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もうすぐ北風が強くなる

円安破綻への道

 紙幣の山

   量的緩和の弊害 円安の弊害  前半  11/20  闇株新聞

 安倍首相の解散発言から一夜明けた本日(11月19日)、日銀は金融政策決定会合で前回(10月31日)決定された追加緩和を維持すると決定しました。

 前回では反対票を投じた金融界・産業界出身の4名の審議委員のうち、野村證券出身の木内委員だけは「追加緩和前の金融緩和が適当」として引き続き反対したものの、他の3名はあっさりと賛成に転じてしまい、結局は8:1の可決となりました。

 黒田総裁は会合後の記者会見で「政府に持続可能な財政構造への取り組みを期待する」とだけ述べ、一応は「大人の対応」を示しました。

 消費増税の実施が2017年4月まで延期されるので、今月(11月)から数えると2年半先となります。
 常識的には消費増税が実施される前に量的緩和を縮小・終了させることは考えにくく、また日銀はこれから年間80兆円もの「長期国債」残高を増加させるので、ここから2年半で200兆円もの「長期国債」が増えてしまうことになります。

 日銀のいう「長期国債」とは発行時に割引短期国債ではない利付国債のことで、償還までの残存年数が短くなった国債も含まれます。
 もちろん日銀はその間に償還される「長期国債」も再投資して、さらに200兆円もの残高を積み上げるわけです。

 ちなみに10月末の日銀の「長期国債」残高は187兆円なので(これ以外に割引短期国債が53兆円あります)、これが2017年4月には387兆円になり、割引短期国債の保有残高を加えると日銀は450兆円近い国債を保有することになるはずです。

 その時点の日銀券発行残高(10月末は87兆円)は予測不能ですが仮に100兆円とすると、日銀にとって外部負債である当座預金残高(10月末は167兆円)は350兆円くらいになるはずです。

 まさに「化け物のような巨大なヘッジファンド」となります。

 一般的には国債利回りが急上昇すると日銀に巨額の評価損が発生すると心配されていますが、これだけ日本の潜在成長率が下がっているなかで長期金利(長期国債利回り)だけが上昇することはありません。

 また「長期国債」の年間純増額は32兆円ほどで、2年半では80兆円ほど増加するだけです。
 そこへ2年半で200兆円もの「長期国債」を買い入れれば、需給関係からも国債利回りは上昇しません

 つまり問題は利回りが上昇して日銀に巨額の含み損が出てしまうことではなく、全く逆に国債利回りが上昇しない(国債利回りが低いままである)ことなのです。

 10月31日の追加緩和では、日銀が買い入れる「長期国債」の平均残存年数を従来の7年程度から7~10年に最大3年延長することにしました。
 仮に最長の10年だとしても、日銀が保有する国債の平均利回りは0.5%程度ということになります。

 それに日銀は当座預金に0.1%の利息をつけて残高を維持しているため、「化け物のような巨大なヘッジファンド」であるだけではなく「きわめて低収益で財務基盤が危なっかしいヘッジファンド」でもあります。

 実体経済にとっても長期金利の水準が低いということは日本全体の投資収益や事業収益の水準が大変に低いことになり、海外から日本への投資資金の流入が増えるはずがなく、何よりも日本から巨額の資金が海外に流出してしまうことになります。

 日銀当座預金とは銀行の余剰資金を日銀が吸い上げているだけなので、日本から資金がどんどん海外に流出してしまうと、その残高を維持することができなくなります。
 そうなると日銀は保有国債を売却せざるを得ず、今度こそ国債利回りが急上昇することになります。

 つまり日銀が国債をどんどん買い入れると国債利回りが低下し、それが日本の投資収益や事業収益の水準を引き下げて景気をさらに悪化させ、
 ひいては資金がどんどん海外に流出してしまい1000兆円もの公的債務を支えられなくなります。
 このような状態を「財政破綻」
といいます。

 要するに「日銀が異次元に国債を買い入れていると財政破綻が近づく」のです。

 実は日銀の国債買入れで長期金利が低下することより、円安の方がもっともっと恐ろしいのですが、ここからは次回(後半)です。

    後半

 本日(11月20日)夕刻に円安が加速し、一時1ドル=118.96円、1ユーロ=149.14円となりました。

 10月30日のNY終値が1ドル=109.21円、1ユーロ=137.74円だったので、やはり翌31日に突然発表された追加量的緩和の影響が大きいようです。
 量的緩和についてはFRBが10月末に打ち切り、ECBは今も導入していない中で、日銀の積極緩和だけが際立っているからでもあります。

 さて昨日付け「同題記事 前半」では、主に量的緩和の直接的弊害について書きましたが、本日はその結果引き起こされる円安の弊害についてです。

 日銀を含む旧大蔵省の基本的な考え方は、「異次元」量的緩和で円安・株高・長期金利低下を演出すれば経済回復効果があるはずで、消費増税を強行しても問題がないということです。

 また財政状況の改善には「まず増税ありき」で、「経済を回復させて税収が増加するまで待つ」との発想はほとんどありません。

 しかし現在の日本では、何をさておいても「1000兆円の公的債務残高の安定的ファイナンス」を最優先に考えなければなりません。
 
 たかだか年間数兆円の消費増税のために(株高はともかくとしても)円安と長期金利低下を演出して、その結果1000兆円もの公的債務全体の安定的なファイナンスを危うくしているとは全く考えていないようです。

