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もうすぐ北風が強くなる

2機のウクライナ戦闘機がマレーシア機を撃墜、ロシア大統領機を狙った:航空管制など

 前回記事で、誤爆なら、ウクライナ軍には既に統制のない「犯罪者軍」ということになろうし、意図的な撃墜ならば、ロシア大統領機撃墜もしくは撃墜の脅しによる封じ込めが考えられるが、重大な謀略犯罪政権ということになると書いた。

 航空管制当局情報では、意図的な撃墜のようである。
 ウクライナの現政権は、対話や協議の代物でがないことがはっきりした。
 とんでもない謀略犯罪政権。
 ーーーーーーーーーーーーーー
   ロシア航空局筋の情報によれば「本当の撃墜目標はロシア大統領機」 7/18  ロシアの声

マレーシア機

 マレーシア航空ボーイング777機は、ウクライナ軍機により撃墜されたが、本当の目標はロシア連邦大統領機だったと思われる。ロシア航空局筋の情報を引用してインターファクス通信が伝えた。

 それによれば、ロシア大統領機とマレーシア航空機は、同じポイント及び同じレベルで交差したとの事で、情報源の人物は「それが起きたのは、ポーランドの首都ワルシャワ近郊、高度1万100m、レベル330の場所で、ロシア大統領機は、モスクワ時間で16時21分、マレーシア航空機は15時44分に、その場所にあった」と指摘した。  なお両機の外形・大きさは似ており「かなり遠くから見た場合、事実上ほとんど同じ色に塗られている。」

   航空管制官「マレーシア機の隣には2機のウクライナ軍戦闘機」  7/18

 マレーシア航空ボーイング777を担当した(※ キエフの)スペイン人管制官カルロス氏は、自身のTwitter に「旅客機の機影がレーダーから消える数分前、その隣にウクライナの戦闘機が見られた」と書き込んだ。


https://twitter.com/spainbuca/statuses/489813837013848065  

また新聞「コムソモーリスカヤ・プラウダ」は、カルロス管制官のTwitterから、次の一文を引用している― 「マレーシア航空機がレーダーから消えるとすぐ、キエフ当局は我々に、同機は破壊されたと伝えてきた。
彼らは、どうしてあんなに早く知ることができたのだろうか?
 軍人達は、マレーシア航空機はウクライナ側により撃墜されたと確認したが、誰がそうした命令を下したのかは不明だ。


マレーシア機3

   マレーシア航空 撃墜された旅客機乗客の国籍を明らかに  7/18

 マレーシア航空スポークスマンは、オランダのスキポール(スヒップホル)国際空港での記者会見で、ウクライナで撃墜された同航空会社旅客機の乗客の国籍を伝えた。

 それによると、オランダ人154名、オーストラリア人27名、マレーシア人23名、インドネシア人11名、英国人6名、ドイツ人4名、ベルギー人4名、フィリピン人3名、カナダ人1名。
 なお同機には、乗客・乗員295名が乗っていた。

マレーシア機2
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異次元緩和とは何だったのか、その功罪(1):吉田

   異次元緩和とは何だったのか、その功罪 2014/5月 吉田繁治

昨年4月以来の経済において、もっとも重要なことは、世界のサプライズでもあった、日銀の「異次元緩和」です。
開始されてちょうど1年です。振り返って、当時に先行きを述べる意味は大きいでしょう。

(それにしても、「異次元緩和」に対する論究が、極めて少ないのはなぜかと、不思議に思っています)

年間70兆円(月間6~8兆円)の、円の増発を開始しました。
2015年までの2年間で、マネーの供給を2倍にすることで、20年デフレから脱して、物価が上がるインフレに変えるというものでした。

(注)開始前の、2013年の日銀のB/S(貸借対照表)は164兆円でした。それでもGDPに対し十分大きかったのですが、2014年5月2日は246兆円へと82兆円も増えています。
ちょうど1年で82兆円、日銀が国債保有を増やしたということです。

中央銀行の、貸借対照表の規模(246兆円:2014年5月2日)は、中央銀行による「信用の受託量」です。
一般に言われる、信用の供与量では決してない
日銀にとって、円の増発は、貸借対照表が示すように、国民経済からの負債の増加だからです。
金と交換できない不換紙幣は、負債性の通貨です。
発行した円(銀行券+当座預金)は、日銀の負債です。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2014/ac140430.htm/

まだ途中経過ですが、この未曾有の規模の、円の増発の結果についての論考を、ほとんど見かけません。

そこで、本シリーズで解こうと思ったのです。

金融緩和とは、金利を下げ、増やしたマネーによって貸付けの増加を誘発することです。
これを「異次元」として、これ以上の形容詞がないレベルで、実行する。

その目的は、「日本経済を、ほぼ20年の、物価が下がるデフレから脱却させ、経済を成長させること」とされています。

果たして、この目的に叶(かな)う成果、あるいは、いずれ叶う方向へ向かう成果が、出ているのか
本稿では、ここを検討します。

目的に叶わない結果が生じているなら、即刻、異次元緩和は停止しなければならない
強い医薬のように、副作用が大きいからです。

物価はあがっても、名目賃金は上がらす、国民の賃金が上がらないなら、物価が上がることによって需要が減ってゆく「スタグフレーション」になるからです。

政府が、異次元緩和の目標としているインフレでは、
(1)物価が上がり(2%~4%:後述、クルーグマン、
(2)それ以上に賃金が上昇(3%~5%)せねばならない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【目次】

