沖縄県民は「沖縄の意思」により勝利した
2014-11-17

全国でも例をみないような大量の県外部隊動員、類をみないほどの誹謗中傷と、なりすまし選挙妨害の謀略戦。
それにもかかわらず、沖縄県民はその意志をはっきりと内外に示した。
普天間撤去。辺野古基地建設反対。県民と郷土の安全と尊厳はカネで売るものではない!
辺野古反対公約で知事に当選しておきながら、カネと地位に眼が眩んで基地建設承認に転向した裏切り者の現職知事仲井真を完全に蹴落とした。
過酷な選挙だったにもかかわわらず県民は、仲井間の「承認」が「沖縄の意思」に背いた行為だったことを明らかに示した。
政府の言いなりになって利権と地位にありつくのが「保守」ではない。
郷土を守ることは、郷土の安全と繁栄。何よりも誇りある郷土づくりを目指すことだ。
平坦地はほとんどが米軍基地のまま、住民は傾斜だらけの土地に住む。本土復帰後も米軍基地は減らず、治外法権の日米地位協定によって、米兵犯罪は絶えず。米軍住宅の上は飛行しないが県民の住宅の上は毎日低空飛行する米軍機。
そんな屈辱にいつまで耐えなければならないというのか。
この沖縄の現実。
保守、革新の問題では無い。
そんなことよりもはるかに以前の、毎日毎日が轟音の下で暮らさなければならない、危険の下で暮らさなければならない。そういう生活なのだ。
普天間基地の撤去と辺野古基地建設の阻止は、沖縄全県民の最も基本で最大の利害である。
「オール沖縄」の大勝利は、与党とか野党とか多数派とか少数派とかを超えた重大な県民利害の問題であったこと。
それは琉球王国以来の歴史と沖縄諸島各島の大地が求めている、「沖縄の意思」といって良いのではないか。
そして、「オール沖縄」の闘いで、それを意思として内外に示した。
沖縄はこれから翁長氏をリーダーとして、彼を支えて共に闘うこととなる。
「オール沖縄」をさらにさらに大きく、強い運動に発展させることが、日米両政府との闘い、交渉が進展する最大の武器だろう。
この課題は、本土の国民、各県の県民にとっても原発問題と並ぶ重要で最も基本の問題である、としたい。
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<社説>新知事に翁長氏 辺野古移設阻止を 尊厳回復に歴史的意義 11/17 琉球新報
新たな基地は造らせないとの民意は揺るがない。
県知事選で、そのことがあらためて証明された。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対を掲げた前那覇市長の翁長雄志氏(64)が、政府と共に移設を進める現職の仲井真弘多氏(75)らを破り初当選した。
約10万票の大差は、県民が「沖縄のことは沖縄が決める」との自己決定権を行使し、辺野古移設拒否を政府に突き付けたことを意味する。
翁長氏には、政府の強硬姿勢を突き崩して移設問題など基地問題に終止符を打つことに全力で取り組むことを期待したい。
民意尊重は当然
在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄に新たな米軍基地の強権的な押し付けを認めることは、県民自ら尊厳を否定するに等しい。
今知事選は1968年の主席公選を勝ち取った住民運動同様に、沖縄の尊厳と誇りを回復できるかも問われた。
仲井真知事の辺野古移設工事埋め立て承認で、沖縄の尊厳と誇りを傷つけられたと感じた県民は少なくない。保守分裂選挙となったことがそれを物語っている。
失われかけた尊厳を県民自らの意志で取り戻した選択は歴史的にも大きな意義を持つ。
一方、政府は選挙結果にかかわらず、辺野古移設を進めると明言しているが、民主主義国家として許されない。
埋め立て承認で地元の了解が得られたと受け止めているようだが、それも間違いだ。
仲井真知事は前回知事選で県外移設を訴えて当選した。県民は辺野古移設推進にその後転じた仲井真知事を支持したわけではない。
つまり地元の大半は了解などしていないのである。
政府は辺野古移設の是非を最大の争点とした知事選で示された民意を真摯(しんし)に受け止め、辺野古移設を断念すべきだ。
それこそが安倍政権の言う「沖縄に寄り添う」ことを具現化することになる。
米政府も民主主義に立脚すれば、民意の重みを無視できないはずだ。
ことし1月の名護市長選では移設阻止を掲げた稲嶺進市長が再選された。にもかかわらず、政府は移設工事を強行着手した。新基地建設工事を既成事実化し、県民に無力感を植え付けることを狙ったことは明らかである。
だが、県民がなえることはなかった。
新基地建設反対の意志をさらに強固なものにするきっかけにもなった。多くの県民が基地の県内たらい回し拒否に票を投じたことが何よりの証しだ。
県民支援が必要
東村高江では住民の反対を無視し、新たな米軍ヘリパッドの建設計画が進められている。翁長氏はオスプレイ配備に反対する立場からヘリパッド建設に反対している。
建設断念に追い込んでほしい。
県内全41市町村長が署名した「建白書」の求めるオスプレイ配備撤回の実現にも知事として力を注いでもらいたい。
基地問題の解決はこれからが正念場である。
辺野古移設など米軍基地の過重負担を強いる政府の厚い壁を突き破るためには、県民世論の後押しが欠かせない。
「建白書」の精神に立ち返り、さらに幅広いオール沖縄で基地問題解決を訴え、翁長氏を支援する態勢の再構築も求められる。
基地問題以外にも解決しなければならない課題は多い。
翁長氏はアジア経済戦略構想の策定による自立経済の発展や正規雇用の拡大、4年後までの認可保育所の待機児童ゼロ、子ども医療費の無償化などさまざまな施策を通して県民生活を豊かにすることを打ち出している。
那覇市長を14年務めた翁長氏の行政手腕、さらには那覇市議と県議で培った政治力、行動力を生かし、公約を実現するよう期待したい。
県民は平和と豊かさの実感を望んでいる。
県民の負託に応え、沖縄の将来も見据え、リーダーシップを発揮してほしい。

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