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もうすぐ北風が強くなる

米国の利益のため内戦泥沼化を図る新政権

ルガンスク
 5/28 投降したウクライナ軍兵士

以下はいずれも「ロシアの声」から
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   東ウクライナ・ルガンスク 急襲作戦後 政府軍兵士100人投降  5/29

建物の中にはまだ、政府軍部隊の司令官が残っており、彼とは義勇軍の代表達が交渉中だ。テレビ
Life Newsが伝えた。


義務年限服役中の兵士達は、彼らの親族が、武器を置き投降するよう説得した。
先に伝えられたところでは、建物への急襲作戦の際の銃撃戦で、義勇軍のメンバー1人が死亡、2人が負傷、ウクライナ国家親衛隊の戦闘員1人もケガをした。

28日夕方ルガンスクで、義勇軍と部隊司令部との間で衝突があり、大口径の武器も使用された。なお部隊の建物の車寄せはすべて、封鎖されている。
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   東ウクライナ・ルガンスク 義勇軍 国家親衛隊部隊をコント ロール下に 5/29

ウクライナからの離脱を決め自ら独立を宣言しているルガンスク人民共和国のスポークスマンによれば、27日、交戦した政府軍部隊は、現在いわゆる「南部・東部軍」の完全なコントロール下にあり、人民共和国に従っている。


この政府軍部隊とは、ルガンスクのウクライナ国家親衛隊第3035部隊。人民共和国側の発表では、部隊が置かれていた場所は、義勇軍が占拠した。部隊司令部がどこに行ったのかは不明、そこには一人の兵士も残っていない、との事だ。
先に28日ウクライナ国家親衛隊は、夜襲により、義勇兵らは部隊が置かれた敷地にある兵舎などいくつかの建物を占拠したと伝えていた。
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スラビャンスク
 5/29 スラヴャンスク郊外で撃墜されたヘリ

    スラヴャンスク郊外 将軍以下ウクライナ軍人14名を乗せた ヘリ撃墜  5/29

スラヴャンスク郊外で、セルゲイ・クリチツキイ将軍を含め、ウクライナ軍人14名が戦死した。ウクライナ最高会議議長で大統領代行を務めるオレクサンドル・トゥルチノフ氏が伝えた。
全員、29日昼に義勇軍により撃墜されたヘリコプターに乗っていた。


トゥルチノフ氏は「『テロリストら』が、ローテーションのため軍人らを運んでいたヘリコプターを携帯式防空ミサイルシステム(MANPADS)を使って撃墜した」と伝える一方で「ウクライナ軍は、国の東部を戦闘員らから解放し、すべての罪人を罰するだろう」と約束した。
一方反キエフ派のヴャチェスラフ・ポノマリョフ・スラヴャンスク市長は、亡くなった軍人の遺体を親族に引き渡す用意があると伝えた。
 市長によれば、遺族から依頼があるまで遺体は安置所に保管される。
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   ウクライナ南東部での流血の大虐殺を支援する米国 5/29 A・イワノフ

今ウクライナ南東部の都市ドネツクの死体安置所は、遺体で溢れている。

ドネツク人民共和国義勇軍の何十人もの遺体以外に、一般市民のものも決して少なくない。
 彼らは皆、ここ数日、キエフ当局に忠実な軍隊・国家親衛隊・特務部隊らがドネツクに対し行った残酷な攻撃の犠牲者達である。

  人々は、銃撃、地雷の爆発、砲撃、戦闘機やヘリコプターから発射されたミサイルにより非業の死を遂げた。
 ロシアのあらゆるTVは、通りや死体安置所に横たわる遺体の無残な映像同様、ドネツクへのロケット砲攻撃の様子を伝えた。
 ウクライナ軍部隊は、負傷者も容赦せず銃撃した。
 先日独立を宣言したドネツク人民共和国当局の発表によれば、市内は弾丸の跡だらけとなり、病院へ負傷した義勇兵を運んでいた2台のトラックがウクライナ空軍の空対地ミサイル攻撃を受け、そのうち1台が爆発炎上し、およそ35人が死亡した。
 地元の老婦人達は、ロシアのジャーナリストのインタビューに対し「こうした獣じみた残虐行為は、1941年から43年のドイツ占領下でさえなかった」と述べている。

