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もうすぐ北風が強くなる

CIA顧問により住民包囲、水、電気通信切断、報道排除、攻撃を進めるキエフ

スラビャンスク

   ウクライナのキエフ政権は米国の傀儡だが、東/南部の軍事制圧計画は米軍系RANDが作成していた  7/4 櫻井ジャーナル

 今年2月のクーデター以降、キエフの政権、つまりアルセニー・ヤツェニュク首相代行を中心とする「暫定政権」やペトロ・ポロシェンコを大統領とする現政権はアメリカ支配層の命令に従ってきた。
 いずれも傀儡政権ということだが、また新しい事実が指摘されている。東部や南部での制圧作戦は米軍系のシンクタンク、RANDコーポレーションが作成したプランに従って進められているのではないかというのだ。

 それによると、まず対象地域に住む人びとを「テロリスト」、あるいはその「シンパサイザー」だと考えて地域を軍隊で包囲して兵糧攻めにし、放送、電話、通信手段を断つことから始める。

 ドネツク州のスラビャンスクをクーデター政権は5月2日から攻撃を開始しているが、ロシアの撮影した衛星写真にはスラビャンスクの周囲を1万5000名以上のキエフ軍が包囲している。

 ついで、地上軍と航空機を組み合わせて戦略的に重要な施設を攻撃する「掃討作戦」が予定され、最後に電力や通信を復活させる手順。
 避難した住民が帰還する際、分離独立に賛成しているかどうかをチック、またこの間、外国のメディアを排除し、作戦の実態を知られないようにするともしている。

 実際の流れを見ると、4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問、14日にはアレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行が東部や南部の制圧作戦を承認
 22日にはジョー・バイデン米副大統領がキエフを訪問し、その直後から軍事力の行使へ急速に傾斜していった。

 ドイツでの報道によると、キエフにはアメリカ政府が送り込んだCIAやFBIの専門家数十名が顧問として駐在しているほか、アメリカの傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名がウクライナ東部の制圧作戦に参加しているとも伝えられている。

 バイデンがキエフ入りした時にキエフで開かれた会議でオデッサ攻撃について話し合われている。
 議長はアレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行が務め、アルセン・アバコフ内相代行、バレンティン・ナリバイチェンコSBU長官代行、そしてアンドレイ・パルビー国家安全保障国防会議議長代行が参加した。
 そのほか、オブザーバーとしてドニエプロペトロフスクのイゴール・コロモイスキー知事も加わり、意見を求められたという。
 このコロモイスキーは住民虐殺の黒幕とも言われているオリガルヒだ。

 そして5月2日、オデッサではネオ・ナチによって成立したクーデター政権を拒否する住民が虐殺されている。
 メディアは50名弱が殺されたと伝えられているが、ころは地上階で確認された死体の数で、地下室で惨殺された人を加えると120名から130名になると現地では言われている。
 5月9日には戦車がドネツク州マリウポリ市に突入、住民が殺された。9日はソ連がナチスに勝ったことを記念する戦勝記念日で、少なからぬ住民が街頭へ出て祝っていた。そうした人びとを攻撃したわけである。

 6月2日にはデレク・チョレット米国防次官補がキエフ入りしているが、その日にルガンスクの住宅街を空爆、住民を殺した。
 インターネット上にアップロードされた映像を見れば、空爆が行われた可能性は高い。
 欧州安保協力機構(OSCE)も空爆があったことを認めている。この当時、トゥルチノフ大統領代行は戒厳令を宣告したがっていた。

 この一方、ポロシェンコ政権軍はジャーナリストへの締め付けを厳しくしている。
 当初は入国の拒否、ついで拘束、拷問最近では殺害されるようになった。
 犠牲者の大半はロシア人だが、イタリア人ジャーナリストも殺されている。

 IMFが東部や南部を制圧するように求めているため、ポロシェンコ政権としても妥協は「民族浄化」せざるをえない状況。
 その前段階として一時的な停戦を宣告した。分離独立派に対し、武装解除と国外追放に応じることを求めるもので、降伏しろという最後通牒にすぎない。

 それを逆手にとって話し合いへ持ち込もうとしているのがロシア政府
 ロシア、フランス、ドイツ、ウクライナの外相が会談、新たな停戦の実現を目指している。
 アメリカ政府やウクライナのネオ・ナチは軍事的な制圧に執着、新しく国防相に就任したワレリー・ヘレテイはクリミアを軍隊で奪還すると語っているが、ポロシェンコ大統領は揺れている。

 1960年代前半、カーティス・ルメイのようなアメリカの軍人はソ連を先制核攻撃すれば完勝できると信じていたようだが、1970年代に登場したネオコンなど新しい好戦派も核戦争に勝てると信じているようで、だからこそ核攻撃に前向き

