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スイスフランの急騰に感じること:闇株新聞

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 ユーロ/スイスフラン

   何が起こった? スイスフランの急騰  1/16  闇株新聞

 急遽記事を差し替えたので、やや遅れての更新となります。

 スイス国立銀行(中央銀行)が本日(1月15日)、スイスフランの対ユーロ上昇を避けるための「無制限介入」を撤廃し、同時にスイスフランを保有する金融機関から徴収する手数料を引き上げ、基準政策金利をマイナス0.25%からマイナス0.75%にすると「突然に」発表しました。

 「無制限介入」は2011年から1ユーロ=1.20スイスフランを維持し(つまりスイスフランの上昇を食い止めることにより)スイス国内産業の衰退を守ってきたのですが、それをやめてしまいました。

 また政策金利のマイナス0.75%はECB理事会のある1月22日からの実施となりますが、政策金利の幅が「マイナス0.75%~プラス0.25%」から「マイナス1.25%~マイナス0.25%」に引き下げられるので、スイスフランは調達金利までマイナスになることになります。

 ここから1月22日のECB理事会の決定を「読む」と、スイスフランのマイナス金利幅拡大はECBの何らかの追加緩和を示唆していますが、それなら一層のユーロ安・スイスフラン高とも予想されるため「無制限介入」撤廃の影響のほうが「原爆級」であるはずです。

 全く予想していなかった欧州早朝(日本時間夕刻)の為替市場は、まさに「原爆級」の大混乱となりました。

 ニュースが伝えられた日本時間午後7時前に、スイスフランはユーロに対して「無制限介入ポイント」である1ユーロ=1.20スイスフランから、たった数分間で1ユーロ=0.86スイスフランまで3割近い急騰となり、日本時間午後11時半現在は1ユーロ=1.02スイスフランとなっています。

 つまりスイスフランはユーロと「ほぼ等価」となってしまいました。

 スイスフランの対ドル相場は、1ドル=1.02スイスフランがやはり数分間で1ドル=0.715スイスフランまで急騰し、午後11時半現在は1ドル=0.885スイスフランとなっています。

 ただここのところユーロは対ドルで下げ足を速めていたため、現在の1ドル=0.885スイスフランは2014年3月頃の水準と同じです。

 スイスフランの対円は、やはり1スイスフラン=115円から数分間で1スイスフラン=166円をこえ、午後11時半では1スイスフラン=132円となっています。
 
 またスイス国立銀行という大口のユーロの買い手がいなくなったためユーロも対ドルで下落しており、同時刻では1ユーロ=1.163ドルとなっています。

 尚、最近は日本10年国債よりも利回りが低いスイス10年国債利回りは、同時刻に0.16%となっています。

 さて直感的に感じたことは、以下の3つです。

 1つ目は、ドルやユーロに比べれば存在感が小さいものの国際金融市場では決して単なるローカル通貨ではないスイスフランが、まるで昨年末のルーブル(こちらは値下がりだったのですが)のように急劇な変動となったことは、それだけ世界の金融市場に投資(投機)資金が溢れ返っているものの、ちょっとした(ちょっとではなかったかもしれませんが)きっかけでパニックになってしまうことです。

 2つめは、スイスフランでもこのように急変動してしまうのなら、規模の小さい新興国通貨に仮に少しでも問題が起きると、もっとビックリするような変動となり混乱を一層拡大させてしまうことです。

 そして3つめは、「円」などの日本の金融市場も決してその例外ではなく、例えば「円」が瞬時に10%以上も変動することもあり得るということです。それが「円安」なのか「円高」なのかはわかりません。

 なかなか奥行きが深い問題なので、この続きは来週月曜日(1月19日)配信の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」に書くことにします。
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原油暴落は需給関係ではない、対ロシア世界戦が始まっている

原油価格
 
 今月初めのロシア・ルーブル暴落はロシアの実質的な資本異動規制によって一応短期に安定した。このことは逆にルーブル暴落が米英得意の為替市場の人為的操作であったことを示す形となっている。

 原油の暴落について、我が国のエコノミストは中国の成長減速、米国の量的緩和終了によるなどと解説しているが、中国の成長減速は極めてゆるやかな減速であり、ましてリセッションなどではない。また米国の量的緩和はこれもゆっくりと慎重に量を減らす「テーパー」の始まりに過ぎない。
 いずれもこのような急落を説明できるものではない。