 ドネツクの様子を欧米のTVが 伝えたのかどうかは分からない。
 しかし、恐らく国連事務総長は、ウクライナ軍が「反テロ作戦」を隠れ蓑に行っていることについて信頼すべき情報を受け取ったようで、キエフ当局に対し、そうした暴力行為を止めるよう求めた
 しかし、大統領選挙での「チョコレート王」ペトロ・ポロシェンコ氏の勝利後、ますます自分達は合法的な政権だと感じているウクライナ当局は、多分そうするつもりはない
 ポロシェンコ氏は、南部・東部での秩序確立作戦は、急速にかつ断固たる決意で行われるだろうと述べた。
 彼は、抵抗勢力の鎮圧を急ぐだろう。
 なぜなら、自分が全ウクライナをコントロールできている事を示すため、彼は、他ならぬドネツクで大統領宣誓式をするつもりだからだ。

 ドネツクで彼がどんなふうに迎えられるのかは、想像できる。 
 彼が2月末クリミアを訪問した時の事を思い出せばいいからだ。
 彼は、クリミア住民にキエフでのクーデターを支持するよう訴えにシンフェローポリに行ったのだが「ファシスト!」「クリミアから出て行け!」といった怒号を浴びせられた。そのため彼は早々に退散しなくてはならなかった。
 そんな彼が、ドネツクでもっとましな扱いを受けるなど、恐らくあり得ないだろう。
 特に、彼が大統領選挙に勝利した後、軍事作戦をストップさせなかったのみならず、それをかえって活発化させるよう命じた事を、皆知っているからだ。

 ポロシェンコ氏はただ、ワシントンの命令あるいは勧告を遂行しているにすぎないという可能性もある。
 彼らが、ポロシェンコ氏の人気上昇と当選に貢献した事は疑いない。
 米指導部は、キエフ当局が自国民に軍隊を使用する事に、何のやましさも感じていない
 昨年12月、米国のヘーゲル国防長官は、当時のヤヌコヴィチ政権が、警官隊に石や火炎瓶を投げ付け、大統領府の建物を占拠した「平和的なデモ隊」に対し、軍隊を使用しないよう執拗に警告した。
 しかしヤヌコヴィチ氏は、米政府にとって「他人」であり「親ロシア派」だった。
 ワシントンの論法は、ヤヌコヴィチ氏のやり方は「民主主義的でなく」自由を攻撃するものであるがゆえに、国の秩序確立のため、彼は軍隊を使用してはならないというものだった。
 もしデモ隊が、米国の利益のために行動しているのなら、彼らが武装戦闘員であろうと、分離主義者やファシストであろうと、銃を向けてはならぬというわけである。

 ポロシェンコ氏とキエフ当局は、そうした利益を擁護している。
 例えばつい最近、米国のバイデン副大統領の息子が、ウクライナの巨大民間ガス企業Burisma Holdingsの取締役会入りした
 それゆえ、今のウクライナのリーダー達は、米国の「不肖の息子達」であり、それゆえ彼らは、米国の友人や同盟者が打ち立てようとする秩序に対し反抗する国民を銃撃してもよいのだ。

 ポロシェンコ氏やキエフ新政権の他の人物達を庇護する米国人達に、オデッサやドネツクでの何十、何百の犠牲者の話をしても、彼らの良心がそれに応えることはない
 無駄である。
 米政府は、犠牲者の事を知らないわけではない。
 旧ユーゴスラビアやアフガニスタン、イラク、リビアあるいはつい最近ではシリアに米国の「民主主義」が輸出されたさい、どれだけの命がその代償として支払われたか、よく知られている。
 しかし米国務省のサキ報道官は、愛らしい笑みを浮かべながら「何も恐ろしい事は起こっていない」と飽かずに繰り返している
 「公正かつ透明な選挙で選ばれたポロシェンコ氏には、ウクライナを安定化させるために努力を傾ける権利があり、米国は彼のそうした仕事を支援するだろう」―そう彼女は述べている。

 この評論を終えるにあたり、そうした努力の成果が、キエフ当局や米国が期待しているようなものとは全く違ったものになる可能性がある、そう申し述べておきたい。
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チャンスを失うウクライナ新政権:ロシアの声

