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もうすぐ北風が強くなる

米国と戦争がが大好きな連中のアベノミクス

マンハッタン

   アベノミクスが何を狙っているのかわからないが……   1/2  「ひょう吉の疑問」氏から

日本もアメリカもユーロも1%に満たない異常な世界的低金利である。
銀行預金にはほとんど利子がつかない。それに対して物価は上昇している。
差し引きマイナス金利である。実質金利はマイナスである。
つまりお金は持っているだけではその価値が減っていく。
これはインフレ時にはいつでも起こることなのだが、現状が異常なのは、これが経済成長率が低い異常低温のなかで起こっていることである。

日本の株価もアメリカの株価も上昇しているが、これを見て日本もアメリカも株価が上昇して結構なことだと喜ぶ人がいるが、ドルに換算してみると両者には明らかな違いがある。
日本は円が下落するなかでの株価上昇であり、アメリカはドルが上昇するなかでの株価上昇である。
ドル換算で見ると、アメリカは株価が上がったうえにドルが上昇しているためダブル効果で株の資産価値は上がっているが、
それに対して日本は株価が上がってもそのぶん円が下落しているため、実質的には日本の株価は上昇していない
日経平均は150ドルの壁を超えていない。

ということは日本人の持つ円資産は、マイナス金利によって低下し、さらに円安によってますます低下しているということである。

これが喜ばしいことかどうかはよくわからないが、これをもたらしているアベノミクスはなぜか成功しつつあるように受け止められている。
アベノミクスが何を意味しているかは難しい問題である。

円安になれば国内物価は上昇するが、それに輪をかけた消費税増税によって国内消費は低迷しているし、円安によって増大すると見込まれていた輸出も伸びない。
これは日本のグローバル企業がすでに軸足を海外に移しているからだと言われる。生産拠点を海外に移した企業にとっては円安は何の関係もないというわけだ。この説明は、たぶんその通りだろう。
さらに消費者物価の上昇に対して賃金の上昇は低い。ということは日本人の実質賃金は低下しているということである。

つまり
1.物価は上がり、
2.消費は伸びず、
3.期待された輸出も伸びず、
4.実質賃金は逆に低下している。
そして
5.日本全体の資産も円安によって低下している。


これが現状のアベノミクスの実態である。
株高で喜んでいるのは一部の資産家のみで、一般庶民には関係がない。逆に損している人も多い。

アメリカは金融引き締め(利上げ)に動こうとしているが、日本やユーロは金融緩和を続けている。
アメリカも今までさんざん金融緩和を続けてきた。それを日本やユーロが引き継ぐだけだ。アベノミクス以前はドル安が続いたが、このドル安によってもアメリカの輸出は増えなかった。
そんなアメリカがなぜ利上げをしようとするのかは疑問である。
アメリカが利上げをすれば、アメリカの国内産業、特に製造業はさらに落ち込む。
代わりに金融界が活況になる。ドルが買われ、アメリカに資金が流れてくる
からだ。アメリカ金融界はその集まった資金を高利で貸し付けるといういつものことをするだろう。

しかしアメリカは世界最大の債務国である。その政府負債は約2000兆円にのぼるとされるが、実体は不明で、実は1京円(1000兆円の10倍)とも言われる。日本の債務残高の1000兆円ばかりが取りざたされるが、アメリカ政府が抱える負債の方が実は途方もない数字である。
ドルが高くなれば、このアメリカの負債額も実質価値は大きくなるが、ところがアメリカの負債だけに関しては、めったに返済されない代物である。
世界はこの巨額の負債を抱えたまま、ますますアメリカに資金を集中させることになる。

それでなくてもアメリカは長年の貿易赤字国である。金融面での利益を合わせた経常収支になるとその赤字幅は縮小されるが、それでも経常赤字であることに変わりはない。
私は今のアメリカを見ると、古代ローマ帝国でその属州の富が、どんどんローマに収奪され、その富がローマ市民を『パンとサーカス』に熱中させるために使われていたことを連想する。
『テルマエ・ロマエ』で有名になったローマの公衆浴場も、ローマ市民の不満を抑えるために、属州の富を吸い上げることによってつくられたものである。