 つまり「現在の」日本は、経済・金融政策の優先順位を完全に間違っていることになります。

 「現在の」とした理由は、ここ1~2年は潜在成長率の趨勢的な低下、それに合わせてインフレ率と長期金利の低下、さらにその結果としての株高が世界的傾向だからです。

 つまり「現在は」直接的に経済活動を刺激する経済・金融政策ではなく、世界中から投資資金を自国に呼び込み、同時に自国から資金が海外に流出してしまわないような経済・金融政策が必要なはずです。

 そう考えると現在の日本は、「異次元」からさらに追加した量的緩和で日銀が「巨大で脆弱なヘッジファンド」になり、その日銀が発行する「円の劣化」が最近の円安加速の本質的な理由のような気がします。

 そして長期金利(長期国債利回り)の低下は、日本の投資収益・事業収益全体の水準を押し下げ、それがさらなる景気低迷と長期金利低下を招き、完全に負のスパイラルに入っています。
 (※ デフレ縮小循環のこと。)

 つまりデフレから脱却するための量的緩和が、実はデフレ・スパイラルを引き起こしているのです。

 その中でも円安が最大の弊害となります。

 値下がりを続ける「円資産」に積極的に投資する外国人投資家は少なくなり、何よりも日本の個人金融資産が海外に流出してしまい、あっという間に1000兆円の公的負債を安定的にファイナンスできなくなってしまいます

 つまり円安は財政破綻への近道なのです。

 もはや一刻の猶予もなく即刻この円安を止めるだけはでなく、緩やかな円高トレンドに戻す必要があります。
 幸か不幸か最近の円安加速で、多少円高になってもまだまだ「大変な円安」です。

 具体的には、「2%の物価上昇目標」を下ろし、「行き過ぎた量的緩和」を大幅に減額し、代わりに「毎年2%の円高目標」を掲げます。
 こうすると0.4%台の10年国債利回りが、米国10年国債利回りよりも高い2.4%台となり、少なくとも国内から海外への急激な資金流出が止まります

 弊害もたくさんありますが、日本があっという間に財政破たんしてしまうリスクは回避できるはずです。

 そんな無茶な?と考えられると思いますが大真面目です
 ーーーーーーーーーーーーー
※ 基軸通貨ではなく、ユーロのような広域決済通貨でさえ無い日本円を過剰供給して国債を通貨に転換する。
 政府と中央銀行が自らの通貨を減価、信認毀損するという暴挙が行われている。
  その分は急速にドル圏に流出し、米国の金融緩和終了の引き継ぎとしている仕掛けだ。

 ユーロでさえしないことを黒田日銀は始めてしまったわけだ。
 通貨の過剰供給は、一応世界に無限に近い需要のあるドルでさえ、減価を恐れて6年あまりで終了せざるを得なく、属国日本に通貨の過剰供給を指示したわけだ。
 為替市場は円売りが始まっている。
 円通貨の崩壊までは、もうじきだろう。来春には恐ろしい円安地獄になっていることだろう。

 来春以降は窮乏と倒産、社会不安が充満するわけだ。
 米国は、そのために日本を無理矢理の年内解散、選挙に持ち込んだ
 「消費増税の延期」が焦点であるかのような報道が為されているが、これはマスコミを使った「焦点そらし」である。
 もとより、さらなる消費増税は日本の輸出企業が有利になるので、米国が婉曲ながらも反対していた代物。

 とんでもない大問題なのは、2%、数兆円の消費増税ではない。
 40〜50%もの円の減価が予想される、「円安地獄」の問題である。
 多少の暴落が怖くて縮小できないどころか、追加が既に限界となってしまった国債の通貨化と通貨の超過剰供給の政策である。 
関連記事

プーチン氏:バルダイ会議演説全文

プーチンバルダイ

 プーチン氏のバルダイ会議演説については、極めてリアルな分析と認識、方針提起が各方面の注目を集めている。
 第二次大戦後の世界体制、そしてソ連の崩壊と冷戦終了後の世界でどのような体制がとられ、どのように力関係がルールをつくり、またねじ曲げてきたのか?
 プーチン演説は極めて重大な事実と認識、そしてこれからの世界体制を考慮する「鍵」を提供しています。 

 にも関わらず、この演説のきちんとした日本語訳がありませんでした。
 このブログでは、先に駐日ロシア大使館のツイッターに掲載された翻訳から私が順次編集して、
 「プーチン氏バルダイ会議演説:新たなルールはあるのか、それともルールのないゲームか
 として紹介したところです。
 
 今回、「耕助のブログ」ことビル・トッテン氏が全文の翻訳を公開してくれましたので、ようやく陽の目を見るわけです。
 ーーーーーーーーーーーーーー
   10/24 バルダイ会議 プーチン大統領の演説   11/21  「耕助のブログ」から

10月24日にロシアのソチで行われた、ロシアおよび諸外国の学者が参加するバルダイ会議という討論会でプーチン大統領が行った演説の全文を読む機会があった。

この演説は主流メディアにはほとんど無視されたか、または意味をゆがめられて報じられたようだが、世界が大きな転換期にあることをプーチンはこの政治演説で明確に宣言した。
冷戦は終わったが平和がもたらされることはなく、アメリカは冷戦の勝者として振る舞う一方で、中国、ロシア、イランといった新たな敵をつくり出した
そして同盟国に対してアメリカは自分のやり方を強制し、世界を不安定化していると批判したのだ。
批判だけではない。ロシアはこれ以上の戦争を望まないし、戦争を始める意図もないこと、対話による民主的で平和的なアジェンダを持っていることを公言したのである。