ドネツク
 ドネツク国際空港上空で撃墜されたウクライナ軍機

 ウクライナのポロシェンコ新政権は国民の安全と幸福への権利を奪い、平和へのチャンスを自ら捨てた。
 選挙が終わった途端に総攻撃を始め、軍の他にネオナチの「国家親衛隊」と傭兵を先頭に大虐殺を開始した。
 話し合いの機会は捨てられ、ウクライナ新政権はこの国を内戦の泥沼に引き込む方向であることがはっきりした。
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   チャンスを失うウクライナ新政権  5/28  

ウクライナ大統領選挙に託されていた望は叶わなかった。
ウイクライナでは国民対話の代わりに、南部・東部の特別作戦が強化され、多くの血が流れ、新政権の代わりに、クーデターで政権に就いたヤツェニュク氏が率いる「以前と同じチーム」が残った。


ロシアは、これがウクライナ情勢の解決を促進することはないと強調し、25日に実施されたウクライナ大統領選挙で当選を確実としたポロシェンコ氏に、大統領として、ウクライナの全国民の利益のために行動するよう呼び掛けた。

ウクライナ情勢を平和的に解決するチャンスは急激に少なくなっている。
現地のマスコミの情報によると、ウクライナ南部・東部では27日、軍人、義勇兵、一般市民およそ500人が死亡した。
負傷者の数は不明だ。おおよその数さえ分からないという。
ドンバスの病院は患者で溢れかえり、医薬品や医師が不足し、大勢の人が必要な援助を受けることができないために命を落としている。

治療を必要とする負傷者を別の地域へ搬送することも不可能だ。
なぜならキエフ政権は、包囲されている地域の子供たちのための「人道回廊」でさえ、設置拒否しているからだ。
ウクライナ軍司令部は現在、もっとも弱く、もっとも無力になることを目指しているかのようだ。
27日には、戦闘地域から負傷者を搬送していたトラック2台が空からの攻撃を受け、負傷者のほぼ全員が死亡した。
最近設立された、ウクライナ西部の超過激派組織のメンバーで構成されているウクライナ国家親衛隊は、犠牲者の数に触発され、義勇兵が搬送される医療施設を攻撃する意向を表明した。
ポロシェンコ氏は、南部・東部での軍事作戦は「数時間」で終わるべきであり、長く続くべきではないと述べた。
ロシアのラヴロフ外相は、ウクライナでは暴力が停止される代わりに、軍の動員が発表され、軍事行動が強化されていると指摘し、次のように語っている。

ピョートル・ポロシェンコ氏は、国の団結を掲げて大統領選挙に立候補した。ポロシェンコ氏は、最初の訪問先はドンバスになると述べた。
現在ドンバスでは正真正銘の戦闘が行われている。そしてポロシェンコ氏自身は、軍事作戦を強化することで、この作戦を迅速に終わる必要があると語っている。
来るポロシェンコ氏の就任式までに、重火器を使用している軍、国家親衛隊、『右派セクター』やそれと似たような部隊などが、南部・東部で抵抗を鎮圧させたならば、ポロシェンコ氏は、勝利者としてドンバスを訪れることができるだろう。
だがこれが、ドネツク州でポロシェンコ氏が歓迎されるための良い条件をつくることは恐らくないだろう。


ウクライナ政権の合法性は、再び疑わしいものとなった
ウクライナ大統領選挙は、国際基準から程遠い条件の中で実施された。
選挙活動では重大な違反があったほか、南部・東部での軍事作戦が原因で、有権者の10パーセントが投票に参加しなかった。
だが一刻も早くウクライナの平和を回復するために、ロシアを含めた国際社会は大統領選挙を認め、ポロシェンコ氏と作業することに合意した。
だが、ポロシェンコ氏は、国際社会の善意や先払いされた資金に感謝していないように見える。
ポロシェンコ氏は国民和解ではなく、暴力をエスカレートさせる道へ進み、国を内戦へ向かわせている
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  OSCE使節団長 キエフ当局に対しウクライナ南部住民をテロリストと呼ぶのを止めるよう求める 5/27 