そしてスパルタクスによる反乱が起こればすぐさま鎮圧し、その後も支配を続けた。それはそのあと約300年間も続くのである。それを可能にしたのは軍事力のみである。
今イスラム国家を中心に起こっている反米の動きはそれを彷彿とさせる。

古代ローマ帝国が持たずに、アメリカが持っているものは何か。それは金融力である。
金融による支配は近代特有のものである。アメリカはこのことを最大限に生かそうとしている。1京円に上るとされる負債を世界にばらまいたまま。

今年中にアメリカが行うと予想される『利上げ』は、アメリカに多くの恩恵をもたらす可能性がある。それは決して国内産業の復活のためではない。アメリカはすでにモノをつくることをあきらめた国である。

アメリカは世界にばらまいた巨額な負債はそのままにして、新たに世界中の資産を自国に集める方策を採ろうとしているように見える。
アメリカが利上げをすれば、ドルはますます上がる。1ドル130円になる見方をする人が多い。ドルが上がれはアメリカの株も上がる。ドル高株高が実現する。

その一方でアセアンなどの新興国からは資金が引き揚げられるだろう。新興国は資金難に陥り、金融不安が発生する。ロシアの通貨不安もますます大きくなる。
この資金をアメリカに供給する役目を負わされているのが、日本とユーロではなかろうか。
リーマン・ショック以来、世界的なジャブジャブマネーは続いている。今世界は、世界的な金融緩和のなかにある。
アメリカが金融引き締めに動こうとしているからといって、それを金融引き締めへの世界的な転換だと思ってはならない。

アメリカに代わって日本とユーロがジャブジャブと紙幣を刷り出す
だからアメリカの金利は上がっても日本やユーロの金利は上がらない。低金利はこのまま続く。その低金利の資金をアメリカはどんどん借りるのだ。
これは投資をしない多くの日本人にとっても対岸の火事ではない。我々の年金資金(GPIF)もどんどんアメリカへの投資に使われる
アメリカ人の投資は、成功すれば自分の儲け、失敗すれば他人の損失、である。
我々の年金も危ない。これもアベノミクスの隠れた姿である。

今年、ドルは上がり、円は下がる。アメリカ株も上がる。日本株は上がるかも知れないが、不安定に乱高下する。
それは今年1年のアメリカ株の推移と、日本株の推移を見比べれば一目瞭然である。
アメリカ株は安定して右肩上がりに上昇いるのに比べ、日本株は結果的に上昇したとはいえ、乱気流のような乱高下はひどい。
この乱気流で多くの国内投資家が損失を被っている。その裏側には乱気流で儲けた外国人投資家がいる。
このような株高もアベノミクスの一側面である。

このようなアベノミクスが何を狙っているのか実のところよくわからないが、軍事大好きであることが気にかかる。
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プルサーマル・40年期間延長・高温ガス炉・福島原発の現在とこれから:小出

 3号機

高浜のプルサーマル・40年期間延長・高温ガス炉・福島第一原発>小出裕章氏12/31報道するラジオ年末特番(文字起こし)  「kiikochan.blog」から

報道するラジオ年末特番『もう、だまされないぞ!2014』  

京都大学原子炉実験所 小出裕章助教

・高浜原発3、4号機のプルサーマル発電について
・高浜原発1、2号機の40年の期限延長
・高温ガス炉とは? 水のいらない原子炉
・福島第一原発の現在とこれから

   プルサーマル発電 高浜原発

水野:
まず伺いたいのは、再稼動に向けて動く高浜原発についてなんです。
この高浜の3号機4号機というのは、
「プルサーマル発電を前提として再稼働の申請をした
」ということなんですが、
この「プルサーマル発電」というのは簡単に言うとどんなものでしたっけ?