1.経済学的な「期待」というもの
2.「期待」の経済学
3. 金融の超緩和による、期待の転換を説いていたクルーグマン
4.もっとも早かった、クルーグマンの提言

5.マネタリズムからの提言
6.「期待」によって上がったものと、変わらないもの
7.期待では動かない実体経済の価格
8.賃金は、まだ、低下している
9.「異次元緩和」と言うが、マネー・ストックは増えたのか?
10. 補完当座預金制度への疑念
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ■1.経済学的な「期待」というもの

2012年12月からの安倍政権は、もっとも大きな経済政策として、インフレ・ターゲット(インフレ目標)2%を掲げました。

▼20年間の物価下落がもたらした、デフレ期待

まず、1994年以降、消費者物価が上がらず、下がってきた20年デフレが、日本経済の成長への最大の障害であることとしたのです。

デフレが、将来も続くという予想(経済学的な期待)を人々が抱くなかでは、金利が1%と低くても、実際に負担する実質金利は、
「名目金利1%-(期待インフレ率-2%)=3%」
です。

(注)重要:フィシャー等式:実質金利=名目金利-期待インフレ


この実質金利の負担が重いと、企業は借りたお金での設備投資を、増やさない。

作った商品の価格が下がって行き、他方で、借金の利払いは重い。
デフレの中では、借入の名目金利は低くても、実際の負担になる実質金利の負担は、物価が下がる分、重くなります

個人で言うと、住宅価格が年3%下がるデフレを予想しているなかでは、住宅ローンの金利(名目金利という)が、名目固定金利で1.5%と低くても、実質金利は「ローン金利1.5%-(住宅価格-3%)=4%」になり、重い。
これでは住宅購入が減ります。

【預金は価値が上がる】
一方、銀行預金が3000万円の人はどうか(65歳以上に多い)。
定期預金金利は0.02~0.03%です。
3000万円の預金があっても、1年間の受取金利は6000円から9000円です。ゼロと言っていい。
従って、預金をするインセンティブ(誘因)は、金利の面では、まるでない

しかし、物価が2%下がる。
今年1000円のものは、来年は980円。10年後には18%下がって820円になる。
そうなると、預金の金利はゼロでも、マネーの価値は物価の下落分上がったと見ていい。

つまりマネーの価値を増やす実質金利は、[名目金利0.03%+期待デフレ率2%=2.03%]です。

▼名目のゼロ金利が、実質では金利2%になる

預金に金利はつかない。しかし金融資産の価値は、下がる物価に対し2%ずつ上がって行く。
このため金利が1年に2.03%ついたのとおなじことになるのです。

物価のデフレが続くという予想(経済学的な期待)の中では、名目の貸付金利が1%でも実質金利は高い。このため融資は進まない。

貸付けが進まないと設備投資、住宅投資も増えず、物価が下がるという期待から消費は先延ばしにされる。

デフレでは、現金の将来価値が高くなるため(金利ゼロでも実質金利がつく)、マネーが、現金やゼロ金利の預金口座に滞留しますから、血流が減った低血圧症のように、経済活動を不活発にしてゆきます。

つまり、物価が継続的に下がるデフレは、経済(GDP)、を縮小させる

GDPの3面等価(需要=所得=生産)から、GDPは、企業と世帯の所得でもあります。
GDPが減ることは、被雇用者の所得と企業の所得が、縮小することです。

所得が減れば、企業経営も生活も苦しくなる。
日本経済は金融危機の1997年以降、20年も成長していません。

【デフレでは通貨の価値は上がる】
他方で、デフレは、通貨(円)の価値を物価の下落分、高めます。

2%のインフレ国の米ドルとの比較で、デフレの円は、円高傾向を続ける。
インフレは通貨価値の下落であり、デフレは、通貨価値の上昇だからです。
デフレでは、通貨は強い、しかし経済は弱いとなるのです。

(注)経済では、物価の上昇、下落を勘定に入れた実質の数値で見
ることが肝心
です。

■2.「期待」の経済学

経済学における「期待(expect)」は、日常語が、望ましいことを待望するという意味を含むのに対し、単に予想というという意味です。

期待インフレはインフレ予想、期待デフレはデフレ予想、期待金利は予想金利のことです。

予想と訳すほうがよかったと思えるのですが、競馬の予想屋というよう、国語の予想には予想を低く見るニュアンスを含むため、学者が期待としたのでしょう。
行動経済学でも、prospectと言い換えています。

