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もうすぐ北風が強くなる

孫崎3/13インタビュー岩上:異例な米国日本支配とウクライナ

ウクライナ軍
 ウクライナ軍はネオナチ国防相に従うか?給料遅配と死傷の保障もなしに?

   孫崎「日本の占領体制は、世界的にみても異例なんです」:岩上安身氏  3/19 書き起こし「晴耕雨読」氏から


冒頭、孫崎享氏がテーブルの上に飾った本を紹介。

一冊は岩上安身・澤藤統一郎・梓澤和幸共著の『前夜~日本国憲法と自由民主党改憲草案を読み解く』。
もう一冊は、孫崎氏の近刊『小説外務省』。

孫崎「まず岩上さんの本の宣伝をすると、私の『小説外務省』の宣伝もしやすい(笑)。
テーマは尖閣問題がなぜこんなに緊迫したのか。
中国だけでなく、アメリカも日本も仕掛けたことを、34歳の主人公が探す」

孫崎「主人公のモデルは私(笑)。
もうひとつのテーマは、今の日本で真実を追究しようとするともの凄い圧力がかかる。
そのような流れがある中、外務省全体で隠そうとするとどうなるのか」

孫崎「だから尖閣の事実関係を知ってほしいということと、事実を話すことが難しくなっている日本の社会で、34歳の孫崎享がどう生きていくか」

岩上「私小説なんですね」

孫崎「そう(笑)」

岩上「実在の人物が出るという」

孫崎「『オフィスに行くとプロレスラーのような人が出てきた。岩上安身である』」

岩上「『プロレスラー』って言うのやめてください(笑)」

岩上「マック赤坂さんが橋下さんのタウンミーティングで発言しようとして、プロレスラーのような人物に羽交い締めにされた事件があったばかりです(苦笑)」

孫崎「選挙に立候補していて暴力沙汰が出てくるとは日本の民主主義の危機ですよ」

孫崎「こういうことが起こっているにもかかわらず、朝日も報じてないんですよ」

岩上「中継動画があって、みんな知っている。番記者は現場にいた。
日経記者はマック氏に対して、逆に抗議さえした」

孫崎「選挙の中で、こういう暴力沙汰が出てくるというのは民主主義の危機ですね」

岩上「悪いことした気がないんですね」

岩上「二人のうちの一人は検挙されたそうです。逮捕ではなく任意で事情聴取。
この時に体を押さえ込まれているときに日経の記者が赤坂氏に文句を言った。おかしいと思いませんか?」

孫崎「選挙戦の中で立候補している人間を暴力で威圧し、それを報道しないというおかしさ

孫崎「本題に入る前にひとつだけ
都知事選で舛添さんの得票率が猪瀬さんの48%でほとんどすべて収まっている。
人為的な操作があるのではないか


岩上「不自然ですが、どのような操作があったと考えられるのか。
都区部の得票数を一律に操作するなら、最後の集計の数字を改ざんしているとしか思えない。どうやってその仮説を検証するのか難しい。
票の数え直しを裁判で求めるしかないのではないか」

孫崎「法律家の話によれば、過去は票の数え直しを求める裁判が提訴されたことがあるが、裁判所が票の数え直しを命じた判決はないという。
日本に民主主義は存在するのか、という大問題

岩上「本題に入りまして、ウクライナの政変について。
これは第一幕と第二幕に分けて考える必要があると思う。
第一幕は昨年11月、EUとの協定を見送ったヤヌコビッチ大統領への不満が高まり、首都キエフに民衆が集まって3ヶ月にわたる抗議行動が行われその結果、銃撃戦も起きて死傷者が出て、ヤヌコビッチはキエフを脱出、反政権側が権力を掌握するまでが第一幕」

岩上「第二幕はその後、ロシアのプーチン大統領がロシア系住民が過半数を占めるウクライナ南部のクリミア半島をおさえ、黒海艦隊の基地を確保したところまで。これに対しウクライナだけでなく米国が猛反発して、緊張が高まっています」

孫崎「ウクライナ政変の第一幕が意味するところは、ヤヌコビッチという選挙で選ばれた大統領が、デモで倒されたということ。ヤヌコビッチは親ロシア派」

「この流れは、欧州とアメリカは知っている。ウクライナの次の指導者を誰にするのがいいか、アメリカ国務省のヌーランド国務次官補とパイアット駐ウクライナ大使が会話をしている内容がすっぱ抜かれて表に出た