小出:
「プルサーマル」という言葉は日本で作った造語なのです。
「プル」の方はプルトニウムの「プル」です。
「サーマル」というのはいわゆる「熱」という意味ですけれども、
このプルサーマル発電というのは、
プルトニウムを現在普通に動いている原子力発電所で燃やしてしまおう」という計画のことです。

水野:
プルトニウムを、ま、一般の原子炉で燃やすということで、
何かリスク、危険性というのはないんですか?

小出:皆さん石油ストーブをお使いですね。石油ストーブの燃料は「灯油」です。

水野:そりゃそうですね。

小出:
「灯油」というのはいわゆる石油、
原油というのを汲み上げるわけですけれども、
その原油を精製していきまして、
ある成分は「灯油」にいく、ある成分は「重油」にいく、ある成分は「ガソリン」にいく
というふうに分けて出来たのが「灯油」なのですね。
それでその「灯油」を燃やそうとして石油ストーブというのは設計されているわけです。
でもその石油ストーブで、例えば「ガソリン」を燃やそうとすれば、

水野:えええぇー

小出:
火事になってしまうわけですね。
灯油に例えば、5%ぐらいガソリンか何かが混じってしまった、というのであれば、
爆発したり火事になったりしないかもしれないけれども、
ガソリンの量をどんどん増やしていけば、どこかの時点で火事になったりしてしまうわけです。

今日の原子力発電所というのは、「ウラン」という物資とを核分裂させてエネルギーを得ようと、
そのために設計された原子炉です。

水野:「ウラン」を燃やすための設計なんですね。

小出:
そうです。
で、「プルトニウム」という物質も長崎の原爆になったように、
ウランと同じように核分裂はするんですけれども、
核分裂の仕方がウランと少し異なるのです。
ですから、灯油とガソリンが同じ原油だったのに燃え方が異なるように、
ウランとプルトニウムも燃え方が異なるの
です。

で、ウランを燃やそうと設計した原子炉でプルトニウムを燃やしてしまおうというのが、
プルサーマルというもので、
本当はやってはいけない、のです。
石油ストーブでガソリンを燃やすようなことになってしまう訳です。

危険が必ず伴うということは、もちろん原子力を推進しているしている人たちも知っているわけで、
「プルサーマルといってもプルトニウムだけを燃やすんではないんだ」と、
「ウランの中にプルトニウムを少し混ぜるだけだからいいじゃないか」というのが彼らの言い分でして、
現在までのところ、「30%までは、まぁ入れてもいいだろう」というような話になっているわけです。

ただ、もともとやってはいけないことをやろうとするわけで、危険は必ず増えますし、
経済性も失われるということは、彼ら自身がもうはっきりと認めていることなのです。

水野:
じゃあ、一般の原発と違うプルサーマル発電のリスクっていうのはどういうものですか?
例えば、燃料棒がどの状態で溶けるか?とか、いろいろありますよね?

小出:
はい、
核分裂の連鎖反応をなんとかその制御棒で制御しているんですけれども、
「その制御がしにくくなる」ということもありますし、
「燃料が溶けやすくなってしまう」ということもあります。
おまけにプルトニウムというのは、ウランに比べれば20万倍も放射線の毒性が強い物質ですので、
そういうものを取り扱うと、あるいは事故も起こりうるわけで、
そのようなことを考えれば大きく危険が増加してしまうということになります。

水野:プルトニウムはウランの20万倍の放射線の強さがあるんですか?

小出:
生物学的な毒性というんですか、
同じ1gずつのウランとプルトニウムを持って来れば、「20万倍危険だ」ということです。

水野:
プルトニウムって、それこそ「近寄ったらどうなる」とかそういう言い方ってできるんですか?