▼合理的期待の形成を言ったルーカス

経済取引の決定における、期待の重要性を説いたのは、ロバート・ルーカス(1995年 ノーベル経済学賞)でした。

経済主体(企業、個人、政府)、は、限定的で不完全ではあるが、それがもつ情報によって合理的な予想を行って、経済取引をするというものです。

物価が上がるという予想か、あるいは下がるという予想か、その予想によって、購買という決定が変わると言えば、この経済学的な「期待」の重要さがわかるでしょうか。

物価が下がるデフレ経済の中では、人々は、将来も物価は下がるというデフレ期待を抱いています。

名目金利がゼロに近くても、物価が下がる予想があるため、実質金利が高いデフレ期待の中では、いくら金融を緩和しても(マネー量を増やしても)、借入(信用創造になる)は増えない

借入が増えねば、設備投資と消費は増えない。
設備投資と消費が増えなければ、経済は成長しない。

マネーの増発が借入の増加になるには、20年も続いている「国民のデフレ期待」を、政府と中央銀行が「インフレ期待」に変えねばならない。
国民とは、われわれのことです。

  ▼インフレ期待になると

「物価が1年に2%は上がるというインフレ期待」に変われば、企業は、商品の売上金額(名目額)の増加が期待できるため、借入をして、設備投資を増やすだろう。

個人も、住宅が上がるという期待になれば、住宅の購入を増やします。
店舗でも、店頭物価が1年に2%は上がると、顧客の買いものは増加します。

このため、政府は「インフレ・ターゲット2%」とする。日銀もインフレ・ターゲット2%として、インフレに転じるための、マネーの増発をする(2012年12月)。

これが、2013年4月から、1ヶ月に国債を6兆円から8兆円、年間で70兆円から80兆円も買い切ってマネーを増発するという「異次元緩和」になったのです。

  ■3. 金融の超緩和による、期待の転換を説いていたクルーグマン

▼名目金利はマイナスにできない

名目金利(=預金や貸付の金利)は、マイナスにはできません
名目金利がマイナスとは、借入すれば金利がついてくることで、預金すれば金利が引かれることです。
借りれば金利がつくという、妙な具合のものです。

名目金利がマイナスになると、預金が引きだされて現金に代わり、銀行と金融システムそのものが、消滅してしまいます。
金融システムが消滅した経済は、商取引が、金融システムの中の預金振り替えではなく、現金で行われる社会です。

▼実質金利はマイナスにできる

名目金利は、マイナスにはできない。
しかし、実質金利はマイナスにできます

[期待実質金利=名目金利(仮に1%)-期待インフレ率(2%)=
-1%]です。

人々のデフレ期待を、政府と日銀が、経済政策とマネー政策によって、インフレ期待に変えることができれば、期待実質金利はマイナスになる。
「期待」とは、現在ではなく、現在からの変化に、人々がいだく予想を言います。例えば住宅を買うとき、人は、暗黙に、住宅の将来価格と金利を予想した上で、購買決定の行動をしています。

この期待実質金利がマイナスになると、お金を借りて投資すれば、利益が出ます。
設備投資と住宅投資は増え、物価も上がるとなると、店頭商品の購買も増える。
物価上がる消費税増税のときの、駆け込み需要の効果と同じです。

来年、車、家電、PCが5%は上がると予想する人が増えれば、今年買う人は増えるでしょう。

企業もインフレ(販売商品価格の上昇)になると、売上額が増える。
売上金額が増えれば、1、2年後には賃金(雇用者所得)も上がるだろうということです。

雇用者所得が上がれば、買物も増えて、企業の売上は、一層増えるから、更に企業の設備投資は進む。

ゴルフ会員券も、相場が上がるという期待に変われば、買いが増えます。

1980年代まで住宅価格は1年に5%から7%は上がっていました。ローンの名目金利が7%でも、住宅の期待上昇率を引いた実質金利は0%から2%と低かった

同時に賃金が年5%は上がっていたので、住宅ローンで2%の実質金利があっても、負担は容易だった
借家より、買う方が得だった。
このため1年に200万戸売れていたのです(2013年は105万戸と半分です)。

現在の実質金利ではなく、1年や2年先の「期待実質金利」でいい。

日銀がマネーを大増発することで、人々の心の中にある「期待インフレ率」を高め、期待実質金利をマイナスにできれば経済は成長に向かい、GDPは増える。

GDPが増えれば、増えた所得からの税収が増え、国家財政も赤字が減る。
そして、インフレなら、政府にとっての1000兆円の国債負担も、軽くなってゆく。

以上が、「異次元緩和の政策」が、経済に対して描いたシナリオでした。

  ■4.もっとも早かった、クルーグマンの提言

1990年代の終わり頃から、ノーベル賞経済学者クルーグマンは、デフレ経済によって「流動性の罠(わな)」に陥った日本経済は、「インフレ・ターゲット政策」をとるべきと言っていました。
(注)『流動性の罠に陥った日本』