 集団的自衛権とはその好戦派と手を組むことであり、日本も核戦争の片棒を担がされるということだ。
 リビア、シリア、ウクライナなどの状況についてアメリカ政府の主張をそのまま流しているメディア、「リベラル派」、「革新勢力」が本気で集団的自衛権について考えているとは思えない。

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   スラヴャンスク ロシアTV第1チャンネル取材班 攻撃される  7/4 ロシアの声

3日ウクライナ東部で、ロシアTV第一チャンネルのジャーナリスト達が攻撃された。同TVが伝えた。

同TVのアレクサンドル・エフスチグネーエフ特派員と彼の同僚達が、スラヴャンスクでルポルタージュの撮影中、彼らが泊まっていたホテルが砲撃を受けた。
ジャーナリスト達によれば、彼らは幸い九死に一生を得、すでに半壊の惨状にあるスラヴャンスクを離れた。

すでにお伝えしたように、6月30日未明、ドネツクで同じく第1チャンネルの撮影カメラマン、アナトリイ・クリャン氏が攻撃を受け、腹部に重傷を負って亡くなった
 その前には、ルガンスク郊外で、迫撃砲攻撃により、Vestiのイーゴリ・コルネリューク特派員と全ロシア国営TVラジオのビデオ・エンジニア、アントン・ヴォロシン氏が死亡している。
 さらに5月には、イタリアのジャーナリスト、アンドレア・ロッケリ氏と彼の通訳アンドレイ・ミローノフ氏が、スラヴャンスク郊外で、やはり迫撃砲攻撃を受け亡くなった。

プーチン大統領は、ウクライナでは、戦場取材ジャーナリスト一掃に向けた攻撃が意図的になされていると見ている。
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   ロシアのTVジャーナリスト ルガンスクで負傷  7/2

ロシアRENテレビの撮影班が、東ウクライナ・ルガンスク州の対ロシア(ロストフ州)国境地区にある「イズヴァリノ」検問所付近で迫撃砲攻撃を受けた。

その結果、対ロシア国境から1キロの場所でデニス・クラガ特派員が負傷した。TV報道によれば、彼のすぐそばで、榴弾砲から発射されたと見られる砲弾が爆発した。
 彼は重度の打撲傷を負ったほか、現在何も聞こえない状態にある。
 一緒に働いていた撮影カメラマンも、打撲傷を負った。

RENテレビの取材班は、攻撃を受けた際、義勇兵達がスポッター(狙撃手を狙撃に専念させる為に、周囲の状況把握や命令伝達、場合によっては接近する敵の排除などを受け持つ観測手;ウィキペディアからの引用)を捜索している様子を撮影中だった。
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   ウクライナ南部・東部 政府軍のロケット弾砲撃で甚大な被害  7/4

自ら独立を宣言したドネツク人民共和国のイーゴリ・ストレルコフ国防相は4日、「スラヴャンスク近郊のニコラエフカ村は、ウクライナ軍により完全に包囲された」と伝えた。

ストレルコフ国防相は記者団に対し、次のように述べた―
「ニコラエフカ村は、迫撃砲や榴弾砲、ロケットランチャーによる一斉砲撃を受けた。それ以外にもウクライナ政府軍は、戦車を用いた。
 非常に多くの物が破壊された。3日には、村の温熱発電所が燃えた。」

一方スラヴャンスクのウラジーミル・パヴレンコ市長は「市内及び近接する住民居住地は4日再び、ウクライナ軍の砲撃にさらされた」と伝え「電気や水道は、市内全域で止まっている。市内と郊外に今残っているのは約6万人だ。その中には、子供や女性、老人もいる」と強調した。

2日及び3日、ウクライナ南部・東部でウクライナ軍が空爆を実施した事、また自走多連装ロケット・システム「スメルチ(竜巻)」を使ってクラスター爆弾を使用した事実が報告されている。

ルガンスク州評議会のワレーリイ・ゴレンコ議長は、ポロシェンコ大統領にメッセージを送り「ウクライナ軍によるルガンスカヤ大村(おもにコサック達が住む規模の大きな村)及びスターラヤ・コンドラショフカ村への攻撃で、一般市民12人が亡くなり数十人が負傷した」と伝えた。
 なおドネツク州のクラマトルスクでは2日「スメルチ」を使った砲撃で、少なくとも10人が死亡している。
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ドネツク

※ 自走式多連装ロケット砲は敵正規軍との塹壕戦で使うもの。市街や住宅地では非武装住民虐殺になる。
 クラスター爆弾などとんでもない。
 国際法違反である。
 もっとも世界最強のアメリカだけは、咎められても世界で住民虐殺にも使っているが。
 キエフによる住民攻撃は、かつてのシオニストによるパレスチナからのアラブ人追い出しと同じパターンを踏んでいる。
 もっとも無尽蔵の武力と兵站を前提にしたCIA顧問の作戦指揮が、ウクライナで通用するかどうかは不明である。
 レジスタンスと住民の背後には、極めて軍事に長じているロシアが付いている。
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