孫崎「ヤヌコビッチ政権を倒す時点でヨーロッパとアメリカがすでに関与しているということが非常に重要なポイント

孫崎「外務省にいてイランを見てきたが、世間は民衆が政権を倒せば、民衆に正義があると思っている。
ところが、民衆のデモというのはきわめて頻繁にアメリカあるいはイギリスに支援されている側面がある」

岩上「それは民衆のデモを利用するということですか?」

孫崎「いや、もっとコミットしています
イランでは1951年にモサデク政権という欧米から独立する政権ができた。それが百田さんの『海賊と呼ばれた男』につながっていくのですが」

孫崎「独立をするとイランは石油の輸出ができない。そこへ日本の出光が買いにいく。欧米とは一線を画した、独自の関与を日本はしてきた。そこで欧米はモサデク政権を倒すためにデモを使う。デモで騒乱状態を作りそこに軍が入る」

孫崎「モサデクはリベラル。治安部隊は米英とつながっていて、モサデクを排斥したい。彼らが騒乱をあちらこちらに作り出し、その後で軍が入っていって、モサデクを排除した」

岩上「欧米と気脈を通じた治安組織が存在した」

孫崎「治安組織に利用された形で民衆が動く。
その民衆の騒擾を利用しながら、筋書き通りに事を運ぶ。
このモサデク事件を米英が仕掛けたことに反論を試みようとチャレンジする人はいない。定説化している


岩上「それでシャー・パーレビが出てきた。これは親米政権でしたが」

孫崎「シャーは途中で言うことを聞かなくなった。石油の価格が上がって強気になり、俺は世界のNo.5になると言った」

岩上「No.5というのはお金ではなく、権力を持つということ?」

孫崎「世界第5の大国になるということ。
シャーを潰すときには、いわゆる人権派が騒ぎだした。イランには人権がないと」

孫崎「これを後ろから支援する形で、まずデモが起こり、アメリカと通じる軍と治安警察は鎮圧に行かない。シャーは潰れた

岩上「その後にホメイニが出てきた。つまり、アメリカはホメイニを呼び込んだことになった」

孫崎「そう。実はCIAとホメイニは通じていた

岩上「それはびっくりですね」

孫崎「アメリカはホメイニを低く見ていた。しょせんイスラム教の坊さん、政治はやると思っていなかった。アメリカはパリで接触していた。
でもホメイニ一派はすごい。権力をとったあと統治していく」

孫崎「面白いのは、アメリカは倒すことはできるが、その後に親米政権を築けない。そんなことを繰り返している

岩上「その中の唯一の成功事例は、日本の自民党じゃないですか」

孫崎「そうですよ。日本の場合は占領期間があったということが重要
占領期間の間に米国の意に沿う組織が作られてしまった
たとえば大学は本来は中立的で自治があるが、『アメリカ学会』が作られ、アメリカに協力する学会となった。これはもう学会じゃない」

孫崎「経済界では経済同友会が作られる。
大企業の役職についたサラリーマン経営者中心の経団連と違い、同友会のメンバーは固定され、日本をコントロールしていく。
1945年から51年までのあいだに日本社会を構築できた。これが非常に大きい」

岩上「イラクは正面からアメリカに戦争を仕掛けられ、戦争をし、敗北し、占領された国です。
しかし、日本の戦後エスタブリッシュメントのように柔順ではなかったですね」

孫崎「2004年か5年にイラクの石油大臣が『アメリカをずっと置いておくつもりはない』と言っている。米国兵の犯罪をイラク側が裁判すること、これは最後まで譲らなかった。
それで米国は出て行った