小出:
プルトニウムという放射性物質はα線という放射線しか出さないのです。
ですから近寄ってもプルトニウムが外にある限りはあまり大きな危険は負わずに済みます。
ただし、100万分の1gを吸い込んでしまうと癌で死んでしまうというほどの猛毒物質ですから、

水野:
100万分の1gで、
100万分の1gを吸い込んだら死んでしまう

小出:
「吸い込んだ人が肺がんになって死ぬ」というのが現在の定説です。

平野:国の安全規制委員会は別の基準を、プルサーマルについては持っているんですか?

小出:持っていません。

平野:
持っていない。
一緒に審査、同じ基準で審査しているということですか?

小出:
そうです。
ただし、先ほども聞いていただいたように、普通の原子力発電所、
ウランを燃やそうとする設計の原子力発電所でプルトニウムを燃やしてしまうわけですから、
「3割以上入れてはいけないよ」とか、そういう規制はあるのです。
それ以外は、新しい規制基準もできましたし、その下で審査されることになります。

水野:じゃ、なんでそんな危険を伴うものをやるですか?

小出:
日本はこれまでプルトニウムという放射性物質を「高速増殖炉という原子炉の燃料に使う」と言ってきたのです。
福井県の敦賀にもんじゅという比較的小型の実験的な原子炉を作ろうとして、
「それがうまく動けばプルトニウムが燃やせる」というふうに言ってきた訳ですけれども、
もんじゅという原子炉は1兆円を超えるお金を投入しましたけれども、
未だに豆電球一つ付けることができないというほどの欠陥原子炉でして、
今後ももんじゅが動くことはあり得ませんし、
もんじゅという、高速増殖炉というプルトニウムを燃料にして使おうという、
その原子炉自身がもうほとんど絶望的な状況なのです。

ただし日本は「高速増殖炉でプルトニウムを使う」と言って、
すでに47トンものプルトニウムを入手
してしまった。

水野:海外から?

小出:
日本の原子力発電所が動いて出来た使用済み燃料を、
イギリスとフランスの再処理工場というところに送りまして、
そこで使用済み燃料の中からプルトニウムを分離してもらいました。
つまり、日本の使用済み燃料の中からプルトニウムを分離してもらったわけで、
日の丸印のプルトニウムというものが47トンあるのです。

それでもし長崎原爆を作ろうとすると、
4000発分
も出来てしまうのです。

ま、この報道するラジオのリスナーの皆さんがどうお考えか、私はよくわかりませんが、
何か、「日本は国際的に信頼を受けている」というふうに多くの日本人は思っているかもしれませんが、
そんなことは決してないと、私は思っています。
数十年前までアジアの多数の人たちに多くの苦難を与えた国であって、
そうとう怪しい国だと、多分外国からは日本を見ているはずなのです。

その国が高速増殖炉という原子炉に使うためにプルトニウムを取り出したんだと言っているけれども、
一向にその高速増殖をは動かない。
そのプルトニウムでいったん原爆を作ろうとすれば4000発も出来てしまうということは、
到底許されない
ことなのです。

それで日本は「使い道のないプルトニウムは持たない」という国際公約をさせられてしまいました。
でも「使い道がない」と言っても高速増殖炉はもう動かない訳ですから、
何とかしてそれの始末をしなければいけない。
安全性も犠牲になる、経済性も犠牲になるけれども、
もう普通の原子力発電所で燃やすしかないというところに追い詰められてしまった、ということなのです。

水野:
なるほど。
もう持って行きようはないけれども、国際的に何か処理しなければならない。ということなんですね。

小出:はい。

   原発40年の期限延長

水野:
高浜原発につきましてはね、
1号機2号機は40年の期限を延長して動かす方向で特別点検に入っていますよね。
原発を40年を超えて動かすということの危険性はどういう風に見てらっしゃいますか?