▼流動性の罠からの脱出

流動性の罠とは、
・デフレ期待の中で、その国の金利水準が異常に低いときは、金利がつかない貨幣と金利がつく債券が同じになる(完全代替になる)ため、
金融緩和としてマネーを刷っても、「マネーが退蔵されて使われず」、景気の刺激策にならない状態を言います。

現金も、物価が下がるデフレ期待の中では、来年の期待価値が、物価の下落分増えます。
マネーの価値が、時間とともに増えれば、現金と預金のまま退蔵して、使わない人々が増えてゆく。
これが「流動性の罠(わな)」です。

【流動性の罠(わな)に陥ったままでは、マネーの増発の効果がない】

流動性の罠に陥った経済では、マネーの増発を図る金融政策が、効かない。増えたマネーが退蔵されるだけだからです。
これが1994年以降、ほぼ20年間の日本経済でした。

1997年から2006年まで、日銀が金利をゼロにし、マネーを増発しても、日銀の当座預金に滞留するだけで、それが使われず、経済成長もなかったのです。
(※ 北風:当時も現在2014年7月も、日銀当座預金は「ブタ積みのままである。)

銀行では、余剰なった預金の運用として、経済の成長をうながす貸付けではなく、毎年40兆円も、新しく発行された国債を買い増ししていました。
新たに借りて使う企業が少なかったからです。

▼インフレ期待に変えることができれば、マネー増発の効果が出る

デフレ期待をインフレ期待に換えることができるなら、人々が抱く期待実質金利が、マイナスになります。

来年には、マネーの価値は物価上昇分下がると見なされるため、「退蔵していたお金を使おうとする」

2%のインフレ期待になれば、今の100万円の期待価値は、来年は98万円に減るため、今年使う人が増えます。

(注)クルーグマンは、日本に対しては、4%のインフレ・ターゲットを提唱していまます。

現金や預金として退蔵されていたマネーが使われることは、投資と購買が増えることであり、
投資と購買が増えれば、それを売る企業の売上は増えて、GDPは増えます。GDPの需要=生産=所得です。

クルーグマンの提言は以下でした。政府と中央銀行は、人々の期待を変える政策を実行せねばならないとしたのです。(『そして日本経済が世界の希望になる』)

 ▼人々の期待を変える

(1)まず国の経済は成長すると、国民に信じ込ませること。
成長すると考える人が多ければ、将来の売上増を期待し、マネー・ストックを使った、企業の設備投資が増えます。

(2)次に中央銀行が金融緩和を実行すること。
経済が100%活動する完全雇用を達成しても中央銀行は、マネタリー・ベースを増やし続けること。

金融緩和によってインフレを引き起こす。そして、人々をインフレ期待に変えること

(3)中央銀行は、短期金利ゼロを維持すること

そして重要なことは、「人々の期待を、成長とインフレに変えない限り、金融緩和が大きくても効果がない」と付け加えています。

(注)この場合のインフレは、通貨安からの輸入資源上昇によるコストプッシュ型インフレではなく、需要が増えることによるデマンド・プル型のインフレでなければならない

GDP(経済)が成長しない、インフレにもならないと国民が考えている限り、金融緩和を図っても、意味がないということです。

●もっとも肝心なのは、日本経済の将来に対し国民が成長期待を抱くことができるかどうかです。
そのために、政府が、経済を成長させるということを国民が信じることができる政策がなければならない。

繰り返せば、
1)人々が抱く成長期待、
(2)インフレ期待の中で、
(3)マネーが増発されることです。


【後記】
日銀の異次元緩和は、人々が将来に対して抱く、物価と金利の予想が、今日の取引を決めるという「期待(Expect)の経済学」からしか解けません
 ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 異次元緩和とは何だったのか、その功罪(2)へ続きます。
関連記事

異次元緩和とは何だったのか、その功罪(2):吉田

 異次元緩和とは何だったのか、その功罪(1)からの続きです。
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
一般に、日銀が「世の中に出回るお金の量を2倍に増やす」と新聞でも言われていますが、それは誤りです。
国債を買って、日銀が増やすのはベース・マネー(発行紙幣+日銀当座預金:14年5月で222兆円)です。
世の中に出回るお金の量であるマネー・ストック(14年4月:1183兆円)ではない。
マネー・ストックは世帯と企業の預金(※ 口座にある金額のこと。)であり、これは、日銀は増やせません

(※ 口座にある金額は、預金、信用創造(貸付振込)などによる、帳簿上の金額のこと。流通通貨額であり、ベースマネーに対する信用乗数でもある。)

2013年4月に始まった異次元緩和は、債券の市場から、日銀が毎月6兆円から7兆円の国債を買い切って、その代金を、国債を売った銀行に振り込むものです。
世帯や企業ではなく、銀行に日銀からの現金供給が増えたと解釈して下さい。

