チャンスを失うウクライナ新政権:ロシアの声
2014-05-29

ドネツク国際空港上空で撃墜されたウクライナ軍機
ウクライナのポロシェンコ新政権は国民の安全と幸福への権利を奪い、平和へのチャンスを自ら捨てた。
選挙が終わった途端に総攻撃を始め、軍の他にネオナチの「国家親衛隊」と傭兵を先頭に大虐殺を開始した。
話し合いの機会は捨てられ、ウクライナ新政権はこの国を内戦の泥沼に引き込む方向であることがはっきりした。
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チャンスを失うウクライナ新政権 5/28
ウクライナ大統領選挙に託されていた望は叶わなかった。
ウイクライナでは国民対話の代わりに、南部・東部の特別作戦が強化され、多くの血が流れ、新政権の代わりに、クーデターで政権に就いたヤツェニュク氏が率いる「以前と同じチーム」が残った。
ロシアは、これがウクライナ情勢の解決を促進することはないと強調し、25日に実施されたウクライナ大統領選挙で当選を確実としたポロシェンコ氏に、大統領として、ウクライナの全国民の利益のために行動するよう呼び掛けた。
ウクライナ情勢を平和的に解決するチャンスは急激に少なくなっている。
現地のマスコミの情報によると、ウクライナ南部・東部では27日、軍人、義勇兵、一般市民およそ500人が死亡した。
負傷者の数は不明だ。おおよその数さえ分からないという。
ドンバスの病院は患者で溢れかえり、医薬品や医師が不足し、大勢の人が必要な援助を受けることができないために命を落としている。
治療を必要とする負傷者を別の地域へ搬送することも不可能だ。
なぜならキエフ政権は、包囲されている地域の子供たちのための「人道回廊」でさえ、設置拒否しているからだ。
ウクライナ軍司令部は現在、もっとも弱く、もっとも無力になることを目指しているかのようだ。
27日には、戦闘地域から負傷者を搬送していたトラック2台が空からの攻撃を受け、負傷者のほぼ全員が死亡した。
最近設立された、ウクライナ西部の超過激派組織のメンバーで構成されているウクライナ国家親衛隊は、犠牲者の数に触発され、義勇兵が搬送される医療施設を攻撃する意向を表明した。
ポロシェンコ氏は、南部・東部での軍事作戦は「数時間」で終わるべきであり、長く続くべきではないと述べた。
ロシアのラヴロフ外相は、ウクライナでは暴力が停止される代わりに、軍の動員が発表され、軍事行動が強化されていると指摘し、次のように語っている。
「ピョートル・ポロシェンコ氏は、国の団結を掲げて大統領選挙に立候補した。ポロシェンコ氏は、最初の訪問先はドンバスになると述べた。
現在ドンバスでは正真正銘の戦闘が行われている。そしてポロシェンコ氏自身は、軍事作戦を強化することで、この作戦を迅速に終わる必要があると語っている。
来るポロシェンコ氏の就任式までに、重火器を使用している軍、国家親衛隊、『右派セクター』やそれと似たような部隊などが、南部・東部で抵抗を鎮圧させたならば、ポロシェンコ氏は、勝利者としてドンバスを訪れることができるだろう。
だがこれが、ドネツク州でポロシェンコ氏が歓迎されるための良い条件をつくることは恐らくないだろう。」
ウクライナ政権の合法性は、再び疑わしいものとなった。
ウクライナ大統領選挙は、国際基準から程遠い条件の中で実施された。
選挙活動では重大な違反があったほか、南部・東部での軍事作戦が原因で、有権者の10パーセントが投票に参加しなかった。
だが一刻も早くウクライナの平和を回復するために、ロシアを含めた国際社会は大統領選挙を認め、ポロシェンコ氏と作業することに合意した。
だが、ポロシェンコ氏は、国際社会の善意や先払いされた資金に感謝していないように見える。
ポロシェンコ氏は国民和解ではなく、暴力をエスカレートさせる道へ進み、国を内戦へ向かわせている。
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OSCE使節団長 キエフ当局に対しウクライナ南部住民をテロリストと呼ぶのを止めるよう求める 5/27
欧州安保協力機構(OSCE)のウクライナ大統領選挙監視団長をつとめるジョアオ・ソアレシ氏は、キエフ当局と彼らに対立する地方当局双方に対話を呼びかけ、特にキエフ当局に対しては、ウクライナ南東諸州の住民を「分離主義者」あるいは「テロリスト」と呼ぶのを避けるよう求めた。
ソアレシ氏は「キエフ当局は南部・東部地域に対し一連の誤りを許してしまった」と述べ、次のように続けた―
「私にとって明らかなのは、あれら地域は、大きな自治権を手に入れるべきだという事だ。
そして最も肝心なのは、分離主義者と呼ばれるような人々とも、話し合いをする事だ。
中には彼らを『テロリスト』とさえ呼ぶ人たちもいる。
私は、そうした言葉を用いないよう求める。
全世界は、ネルソン・マンデラの偉大な例を思い出してほしい。
彼は、20年以上も『テロリスト』と呼ばれていたのだ。
しかしその後、刑務所から出ると、彼は文字通り次の日に、南アフリカの大統領に選ばれたのだった。」
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ドネツク上空 義勇兵 無人機を撃墜 5/28
リア・ノーヴォスチ通信によれば、義勇兵らはドネツク上空で無人機を撃墜した。
これは、ドネツク人民共和国当局がTwitterのマイクロブログの中で伝えたもの。
そこでは「マスコミ報道によれば、ドネツク中心部で銃声があり、それは義勇兵達が無人機を銃撃したものだった。無人機は撃墜された」と述べられている。
義勇兵達は、無人機に発砲したのは、ウクライナ軍の側から再開された軍事作戦に応えたものだと説明している。
28日朝、ドネツク上空には、ウクライナ空軍の戦闘機スホーイが現れた。その飛行目的については明らかにされていない。
同じ時ドネツク空港地区では、射撃音が聞こえたとの証言がある。
またドネツク人民共和国スポークスマンは、自分達が空港をコントロールしているとし、次のように伝えた―
「空港地区での銃撃は止み、義勇兵らがターミナルビルとその周囲をコントロール下に置いている。
上空には飛行機はない。義勇兵らは、バリケードを強化している。」
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