岩上「治外法権を認めさせるというのは、占領する上で重要な手段なんですね。
日本の場合は、日米地位協定によって今に至るまで米兵の治外法権が認められている」

孫崎「私は普天間問題をやっているときにドイツのことも勉強するべきだったと悔やんでいる。敗戦国ドイツにも米軍が駐留している」

孫崎「ドイツでは、自分の国の法律に従わせることになっている。
ドイツの利益が、駐留米軍がいることの利益より大きいとみたときには、撤兵を主張できる」

孫崎「沖縄に当てはめれば、普天間に米軍がいることの利益より、沖縄県民が受ける被害が大きいと撤兵を主張できた

岩上「そういうことが条約に書き込んであれば、日本も撤兵を主張できた」

孫崎「書き込んでないとしても、同盟国同士はこの原則でやれるのではないか。ドイツと同じ形で攻めることはできたはず。当時は勉強不足でできなかった」

孫崎「日本の占領体制は、世界的にみても異例なんです」

岩上「子ブッシュが小泉首相に、こういうことがどうして他の国とできないのか、と話したとされますね。日本のような占領属国モデル」

孫崎「日本モデルがなぜイラクでできないのか、とも言われた」

岩上「治外法権のことも大きかったし、あるいはイラク人の独立に対する気概が違っていたんでしょうね」

孫崎「ドイツと日本が違うのは、敗戦後、日本政府はなくならなかったが、アメリカの言うことをそのまま受けいれる前提で、存続した
ドイツは国がなくなった。4つの占領地区に対応する政府がなかった
そこから独自に国づくりを考え、考えた人たちが政権をとった」

孫崎「イスラム社会でも最近革命が起きた。
2、3年前、米国務省がアラブ社会の若者を呼んで、二つのことを教えている。一つは革命を起こすためにツイッターがどう利用できるか。
そしてツイッターをやりながら社会革命を起こすこと

孫崎「エジプトの政権も崩壊させられたときも、民衆がコントロールする社会を作ることで、アメリカの利害には反している状態だった。
しかし今、軍事政権がコントロールしている状況をみれば、革命のようなものを起こして米国には都合がよかった

孫崎「シリアのアサド政権を潰さないといけないのは、シリア経由でパレスチナへの支援が、お金であれ武器であれ、運ばれる。イスラエルにすればこの拠点をつぶせば安泰

孫崎「イラクも同じ。ヨルダンにつながるのがイラクであり、シリアなんです。この政権が反米的、反イスラエル的なのは困る。それで、ひっくり返そうとしている」

孫崎「私がモスクワの大使館にいたとき、79年のオリンピックには西側が参加しなかった。
国威が落ちる
。世界から排除された政権になった。
今回はソチ五輪の開催中の政変。
ロシアはウクライナの政変に対応したら、ソチ五輪が吹っ飛びますね」

岩上「オリンピック開催がすごいステータスになってしまっている。すごい世界的なパーティのさなか、プーチンはテリトリーが侵食されることをこらえなければならなかった」

孫崎「予兆はあった。オバマや西側の首脳はソチの開会式に行っていない。プーチンがゲイの人権を認めない問題というのは関係ない。
今からみると、ウクライナのことだった。プーチンは歯ぎしりして政変を見ていただろう」

孫崎「そういうことを安倍首相は全く知らない(笑)」

岩上「安倍さんは知らないで行ったんですか?(笑)」

孫崎「起こっていることがわからないから平気で行ける(笑)」

岩上「森元首相の『真央ちゃん転んだ』発言は深謀遠慮、外交的目くらましなんじゃないでしょうか?(笑)」

孫崎「岩上さんは、森さんと安倍さんの強烈な支持者だということがわかりました(笑)」

岩上「ということは、外務省もぼんやりしてたのですか?」

孫崎「私は、独立を目指す国の外務省として、日本の外務省は死に体だと思っています」

孫崎「イラク戦争で説明したらわかる。イラク戦争で日本は自衛隊を派遣します。
大量破壊兵器がない。アルカイダとの結びつきがない。こんなのは情報を集めればわかる。
ドイツ、フランス、カナダが参戦しない


孫崎「もし外務省がその情報を小泉さんに上げたら、『よけいなことを言うな』ということになる。こういうことなんです。
アメリカ追随を基本原則にしたときに、全ての情報活動はやめるんです」

孫崎「外務省は変わったなと思ったのは。昔、柳谷謙介という外務次官がいた。
われわれは政治家とは違う専門家であると、自分の信念を貫く自負があった。彼は懐にいつも辞表をしのばせていた。1980年くらいの外務次官です」

孫崎「今を見ると、外交官僚から転じた小松一郎内閣法制局長官。『首相の言うことをやります』と。
彼は安倍首相の『番犬』というのはおかしい。ただの『犬』

孫崎「もう一人IAEAの事務局長の天野之弥氏。彼も事務局長に立候補したとき、『アメリカの言われる通りにすべてやります』と言っている」

孫崎「日本の高級官僚に、自分が物事を判断し、その判断を貫く、という考え方がなくなった。
国家であれば強いアメリカ、国内であれば力の強い首相、これの言われた通りにする。
これが実は『小説外務省』につながっていくんです」