小出:
原子炉の寿命というのは原子炉圧力容器という鋼鉄製の容器が決めるのです。
で、皆さん「鉄という金属」と「ガラス」をちょっと今頭に描いて欲しいのですが、
「鉄」は常温ではトンカチで叩いてもバリッと割れたりしないですね。
「ガラス」は簡単に割れます。
「ガラス」の方は脆性という性質、もろいという性質を持っている。
そして「金属」の方はのびる延性という性質を持っている。
というふうに、普通はみなさん思っているし、そのように学者たちも言っているわけですけれども、
でも「鉄」も、温度をどんどんどんどん低くしていくと、ある温度以下では脆性になるのです。
ガラスのような性質になってしまうのです。

つまり脆性から延性に変わる温度というのが、ガラスと鉄では違っていて、
常温ではガラスは脆性だし、鉄は延性だという事になっているのですが、
原子炉が動いて、原子炉圧力容器という鋼鉄が被ばくをしていきますと、
脆性から延性に変わる温度がどんどんどんどん上がってくるのです。
例えば高浜の1号機というのは、すでに脆性から延性に変わる温度が95度になっているのです。
つまり常温、今の10度20度30度という温度の時は高浜の原子炉圧力容器はもうガラスなのです。
ですから何かあればもうバリッと割れてしまうという状態になっている
わけです。

本当にそんなことが許されるかどうかということなのですけれども、
原子力を進めようとする人々は、
「原子炉を運転している時には原子炉の中の温度は200度300度になっているから、
ちゃんと延性だ」と。
「だから運転してもいいんだ」と、そういう考え方
なのです。

しかし、何か事故があって原子炉を冷却しなければいけないということになると、
緊急炉心冷却水というのを入れるのですけれども、それは冷たい水なのです。
ですから事故になって冷たい水をいきなり入れた時に、
「95度以下ならガラスだ」という高浜1号機の原子炉圧力容器が、
本当にバリッと割れないという保証ができない
のです。

ですから私はもう、40年も経った原子炉は、本当であればもう運転を停止して、
困難でありますけれどもこれからなんとか廃炉という作業を始めなければいけないと思うのですが、
電力会社の方はもうとにかく今あるものが動けば儲かるということで、
動かしたいということなのだと思います。

平野:最大20年もの延長を認めるというような国の方針のようですね。

水野:これなんで20年という期間がまた出てくるんですか?科学的にはどういう意味があるんですか?

小出:米国がそう言ったからです。

水野:
米国、ですか。
「60年は大丈夫」とか、そういう科学的な根拠はないんですか?

小出:
要するに、危険はどんどんどんどん増えてくるということはわかっているわけです。
でもどこまでならいいか、というのは、科学的に決めるのではなくて、
社会的あるいは経済的な判断で決めているわけです。

平野:延長のコストもまた1基100億単位でかかるみたいですね。

小出:
そうです。
大変なことになると私は思いますし、こんな古い原子力発電所を動かし続けるよりは、私はある時点で、
いつか諦めなければいけない時点がくるわけですから、
今の時点であきらめれば、改造工事も必要ないわけですし、
経営判断としても私はその方がいいのではないかと思います。

水野:なるほど。

   高温ガス炉

平野:
今政府は、例えば中東などの新興国に高温ガス炉の開発を売り込んでいると聞いてですね、
高温ガス炉ってなんだろうと。
なんか砂漠の中に作って水のいらない原子炉だというふうに政府が売り込んでいるようなんですけれども、

小出:
今日まで長い原子力発電の歴史があって、いろいろな形の原子炉が作られてきました。
例えば、一番初めに発電をした原子炉は、実は高速増殖炉だったのです。
もちろん実験的な小さな原子炉でしたけれども、高速増殖炉でした。
その高速増殖炉というのは、炉心をナトリウムという物質で冷やそうとする原子炉です。
もんじゅもそうで、簡単に事故になってしまったし、
人類初めて発電をした高速増殖炉EBR2というのですけれども、
それも事故を起こしてやはり動かなくなってしまった訳です。

そのほかに炭酸ガスで原子炉を冷やそうとする原子炉もありました。
日本が一番初めに導入した東海第一原子力発電所は炭酸ガスで冷やそうとしていました。

それから、今日ほとんどの原子炉は水で冷やしているのですね。
なぜ水で冷やす原子炉が残ってきたのか?といえば、
水という物質がものを冷やすためにはものすごく便利でいい物質だからです。

