酒を飲むのは不道徳か
2015-01-05
年末年始はお酒の機会も多くなる日本です。諸外国もそれは同じようです。
イスラム圏を除く諸外国に比べて、日本人のお酒を飲む量は決して多い方ではありません。
ただ、諸外国ではお酒を飲むことに「なんとなく」不道徳な感覚をもっているようです。
日本人は飲酒を「道徳的に許される」とする点で、世界でトップの位置にあるようです。
つまり、酒量はさほどでではないが、社会全体が飲酒を公認する「酒好き国」のようですね。
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お酒は敵か、それとも友か(飲酒許容度の国際比較) 2015/1/3 「社会実情データ図録」から

日本でも未成年に対しては飲酒を禁じているが、世界では大人でも飲酒を禁じている民族が多い。
飲酒の量ではなく、飲酒の許容度から、酒好きの民族か酒を敵視する民族かの違いを見てみよう。
結論的には、飲酒の量ではなく、飲酒に対する考え方では、日本人はもっとも酒好きの民族である。
定期的に共通の調査票で世界各国の国民に対して意識調査を行っている米国のピューリサーチセンターは、2013年春の調査で、不倫、中絶、同性愛といった倫理的な諸事項について道徳的な許容度を聞いているが、その中には、飲酒も含まれている。
図には飲酒を「不道徳」(「道徳的に許されない」)とする者の比率の小さな順に並べた結果グラフを掲げた。
飲酒への許容度の高さは、上から下に、ほぼ以下の国順・国グループ順となっている。
1.日本
2.欧米プロテスタント国
3.欧州カトリック国
4.韓国・中国
5.南米カトリック諸国
6.ロシア・インド・サハラ以南アフリカ諸国
7.イスラム圏諸国(アジア・中東・北アフリカ)
日本人は「不道徳」の割合の低さ(6%)、「道徳的に許される」の割合の高さ(66%)の両方ともが世界一である。
欧米のプロテスタント国でも「不道徳」とする比率が低く、同じように飲酒への許容度が高くなっているが、これらの国は「道徳と無関係」の比率が高く、飲酒は道徳と関係ないから不道徳でもないと考えているのに対して、日本人の考え方では、道徳的に好ましいから不道徳ではないと考えている点が大きく異なる。
ビールの故郷チェコの人々はアルコール摂取量も世界一レベルの飲酒好きの国民として知られ、「道徳的に許される」の割合も46%とドイツを凌駕する世界2位の高さであるが、同じ割合が66%の日本を20%ポイントも下回っており、とても日本には及ばない。
日本人は、飲酒に関し、世界の中でも特に親しみをもつ国民性を有していると断じて差し支えあるまい。
すなわち、日本人は価値観的には世界一のお酒好き民族といえる。
東アジア儒教圏でも日本と韓国、中国とではかなりの違いがある。
韓国人の22%、またさらに中国人の41%は飲酒を不道徳としているのはやはり意外だ。
サハラ以南アフリカ諸国で飲酒を不道徳とする者の比率が南米諸国より多く、またイスラム圏と余り変わらない水準であるのも意外である。
イスラム圏ばかりでなく、世界では、飲酒の弊害や飲酒に伴うトラブルを嫌って、お酒を否定する考え方が案外根強いのである。
日本人の飲酒への愛着度が目立つ背景としては、日本人が歴史的に飲酒を好んできたという側面と飲酒を禁じる宗教の影響が強くなかったという側面の2面があると思われる。
日本人の酒好きには、飲酒によるトラブルを回避し、飲酒を伴う宴会を所属集団の融和に役立てて来たという長い伝統・習慣が背景にあると言わざるを得ないであろう。
ただし遺伝的にアルコール分解酵素の保有率が低く、飲む量は多くない。そもそも呑めない人も多いから、禁止という最後の手段に訴えずともトラブルの発生が比較的抑制が容易だったことも影響しているのであろう。
酒盛りの習慣から日本人が酒好きであることを指摘する論者が多い。「どこの国でも男の人たちはお酒が好きです。しかしその中でも日本人は酒好きではないかと思います。これは神のまつりには必ずお酒を供え、そのあとで、みんながわけ合って飲むならわしがあったからです」(宮本常一「食生活雑考」著作集24、p.73)。
(中略)
このように飲酒、あるいは飲酒というより飲み会が無類に好きな日本人であるが、上述のように、アルコール摂取の程度に関しては、頻度的にはまあまあ高いと思われるが、量的には、日本人の場合、遺伝的な体質もあって、余り多くない(。
こうした点を端的に示すグラフとして、飲酒許容度と飲酒量の相関図を下に掲げた。
おおむね、飲酒許容度と飲酒量は比例しているが、許容度の割りには酒を飲まない日本、イスラエル、レバノンといったグループもあれば、許容度以上に飲酒量が多い韓国、チェコ、ロシア、ウガンダ、ナイジェリアといったグループも存在することがうかがわれる。
図上の位置から、日本人は、お酒が大好きだけれどそれほどは飲まない(飲めない)ことが明らかであろう。