日銀が異次元緩和を1年前にはじめたからと言って、その要因では、あなたの会社の預金と世帯の預金は増えません。
銀行が貸しつけないと、社の預金と世帯の預金は増えない。
(※ マネーストックとならない。つまり流通通貨の増加とならない。)

銀行(正確には、保険会社を含む金融機関)では、「売った国債が現金に変わる」ことになる。

【国債】同時に、日銀が国債を多く買うと、買い手が増えた国債の価格は上がり、金利は下がります。
1995年の、日本版の金融ビッグバンで、それまでは、日銀による規制下にあったわが国の金利は、自由化されています。

【金利】
自由化以降の金利は、[国債金利(もっとも低い)+リスクプレミアム]で決まります。
長期国債(10年物国債)の金利は、史上最低に低い0.6%付近(毎日変動)ですが、銀行の融資の平均金利は1.2%付近です(2014年4月)。

【銀行が、国内貸付と証券購入を増やせば・・・】
現金には、金利がつきません
金融機関にとって、近い決済用に必要な現金額以上をもつことは、損をします。
このため、国債を売った金融機関は、金利のつかない現金を、貸付や証券の購入として運用するだろうと考えるのです。
ここが、異次元緩和の狙い
です。

国債を売って現金が増えた金融機関からは、民間経済に、現金が流れる。
銀行から現金が流れるとは、260万社の企業が、お金を借りることです。
その借りたお金で、2000年代は減ってきた設備投資をする。
世帯は住宅ローンを借りて、住宅を買うことです。
これによって、「企業+世帯の預金」が増える。これが、マネー・ストックの増加です。

経済(GDP)は、企業の設備投資によって、働く人の生産性が上がるという要因のみによって成長します

短期的には、消費の増加によっても成長します。しかし、世帯の消費の増加が、今後は売上が増えるという期待をもつようになった企業による、
設備投資の増加と雇用者所得の上昇」になって行かないと、翌年や翌々年の、GDPの成長はないのです。
ここが、肝心な点です。

企業の設備投資が増えるようにならないと
異次元緩和は、単に、「2年後からは目立って物価を上げた。商品価格は、高くなった。しかし世帯所得は、増えない。このため、生活は苦しくなった」ということだけで、終わります

こうした、経済の成長目的をもった金融緩和を、従来とは異次元の金額で日銀が行う。直近のデータを見ます。

日銀が、どれくらい国債を買い切って、金融機関の現金を増やしたかというのは、10日毎に公表される「営業毎旬(じゅん)報告」で知ることができます。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2014/ac140510.htm/

2014年5月19日の、日銀の営業毎旬報告(貸借対照表):わかりや
すくするため、項目をまとめています。

【2014年5月10日】
資産 負債および資本
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国債保有 207兆円 1万円札の発行 86兆円
その他資産 41兆円 金融機関がもつ当座預金 136兆円
その他の負債 20兆円
日銀の資本 6兆円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
資産 248兆円 負債および資本 248兆円

14年5月時点で、日銀は国債保有を207兆円に増やし、それを買った代金として、
(1)1万円札の紙幣を86兆円(86億枚)印刷して発行し、
(2)金融機関が日銀にもつ当座預金の残高を136兆円に増やし
ています。

この(1)紙幣の86兆円、(2)当座預金の136兆円、両方の合計で222兆円が、日銀によるマネー発行額です。

異次元緩和をはじめる前は、どんな貸借対照表(B/S)だったか?

【2013年3月31日の日銀の貸借対照表】

資産 負債および資本
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国債保有 125兆円 1万円札の発行 83兆円
その他資産 42兆円 金融機関がもつ当座預金 58兆円
その他の負債 17兆円
日銀の資本 6兆円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
資産 164兆円 負債および資本 164兆円

13年の3月時点での日銀の国債保有は125兆円でした。直近の14年5月では国債保有が207兆円に増えています。
13ヶ月間で[207-125=82兆円]が増えていますから、1ヶ月平均で6.3兆円の国債を買い増してきたということです。

日銀がもつ国債の平均満期は、長短国債を合わせて7年です。満期なると財務省は、国債の額面金額を、保有者に振り込みます。

この1年の、日銀の国債保有高の平均は、[(125兆円+207兆円)/2=332/2=166兆円です。
[166兆円÷平均満期7年≒24兆円]です。
1年に24兆円以上の金額を買わないと、国債保有額は減ります。
日銀は13ヶ月で82兆円増やしていますから、[82+24=106兆円]も、債券市場から国債を買ったことになります。

政府の、新規債の1年分の発行は、まず、財政赤字分が約40兆円です。
返済満期が来たものの借り換えが、120兆円くらいです。

政府は、国債の返済は計上はしていますが、返済分(120兆円/年)の全額を借り換えています。
事実上返済はしていません。これをロールオーバーとかジャプと言います。

合計では160兆円の新規発行です。このうち106兆円(66%)を、日銀が買っています

なんと言っていいか、猛烈な国債購入です。
このため「異次元緩和」と言う。
異次元とは、あたかも宇宙からの買いのような巨額と
いう意味です。(前回も指摘しましたが、異次元緩和についての経済・金融論が極めて少ないのが不思議です。)
(※ もちろんインフレ期待で洗脳するためのマスコミ統制です。肝心な点に論及しないので、例えば「死ぬまで日経新聞を読んでも経済はわからない」ということになります。)

