fc2ブログ

もうすぐ北風が強くなる

焼き場に立つ少年

    焼き場に立つ少年  8/12  「生き生き箕面通信」氏から

 有名な写真だから、すでに多くの方が目にされたことと思います。しかし、敗戦の日を明後日にひかえたいま、もう一度、この写真が伝えるものに思いをいたしたいと思います。

 1945年、長崎の爆心地付近の、多くの死体焼却をしていた「焼き場」で、ジョー・オダネルという報道写真家が撮影した「焼き場に立つ少年」です。

焼き場の少年

 インターネットにアップされた写真には、こんな文が添えられていました。 

 「佐世保から長崎に入った私は、小高い丘の上から下を眺めていました。
 すると、白いマスクをかけた男達が目に入りました。
 男達は、60センチ程の深さにえぐった穴のそばで、作業をしていました。
 荷車に山積みにした死体を、石灰の燃える穴の中に、次々と入れていたのです。

 10歳ぐらいの少年が、歩いてくるのが目に留まりました。
 おんぶひもをたすきにかけて、幼子を背中に背負っています。
 弟や妹をおんぶしたまま、広っぱで遊んでいる子供の姿は、当時の日本でよく目にする光景でした。

 しかし、この少年の様子は、はっきりと違っています。
 重大な目的を持ってこの焼き場にやってきたという、強い意志が感じられました。 しかも裸足です。

 少年は、焼き場のふちまで来ると、硬い表情で、目を凝らして立ち尽くしています。背中の赤ん坊は、ぐっすり眠っているのか、首を後ろにのけぞらせたままです。

 少年は焼き場のふちに、5分か10分、立っていたでしょうか。白いマスクの男達がおもむろに近づき、ゆっくりとおんぶひもを解き始めました。

 この時私は、背中の幼子が既に死んでいる事に、初めて気付いたのです。

 男達は、幼子の手と足を持つと、ゆっくりと葬るように、焼き場の熱い灰の上に横たえました。

 まず幼い肉体が火に溶ける、ジューという音がしました。それから、まばゆい程の炎が、さっと舞い立ちました。

 真っ赤な夕日のような炎は、直立不動の少年のまだあどけない頬を、赤く照らしました。

 その時です。炎を食い入るように見つめる少年の唇に、血がにじんでいるのに気が付いたのは。
 少年が、あまりきつく噛み締めている為、唇の血は流れる事もなく、ただ少年の下唇に、赤くにじんでいました。

 夕日のような炎が静まると、少年はくるりときびすを返し、沈黙のまま、焼き場を去っていきました

(インタビュー・上田勢子)[朝日新聞創刊120周年記念写真展より抜粋]
 ーーーーーーーーーーーーーーー

 既に亡くなっているが、背中におぶった命のために頑張っている少年。
 撮影者はその気迫を感じたのでしょう。
 
 この少年が、その後も生き延びていることを願います。
 その可能性は少ないでしょうが。

 現実を直視しようではありませんか。
 今も、パレスチナで、ウクライナ東部で、イラク、シリアで、アフリカの貧困地帯で、この同じ少年が大勢いるということ。
 そのことを、私たちは決して忘れてはならないでしょう。
 また、この少年を生み出す戦争が今も次々と作り出されて、その戦争に加担できるようにというのが日米軍事同盟「集団的自衛権」であることも現実である。

 戦後69年間、日本は戦争をしない、平和な国だった。
 「「平和な日本好きだった」集団自衛権に抗議の焼身自殺未遂男性」。
 戦争の現実は人命の生死、子どもや幼子の生死をかけるもの。
 軍備、戦力、参戦とはこうした少年を大量に生み出し、命と生活を奪うものです。
 決して、この現実を離れた武器オタクとか空論とか、見世物などで話しネタにするものではありません。
 「ガザ空爆を見世物として楽しむ人々
 
 焼き場に立つ少年。
 人それぞれが、この少年に思うことは、様々でしょう。
 大切なことは人それぞれが、感じて、思い、考えることと思います。

 「長崎「平和の誓い」城臺氏」を読み返してほしい。
 決して忘れないこと、力の続く限り伝えてゆくことが、戦争反対、原発反対であり、それこそが平和の誓いに他ならない。
関連記事

需要は年率10.5%の激減、在庫増を除くとと16%マイナス:植草

   -6.8%成長どころでないGDP崩落の真実  8/13  植草一秀 文中(※ )は北風の注釈。

本日、8月13日午前8時50分に2014年4-6月期のGDP速報値が発表された。
前期比年率実質GDP成長率は-6.8%で、事前予想通りの数値になった。

実質成長率

しかし、統計数値の内容にはビッグサプライズが含まれている。
あまりにも衝撃的な数値である。
日本経済は正当性のない消費税大増税によって撃墜された

日本経済新聞は「消費税増税の影響軽微」の報道キャンペーンを展開してきたが、現実は「消費税増税の影響激烈」であり、紙面において謝罪報道を展開するべきである。
経済の正確な情報を入手したいと思う市民は、日本経済新聞の購読をやめることが適切であると思われる。