欧州安保協力機構(OSCE)のウクライナ大統領選挙監視団長をつとめるジョアオ・ソアレシ氏は、キエフ当局と彼らに対立する地方当局双方に対話を呼びかけ、特にキエフ当局に対しては、ウクライナ南東諸州の住民を「分離主義者」あるいは「テロリスト」と呼ぶのを避けるよう求めた

ソアレシ氏は「キエフ当局は南部・東部地域に対し一連の誤りを許してしまった」と述べ、次のように続けた―
「私にとって明らかなのは、あれら地域は、大きな自治権を手に入れるべきだという事だ。
 そして最も肝心なのは、分離主義者と呼ばれるような人々とも、話し合いをする事だ
 中には彼らを『テロリスト』とさえ呼ぶ人たちもいる。
 私は、そうした言葉を用いないよう求める。
 全世界は、ネルソン・マンデラの偉大な例を思い出してほしい。
 彼は、20年以上も『テロリスト』と呼ばれていたのだ。
 しかしその後、刑務所から出ると、彼は文字通り次の日に、南アフリカの大統領に選ばれたのだった。」
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   ドネツク上空 義勇兵 無人機を撃墜  5/28
 
 リア・ノーヴォスチ通信によれば、義勇兵らはドネツク上空で無人機を撃墜した。

これは、ドネツク人民共和国当局がTwitterのマイクロブログの中で伝えたもの。
 そこでは「マスコミ報道によれば、ドネツク中心部で銃声があり、それは義勇兵達が無人機を銃撃したものだった。無人機は撃墜された」と述べられている。
義勇兵達は、無人機に発砲したのは、ウクライナ軍の側から再開された軍事作戦に応えたものだと説明している。

 28日朝、ドネツク上空には、ウクライナ空軍の戦闘機スホーイが現れた。その飛行目的については明らかにされていない。
 同じ時ドネツク空港地区では、射撃音が聞こえたとの証言がある。

またドネツク人民共和国スポークスマンは、自分達が空港をコントロールしているとし、次のように伝えた―
「空港地区での銃撃は止み、義勇兵らがターミナルビルとその周囲をコントロール下に置いている。
 上空には飛行機はない。義勇兵らは、バリケードを強化している。」
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軍の攻撃で100人死亡、本格化した内戦の挑発

ドネツク住民
 ドネツク住民 

 ウクライナを内戦の泥沼にしてロシアを引きずり込もうとする、米国の挑発行為が本格化し始めたようだ。
 軍事力で制圧したいわゆる「選挙」で当選したと称するポロシェンコは、口先のみで誰も信じない「ロシアと対話」などというと同時に南東部への侵攻を再開した。

 いずれも「ロシアの声」による。
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   ウクライナ南東部ドネツク 医療関係者動員令発令  5/27

26日、地元義勇兵とキエフ当局の軍及び治安部隊との間で戦闘が起きたウクライナ南東部のドネツクでは、医療関係者全員が緊急動員された。27日、イタル-タス通信が伝えた。

 数時間前、ドネツク市内でも戦闘が起った。戦闘行為が続く地区を、警察隊が包囲したが、治安諸機関の職員ら自身、それに巻き込まれないよう警戒している。彼らは、自動小銃ではなくピストルのみで武装している。
ドネツク国際空港地区では昨日一日中、戦闘が続いた。
 TV「ロシア24」によれば、義勇軍は、ウクライナ軍のヘリコプター2機の撃墜に成功、空港の建物をコントロール下に収めた。
 ドネツクでの軍事衝突の結果、市の複数の病院に15人が運び込まれた。州の保険医療当局によれば、死者も出ている。
26日から27日
 にかけての深夜、ドネツクでは負傷した義勇兵を乗せたトラックが攻撃を受け、 少なくとも24人が死亡した。現場に居合わせたペテルブルグのTV「5チャンネル」のレオニード・ムラヴィヨフ特派員は「トラックは、擲弾筒で攻撃され、乗っていた全員が死亡した。24人いた。
 そのうちの1人を助けようとしたが、彼は私の前で息絶えた」と伝えている。
(※ 負傷兵を乗せたトラックに擲弾筒を投げ込む。・・・・・・・・・意図的な虐殺行為であり、ネオナチか傭兵による重大な「虐殺挑発」。)
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   ドネツク人民共和国 死者およそ100人と発表  5/27