比熱が1ということで、他の物質に比べれば物を冷やす力がものすごく高いですし、
射線を浴びても放射性物質を作るという割合が大変少ないし、
何か事故があっても透明ですので、例えば炉心の中を上の方から見るということもできるし、
使用済み燃料のプールだって、上から覗けるということで、
水というのは大変便利だから、今日まで開発された原子炉の中で水で冷やす原子炉が残ってきたのです。

ただし、水というのはですね、
現在の原子力発電の原子炉ですけれども、せいぜい300度ぐらいの温度にしかできないのです。
それ以上温度を上げようとすると燃料が溶けてきてしまう危険がどんどん増えてきまして、
高浜もそうですし、関西電力が使っている加圧水型という原子力発電所でも、
水の温度はせいぜい340度にしかできないし、
タービンに送る時の蒸気の温度というのは260度、あるいは270度ぐらいしかならないのです。
そして、そういう蒸気でタービンを回そうとして発電をするわけですけれども、
そんな温度の蒸気だと、エネルギーの3分の1しか電気に変換できない。
残りの3分の2のエネルギーは、もうただただ捨てるしかないということになってしまいまして、
今はその熱を「海を温める」ということのために、
実に馬鹿げたことに使わざるを得ないことになっているわけです。
だからなんとか熱効率を上げようとすれば、
もっと高温の物質を冷却剤として使う以外にないということになるわけですし、
そのために昔から「ガスで冷やそう」ということは構想されてきたわけです。

とくに300何十度の熱では、単に蒸気タービンを回すぐらいにしか使えませんけれども、
もし、800度、900度、あるいは1000度というようなガスを使うことができるなら、
製鉄にも使えるじゃないか。
熱効率も上がるじゃないか。
とにかく「いいものだ」「いいものだ」とずっと言ってきて、
高温ガス炉の開発ということにもこれまで随分力を注いできたのです。

でも、そんな高温を維持できるような材料そのものがとても難しい、ということがあって、
なかなか実用化できないまま今日まできているのです。

日本だって高温ガス炉なんて、もちろん作ったこともないわけで、
東海村で実験的な高温ガス炉が、ま、小っちゃなものが動いているというだけです。

これが本当に実用化できるのか?
本当に事故を起こさないのか?ということはまだまだ検証しなければいけないことであって、
簡単に海外に売り込むなんていうことは、もちろんできません。

水野:
でも、日本原子力研究開発機構が
「炉心溶融を起こさない原子炉である」という風に説明
しているようですが、


小出:
(笑)ま、実に馬鹿げたことだと思いますが、
例えば今日の原子力発電所でも
「炉心溶融なんて決して起きない」と
原子力を推進してきた人たちは言ってきたのです。
様々な事故が考えられるけれども、様々な対策がとってある。
先ほどもちょっと聞いていただきましたけれども、
水が抜けてしまうような時には緊急炉心冷却水というのが必ず入るから、
絶対に炉心溶融なんか起きない
というように言ってきたわけですけれども、
やはり炉心溶融は起きてしまったのです。
高温ガス炉でも「安全だ」「安全だ」という宣伝はこれからもずーっと私たちは聞かされると思いますけれども、
完璧に安全だなんていう機械はもちろんありませんし、
時と場合によっては大きな事故も引き起こせざるを得ないというのが機械だと思っていただきたいと思います。

   福島第一原発の現在とこれから

水野:
最後にリスナーの方が、
「福島第一原発はもう危険じゃないんでしょうか?まだ汚染物質は出ていますか?」
って聞いていらっしゃいますが、

小出:
もちろん出ています
大気中にも毎日放射性物質が放出されていますし、
海にはもう、福島第一原子力発電所の敷地の中全体が放射能の沼のようになってしまっていて、
そこを地下水がどんどん流れていますので、
今現在も海に向かって放射性物質がどんどん流れて出て行ってしまっています。