国際政治は現在進められているTPPのように、民主主義、国民主権とは程遠い
これまでも一部のエリートたちが秘密の部屋で秘密に交渉し、密約がつくられて、それが共同宣言のように発表されてきたように、完全に芝居のようなものだ。
プーチンはその芝居をやめ、透明で明確な基盤の上で共同作業をしていこうと西側諸国に訴え、ロシア自身は内政、そして外交政策について秘密に交渉するのではなく民主的に行い、また世界の覇権をとるつもりもないことを明確にした。

プーチンがここまではっきりとアメリカのやり方を批判したのは、ウクライナ問題、それに続く経済制裁などでロシアの安全が脅威にさらされているためであろう。
その打開のために、戦争をするのではなく、国際政治の駆け引き、ルール自体を変えようとしているのだ。そのために現在のアメリカの政策を厳しく、しかし現実的に描写した

さらに、西側諸国がロシアを外交的に孤立させようとしても、常にロシアは対話によってあらゆる問題の解決、関係の正常化に向けてオープンな立場をとること、
そして圧力や制裁をかけられたとしても、怒ったり物乞いをしたりしない
なぜならロシアは自立した自給自足が可能な国であり、これからも国内における生産や技術開発にいそしみ、変化を実行するために断固として行動するという発言も重要である。
ロシアは、ユーラシア経済連合、上海協力機構、BRICS開発銀行などを通して、着実にその地固めも行っているのだ。

強気の発言に対しこれからも西側はメディアを使い、プーチンをロシア帝国の再建を狙う独裁者として描き続けるのであろう。
演説の中でも、世界のマスメディアを完全支配することで黒を白、白と黒だと物事を言い表すことが可能だと、プーチン自身もそれを知っている
またアメリカが緊密な同盟国も含め巨額の費用を使って世界を監視し、その情報を使って恐喝を行っている証拠もあるともプーチンは言及した。

大国の指導者の演説で、これほど寛大で率直で道義心にあふれたものを私はこれまで読んだことがない
アメリカの同盟国として憲法解釈を変えてまで「集団的自衛権」の行使、つまり戦争に参加しようとしている日本の指導者にも是非読んでもらいたいと思う。
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以下:プーチンの演説

原文:http://eng.kremlin.ru/news/23137

バルダイ国際討議クラブ 
2014年10月24日 

バルダイ国際討議クラブは先ほど言われたように今年新しい共催を得ました。ロシアの非政府組織、専門家グループ、一流大学などです。
ロシアの問題だけでなく世界の政治や経済まで討議を広げるためでもあります。

組織と内容は、優れた討議と専門家フォーラムとしてのこのクラブの影響力を強めるでしょう。
同時に、自由でオープンな雰囲気と、まったく違う意見を率直に表現できる「バルダイ精神」が変わらないことを望みます。

その意味で、あなた方をがっかりさせないよう私も率直に話します。
少し激しいことも言うかもしれませんが本当に思っていることを直接、正直に話せなければ、このように会議を開く意味はありません
誰も本当に意味のあることを言わない外交的な集まりをしていたほうがましです。
そうすれば、誰も真に思うことを言わず、ある有名な外交官が言った、外交官は真実を話さない舌を持っているという言葉を実感するでしょう。

集まるのは他の理由もあります。お互いに率直に話し合うためです。
嫌味を言い合うのでなく、実際世界で何が起こっているのか、なぜ世界は危険で予測不可能になりつつあるのか、なぜあらゆるところでリスクが増加しているのかについて話し合うのです。

今日の討議は「新しいルールか、それともルールなきゲームか」というテーマで行われました。
この言い方は今日われわれが到達した歴史的転換点と、われわれが直面している選択肢を正確に言い表していると思います。
世界は非常に速く変化しているという考え方はもちろん目新しいものではありません。
それについては既に今日議論がなされたと思います。
世界の政治や経済、人々の暮らし、産業、情報、社会的技術において、劇的な変化が起きてるのは明確です。

私の言うことが既に参加者が言われたことの繰り返しになる、先にあやまっておきます。それを避けることは事実上不可能です。
あなたがたは既に詳細な討議を行われたが、私の視点を述べます。
ある点は他の参加者の見解と同じでしょうし、また異論を持つ人もいるでしょう。

今日の状況を分析する時、歴史の教訓を忘れてはなりません。
一つ目は、世界秩序の変化です。
私たちがいま目にしているのはそれくらい大規模な出来事であり、世界秩序の変化は世界的な戦争や紛争とまではいかなくとも、ローカルレベルでの激しい紛争の連鎖のあとに起きます。
二つ目は、グローバル・ポリティクスとは、経済的リーダーシップ、戦争と平和の問題、人権を含む人道的次元についてだということです。

世界は今日矛盾だらけです。
信頼できるセーフティネットがあるか、お互いに率直に尋ねてみる必要があります。残念ながら今の世界または地域のセキュリティシステムがわたしたちを動乱から守る保証も確実性もありません。
システムは弱体化し、分断し、ゆがんでしまいました。国際および地域の政治的、経済的、文化的協力機構もまた困難に直面しています。

そうです、今ある世界秩序を保つためのメカニズムの多くは、今から相当前、第二次大戦の後に作られたのです。
当時作られたシステムの安定は、力のバランスと勝戦国の権利の上にだけあったのではなく、システムの「建国の父」は、お互いを尊重し、相手から搾り取ろうとするのではなく合意に到達しようという試みだったということを強調させてください。

重要なことは、このシステムは発展する必要があった。
さまざまな短所はあったけど、少なくとも世界の今の問題をある一定のところで止め、国家間の自然な競争が激化するのを制することができるようになる必要があったということです。