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※ なんとなく外国人は皆酒に強いと思っているのは、明治から欧米とりわけ英米独仏など酒量の多い民族から文化移入したからなのでしょう。
イスラムほどでなくともキリスト教なども厳密には酒と悪魔は類似で、禁酒制でないだけですね。
酒を飲むのは不道徳か、と聞かれれば結構な割合で「不道徳」なのです。
酒豪の民族は、道徳のたてまえと大きな矛盾を抱えて生きているのかも知れません(笑)。
イスラム圏を除く諸外国に比べて、日本人のお酒を飲む量は決して多い方ではありません。
ただ、諸外国ではお酒を飲むことに「なんとなく」不道徳な感覚をもっているようです。
日本人は飲酒を「道徳的に許される」とする点で、世界でトップの位置にあるようです。
つまり、酒量はさほどでではないが、社会全体が飲酒を公認する「酒好き国」のようですね。
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お酒は敵か、それとも友か(飲酒許容度の国際比較) 2015/1/3 「社会実情データ図録」から

日本でも未成年に対しては飲酒を禁じているが、世界では大人でも飲酒を禁じている民族が多い。
飲酒の量ではなく、飲酒の許容度から、酒好きの民族か酒を敵視する民族かの違いを見てみよう。
結論的には、飲酒の量ではなく、飲酒に対する考え方では、日本人はもっとも酒好きの民族である。
定期的に共通の調査票で世界各国の国民に対して意識調査を行っている米国のピューリサーチセンターは、2013年春の調査で、不倫、中絶、同性愛といった倫理的な諸事項について道徳的な許容度を聞いているが、その中には、飲酒も含まれている。
図には飲酒を「不道徳」(「道徳的に許されない」)とする者の比率の小さな順に並べた結果グラフを掲げた。
飲酒への許容度の高さは、上から下に、ほぼ以下の国順・国グループ順となっている。
1.日本
2.欧米プロテスタント国
3.欧州カトリック国
4.韓国・中国
5.南米カトリック諸国
6.ロシア・インド・サハラ以南アフリカ諸国
7.イスラム圏諸国(アジア・中東・北アフリカ)
日本人は「不道徳」の割合の低さ(6%)、「道徳的に許される」の割合の高さ(66%)の両方ともが世界一である。
欧米のプロテスタント国でも「不道徳」とする比率が低く、同じように飲酒への許容度が高くなっているが、これらの国は「道徳と無関係」の比率が高く、飲酒は道徳と関係ないから不道徳でもないと考えているのに対して、日本人の考え方では、道徳的に好ましいから不道徳ではないと考えている点が大きく異なる。
ビールの故郷チェコの人々はアルコール摂取量も世界一レベルの飲酒好きの国民として知られ、「道徳的に許される」の割合も46%とドイツを凌駕する世界2位の高さであるが、同じ割合が66%の日本を20%ポイントも下回っており、とても日本には及ばない。
日本人は、飲酒に関し、世界の中でも特に親しみをもつ国民性を有していると断じて差し支えあるまい。
すなわち、日本人は価値観的には世界一のお酒好き民族といえる。
東アジア儒教圏でも日本と韓国、中国とではかなりの違いがある。
韓国人の22%、またさらに中国人の41%は飲酒を不道徳としているのはやはり意外だ。
サハラ以南アフリカ諸国で飲酒を不道徳とする者の比率が南米諸国より多く、またイスラム圏と余り変わらない水準であるのも意外である。
イスラム圏ばかりでなく、世界では、飲酒の弊害や飲酒に伴うトラブルを嫌って、お酒を否定する考え方が案外根強いのである。
日本人の飲酒への愛着度が目立つ背景としては、日本人が歴史的に飲酒を好んできたという側面と飲酒を禁じる宗教の影響が強くなかったという側面の2面があると思われる。
日本人の酒好きには、飲酒によるトラブルを回避し、飲酒を伴う宴会を所属集団の融和に役立てて来たという長い伝統・習慣が背景にあると言わざるを得ないであろう。
ただし遺伝的にアルコール分解酵素の保有率が低く、飲む量は多くない。そもそも呑めない人も多いから、禁止という最後の手段に訴えずともトラブルの発生が比較的抑制が容易だったことも影響しているのであろう。
酒盛りの習慣から日本人が酒好きであることを指摘する論者が多い。「どこの国でも男の人たちはお酒が好きです。しかしその中でも日本人は酒好きではないかと思います。これは神のまつりには必ずお酒を供え、そのあとで、みんながわけ合って飲むならわしがあったからです」(宮本常一「食生活雑考」著作集24、p.73)。
(中略)
このように飲酒、あるいは飲酒というより飲み会が無類に好きな日本人であるが、上述のように、アルコール摂取の程度に関しては、頻度的にはまあまあ高いと思われるが、量的には、日本人の場合、遺伝的な体質もあって、余り多くない(。
こうした点を端的に示すグラフとして、飲酒許容度と飲酒量の相関図を下に掲げた。
おおむね、飲酒許容度と飲酒量は比例しているが、許容度の割りには酒を飲まない日本、イスラエル、レバノンといったグループもあれば、許容度以上に飲酒量が多い韓国、チェコ、ロシア、ウガンダ、ナイジェリアといったグループも存在することがうかがわれる。
図上の位置から、日本人は、お酒が大好きだけれどそれほどは飲まない(飲めない)ことが明らかであろう。