岩上「外務省の元国際情報局長の岡崎久彦さん、孫崎先生の先輩ですけれども、アングロサクソンについていけばいいんだ、というのが持論。今では安倍総理の外交のご意見番ということになっていますよね」

孫崎「なっていると言ってました?」

岩上「日経新聞に大きな写真が出ました。金美齢さんのオフィスで、安倍総理のお仲間が集まって寿司をつまんでいる。隣に百田さんがいて」

孫崎「すごい写真がでましたね」

岩上「あの記事で安倍人脈図が詳しく描かれていました。
安倍人脈の中には『南京虐殺がなかった』とか『従軍慰安婦がでっち上げだ』とかいう、歴史修正主義的な極右がいる。その一方、米国従属の一派がある。その中で岡崎さんが外交指南役ということになっています」

孫崎「あれは日経が出したの? よくあんなものを出して」

岩上「批判するつもりがなかったのかもしれない。あれを出しても、何も起こらないと思っていたのでは。誰もぐらつかないと思っていますよ、たぶん」

孫崎「本題のウクライナの話に戻ると、重要なポイントは、ロシアは核大国だということ。
アメリカは基本的にはロシアとは戦争ができない関係になっている。核戦争は起こせない。
その他の地域においても基本的に合意がないと成立しない

孫崎「ソ連崩壊・冷戦終結期の1993年くらいにウズベキスタンにいたときにニア・ボーダー論というのがあった。旧ソ連の勢力圏には手をつけるなということをアメリカものんだと思います。
下手に手をつけると、核戦争になるから」

孫崎「ところが今、手をつけるようになってきた

岩上「孫崎先生もそう思いますか。同感ですが、そうした見方をする人が少ない。ロシアが攻め込まれているのは明らかなのに」

孫崎「要するに、国際情勢は長いスパンを見ないとわからない。
断片だけ見たら、逆になってしまう。
選挙で選ばれた人をひっくり返したんだから。
ロシアが侵略者の扱いになっている。オリンピックという行動の出来ない時期を狙って
ロシア人は反発します」

孫崎「ロシアの実力者は歴代ウクライナを押さえていた。フルシチョフもブルジネフも。ある意味でウクライナはロシアのテリトリーだったんです。
クリミアをウクライナに編入したのは、当時第一書記だったフルシチョフ」

孫崎「欧州もアメリカもクリミアのことを真剣に考えていない。
問題はこれからウクライナの分割がどうなるか。オデッサにはロシア系がいる。この辺がどうなるかが、今外交の一番大きな駆け引きになっている」

孫崎「そういう過去の歴史はアメリカも欧州も知っている。
ロシアへの制裁措置で、自分の利益に害が出るようなことはしない
アメリカは国全体として、ロシアに対し、ビザ発給停止や経済的封じ込めをしていない」

岩上「あと大きいのは天然ガスですね。ウクライナは天然ガスを供給しているロシアに対しガス代を滞納している。ウクライナを通じる欧州へのガス供給をとめかねない」

孫崎「シリア、イラク、イラン、北朝鮮、これらの関連でロシアが反対側に回ったら大変なことになるという認識がアメリカにはある」

岩上「なのに何でこんな冒険主義的なやり方で、ニア・ボーダーに手を出したのか?」

孫崎「オバマ政権下では、グランドデザインを考えられない人が、バラバラに力をふるっている
軍は勝手に軍で動くという状態。
対日政策も、軍産複合体の代理人のアーミテージみたいな人物が勝手にやっている」

岩上「しかし、ヒラリー声明も衝撃的でした。クリミアに進出したプーチンはヒットラーに等しいというむちゃくちゃなことを言っている。日本のメディアではヒラリーに同調する人が多い」

岩上「直近の第一段階で起きた事実として、アグレッシヴに関与するヌーランド国務次官補の存在がある。当初、キエフでのデモに平和的に参加する人たちもいた。政権への不満、生活向上の要求があったのだろうとは思います」

岩上「そこへ政党政治家が入る。さらに極右、右派が力を増し、ネオナチのシンボルを掲げる集団も加わった。
攻防戦が激しくなると、覆面、火炎瓶で武装した人が増えた。反ユダヤ主義も公然と口にしている。こういう人たちとヌーランドが写っている写真が出ている」

岩上「さらに、米大統領候補だったジョン・マケイン上院議員が『オレンジ革命』というNGOのトップ。マケインが右派セクターと会っている写真が出ている。
西側と気脈を通じた極右の存在がキーなんです」