私が確信してるのは、われわれは過去数十年に築いたこのチェックとバランスのメカニズムを持てず、代わりに何も作らずにそれを分断しました。
そのため暴力以外の手段を何も持たなくなったのです。

私たちに必要だったのは、合理的な建て直しを行い、国際関係のシステムにおける新しい現実に作り変えることでした。

しかしアメリカは、自ら冷戦の勝者を宣言し、その必要性を理解しませんでした。
秩序と安定に不可欠な新しい力の均衡を確立する代わりに、アメリカはそのシステムを深い不均衡に陥らせたのです。

冷戦は終結しましたが、既存のルールを尊重する明確で透明な合意に基づく平和協定も締結されず、新しいルールや基準も作られませんでした。
このため、冷戦のいわゆる「勝者」は、圧力をかけ、世界を自分のニーズと利益に合わせて作り直すことを決めたかのようです。
もし国際関係、国際法、抑制と均衡などの既存のシステムがその目的の邪魔になれば、そのシステムは価値がない、時代遅れだから、と解体されました。
たとえは悪いですが、これは大きな富を手にしたにわか成金の振る舞いです。
この場合アメリカが手にしたのは世界リーダーシップと支配です。そして富を賢く管理するかわりに自分の利益のためにそれを使い、彼らは多くの愚かなことをしたと思います。

我々は世界政治において異なる解釈と計画的な沈黙の時期に入りました。
国際法は法律のニヒリズムの猛攻撃によって何度も退くことを強いられました。客観性と正義は、政治的な功利主義の祭壇で犠牲にされました。
恣意的な解釈と偏見にもとづく評価が法基準にとって代わりました。
同時に、世界のマスメディアを完全に支配することで、必要に応じて白を黒、黒を白と描写することが可能になりました。

1国とその衛星国ともいえるような同盟国による支配の状況の下、世界的な解決方法を探すのではなく、彼ら自身の一般的なやり方を強要する試みがなされるようになりました。
このグループの野心は肥大し、自分たちが決めた方針を、あたかも全国際社会の見解であるかのように提示し始めたのです。
しかし事実はそうではありません。

国家の主権』という概念は、ほとんどの国にとって相対的な価値になりました。
要するに、提案されたのは 【世界の唯一の超大国への忠誠が大きいほど、この国やあの国の政権の正統性は大きいる】という公式(フォーミュラ)だったのです。

あとで自由討議をしますので、質問には喜んで答えますし、あなたにも質問をさせてもらいます。今私が言ったことに反証したい人は次の討議でしてください。

それに降参することを拒否した人にとられる手段はよく知られているし、何度も試みられています。
武力行使、経済的またはプロパガンダによる圧力、内政干渉、違法な干渉が必要なときはそれを正当化する超法規な合法性に訴える、不都合な政権は転覆させる。
最近では何人かのリーダーに対して明らかに恐喝がなされた証拠もあります。
何もないのに 『ビッグブラザー』が自分の親しい同盟国を含め、この世界を監視するのに何十億ドルも使うはずはありません

自問してください。これが快適ですか。どれだけ安全ですか。
この世界で暮らすのは幸福ですか。そしてどれだけ公平で理にかなっていますか
心配したり議論をしてへんな質問をする理由などないのでは?
アメリカの例外的な地位と、彼らがとっているリーダーシップのやり方はわたしたちにとって良いことで、彼らが世界中で介入していることで平和、繁栄、成長、民主主義がもたらされているのだから、ただリラックスして楽しむべきでしょうか

それは違います。ぜったいに違います

一方的に理不尽な命令や自分のシステムを押し付けると、逆の結果が生まれます。
紛争は解決するより激化し、独立して安定した国の代わりに、混沌とした国家になります。民主主義ではなく、ネオファシズム派からイスラム過激派といったあやしげな人々を支援するのです。

なぜそういう人たちを支援するのか。
それは彼らを自分たちのゴールを達成する道具として使おうとするからです。でもそのために火傷してたじろぐのです。
私たちのパートナー(西側欧米とりわけ米国)が同じ熊手を何度も踏むのをみると驚きます
ロシアでは同じ過ちを何度も繰り返すことをそういいます。

彼らはかつてソビエト連邦と戦うためにイスラム過激派運動を支援しました。
そのグループは戦争の経験をアフガニスタンでしており、後にタリバンとアルカイダが生まれました。
西側は支援はしなかったとしても少なくとも見ないふりをしました。そして情報を与え、国際的テロリストがロシアと中央アジアを侵略する、政治的、財政的な支援をしました。(我々はこれを忘れません)。
ひどいテロ攻撃がアメリカの国土で起きた後、アメリカは共通したテロリズムの脅威に目覚めました。
あの911の悲劇の時、我々が友人そしてパートナーとして最初に米国民を支える行動を起こしたことを思い出してください。

欧米のリーダーとの会話で私はいつも、世界のテロリズムとは、世界規模の挑戦として一緒に戦う必要性があることを主張してきました。
この脅威を受け入れることはできないし二重基準を使って別々に切り分けることはできません。
パートナーたちは合意を示しましたが、少したってそれは振り出しにもどりました。まずイラクで、次にリビアで軍事攻撃が行われ、ばらばらになってしまったのです。
なぜリビアはその状況に追い込まれたのか。今日、崩壊の危機のある国はテロリストの訓練場となったからです。

エジプトの現リーダーの決意と知恵のおかげで、この主要のアラブ国は混沌に陥ったり過激派が好き放題できなくないようになりました。
シリアでは、過去と同様、アメリカとその盟友が直接、反乱軍に資金援助し、いろいろな国から傭兵を連れ込むのを許しています。
これらの反乱軍はどこからお金がくるのでしょうか。武器や軍の専門家はどこから調達してるのですか。
悪名高いISIL(※イスラム国のこと)はどうやってそんな強力なグループを統制したのでしょう。