日銀による,異次元の国債購入によって増えたのは紙幣の発行ではなく、日銀に金融機関が預ける当座預金の金額です。
2013年3月末は58兆円でした。この当座預金が136兆円へと78兆円増えています。
(注)(※ 各金融機関が顧客への)支払い用の準備預金としての必要額は8兆円くらいですから、128兆円の現金性預金が、超過積み立てになっています。

日銀が増やした国債保有は、13ヶ月で82兆円です。
この分は、国債を日銀に売った金融機関が、日銀当座に預ける現金性の預金(当座預金)の78兆円の増加になっているだけです。

国債を売った金融機関では、所有していた国債を日銀に売った。
その売った分だけ、日銀当座預金に預ける残高を増やした、ということでしかない。
国民(企業+世帯)のマネー・ストックの増加ではない。金融機関の現金性預金が増えただけです。
金融機関が82兆円もの国債を売り払い、それを82兆円の現金に換えたからです。
(注)いつでも、即刻、引き出せる当座預金は現金と同じです。

つまり、13ヶ月間の異次元緩和によって進んだのは、「国債の、日銀による現金化」です。これを金融用語では、「国債のマネー化=マネタイゼーション」と言います。

(注)しかし政府と日銀は、「日銀が国債を現金に換えるマネタイゼーション」ではない。あくまで、金融緩和つまり企業がお金を借りやすくすることだと、言っています

日銀の異次元緩和の目的と意味は、人々が将来に対して抱く、物価と金利の予想が、今日の取引を決めるという「期待(Expect)の経済学」からしか解けません。そこで、前号ではこれを書きました。

本号は、「期待(Expect)の経済学」への日銀の働きかけが、実際に、インフレ期待を高め、経済取引を活発にしているのかどうか、ここを検討します。

ノーベル賞経済学者として世間に認められたクルーグマンが、「国際標準の学説」と言う「期待(Expect)の経済学」が、異次元緩和の実行によって、この1年働いたのかどうかということです。

結論を言えば、1年目では、まだ働いていません

証拠が、マネー・ストックの増加の低さ(前年比+2.8%:2014年4月)と、実体経済の取引額を示す名目GDPにおける、民需の増加率の低さです。
雇用者賃金は、前年比で-0.2%と、減っています。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf

民間需要(=世帯と企業の消費+投資)が、前年比で5.2%も増えたように見えるのは、2014年3月の消費税増税前の、駆け込み需要があったからです。
2014年の3-6月期には、この増えた5.2%分が、そのままへこみます。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
(※ 6月統計でまさしく、へこみました。加えて円安の原材料高騰によりさらにへこみました。)

   ■1.マネタリズムからの提言

(前号で示した)クルーグマンからの提言に対して、フリードマンが言った「デフレは貨幣現象である」を根拠に、
・エール大学の浜田宏一氏は、異次元緩和によるインフレ・ターゲットを政府に提唱し、
・岩田規久男氏は、日銀が、わが国の「マネー・ストック」が1年に7%以上増えるようにするための、マネー緩和策をとることを提言していました。

▼ベース・マネーは222兆円になり、昨年比で80兆円も増えたが・・・

日銀の紙幣の発行額86兆円と、日銀が金融機関から預かった当座預金136兆円、合計で222兆円(2014年5月10日)を、国の経済の基本になるマネーという意味を込めて、「ベース・マネー(基礎マネー)」または「マネタリー・ベース(お金の基盤)」と言っています。

【民間の経済取引に使われるマネー・ストックは、33兆円(2.8%)しか増えていない

一方、マネー・ストック(2014年4月で1183兆円:M3)は、世帯と企業と自治体がもつ、現金と預金です。

ベース・マネーが増えても、その増加がマネー・ストックの増加にならないと、「経済を流れるマネーが増えた」とは言えません。
この、マネー・ストックの増加は、政府と日銀の狙いとは違い、前年比で2.8%(2014年4月:33兆円)しか増えていません。
(注)マネー・ストックの増加の2年間の異次元緩和での政府目標は、7%(80兆円)です。

(※ 基本的には発行紙幣+当座預金=ベースマネーが金融機関の信用創造(超過貸出)によって流通通貨が増えて経済成長となるわけですが、賃金が減少し、消費需要が伸びないなかでは資本は設備投資できません(過剰設備)ので金融機関の貸出与信は停滞します。
 マネーストックはベースマネーの伸びを下回りますから、「信用乗数」はさらにマイナスとなります。)