孫崎「マケインというのは、キッシンジャーのように大局を見る人とは違う」

岩上「元軍人ですね。ベトナムで捕虜になって耐えたというのが売りの人。
アメリカの攻撃的な保守は、核の均衡を壊してまでロシアに対する最終勝利を望んでいるのではないか

孫崎「それはありえない、と言うかそういう戦略はとれない。キッシンジャー、マクナマラ、こういう人たちは、いくら米国が攻めても、ロシア、ソ連は危なくなったら、最後には核攻撃に踏みきることを理解していた

岩上「この理解の差は世代差ですか」

孫崎「現在、アメリカの大きな問題は、安全保障政策を立案しているシンクタンクが軍需産業から金をもらっていること。
だから彼らの理念は緊張を造り出していく理念

孫崎「それに対して、理性的にアメリカの利益を確保していく立場の論者は、安全保障分野に育たなくなっている

孫崎「キッシンジャーは大学教授。シンクタンクからはちゃんとした論客が出てこない。
今、アメリカの中枢に学者が入っていない。
シンクタンク経由になると、怖いグループになってしまう。日本のパイプになっているのも、みんなシンクタンク」

孫崎「今、安倍政権、興味深い状況。
安倍政権にはアメリカ追従と、戦後体制を変えたいグループの二つがある。これは軍事では一致していた。
これまで歴史の問題を出してこなかった。
ところが今は股裂になっている」

孫崎「安倍さん個人の周辺に集まって大きくなった極右を取り除けない。
菅さんが軌道修正できるかわからない。
話は違うが、あるヘッジファンドの大御所が来た。今回は安倍政権がもつかどうか聞きに来た。
日本の新聞は報じないから海外の安倍批判がわかっていない」

孫崎「安倍政権をいかにマスコミが作ったか、虚像を作った原因は日米関係
どの首相のパターンからも外れた、『絆ができた』といった別格の扱いを読売がし、日米関係が良好なのだと報道した。
現実は米国から冷たい扱いを受けている」

孫崎「オバマは安倍政権に最初からクエスチョンマークをもっています。週刊ポストが安倍さんとハッカビーと山口組の金庫番との写真を出した。
ハッカビーはマケインとも通じる南部の極端な福音主義者。
オバマからするとマケインみたいなのは政敵なんですよ」

孫崎「それから、アメリカでは政治家がマフィアとつながったら終わり。そうした情報が出るというのは、黄色信号。
オバマは最初から安倍さんを猜疑心で見ていると思うんですね」

孫崎「従軍慰安婦の問題に移ると、ニューヨーク・タイムズが日本は河野談話と村山談話を守らなくなると書いたが、政府は守るとした。
タイムズは主張を取り下げた。結果、現実的には政府はタガがはめられた

岩上「守らざるをえませんよ、と」

孫崎「だから、これから菅さんのようにアメリカとの関係をちゃんとやっていかなければ、というグループと、百田尚樹さんのようなグループとの葛藤がものすごく出てきますよ」

岩上「もう一度本題に戻して、ロシア、ウクライナの情勢を含めた今後はどうなりますか?」

孫崎「まずウクライナの経済がおかしくなり、社会全体が不安になります。
ロシアとの経済関係があって、今までのウクライナ経済が成り立っていた。
いきなり西欧の仲間入りができるわけではない

孫崎「ガス料金をロシアへ支払わなくなると、供給はストップ
それから、すでに財政危機で、余剰金のようなもので2、3ヶ月はもつが、ロシア系の多い東部や南部からロシアと一体となったほうがいいという話が出る」

岩上「確固たる民族的アイデンティティがない状況で、民族浄化が起きないか、怖い
ウクライナ西部は歴史的汚点として、反ユダヤ主義の揺籃の地でもあった。
この記憶があるところにネオナチが堂々と現れてきた

孫崎「経済社会の混乱が、そういうものの温床となる。収入の水準が月100ドルを割るということも。ロシアが経済支援を申し出るかもしれない。
今、西側が言っている言葉『ディ・エスカレーション』は、今後起こりうることを防ごうということ」

岩上「ウクライナの新政権はウクライナ語を公用語とし、ロシア語の使用を禁じる、措置をとった。ロシア語を日常言語にする人が不利益を被る。『ディ・エスカレーション』は西側ができることじゃないと思うんです」