資金源についていうと、今日、資金は麻薬からだけでありません。国際連合軍がアフガニスタンに駐在してから麻薬製造は数%どころか何倍も増えています
皆これに気づいています。
テロリストは石油も売ってお金を得ているのです。テロリストがコントロールしている領土で石油は生産され、ダンピング価格で売り、運ぶのです。
でも誰かがそれを買い、再販し、利益を得ている。そういう人たちは実際にはテロリストを支援し、いずれ自分の土地に彼らがきてその土地を破壊するかもしれないという事実を考えることもないのです。

テロリストたちはどこから兵士を補充しているのか。
イラクではフセイン転覆後、軍を含む国の機関は崩壊したままでした。
当時私たちは、注意するように、と言いました。
人々を追い出したら彼らはどうするでしょうか。彼らが(正しかろうとなかろうと)強い地域勢力においてリーダーシップをもっていた人々だということを忘れてはなりません。
そういう人々をどのように変えてしまおうというのか。

その結果どうなったでしょう。数万の兵士、オフィサー、元バース派の活動家などは、追い出され、今日、反乱軍に入っています
イスラム国のグループがなぜこんなに戦力を持っているのかの説明になると思いませんか。軍事的に言って非常に実戦的に活動するプロフェッショナルな人々です。
一方的な軍事攻撃、主権国家の内政干渉、過激派にちょっかいを出すことの危険性をロシアは繰り返し警告してきました。
我々はシリア政府と戦うグループ、なかでもイスラム国をテロリスト組織のリストに含むことを主張していました。でもどうなったかというとこの主張は無駄でした。

私たちは時々、私たちの友人(※米国のこと)は自分の政策の結果、常に戦っているという印象を受けます。自分たちが作ったリスクに対処するためにあらゆる努力をして、さらに大きな対価を払うのです。

この一極支配という時期は、ただ1つの大国は世界のプロセスを管理可能にすることはできないということを証明しています。
それどころか、この不安定な建造物は本当の脅威(例えば地域紛争、テロリズム、麻薬密売、宗教的狂信主義、盲目的愛国心とネオナチ主義)と戦うことはできないのです。
それと同時に、膨張した国家のプライド、世論の操作、強いものが弱い者をおさえるという道筋を開いてしまいました

基本的に一極世界は、単に人々と国の上に独裁主義を敷くことを正当化する手段にすぎません。
一極世界は、リーダーを自称する国にとっても、不快で、重く、扱いにくい重荷を作り出しました。これにあったコメントは先ほどここでなされましたが、私はそれに完全に同意します。
この新しい歴史的なステージにおいて、だからアメリカはリーダーシップを恒久化する便利なモデルとして、擬似的な両極性の世界の形を作りなおそうとしているのです。
アメリカが宣伝する悪の場所に誰がくるかは重要ではありません。かつてはソ連が主要敵国でした。
核技術を手に入れようとしているイランかもしれないし、世界最大の経済国中国、または核の超大国ロシアかもしれません。

今日、世界を分断し、新しい境界線をひき、なにかを築き上げるためでなく互い戦うように、冷戦時のように敵のイメージを作り上げ、リーダーシップを手にし、望むなら独裁者となるための運動が繰り広げられています。
これは冷戦時代と同じです。
私たちは皆これを理解してるし、わかっています。
アメリカは同盟国にいつもこう言っていました:
我々には共通の敵、恐ろしい敵、悪の帝国がいる、そして、我々はあなた(同盟国)をこの敵から守っている、そして、我々にはあなたにいちいち指図する権利があり、あなたの政治的および経済的な利益を犠牲にすることを強制し、この集団的自衛の経費はあなたの負担となる。
でも命令するのはもちろん私だ」 
つまり、今日この新しい変わり行く世界においてみられるのは、世界管理の見慣れたモデルのすりなおしであり、これらはすべてアメリカの例外的な地位を保証し、政治的、経済的な配当をアメリカが獲るためなのです。

しかし、これらの試みはますます現実とかけ離れ、多様化した世界とは相容れません。
この手のやり方は必然的に対立と対抗策をうみだし、期待する目的と逆の効果になります。政治が軽率に経済に干渉し始め、合理的な決定でなく国家事業の利益も含めて対立の理論が優先されると、自国の経済的地位と利益を傷つけるだけになるのです。

共同の経済プロジェクトや相互の投資は、客観的に国同士を近づけ、国家間の問題をスムーズにします。
しかし今日、グローバルビジネスコミュニティは西側政府からの前例のない圧力に直面しています。
「国は危機にある」「自由世界は脅威にさらされている」「民主主義は危うい」といったスローガンを聞くとき、どんなビジネスや経済の功利主義、実用主義について言っているのか。
だから誰もが戦時体制になる必要がある。
それこそが真の戦時体制政策です。