▼1年目は、異次元緩和の目的に沿わない結果が、出ている

異次元緩和を実行した政府・日銀の狙いとしては、本当は、1年目では、マネー・ストックが4%~5%(47~59兆円)は増えねばならないのです。
2年目(2015年3月)が7~8%(80~90兆円)です。

国債を売った銀行には現金性のマネーは増えた(1年で78兆円の増加)。
しかし銀行の貸出しの増加からの、世帯と企業の預金(マネーストック:M3)は33兆円しか増えていない。

このため「異次元緩和が、経済取引を増やした」とは、1年目では言えない。
https://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/ms1404.pdf

輸血はしたが血圧は上がらず、血流は増えていない
例えれば、輸血(マネーの注入)が必要と、大量の輸血をした。しかし、1年目は、血流量が増えて血圧が上がったとは言えない。

この輸血は、経済のマネー量増やさず、出血(海外に流出:米国債の購入)にしかなっていないのではないか?ということです。

(注)事実、異次元緩和の後、現金性の預金(日銀当預金)が80兆円増えた日本の金融機関は、増加分を、国内ではなく、金利が2.6%に上がった米国の国債買いと、対米融資の増加に振り向けています

大手金融機関(三菱東京UFJ銀行)のバランスシートを、1年前と比較すればわかることです。
政府・日銀の狙いとは異なる、マネーの流れになっています。

  ■2.マネー・ストックに原因を求める、マネタリスト

2013年4月から、日銀の副総裁に就任した岩田氏は、「日本は、マネー・ストックの増加が1年4%の時、消費者物価の上昇がゼロだった。ところが1994年以降は、この増加が、2%程度だった。マネー・ストックの増加率の低さが。デフレの原因である。」

「このマネー・ストックを、日銀が『1年に7%(=80兆円)増える』ように金融を大緩和すれば、日本は、物価が上がらないデフレから脱却できる」としていたのです。(『デフレの経済学』:2001
年)

▼マネー・ストックと物価上昇、およびGDPの成長

マネー・ストックとは、企業・世帯・自治体の預金です。
M3とも言い、従来、マネー・サプライと言われてきたものです。
https://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/ms1404.pdf

2012年はM3が2.2%増、2013年は2.9%増であり、2014年4月は前年比で2.8%増の1183兆円です。
この1183兆円が、世帯、企業、自治体のもつ現金と預金です。

中央政府の預金と、金融機関の預金はマネー・ストックにはいりません。マネー・ストックの持ち手は、個人、法人、自治体です。
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exms.htm/

  ■3.マネタリストの主張

【MV=PT】
マネー・ストックと、実質GDPおよび消費者物価上昇率には、マネタリスト(岩田規久男氏を含む)は、以下の関係があるとします。

M(マネー・ストックの金額)×V(流通速度)=P(物価水準)×T(実質GDP)

日本経済は、この中の流通速度が、1年にほぼ4%低下する傾向をもっていた。このため、マネー・ストック(2014年3月で1174兆円)が、毎年7%(82兆円/年)増えないと、物価の水準は上がらず、経済成長もないとします。

(注1)流通速度が4%下がって行く傾向がある理由は、預金の増加率が、所得の増加率より高いからです。これは日本だけではなく、世界の共通傾向です。
(※ 逆にいえば、所得の増加が預金の増加に追い付いていないということ。)

(注2)2000年代の日本の、マネー・ストックの増加は、14年間、ほぼ2%以下でした。

一方、米国(M2)のマネー・ストックは毎年、6%から8%の増加です。ユーロでは4%~12%の増加でした。英国は6%から12%、韓国も3%から25%、中国は12%~25%と大きな増加でした。

日本のみが、金融危機の後の、日銀による1997年から2006年までの(前元日銀総裁時代の通常の)量的緩和にもかかわらず、マネー・ストックの増加が1%~3.3%と低かったのです。
http://rh-guide.com/tokusyu/syohizei_infre1.html

  ■4.インフレ目標2%のためマネー・ストックを7%増やす

日本も、マネー・ストックが毎年7%(約80兆円)増えるようになれば、物価は、2%は上がり、実質GDPは1%は増える。
名目経済成長率は3%になるというのが、岩田氏
でした。

ただし、ここで付言しておかねばならないのは、
・マネー・サプライとインフレは「並行現象」なのか、
・あるいは「原因現象」なのかということです。


並行現象とは、インフレになるとマネー・サプライも同時に増えるということです。
この並行現象なら、マネー・サプライを増やしても、インフレにはならない

他方、原因現象なら、岩田氏が言うようにマネー・サプライを、日本では7%/年で増やせば、2%のインフレになって行くでしょう

【重要】
マネー・サプライとインフレが「並行現象」か「原因現象」かは、決着はついていません。
シカゴ大学のフリードマンが発祥のマネタリスト学派は、原因現象としています。

デフレは貨幣現象というのがこれです。
安倍首相は国会でも、浜田宏一氏から聞いた通りに、「デフレは貨幣増加の少なさがもたらす現象」と答え、異次元緩和の政策を正当化する根拠にしています。

