちらも製造業とサービス業の中間です。
 こういう新しい産業が米国経済をリードしているのであって、従来の製造業が復活しているわけではありません
 安倍政権の成長戦略は、従来型の製造業を復活させ、戦後の高度成長を再現しようとしている。こういう「アナクロニズム」の考え方では、製造業の復活は不可能です。

――それでも日銀は、異次元緩和でアベノミクスを支える姿勢を変えていません。

 今、国債市場で「マイナス金利」という異常事態が起きています。
 例えば額面100万円の国債があったとします。普通はこれを99万円で売り出し、償還されれば金利は1%ということです。
 ところが、今の状況は銀行が額面100万円の国債を101万円で買っているようなもの。つまり1%の損です。
 大ざっぱに言うと、これが「マイナス金利」の意味です。
 それなのに銀行はなぜ国債を買っているのか。仮に101万円で買っても日銀が102万円で買い取ってくれるからです。
 要するに、損するのは日銀で、「マイナス金利」を別の言い方にすれば「日銀が損失覚悟で国債を買い取っている」ことにほかなりません。
 日銀の利益は、国庫納付金という形で国に納められる。いわば税金です。損失が発生すれば、その分だけ日銀の納付金(税金)が減り、国民負担が増す
 これは大変なことです。

――しかし、日銀は追加緩和しました。

 異次元緩和によって、銀行は政府から買った国債を右から左に日銀に売ってもよい、ということになりました。そして国債は日銀の「当座預金」という形でどんどん積まれています。
 「当座預金」というのは要求払い預金ですから、銀行が「返してください」と言ったら当然、返さなくてはならない。
 その時、日銀がどうするのかといえば、日銀券を刷ればいい。これができるのは中央銀行だけです。
 ということは、今は「当座預金」が増えているだけですが、いずれ日銀券というマネーが増える。マネーが増えるということは結局、インフレをもたらすのです。

――異次元緩和以降、100兆円近い国債が「当座預金」に変わっていますね。

 日銀の国債引き受けは、財政法第5条で明確に禁止されています。
 国債が日銀券という「マネー」になり、政府は債務償還の義務から逃れられるからです。債務が「チャラ」になってしまいます。
 だから「日銀引き受け」は法律で明確に禁止されているのです。
 今までは、そのルールは守られていたのですが、日銀が今、やっていることは、事実上の「日銀引き受け」です。
 異次元緩和によって“脱法行為”をしているのです。
 これは「国債の貨幣化」または「財政ファイナンス」といわれているものです。

――「脱法行為」で日銀が国債を買い続けると、どうなるのでしょうか。

 インフレになり、国債の実質的価値が下がります。
 行き着く先は「日本売り」で、とめどない円安になることが危惧されます。
 「日本売り」で日本が没落するかもしれません。
 円で資産を持っていることがリスクになるということです。早く「ドルに替えた方がよい」と言っているようなもので、「日本売り」が、どんどん進む。
 1ドル=1万円という、とてつもない円安になり、海外旅行など、夢のまた夢。一生働いても、ニューヨークのホテルに1泊もできない時代が訪れるかもしれません。

▽のぐち・ゆきお 1940年、東京生まれ。東大工学部卒。大蔵省入省、エール大Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大、東大教授、スタンフォード大客員教授、早大大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月から現職。主な著書に「期待バブル崩壊」「金融政策の死」など多数。
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サイクス・ピコ密約から米国のイラク侵略、そしてISIS

 第一次大戦でオスマン帝国を壊滅した英仏とアメリカは、その広大な帝国領土を十数の国家に分割し、支配した。
 独立を餌にオスマン帝国に対するアラブの反乱を煽り、支援しておきながら、アラビア半島とレパントを英仏で分割し、砂漠は残虐獰猛なワハブ派に預けた。
 これが「二枚舌」として有名な「サイクス・ピコ密約」である。

 その後も米英仏の帝国主義は常に干渉侵略を繰り返し、第二次大戦後はシオニズムを支援して、彼らをしてアラブ人を迫害追放し、イスラエルを建国する。
 ナセルやアラブ復興社会主義を打倒させたのは米英仏のスエズ運河、石油の利権である。

 戦後のブレトン・ウッズ協定によるドルの基軸通貨は、米国の金準備がなくなり、1971年に早くも崩壊する。
 以後ドルの基軸通貨性は石油の決済通貨が最大の拠り所となった。
 既にドル基軸の危険性を見た欧州はユーロを圏域通貨とした。