岩上「他方、ロシアもウクライナ東部のハリコフやドネツクなどの大都市を回廊のように押さえないと、クリミアを維持し続けることはできないのでは」

孫崎「マケインのような外側から煽るだけの人は、ロシアやウクライナが混乱していていいと思っている」

岩上「これからは、『核の均衡』を越える通常兵器を注視していくべきと言っていました。そうすると『核の均衡』を崩せると本気で思いはじめる人が出てくるのかもしれない」

孫崎「『核の均衡』を意味する『相互確証破壊戦略』というのは、よく勉強しなきゃわからない。しっかり勉強した人がいないと、その価値がわからない」

岩上「マケインはスタローンが演じた『ランボー』のようなものですからね」

孫崎「言うべきではないが、捕虜経験が長い人は、どこか変わるんですよね。そういう人が中枢にいるべきでない。しかし、彼が共和党の安全保障の旗頭です」

岩上「この状態は続くと思いますか?」

孫崎「終わらない。ウクライナの社会、経済情勢が悪くなり、東と南部の旧ロシア系がどう動くか

岩上「混乱の中、ロシアの介入、それに対抗してNATOが介入しますか?」

孫崎「NATOは入れない。ロシアは入る

岩上「ウクライナの分割はありうる?」

孫崎「それに対抗する動きもある」

岩上「戦争はありますか?」

孫崎「それはないと思う。ぐしゃぐしゃを好む人がいる
オリンピックが重要な行事になっただけに、東京オリンピックが利用されるかもしれない。
オリンピックが政治を動かす一つのチャンスとなっている」

孫崎「まあでも、岩上さんが尊敬する石川県の森さんが会長ですから、大丈夫でしょう(笑)」

岩上「先生の故郷の大政治家じゃないですか(笑)」

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 ウクライナ政変関係

ウクライナの政変
ウクライナの政変はネオナチが支配した
ウクライナ、実体の無い民族主義
ウクライナ情勢、ロシアの声他
武装したウクライナ・ネオナチ
米英軍産複合体がネオナチを使った破壊工作
ヤヌコビッチはいまだ正当な政権、不当な偽政権
ロシア語市民への暴力は許さない、キエフは極右と縁を切れ
ラブロフ外「西欧はネオナチと手を結んでいる」
ロシアは戦争を否定、米国はネオナチと手を組む
破壊と略奪、無政府状態に向かうウクライナ
破綻するウクライナと賢明なロシア
プーチン3/4報道声明と質疑応答全文
ウクライナの略奪が始まる
ウクライナ、失墜する米国と強くなるプーチン:田中
「マイダン広場の司令部」がネオナチ武装部隊:ロシア大使
米国と闘うロシア、保有米国債を投げ売りした模様
ロシア5万人世論調査。圧倒的なクリミア編入支持!
プーチン3/18声明、クリミアとロシアの団結

 このブログ内の孫崎氏関連ページ。

尖閣(釣魚)事件(8)政権崩壊へ自滅か
世界通貨戦争(20)TPPは日米不平等条約
第一原発は既に「深刻な事故」のレベル
震災・原発の状況と孫崎氏
孫崎氏原発情報3/23
孫崎亨氏講演:領土問題と日米関係の事実
戦後米国支配とかいらいマスコミに鉄槌を」。
孫崎亨、岩上対談:原発と日米関係
孫崎亨、田中康夫対談「戦後史の正体」
孫崎享氏講演「戦後史の正体」
日中韓、緊張の先に:孫崎
世界経済変動の中のTPP
孫崎亨(対談)関岡、米国に物言えぬ政治家たち
日本の国境問題:孫崎
最後の対米自主派、小沢一郎:孫崎
一夜が明けて、マスコミに負けた日本
孫崎:事実を知らされない国民、日中対立と日米
日米地位協定という「暴力問題」とマスコミ
名実共に植民地とするTPP:孫崎(そもそも総研)
孫崎氏緊急インタビュー、マスコミ言論統制:岩上
孫崎5/2国会公述TPP、尖閣、集団自衛権
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踏みにじられた投票!舛添は各市区でピタリ猪瀬票×0.48

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プーチン3/18声明:クリミアとロシアの団結

プーチン

   【クリミア】住民投票でロシア編入へ~プーチン大統領声明要旨~  3/19  翻訳「ロシアぶろぐ」氏から

  クリミアとセヴァストーポリのロシア編入に関する条約に署名

ロシア大統領、クリミア首脳部、セヴァストーポリ市長が書類に署名した。
それに先んじて、ウラジーミル・プーチン大統領が連邦議会で登壇し、この決定の理由を説明した。
ウラジーミル・プーチン大統領声明の要旨をリア・ノーボスチ通信社が抜粋する。