27日、ウクライナ南東部で現キエフ当局からの離脱を求め自ら独立を宣言したドネツク人民共和国のアレクサンドル・ボロダイ首相は、ブリーフィングで「ウクライナの軍及び治安部隊が地元義勇軍に対し作戦を展開中のドネツクでは、衝突の結果、およそ100人が死亡した」と伝え、次のように続けた―

「我々は、50人以上の義勇兵を失った。特に多くの犠牲者がでたのは、空港近くの戦闘地から負傷者を運んでいた2台のトラック「カマス」に対するウクライナ軍の攻撃だった。」
 なお消息筋が確認したところでは、さらに約50人の一般市民が、ウクライナ軍による義勇兵掃討を目的とした一般住宅への銃撃、砲撃により死亡した。
 一方ウクライナ側は、義勇軍(現ウクライナ当局の表現ではテロリスト集団)の人的損失は、少なくとも200人と発表している。
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   ドンバス炭鉱 無期限スト発表  5/27

ドンバス炭鉱の労働者達は、ドネツク州からのウクライナ軍部隊撤退を要求し、無期限ストライキに入ると発表した。

イタル-タス通信記者に、ウクライナからの離脱を求め独立を宣言したドネツク人民共和国石炭産業省のコンスタンチン・クズィミン第一副大臣が伝えた。

現時点では、ドネツク上空をウクライナ軍の戦闘機が飛行している。市の中心部は比較的平穏だが、多くの商店、銀行、カフェなどは営業していない。
 公共交通機関は、状況により運行したりしなかったりの状態だ。

手元にある情報によれば、ドネツク市民に対し、3時間以内に希望者はすべて町を離れるよう警告が出された。
 しかし現在のところ、市民が積極的に町を離れる様子はない。
 ドネツク人民共和国スポークスマンは、近くウクライナ軍によるドネツク急襲作戦が開始されると見ている。
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   ウクライナでは米国の傀儡が次期大統領に当選したが、その直後に東部の空港を空爆、住民に死者  5/27 櫻井ジャーナル

 ウクライナで大統領選挙が実施され、「チョコレート王」、あるいは「チョコレート・マフィア」と呼ばれているペトロ・ポロシェンコが勝利した。
 投票日の前日にアメリカの「オブザーバー・グループ」を率いてウクライナ入りしたマデリーン・オルブライト元国務長官と会談したユリア・ティモシェンコ元首相をアメリカ政府/ネオコンは望んでいたのだろうが、イスラエル系オリガルヒのポロシェンコもアメリカ支配層の傀儡であることに変わりはない。

 新しい政権ができてもIMFの融資に絡んで緊縮を強要されることは確実。庶民の生活が悪化することは避けられず、不満が高まるだろう。
 また、東南部を制圧することをIMFは要求しているわけで、内戦になる可能性は高く、戦火が全土に広がるかもしれない。

 現在、EUがアメリカから自立することをロシアは願って軍事力の行使は自重しているようだが、欲ボケしたEU幹部の暴走が続けば、どこかの時点でNATOとロシアの軍事衝突になる。
 そのとき、ロシアが戦場をヨーロッパ/ロシアに限定するとは限らない。だからこそ、欧米では世界大戦の勃発を恐れる声が出ているのだ。

 ウクライナのクーデター政権は様々な条件をつけて投票率を高く見せているようだが、ともかく選挙で「禊ぎ」を済ませ、ネオ・ナチを使ったクーデターでアメリカ/ネオコンは傀儡政権をでっち上げたいのだろう。
 傀儡政権への服従を拒否したオデッサにネオ・ナチを投入して住民を虐殺したというような「過去の穢れ」を選挙で洗い流したつもりかもしれないが、そうした禊ぎを東南部の住民やロシア政府が認めるとは思えない。

 選挙が終わるのを待ち、クーデター政権はドネツクの空港を戦闘機や攻撃ヘリで攻撃して住民に死者が出ている。
 東南部の住民を制圧する作戦をクーデター政権は再開したわけだ。
 中東や北アフリカでもアメリカ政府は自分たちが殺した人間を「テロリスト」や「戦闘員」だと表現するが、その多くは非武装の住民。ウクライナでも同じことをしている。