制裁は世界貿易、WTOの規則と私有財産の不可侵の原則という基盤をすでにむしばんでいます。
それは市場、自由と競争に基づくグローバリゼーションのリベラルなモデルに一撃を加えています。
それは主に、正確にいうと西欧諸国を益するモデルなのです。そしていま彼らはグローバリゼーションのリーダーとして信用を失うリスクをおかしています。
我々は自問すべきです、なぜ、これが必要だったか。結局、アメリカの繁栄は、主に投資家の信頼と、外国のドルと米国債の保有者の上にあります。
この信用は明らかに徐々に損なわれ、多くの国がグローバリゼーションの成果に対して失望している徴候がでています。
キプロスでなされた政治的理由での制裁は、経済の強化と金融の主権を求める傾向を強めただけであり、国または地域のグループは、外部の圧力というリスクから自分たちを守る方法を見つけたいという思いを強めたたけでした。
ますます多くの国がドルに依存しないような方法を探し始めていて、ドルに代わる財政および支払いシステムと準備通貨を用意しています。
アメリカの友人たちは、自分たちが乗っている木の枝を切っているようなものだと私は思います。政治と経済を混ぜることはできませんが、これが現在起きていることなのです。
政治的動機の経済制裁は常に間違いで、それは誰をも傷つける間違いだと私は思います。この話題についてはまた戻ります。

われわれは、これらの決定がどのようになされたか、そして、誰が圧力をかけていたのか知っています。
しかし、ロシアは経済制裁をうけても、興奮して怒ったり、物乞いをしないということをここで強調しておきます。
ロシアは自給自足、経済的に独立した国です。
我々は、形づくられている海外経済環境の範囲内で動き、国内生産とテクノロジーを開発し、変化を遂行するために断固として行動します。
外からの圧力はロシア社会をまとめ、より注意深くなり、メインの開発目標に集中させるだけでしょう。

もちろん、経済制裁は障害です。彼らは制裁を通して我々を傷つけようとしています。我々の発展を妨げ、政治、経済、文化において孤立化させようとしているのです。
言い換えると我々に後退を強いている
しかし、今日の世界はとて異なる場所です。我々は世界から離れて閉ざされた道を行くつもりはありません
我々は常に経済や政治の正常化を含めて対話をするつもりです。これにおいて主要諸国が、実際的なアプローチとビジネスコミュニティとしての立場をとることを期待しています。

ある人はロシアはヨーロッパに背を向けているようだと言います-そのような話はここで議論の間、またすでに多分話されたでしょう ― そしてとりわけアジアに新しいビジネス・パートナーを探していると。
そのようなことはありません。私たちのアジア太平洋地域の活発な政策は昨日始まったのではないし、経済制裁に反応したのでもありません。もう何年もとってきたものです。
西欧諸国を含む多くの他の国のように、アジアが世界で、経済で、そして、政治でより大きな役割を演じるのを見てきました。
我々がその情勢を見逃すことはできません


もう一度いいますが、誰もがしているから我々もするのです。
我々の国の大部分は地理的にアジアにあります。なぜロシアがこの地域での競争的利点を利用してはいけないのですか?
しないことはとても近視眼的です。これらの国との経済関係を発展させて、共同の統合プロジェクトを遂行することは、我々の国内発展を誘因するでしょう。
今日の人口統計学、経済、文化的、どれをみても唯一の超大国に依存する傾向は客観的にみても減っています。
これについては欧米の専門家も論じたり書いたりしています。

グローバルな政治の発展は、おそらく今われわれがグローバル経済で見ているように展開するでしょう。
つまり、特定のニッチで競争が激化し、特定のエリアで頻繁にリーダーが入れ替わる。これは完全に可能です。

人道的要因、たとえば教育、科学、ヘルスケア、文化がグローバル競争でより大きな役割を果たすことは間違いありません。
これは国際関係にも影響を及ぼします。なぜならこのソフトパワーの資源は、洗練されたプロパガンダのトリックよりも人材開発を達成するうえで重要だからです。

それと同時に、いわゆるポリセントリックな世界(多中心体世界)の形成はそれ自体安定性を改善しません。
事実、その反対になる可能性が高い。世界的な平衡に達するというゴールはかなり難しいパズルであり、多くの未知数を持っています。
ではルールに従わないで生きるのでなく、まったくルールなしで生きる事を選んだらどうなるのだろうか。
そしてそうなるシナリオは考えられる。いまの世界的緊張を考えるとそうならないとはいえません。現在の傾向を考慮すると、いろいろな予測ができるしすでになされていますが、残念なことにそれらは楽観的でありません。
もしわれわれが相互にコミットメントと合意をするという明確なシステムを作らなければ、もし我々が危機状況を管理し、解決する仕組みを構築しなければ、世界的無秩序の兆しはさらに増すでしょう。

今日、我々はすでに世界の主要国による直接的または間接的な暴力的紛争が増えている状況をみています。
そしてリスク要因には伝統的な多国間紛争だけでなく、国内での不安定性、とくに主要な国の地政学的利益の交差点となるところに位置した国、または文化、歴史、経済において文明的な大陸の辺境にある国においてそれが見られます。

ウクライナがその一例で、国際的な力のバランスに影響を及ぼす紛争であり、またこれが最後でもありません。
ここから現在の軍縮協定のシステムを破壊する脅威が生まれるのです。
そして、この危険なプロセスは2002年に弾道弾迎撃ミサイル 制限条約をアメリカが一方的に抜けたときからであり、以来アメリカは活発にグローバルミサイル防衛システムを作っています。

皆さん、これを始めたのでは我々ではないということを強調したい。
利益と相互保障のバランスの代わりに、恐怖と相互破壊のバランスの時代に滑り込んでおり、それが国同士が直接の対立を防いでいます。
法的、政治的手段の欠如により、今再び武器が世界的なアジェンダの焦点となりました。 武器はどこでも、どのようにでも、国連安保理事会の制裁なしに使われています。
もし国連安保理事会が制裁をすることを拒否するなら、国連安保理事会は時代遅れで無効な道具だと即座に宣言されるべきです。