  大統領声明の要旨

 クリミアの住民投票について

この問題は極めて重要な、歴史的意味を持っています。
3月17日、クリミアで住民投票が行われました。96%以上がロシアへの再編入を表明しました。
この数字は非常に驚くべきものです。

(※ もうすぐ北風:投票率は83.1%。うち96.8%がロシアへの編入に賛成。)


なぜこのような選択がなされたかを理解するためには、クリミアの歴史を知り、クリミアにとってロシアが、またロシアにとってクリミアがどのような意味を持ってきたか、そして今持っているかを知るだけで十分なのです。
クリミアでは、文字通り全てが私たちの共通の歴史と誇りに貫かれています。
クリミアは、様々な民族の文化と伝統が溶け合っている唯一無二のものなのです。

その点では、クリミアは、何世紀にもわたって一つの民族(エトノス)も消滅せず、溶け込むこともなかった大ロシアに非常によく似ているのです。
ロシア人とウクライナ人、クリミア・タタール人、その他の民族は、その独自性、伝統、言語、信仰を保ちながら、クリミアの地に並んで暮らし、働いてきました
クリミアは、人々の心と意識の中で、ロシアの分かちがたい一部であったし、今もあり続けています。

 クリミア・タタール人と言語について

確かに、クリミア・タタール人に対しては、ソ連の他のいくつかの民族に対するのと同様、激しい不公平の時代がありました。
一つ言えるのは、当時何百万もの異なる民族(ナショナリティ)の人々、何よりも当然ロシア系住民が、抑圧に苦しんできました。
クリミア・タタール人は自分の土地に戻りました。
クリミア・タタール人の復権のプロセスを完了させるような、あらゆる必要な政治的・法的決定がなされるべきだし、彼らの権利や名誉を完全に回復させるような決定がなされるべきだと、私は考えています。
これは彼らの共通の家であり、彼らの小さな故郷です。ロシア語、ウクライナ語、クリミア・タタール語といった、等しい権利を持つ3つの国家語がクリミアに存在するならば、それは正しいことです。

 クリミアをウクライナに編入したフルシチョフの決定について

クリミアはロシアの分かちがたい一部であったし、今もあり続けています。
その前では、時も、状況も、あらゆる歴史的変化も無力なのです。
1954年、クリミアとセヴァストーポリは共にウクライナに編入されました。主導者は共産党中央委員会フルシチョフ委員長個人です。
彼によって推進されたことは、歴史家たちの判断に委ねましょう。問題は密室の中、あらゆる憲法の規範を侵害して決定されました。
人々はただ事実の前に立たされたにすぎません。この決定は形式として受け入れられたということを、私たちは皆理解しています。
当時、ウクライナとロシアが別れるということなど考えられませんでした
劇的情勢の全て(ソ連崩壊―編集部注)を理解していた人は少なかったのです。
多くの人々はCISが国家の新しい形になると期待していました。共通の通貨、共通の経済圏が約束されていたのですから。

しかし、これは全て約束だと確かめられましたが、大国はなくなりました
そのとき、ロシアが感じたのは、ただ盗まれたのではなく、強奪されたということです。
しかし、ロシア自身もソ連崩壊を促進しました。
クリミアのことも、黒海艦隊基地セヴァストーポリのことも忘れられてしまったのです。
数百万のロシア人がたちまちに少数派の民族になりました。

数百万のロシア人が寝るときは同じ国だったのに、起きたら外国だったのです。
ロシア人は世界最大の分裂民族の一つとなりました。
今日、長年を経て、ほんの最近私が耳にしたのは、クリミアに住む人々が91年当時に、ジャガイモ袋のように手から手へと渡されたということなのです。
それに同意するのは困難です。

ロシア国家とは一体何なのでしょうか?そしてロシアは?
ロシアは頭を垂れ、抵抗をやめ、この屈辱を飲みました。
わが国は、当時非常に辛い状況にいたので、事実上、自己の利益を守ることができませんでした。
しかし、人々は許容できない歴史的不公平に屈することはできませんでした。
この年月を通じて、国民も、多くの社会活動家も、一度ならずこの問題を提起してきましたし、クリミアはロシア固有の地であり、セヴァストーポリはロシアの都市だと言ってきました。
確かに、私たちはそれをよく理解しており、心でも魂でも感じていますが、積み重なったレアリアから出発する必要があったし、もう新しい基礎の上に、独立したウクライナと善隣関係を築く必要があったのです。