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※ なんとなく外国人は皆酒に強いと思っているのは、明治から欧米とりわけ英米独仏など酒量の多い民族から文化移入したからなのでしょう。
イスラムほどでなくともキリスト教なども厳密には酒と悪魔は類似で、禁酒制でないだけですね。
酒を飲むのは不道徳か、と聞かれれば結構な割合で「不道徳」なのです。
酒豪の民族は、道徳のたてまえと大きな矛盾を抱えて生きているのかも知れません(笑)。
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出口のない紙幣増量策、財政供給と落下する円安地獄
2015-01-05

アベノミクスの手品
良識があれば、これ以上の金融緩和はできないはずだが…… 1/4 「ひょう吉の疑問」氏から
大方のエコノミストの見解は、これ以上日銀が量的緩和をやれば、出口戦略がとれないという見解で一致している。
しかしその先が違っている。
だからこれ以上の量的緩和はしない、できない、という見解が一つ。
もう一つは、出口戦略がとれなくなっても、それでもやる、というのが一つ。
後者は経済分析によるものではなく、政治力学の問題である。
私にはどちらになるか分からないが、経済が政治力学によって動かされているのはその通りである。
良識があればこれ以上の量的緩和はしないだろうが、いやできないはずだが、
今の政治が良識によって動かされているかどうかは疑問である。
アベノミクス自体、経済学の常識では理解できないものである。
これかなり危険なことですよ。
政府は国債を紙幣に変えているだけだ。
国債は返済しなければならないが、紙幣は返済する必要がない。
単なるマネタイゼーション(紙幣量産)だ。
しかもそれによって財政ファイナンス(国家財政に供給)している。
財政赤字を紙幣増刷によって穴埋めしているだけだ。
しかも金融機関にブタ積みになった資金は誰も借りようとしないから、それがアメリカに流れているフシがある。
アメリカにお金を貸せば戻ってこない。
こうやってアメリカの財政までファイナンスしている。
どうもレレレのシンゾーは、国債を返済するつもりなどない。
つまり出口戦略のことなど考えていない。
これでは日本の債務残高は膨張するだけだ。
株屋のなかには、国債価格が上がって(金利が下がって)困る人はたくさんいるが、
株が上がって困る人はいないから、このままでいいんだ、という人がいる。
国債が上がって金利がゼロになれば、誰も国債は買わなくなる。
そのとき何が起こるか。たぶん金融が意味をなさなくなる。
それは紙幣の信用創造がなくなるということではないか。
信用創造がなくなれば、貨幣の量はガクンと落ちる。
ガクンと落ちた貨幣量のなかで株だけが買われるだろうか。
それは銀行機能も証券機能もなくなることではないのか。
直接・間接にかかわらず、金融がストップしたなかで、資本主義だけが生き残るだろうか。
それは無理だと水野和夫氏は言っている。
そのとき何が起こるか経験した人は誰もいない。
アメリカは民主党政権時代にかなり日本をいじり回したが、そんななかで死んだふりをしていたレレレのシンゾーが突然息を吹き返し、あれよあれよという間に首相に返り咲き、同時に新経済政策を打ち出した。
まるでそれを待っているかのようにマスコミはそれを『アベノミクス』と命名した。
しかし誰にもアベノミクスの意味は分かっていない。
アメリカにやらされているこの経済政策は、やっている本人にも意味不明のものだろう。
マネタイゼーション(紙幣量産)による財政ファイナンス(供給)。
このような禁じ手を行き着くところまでやり続けようとした政権はいまだかつてない。
それがアベノミクスである。
良識があれば、これ以上の量的緩和はできないはずだが、レレレのシンゾーがその意味を分かってない以上、何をするか分からないというのが実態である。
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