 このような急落は国際金融資本(米英)が総力を動員して市場操作し、それにサウジ、クウェートなどが同調することでのみ可能な現象である。
 それ以外では世界に信用恐慌をもたらしたリーマンショックのみである。
 ーーーーーーーーーーーーー
   第一次全世界戦争: 石油が鍵となる地政学的戦争  1/17  「マスコミに載らない海外記事」から 

1/15 A・Salbuchi RT.com

石油価格崩壊は、欧米と、ロシアとその同盟国との間の地政学的権益上の、第一次世全界戦争、最初の戦争です、と国際コンサルタントのアドリアン・サルブッチアは言う。
将来、水や食糧を巡って同じことが起きる可能性があるとも述べた。

RT: サウジアラビアは、石油価格下落の上で役割を果たしていると思いますか?

アドリアン・サルブッチ: もちろんです。他のいくつかのOPEC諸国、例えば、ベネズエラや、ナイジェリアとさえ比較して、サウジアラビアには他の権益もあるので、サウジアラビアは石油価格下落の先陣を切っていると思います。
ですから、いま起きているのは - 我々が目にしているのは、全世界戦争なのです。
私はこれを第三次世界大戦とは呼びません。
私はこれを、全世界戦争、最初の戦争が石油戦争である第一次全世界戦争と呼んでいます。我々はそれを目にしているのです。

石油一バレルがいくらするかという問題ではなく、西欧列強が、ロシアを屈伏させられるか、イランを屈伏させられるかという問題で、列強がそれを推進している間に、ベネズエラのマドゥロ大統領は、石油を減産できるか、あるいは価格を再度上げられるかを確認しようとして様々な国々を歴訪しています。
しかし基本的に、これは価格の問題ではないのです。
これは石油が主役を演じている地政学的戦争で、アメリカ・ドルが、石油市場における国際通貨であり続けるかどうか、あるいは、オイルダラーに何か変化が起きるかにこそ、大いに関係があるのです。

単なるOPEC諸国の問題ではなく、西欧列強 対ロシア、中国とイランという、地政学的視点から見なければなりません。
既に彼らが対処できる水準を超えているのですから、OPEC諸国がいつ分裂しても不思議ではありません。

RT: OPEC内部での分裂はあり得ますか? もしそうであれば、それが起きる原因は何でしょう?

AS: はい、既に分裂していると思います。
基本的に、加盟諸国の間に、非常に大きな非対称性があるので、OPECは、これまで非常に一致団結した、あるいは一貫性のある組織であったことはないのです。
ところが決定的に一番大きな部分は、サウジアラビアに支配されています。
もしサウジアラビアが、減産しないと決めれば、石油生産は続き、それに対し、他の国々ができることはほとんどありませんし、しかも、例えば、クウェートも、サウジアラビアの先導に続いています。
サウジアラビアとクウェートが、ロシアと中国に、特に主にロシアに、石油価格下落で、挑戦しようというこの欧米戦略と手を結んでいるので、彼らができることはほとんどありません

これは既にOPEC内部に分裂を生み出しており、この危機が今後何カ月も、益々酷くなるにつれ、この分裂は恐らく激化するでしょう。
当然一部の国々がより苦しむことになります。
ロシアには膨大な石油があり、多くの歳入を得ていますから、ロシアも、外国貿易で苦しんでいます。
ロシア外貨収入の50パーセントは、石油生産によるものです。
またベネズエラの収入の約95パーセントが、石油輸出によるものですから、ベネズエラは、すさまじく苦しめられています。

RT: OPEC諸国の間に、現在大きな不和があるとおっしゃるのですね。すると、この組織崩壊の可能性はあるのでしょうか?