多くの国は自分で爆弾を持つこと以外に主権を保つ方法を知らない。これはきわめて危険です。
わたしたちはこれからも話し合いを継続することを主張します。対話に賛成なだけでなく、核弾頭削減のための継続的な対話も求めます。
世界で核兵器が減れば、それだけ世界はよくなります。
そしてわたしたちは、真剣で具体的な核軍縮の用意があります。
それはあくまでも二重基準のないシリアスな議論においてです。

どういう意味かというと、今日、高精度兵器には大量破壊兵器に近い機能を持つものが多くあります。
核兵器の完全な放棄または核の可能性を劇的に縮小するとき、高精度システムを作っている国は明らかに軍事的に有利だからです。
戦略的なパリティは中断され、不安定になるでしょう。
そうなるといわゆる最初のグローバル先制攻撃の使用をしたくなるかもしれない。
要するにリスクは減少するどころか激化します。

次の明白な脅威は、民族的、宗教的、そして社会的な紛争がさらにエスカレートすることです。
このような紛争は文字通り危険なだけでなく、彼らは周囲にアナーキー、無法、カオスのゾーンを作るため、テロリストや犯罪者、人身売買、麻薬取引などがそこで行われるようになります。

ちなみにロシアでもこれらのプロセスを管理しようとし、自分たちの利益に合うように地域紛争や「カラー革命」を利用しようとましたが、それは悪いことを連続で引き起こしました。
これは自分自身がどうしてよいかわからない、制御されたカオス理論の父親のようです。彼らのランクには乱れがあります。

われわれは支配エリートと専門家コミュニティの議論を緊密にフォローしています。
これは昨年の西側のプレスの見出しを見るだけで十分です。
同じ人々が、「民主主義のためのファイターズ」、その次に「イスラム主義者」と呼ばれています。
最初、革命と書き、次の記事では暴動や動乱とそれを呼んでいる。
結果は明らかで、グローバルにおけるカオスはさらに拡大するのです。

皆さん、今のグローバルの状況をかんがみて、基本的なことに同意し始める時です。
これは信じられないほど重要で必要です;過去にもどるよりもずっと良いです。
皆がより共通の問題に取り組むほど、我々は同じ船の上にいることに気づく
そして、論理的な出口は、国や社会同士が協力して挑戦に対する答えを見つけることです。共同でリスク管理をするのです。
しかし我々のパートナーの中には、何らかの理由でこのことを自分たちの利益に合った時しか思い出さないのです。

実際の経験は、挑戦に対する共同の返答が必ずしも万能薬でないことを示しています。
これを理解する必要があります。
さらにほとんどの場合、合意は難しい。
特に異なる文化や歴史的伝統を持つ国益の違いを克服することは容易でありません。
しかし、それでも、共通の目的を持ちながら同じ基準で行動して、真の成功を達成した例があります。

シリアの化学兵器について問題を解決したこと、イランの核開発計画について実質的な意見交換をしたこと、北朝鮮問題もわれわれの働きによってポジティブな結果になったことなどです。
この経験を将来地域や世界の課題を解決することに使ってはどうでしょうか。
発展を阻害する新しい独占が作られるのを許さない健全な競争を奨励しつつ、安定とセキュリティをもたらす新しい世界秩序のための法的、政治的、経済的基盤はなんでしょうか。
だれかが絶対的な広範囲にわたるレディーメードの解決策を提供することはありえません。我々は、広範囲にわたる政府、世界的な企業、市民の社会と、私たちのような専門のプラットフォームが参加する広範囲な作業が必要となるでしょう。

しかし、成功と真の結果がもたらされるのは、国際問題の主要参加者が、リーズナブルな自制心をもち、ポジティブで責任あるリーダーシップの例を示して基本的な利益の調和に同意することができたときだけなのは明らかです。
我々は一方的な行動がどこで終わるかをはっきりと決め、多国間メカニズムを適用する必要があります。
そして国際法の有効性を改善するために、国がどんな国内事情でも、国家主権には不干渉という原則に基づいて、安全と人権を守るための国際社会による行動間のジレンマを解決しなければなりません。

衝突は複雑な内部のプロセスに対する外部の干渉をもたらし、たびたびそれは世界の主要国感での危険な紛争の引き金となります。
主権を維持することは世界的な安定性を保ち強化する際の一番重要なことなのです。

あきらかに、外圧を使うための基準を議論することはものすごく難しい。
それを特定の国の利益と切り離すことはほとんど不可能です。
しかし、誰の目にも明らかな合意がない時に必要で法律に基づく干渉の条件が決まっていない時は、より危険です。

国際関係は国際法に基づかなければならないということも私は付け加えます。
そしてそれ自体、道徳的な原則、例えば正義、平等と真実といったものに基づかなければいけません。
最も重要なことは、そのパートナーとその利益を尊重することかもしれません。これは明らかな公式で、単にこれに従うだけで世界の状況は劇的に変わるでしょう。

もし意志があれば、国際的地域的な機関システムの有効性を取り戻すことはできると思います。
新しいものをゼロから作る必要さえないかもしれない。
未開発の地ではなく、とくに第二次大戦後作られた機関はかなり普遍的で現代的で、現在の状況に適しているからです。

これは国連の仕事を改善にもなります。
国連の中心的役割はかけがえのないもので、また欧州安全保障協力機構(OSCE)もそうであり、OSCEは40年にわたり欧州大西洋地域の安全保障と協力を確保するために必要なメカニズムとして役立ってきたことが証明されています。
たとえ今でも、ウクライナ南東部の危機を解決するためにOSCEは非常に積極的な役割を果たしています。