 そうはいっても、ウクライナの西部ではクーデター政権を支持する人も少なくないようだ。
 その背景には「EU幻想」がある。
 無邪気にもアメリカを自由と民主主義の国だと信じ、EUに加盟すれば「ブルジョア」になれると妄想している庶民もいるだろうが、クーデター政権に参加しているような「オリガルヒ(一種の政商)」や銀行上がりの人間、あるいはNATOやアメリカの特殊部隊と連携しているネオ・ナチの幹部などは違う。
 私腹を肥やせると考え、ロシアを破壊すれば略奪できると夢見ていることだろう。

 ウクライナの一部から憧れの目で見られているEUだが、その実態を知っている住民は反発を強めている。
 巨大資本のカネ儲けが絶対視され、0.01%の特権階級が富を独占、庶民は貧困化し、債務に縛られた人生を送る人も増えている。

 巨大資本の食い物になった国の典型がギリシャ(内容は前に書いたことなので、今回は割愛する)だが、旧ソ連圏の中ですでにEUへ入っている国々では一部の特権階級を豊かにするために庶民がこき使われる実態に失望、そうしたことが歌にもなっている。
 今回のEUの選挙でも庶民がEUに反発していることが明確になった。

 現在、EUを動かしているのはヨーロッパの貴族階級にほかならない。
 貴族は長年、政略結婚を繰り返してきたため親戚は全ヨーロッパに広がり、統一されたヨーロッパは彼らにとって自然なことだろう。

 (※ 北風注:国際金融資本と欧州金融寡頭勢力については「9.11の謎、ユダヤ人と国際金融資本」。及びその末尾にある関連ページのリンクを御覧ください。)

 近年になってヨーロッパ統一の動きが出てきたのは1922年のこと。ブリュッセルを拠点とした「汎ヨーロッパ連合(PEU)」がオットー・フォン・ハプスブルク大公らによって創設されたのである。そのメンバーにはウィンストン・チャーチルも含まれていた。

 そのチャーチルは第2次世界大戦後、1948年に「ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会(ACUE)」の設立に協力している。
 名称からわかるように、この組織はアメリカ主導で作られた。委員長にはアメリカの戦時情報機関OSSの長官だったウィリアム・ドノバンが選ばれている。副委員長は戦後の情報/破壊活動を指揮したアレン・ダレス。ドノバンとダレスはウォール街の大物弁護士でもある。

 ACUEとはアメリカがヨーロッパを支配するために創設した組織だが、そこで重要な役割を果たしたひとりがポーランド生まれのジョセフ・レティンガー。アベレル・ハリマンやデイビッド・ロックフェラーといったアメリカの資本家を後ろ盾にしていた人物で、欧米支配層の利害調整機関とも言われているビルダーバーグ・グループの創設でも中心的な役割を演じた。この動きはNATOの創設と連動している。

 本ブログでは何度も書いたことだが、NATOはソ連との戦いに備えるだけでなく、「西側」の左翼を潰すことも重要な役割だった。その役割を果たしているのが「NATOの秘密部隊」だ。

 こうしたアメリカの動きにフランスのシャルル・ド・ゴール(NATOの秘密部隊に命を狙われたことは本ブログで何度か書いた)は反発していたが、ソ連が消滅した1991年になると、フランスのフランソワ・ミッテラン大統領とドイツのヘルムート・コール首相が「西ヨーロッパ連合(WEU)」の実現を訴えている。
 外交と軍事政策を統合し、「ユーロ軍」を創設しようともしていた。
 勿論、アメリカは激しく反発、このプランは潰されてしまった。
 ヨーロッパのための統一は消え、アメリカのための統一が残ったと言えるだろう。
 そのひとつの結果として、EU各国の首脳はアメリカの操り人形と化している。

 ウクライナのクーデターもこの延長線上にある。
 すでに足下が崩れ始めているアメリカだが、NATOを使ってロシア、中国、イランなど服従を拒否している国々を軍事力で倒して世界の覇者になろうとしているわけだ。
 アメリカは日本を拡大版NATOへ組み込む腹づもりのはずで、だからこそ集団的自衛権を安倍晋三政権は主張している。
 つまり、核戦争の準備だ。
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ドネツク
 ドネツク州義勇兵
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