 最大の危機が見えてきた米国と軍産複合体は、9.11事件を起こし、アフガン、次いでイラクに侵攻、征服することでドルの信認を保ってきた。
 米国の戦争は第一次大戦の英国に学んだものである。英国が凶暴なワハブ派の半島征服を支援したように、米国派イスラム過激派を支援、育成し、アルカイダという化け物を生み出したのである。
   
 そして軍産複合体、CIAとシオニスト国家イスラエル、そしてサウジは、ISISのテロリズムを生み出した。
 彼らが創りだしたテロリズムをどう処理するか?
 国際金融資本と軍産・シオニストの矛盾である。
 ーーーーーーーーーーーーーー
   アメリカの仕掛けた『イラク戦争』に大義はあったのか  2/8  「ひょう吉の疑問」氏から

サイクスピコ
サイクス・ピコ協定。濃い赤はイギリス直接統治、濃い青はフランス直接統治、薄い赤はイギリスの、薄い青はフランスの勢力圏。紫(パレスチナ)は共同統治領
(ウィキペディア より)

地図を見てわかるように、現在のイラクは第一次大戦後、イギリスの統治下にあった。つまりイギリス利権の強い地域であった。
しかし列強が勝手に敷いた直線的な上置国境により、国境の内側には民族同士の対立や、宗派間の対立が残された。

2003年のイラク戦争は、国連の承認のもとに行われたと勘違いしている人もいるようだが、イラクを攻撃したのは、アメリカとイギリスだけである。
他のフランス・ドイツ・ロシア・中国は強硬に反対している。
こんななかで時に日本の小泉政権は真っ先にイラク戦争を支持した。

その2年前の2001.9.11の同時多発テロが、ビン・ラディンをリーダーとするアルカイダ組織によるものだと勝手に断定したアメリカは、サダム・フセインのイラク政府とアルカイダの関係を探そうとしたが、それがうまくいかなかったので、今度は『大量破壊兵器の製造』という疑惑を作り上げ、これを口実として、イラク戦争を仕掛けた。

実は、9.11テロの起こる前年、2000年11月に、イラク大統領ののサダム・フセインは、『石油の売上代金をそれまでのドルではなく、ユーロで受け取る』と宣言していた。
いうまでもなく、イラクは莫大な石油産油国である。

1971年の『ニクソン・ショック』で金とのリンクを失ったアメリカのドルが、世界の『基軸通貨』の地位を維持していたのは、ひとえに世界の石油代金がドルによって決済されていたからである。
アメリカが起こしたイラク戦争は、実は自国通貨ドルの世界の基軸通貨としての地位を守るために仕掛けられたものである。

その結果、圧倒的な軍事力でアメリカはイラクを占領した。
しかし、イラク戦争の口実となった『大量破壊兵器』はどこをどう探しても見つからなかった
アメリカの大義はこれで完全に失われた。

しかも、2006年12月のサダム・フセインの処刑後、
2008年3月、アメリカ国防総省は正式に「フセインとアルカーイダの関係を示す決定的証拠はない、認められるのはパレスチナ武装勢力との関係のみ」とする報告書をまとめた。
なお、報告全文は当初インターネットでの公開が予定されていたが、直前になって突如文書頒布のみに切り替えられた。

このようにアメリカは、戦争を起こしたあとで戦争の原因になった原因はなかったとか、人を処刑したあとで処刑する理由はなかったと発表する。
これは国家による人殺しである。

復興業務には「ハリバートン」社、「ベクテル・インターナショナル」社らアメリカの民間企業がいくつも参加していた。
「ハリバートン」社は、アメリカのチェイニー副大統領が副大統領就任前に同社のCEOを務めていた(1995-2000)。彼らは自ら破壊したものを自ら再建し、莫大な利益を得た。

その後、アメリカ占領下でのイラクの復興がうまくいっていないことは周知の事実である。
フセイン政権を構成していたスンニ派は、新しくできたシーア派のマリキ政権に迫害され、追いつめられた。
その結果、彼らがテロ行為に走り、イスラム国の運動につながっていく
イラク戦争の大義がどこにあるのかは、いまだ歴史の謎である。

アメリカはその後、2011.5.2日にパキスタンに潜伏していたとされるビン・ラディンを米軍による特殊作戦により殺害し、写真も公表しないまま、即日『水葬』にして海に流すという、証拠隠滅を行っている。
 ーーーーーーーーーーーーーーー
※ 関連ページ。
二度死んだオサマ・ビンラディン
米国によるオサマ一家惨殺事件
ビンラディンは2001年に死亡、9.11は内部犯行
9.11疑惑と軍産複合体の動向
9.11からの幻覚症状による世界の混乱とその終わり
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