国際環境における根本的な変化を踏まえて、制御不能な様々な脅威の増加により、責任ある国々の新しい世界的なコンセンサスが必要です。
これは一部の地域取引や古典的な外交のやり方における影響力の分割、また誰かが完全に世界支配することでもありません
相互依存の新しい形が必要だと私は思います。我々はそれを恐れるべきではありません。むしろこれはポジションを調和する良いやり方です。

これは特に地球上のある地域が強化され、成長している時に適切です。
そのプロセスでは、新しい極地を組織化し、強力な地域組織をつくりその相互作用のためのルールを開発することが客観的に必要となります。
これらのセンター間の協力こそが、グローバルなセキュリティや、方針、経済の安定をもたらすでしょう。
しかしそのような対話を確立するためには、すべての地域的センターとその周りに作る統合プロジェクトは平等な開発権利を持ち、それによって互いを補完し、誰も他の人を紛争に陥れたり人工的に対抗したりできないという前提で進める必要があります。
破壊的な行動は国家間のつながりを壊し、国自身も厳しい状況に直面するか、または完全に破壊するでしょう。

昨年の出来事を思い出してください。
我々は欧米のパートナーたちに、性急に舞台裏の決定をすることは、たとえば EUとウクライナの連携について、経済に深刻なリスクをもたらすと伝えました。
政治については我々は何も言いませんでした。
経済についてだけ、そのようなことを事前のアレンジなしに行うと、ウクライナの主要貿易相手であるロシアを含め、他の多くの国の利害に触れる、そのため幅広い議論が必要だと言いました。
ちなみに、例えば、ロシアの WTO加盟に関する協議は19年間続いたことを思い出してください。
これは非常に困難な作業でしたが一定の合意を得ました。

なぜこれを持ち出したかというと、ウクライナがEUと連携すると、いわばわれわれのパートナーは裏門からロシアに製品やサービスをもらいにくるということで、我々は同意していなかったし、誰もこのことについて我々に聞かなかったからです。
私たちはウクライナとEUの連携に関するすべてのテーマをしつこく議論しました。
それは完全に礼儀にのっとった文明的な方法で、問題を洗い出し理由をしめし、議論を重ねました。
誰も私たちの話をききたがらなかったし、誰も話そうとはしませんでした。
彼らはただ私たちに言いました:これはあなたには関係ない。以上。
そして文明的な広範にわたる対話のかわりに、突然政府を転覆させたのです。
それで国はカオスとなり、経済と社会は崩壊し、内乱がおき、多くの負傷者が出ました。

なぜ?私は彼らに尋ねましたが答えはありませんでした。
だれも何も言いませんでした。それだけです。誰もが困り果て、ただそうなってしまった、といいました。
そのような行動は奨励されるべきではありませんでした。
うまくいくはずなかったのですから。
結局、元のウクライナ大統領、ヤヌコヴィッチが署名し、すべてに合意したのです。なぜするのか?なんのために。
これが問題解決の文明的な方法ですか?
きらかに常に新しいカラー革命を起こしている人たちは自分たちを「優れたアーチスト」とみなしているので止められないのです。

統合された連携、地域構造の協力は、透明で明確な基盤の上に作られるべきだと私は確信しています。
ユーラシア経済連合の形成過程は、そのような透明性の良い例です。このプロジェクトの当事者国は、事前に計画をパートナーに通知し、完全にWTOのルールに準拠した組織の限定要素を明示しました。

また、ユーラシアと欧州連合(EU)との間で具体的な対話を始めることも歓迎したであろうということも言っておきます。
ちなみにEUはそれも完全に拒否しました。理由は不明瞭です。
何がそんなに怖いのでしょうか。

そしてもちろん、そのような共同作業によって、大西洋から太平洋までのすべてにおいて、経済、人道的協力をするための共有空間を作るため対話が必要だと我々は思います。

皆さん、ロシアはその選択をしました
わたしたちのプライオリティは民主的でオープンな経済機構をさらに改善し、国内の発展を加速し、世界のポジティブなモダントレンドをすべてかんがみ、伝統的な価値観と愛国者精神にもとづいて社会を統合することです。

私たちは統合志向の、ポジティブで平和的アジェンダを持っています。
積極的にユーラシア経済連合、上海共同機構、BRICS、その他パートナーの仲間に協力します。
このアジェンダの目的は政府間の絆を深めることで、分離することではありません
わたしたちはブロックをつぎはぎにしたり、殴り合いをするつもりはありません

ロシアは帝国を作ろうとしてる、近隣諸国の主権に侵入しようとしているといった主張は事実無根です。
ロシアは世界に特別で排他的な場所を必要とはしていません。これは強調しておきます。
私たちは他の人の利益を尊重する一方で、私たちの利益を考慮し、私たちの立場を尊重してほしいだけなのです。

我々は、世界が変化の時代にあり、グローバルな変換期で、誰もが特にある程度注意が必要で軽率な手順を避ける能力が必要だということをわかっています。
しかし冷戦が終わったあと、グローバルポリティクスの参加者はその資質をいくらか失いました。
いま、私たちはそれらを思い出す必要があります。
さもなければ、平和的で安定した展開という希望は危険な幻想となり、その一方で、今日の波乱が本当に世界秩序崩壊の前触れとなるでしょう。

はい、もちろん、私はより安定した世界秩序を構築することは困難な課題だとすでに述べました。
我々は長く難しい仕事について話しています
第二次世界大戦後、対話のためのルールを我々は作ることができ、1970年代にヘルシンキで合意に達することができました。
我々の共通の義務は、この新しい開発段階における根本的な問題を解決することです


ご清聴ありがとうございました。

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