AS: はい、その可能性はあり、恐らく、少なくとも公式な石油価格を決定する国々の集まりとしてのOPECの消滅を意味することになるでしょう。
OPECは、様々な理由で結成されたことを忘れないようにしましょう。1973年のヨム・キプル戦争後、二十世紀、70年代頃の他の地政学的要素によって設立されたのですから。
しかし今や状況は全く変わり、既にOPECを分裂させています。

これは市場の需要と供給という問題ではないことを理解するのが極めて重要です。
これは地政学の問題なのです。
石油価格を、7-8カ月で、55パーセントおし下げたのは、市場の見えざる手ではありません。
これは、強力な勢力と、悪魔のような頭脳に常にに付随する市場の見えざる手なのです。
ですから、見えざる手が決めている石油価格を見つめるよりも、強力な勢力が、見えざる手で一体何をしているのか理解することが遥かに重要だと思います。
遥かに重要なのは、ロシア、中国、そしてその同盟諸国に対する、この進行中の紛れもない戦争の一環として、欧米シンクタンクの悪魔のような頭脳が、一体何を狙っているのかを理解することです。

RT: 西欧列強と、ロシア同盟諸国との間で進行中の覇権争いの原因は、地政学的要素なのでしょうか? そもそも欧米は、それで一体どのような利益をえるのでしょうか?

AS: はい、現在の地政学的要素は、二十世紀後半、OPECが作られ際の、OPEC諸国の単なる共通権益より遥かに強力ですから、西欧列強とロシア、中国と、BRICS地政学同盟との間で継続している覇権争い、この継続中の覇権争いが、OPECを崩壊させる可能性があります。
それに、OPECの存在理由の一部は消滅しています。

そこで、サウジアラビアとクウェートは、アメリカ、イギリスと西欧列強と同盟して行動していますが、他の国々は各自で行動しています。
またこれは、アメリカが、水圧破砕で、シェール石油を採掘する方法を発見し、採掘を初めて以来、完全に自給自足する潜在的な能力を得たことを自覚しているという事実とも大いに関係しています。

これはつまり、今後数年、実際に、ロシアやイランやベネズエラを傷つけており、今後、二、三年間、石油価格をおし下げ続けるだけで、連中はこれができるのです。
戦争する際は、価格など気にしません、ひたすら戦って、戦争そのものに勝利しようとするのですから、アメリカは犠牲を払う覚悟ができています

RT: 産油諸国の目標の違いをどうご覧になりますか? 実際、彼らの権益は何でしょう?

AS: 産油国諸国の権益は、お互い大いに矛盾しているので、産油国という観点で考えるべきではありません。
例えば、サウジアラビアは、イスラエル、アメリカとNATOの同盟国です。
ロシアは世界最大の産油国です。ロシアとして独自の利害関係があります。
アメリカは、シェール石油のおかげで、自給自足と、輸出を再開することが可能になっています。しかも、こうした国々の利害関係は全く違うのです。

石油は戦争の一環として見なければなりません。
それが、私がこれを石油戦争と呼んでいる理由です。
これは、進行中の第一次全世界戦争での恐らく最初の戦争で、これは片や産油国、片や世界の他の国々というのとは無関係です。
我々が目にしている、この継続中の戦争では、石油より、地政学的要素がはるかに上回っています。
今後、恐らく、水と食糧についても、これを目にするようになると思います。
ですから、我々は、今後の年月に到来するであろう、大いに実に困難な時代に備えなければなりません。

RT: ロシアは最近、中南米諸国と良い関係を築き上げています。石油という要素は、こうした新たな相互関係を作り上げる上で、影響しているのでしょうか?

AS: 石油が唯一の重要な要素だとは思いません。
プーチン大統領は、ロシアが石油を必要としていないことを理解しています。
ベネズエラの石油を必要としていません。
プーチン大統領とロシアは、南米におけるアメリカにとって極めて重要な特定の国々との同盟を、実に賢明に築き上げていると思います。

既に、BRICS同盟によってブラジルと同盟しています。
私が暮らすアルゼンチンとも
、より親密になっています。
そして、ロシアは、特にわずか数週間前に発表されたアメリカとキューバ間のいわゆる国交正常化提案後、ベネズエラに一層接近しています。
中南米諸国、特に、継続中の問題を共有するベネズエラとより親密になろうというロシアの提案は、ロシア指導部の、実に抜け目なく、極めて賢明な政治的思考を示していると思います。

アドリアン・サルブッチはアルゼンチンの政治評論家、作家、講演者、ラジオ/TVコメンテーター
本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:http://rt.com/op-edge/222795-oil-prices-us-role/
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