なんとかそれを少しでも食い止めようとして、
多分6000人ぐらいの労働者が今現在も働いていると思いますが、
その労働者は東京電力の社員ではなくて、
下請け、孫請け、またその下請け孫請けというように、
8次9次10次というような下請け関係で雇用されている本当に底辺の労働者たちが、今苦闘しているのです。
でも、放射能を海に流さないということが本当にできるのか?と問われてしまうと、
大変難しいだろうと私は思います。

なんとか食い止めよう、なんとかタンクで保管しようとしてやっているのですけれども、
いつかそう遠くない時点で、
私は汚染水を「意図的に」海へ流さざるを得ない日が来るのではないかと、危惧しています。

水野:
はぁ〜。
「意図的に」流さざるを得ない。

小出:はい。

水野:
4号機の燃料取り出しが終わったわけですけれども、
これからまだ様々な困難があると思いますが、
他に危惧してらっしゃる大きな困難はなんですか?

小出:
4号機の使用済み燃料は、まずは大変私は心配していました。
最近になってもまだ余震が起きているわけで、
4号機という原子炉の原子炉建屋は、半分爆発で吹き飛んでしまっていて、
使用済み燃料プールが宙づりのような状態になっていました。
そのプールの底には広島原爆に換算すれば
1万4000発分にも相当するようなセシウム137が沈んだままでしたので、
余震で原子炉建屋がさらに壊れるようなことになれば、
大変な量の放射性物質が噴き出して
きてしまう恐れがありました。
東京電力もそのことを承知していて、
なんとか4号機の使用済み燃料プールから一刻も早く使用済み燃料を
少しでも危険の少ないところ、共用燃料プールというのですが、
そこに移そうという作業を昨年の11月に初めまして、ようやくにそれを終えてくれたのです。
本当に私はホッとしました。

これが一応この危機を乗り越えたので、
大量の放射性物質がこれから大気中に吹き出してくるという可能性はずいぶん小さくなったと、
私は胸をなで下ろしているところです。

ただし、まだ1号機にも2号機にも3号機にも使用済み燃料プールがあります。
そのプールの底に使用済み燃料が眠っていますし、
1号機から3号機までは、原子炉建屋の中が猛烈に汚されてしまっていて、
未だにプールに近づくことすらができないのです。

でも、なんとしてでもプールの底から使用済み燃料を取り出して、
少しでも危険の少ないところに移さなければ
いけませんので、
これからその作業をやらなければいけません。

またたくさんの労働者が被曝をするでしょうし、
作業の中で何かトラブルでもあって、放射性物質がまた環境に出てくるということも有り得るだろうと思います。
十分注意してやらなければいけません。

そして、仮にそれがうまく済んだとしても、
1号機から3号機は、すでに原子炉の炉心が溶け落ちてしまっているのです。
その溶け落ちた炉心がどこにどのような状態であるのか、
未だに誰も知らないのです。
なぜかといえば、現場に行くことができないからです。
なんとかロボットを行かせて情報を得ようとしてきたのですけれども、
ロボットも放射線に弱いがために、送り込んだロボットが戻ってこられなくなる、
ということを今日まで繰り返しています。
これからもなんとか炉心の状態を知ろうとして、様々なことをやらなければいけないと思いますが、
もし分かったとしても、じゃあ何ができるか?というと、
なかなか難しいいだろうと思います。

国や東京電力は「いつか炉心をつかみ出してどこか別な安全な場所に移す」
というようなことを言っているのですけれども、
私は多分それは、何十年かかるんだろうか、と心配しています。

水野:はい、小出先生どうもありがとうございました。

小出:ありがとうございました。
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もうすぐ北風

Author:もうすぐ北風
こんにちは。
いろんな旅を続けています。
ゆきさきを決めてないなら、しばらく一緒に歩きましょうか。

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