本日発表のGDP統計の何がどのように衝撃的であるのか。
三つある。

第一は、国内需要の実質成長率が年率10.5%の激減を示したこと
経済成長率は年率-6.8%だったが、外需は輸入の激減で成長率にプラスの寄与をした。
国内需要は年率10.5%の激減
を示したのである。

第二は、実質経済成長率が前期比で1.7%減となったが、民間在庫品増加は1.0%のプラス寄与をした。
在庫増加が成長にプラス寄与をするというのは、売れ残りを大量発生させた分だけ、生産がかさ上げされたことを意味する。

(※ 現在の統計では在庫の増加は統計上GDPにプラス寄与となるがこれは在庫力=生産力、供給力と見るからで、需要>供給の高成長期、あるいは生産力と資本蓄積の破壊され同じく「需要>供給」の戦後回復期の名残である。生産されたものは供給される=過剰在庫は下落で売れるという考え。
 デフレまたは低成長期ではもちろん売れない。マイナス寄与であることは言うまでもない。)

売れ残り分を差し引くと、国内需要は成長率を前期比で3.8%も押し下げた
売れ残りの大量発生を含めて国内最終需要の落ち込みを計算すると、年率16%のマイナス成長が生じたことになる。

年率6.8%のマイナス成長と年率16%のマイナス成長との間には、イメージの大きな落差があるが、経済の実態を示すのは、在庫増の影響を取り除いた国内需要の動向であり、マイナス16%の経済墜落というのが、日本経済の真実である。

第三は、在庫増でかさ上げされている日本経済の生産水準であるが、その生産水準でさえ、前年同期比で-0.1%となったことだ。
4-6月期のGDP成長率がマイナスになった理由として、1‐3月期の駆け込み需要の反動との説明が付されるだろう。
この変化を見るには前年同期比の変化率を見るのが参考になる。
実質GDPの前年同期比は、昨年の7-9月期が+2.3%、10-12月期が+2.5%、本年1-3月期が+3.0%であったが、4-6月期は-0.1%に落ち込んだ

駆け込み需要の反動だけではこの低落を説明できない。

経済政策運営における2014年後半の最大の焦点は、2015年度消費税再増税の判断である。

2014年度消費税増税の判断について、安倍政権は昨年8月に発表された2013年4-6月期のGDP統計を見て行うこととした。
昨年4-6月期のGDP成長率は年率+3.4%となった。
円安・株高の影響、および13兆円補正予算の効果で成長率が一時的に上振れしたのである。
年率の実質GDP成長率は7-9月期が+1.4%、10-12月期が-0.2%に再低迷した。
しかし、安倍政権は4-6月期のGDP成長率が高いとして消費税大増税を強行実施した。

この8月から12月にかけて、2015年度予算編成の時期に入る。
税収をどのように見込むかは予算編成の要である。
円滑な予算編成を行うには、2015年度増税について8月から9月の段階で判断しておく必要がある。

本日発表された4-6月期GDP統計を踏まえて2015年度増税について判断することが必要である。
本日発表の統計を見るならば、2015年度増税は先送りする以外に道はない。
消費税率の3%引上げが、激烈な影響を日本経済に与えている。
(※ 消費増税3%がそのまま反映されたわけではなく、一年以上に及ぶ輸入原材料(日本はコメ以外ほとんどの原材料が輸入である。)の20%高騰による利益低下がマイナス波及効果となり、物価を破裂させたからである。)

需要項目別の実質年率成長率は以下の通りである。

家計最終消費支出   -19.2%

民間住宅投資     -35.3%

民間企業設備投資   - 9.7%

財貨・サービスの輸出 - 1.8%


個人消費、住宅投資、民間設備投資が激減した。

生産活動を支えた最大の項目は在庫品増加である。
つまり、大量の売れ残りを発生させた分だけ、生産活動は(※ 統計上は)上振れしたのだが、この変化は「悪い兆候」である。
(※ 前に述べた通り、戦後回復期や高成長期ではないので、しかも賃金総額が減少している消費需要減少の中で、過剰在庫が生産力に寄与することはあり得ない。単なる損失。)

在庫品の積み上がりは、次期以降の生産抑制の原因になるからだ。

消費税大増税とともに日本経済は撃墜された。
この紛れもない「真実」が明らかになった。
関連記事

 | HOME | 

 

プロフィール

もうすぐ北風

Author:もうすぐ北風
こんにちは。
いろんな旅を続けています。
ゆきさきを決めてないなら、しばらく一緒に歩きましょうか。

最新記事(引用転載フリー)

カテゴリ

経済一般 (118)
経済一般~2012冬まで (161)
日本の経済 (224)
通貨戦争 (70)
ショック・ドクトリン (12)
震災関係 (23)
原発事故発生 (112)
事故と放射能2011 (165)
放射能汚染2012 (192)
汚染列島2013-14 (146)
汚染列島2015-16 (13)
福島の声 (127)
チェリノブイリからの声 (27)
政治 (413)
沖縄 (93)
社会 (316)
小沢一郎と「生活の党」 (232)
健康と食 (88)
環境と地球の歴史 (28)
未分類 (175)
脳卒中と入院 (7)

カウンター

最新コメント

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

このブログをリンクに追加する

カレンダー

07 | 2014/08 | 09
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

最新トラックバック

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

Template by たけやん