経済学は、学派によって理論が異なるイデオロギー(思想)です。
その点が、科学とは異なります。科学のような、おなじ条件での実験ができないからです。。

例えば、大きなことで言うと、GDPの何倍までの政府債務が限界かも、わかってはいない。このため思想的な思索の学になっています。
科学は、事実を検証する。経済学は「こうなるかも知れない」という仮説です。

2013年4月からの日本経済において、
・日銀が国債を買うことによる現金の大量の輸血によって、
・国民経済がインフレになり、実質経済成長も果たし得るか、
実験されている
と言ってもいい。

  ■5.1年目の80兆円の輸血では、マネタリストの言う、デマンドプル型の物価上昇と、経済成長は起こっていない

異次元緩和の1年目の、事実と評価は、以下です。

▼事実

(1)日銀は、80兆円の長期国債を買い切って、銀行が日銀にもつ当座預金の現金を、80兆円増やした。
これからも、1年に70兆円から80兆円のペースで国債を買い切って、マネー供給を増やすことは、日銀の政策として確定している。

(2)ところが異次元緩和の1年目では、金融機関に増えた80兆円の現金が、国内の企業への融資の増加と世帯への貸付の、めざましい増加(80兆円)にはなっていない

このためマネー・ストック(企業と世帯の預金:M3)は、1183兆円と、前年比では2.8%(33兆円)しか増えていない。

(3)物価は2014年3月の消費者物価の上昇は、生鮮商品を含む総合で1.6%と、上昇に転じた。
生鮮食品を除いても1.3%上がっている。
しかし、この物価の上昇は、異次元緩和によって民需が増え、増えた需要が物価を上げる「デマンド・プル型」ではない。

20%から25%の円安で、輸入資源とエネルギーが20%上がったことによる「コストプッシュ型」のインフレである。
「コストプッシュ型」のインフレは、企業の収益を増やすものではない

電気料を上げた電力会社のように、円安の輸入で価格が上がったエネルギー費用となって、海外に、日本の所得が流出する、悪いインフレである。

政府が、異次元緩和の目的にした、「金融の異次元緩和→マネー・ストック増加→民間需要の増加→物価の上昇→商品を売る企業の収益の増加→働く人の平均賃金の上昇→需要の増加」という、好循環の経済サイクルではない。

金融の異次元緩和→円売り→円マネーの海外流出(相手は米国)→円安→輸入の資源・エネルギー・商品価格上昇→物価上昇→世帯の負担の増加」という所得流出という、悪いサイクルです。

(注)消費税の3%増税は、物価上上昇1.5%(14年3月)に追加で、4月から+2%(合計で3.5%)くらいの物価上昇を招きます。しかし、増税による物価上昇の2%分は、インフレ・ターゲットには含まれないものです。

▼評価

政府による自画自賛と、安倍内閣とともに、政府の広報紙風の記事が急に増えたマスコミの言うこととは違い、異次元緩和は、まだ政府・日銀が狙った、「2%のインフレ+1~2%の実質成長=名目GDPの成長3~4%」をもたらしてはいません
その気配も、認めることができません

(※ 一見2%のインフレだけがもたらされているように見えているかも知れないが、それは違う、円安による原材料とエネルギー高騰によるコストインフレである。
 国内勤労賃金上昇によるコストインフレは消費需要の伸びにつながるが、円安による原材料とエネルギー高騰によるコストインフレは国内の生産流通を冷え込ませ、資本の海外流出を増やすばかりである。
 結局、何も達成されていない。デフレ循環構造のままで物価上昇を招いているだけである。)

では、どうなるのか、これを、次号で追求します。
マネタリストが言うマネー・ストックの増加が物価を上げるというのは、高齢化した日本の、現代経済には合わないものかも知れないと感じています。

▼学説は常に、過去の経済のもの

世帯の預金(マネー・ストック)が増えても、商品需要は増えないのかも知れません。

企業もその預金(マネー・ストック)が増えても、将来の経済の低い成長を予測しているため、生産力の増加と販売力の上昇のための設備投資は行わないのかも知れない。
こういった「新しい現象」が、世界のどこの国も未踏の、日本経済で起こっているのかも知れません。

企業の預金が増えても、設備投資を増やさないというのは、経済学説にはない新しい現象です。マネタリズムは、この新しい経済の国(日本)には、適合しないのかもしれない。
学説は、新しい経済的な事実によって、修正されねばならないのです。

マネタリストではなく、「期待の経済学」を言うクルーグマンの「国際的な主流派」の経済理論にも、反することです。

【後記】
経済は過去の経済を研究して、そこから、理論化します。
このため、過去の経済とは違った要素が生じた現代経済には合わないという事態は、経済学説の歴史ではよく起こることです。
 (了)
奇抜な例えですが、チンパンジーに効いた医薬が、人間には効かないということはあり得ます。
病気の種類に、違いがあるからです
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