 ウクライナ情勢について

政変の主な実行者となったのは、ナショナリスト、ネオナチ、ロシア嫌い、ユダヤ人排斥者です―
まさに彼らが多くの点で、今日も、今に至るまでウクライナの人生を決定しているのです。
彼らは一切立ち止まること無く、国家転覆を準備し、政権奪取を計画したのです。
壊滅的侵略、殺人、テロが行われ、その主力となったのがナショナリスト、ロシア嫌い、ユダヤ人排斥者です。
まさに今日、少数派民族の権利を侵害する、言語政策の見直しに関する法案が審議されています。
実際、資金提供者や後見人がすぐに彼らを制止しました。
彼らは賢い人々で、民族的に純粋なウクライナ国家建設の試みが何をもたらすかを理解しています。
法律の存在という事実自体が黙殺されていますが、バンデラの現代の手先が何をしようとしているかはすでに明らかだし、法に適った政権は今に至るまで存在しないということは明らかなのです。
(※ もうすぐ北風:バンデラとは、第二次大戦中ナチスと共にウクライナのユダヤ人虐殺を実行した極右党派。)

ウクライナの合法な政権は現在に至るまで存在していません。話すべき人がいません。
マイダンの戦士(ネオナチ武装部隊)の許可を得た者だけが何人かの大臣に面会できる
のです。
これは冗談ではありません。これは現代の現実なのです。

クリミアとセヴァストーポリの住民は、彼らの権利と生命を守ってほしいとロシアに呼びかけました。私たちは彼らの願いに反応せずにはいられなかったのです。
災難の中に放置することはできなかったのです。そうでなければ、裏切り行為でしょう。

 ウクライナとの関係について

私たちは国境の画定に合意し、事実上、法的に、クリミアをウクライナの領土と認めてきました。
私たちは黒海水域の境界画定といった山積した問題に関し、ウクライナに力を貸してきました。
ウクライナが私たちの良き隣人となり、ロシア語を話す国民が民主的な条件下で暮らし、彼らの法的な利益が保証されると見込んでいました
しかし、状況は異なる発展の仕方をしたのです。

ウクライナとの関係は私たちにとって重要であり、議論の行き詰まりを放置すべきではありません。
次々とロシアの歴史的記憶、時に言語をも奪う試みがなされてきました。
ロシア系住民は、他のウクライナ国民と同様、不変の危機に苦しんできました。
なぜウクライナの人々が変化を期待しているのか、私は理解しています。
それは、政権が彼らをそうさせたのです。本当に嫌にさせたのです。大統領、首相、議員は変わっても、自国の民族への態度は変わりませんでした。
彼らはウクライナを絞り上げ、金の流れをめぐって戦っていたのです。
その際、国民がどんな暮らしをしているか、ほとんど興味がありませんでした


私たちはウクライナと仲良くしたいし、ウクライナが強い国家であることを望んでいます。
私たちにはたくさんの共同計画があり、何が何でも、私はそれらの成功を信じています。
しかし、繰り返しますが、ウクライナ国民自身だけが、秩序をもたらすことができるのです。

 国際法について

ロシア連邦大統領は、軍隊を使用する許可を得ましたが、その権利を行使しませんでした。
確かに、軍の強化を行いました。クリミアは、国連憲章に基づき独立を宣言しました。
ところで、ウクライナ自身、ソ連からの離脱を宣言したとき同じことをしたのです。
ウクライナはこの権利を行使したのに、クリミア住民には許さないのです。
なぜでしょうか?
コソボの前例にも基づいています

一方的な独立宣言の禁止に関しては、国連安保決議から結論は出ていません。
その他に、国際的な慣例は独立宣言の禁止を含んでいません。
これはもうダブルスタンダード(二枚舌)ですし、驚くべき破廉恥行為です。
 全てをこんなにも乱暴に自分の利益に収めてはいけない


再度引用しましょう(コソボ情勢に関するアメリカの声明を―編集部注):「独立に関する声明は国内の法律に違反するが、それは国際法違反を意味するわけではない」。
自ら書き、触れ回り、皆を従わせてきたのに今度は怒るのですね。
クリミア住民の行動は、この説明書にはっきりと一致しています。
なぜか、コソボのアルバニア系住民には良いのに(私たちは彼らに尊敬の念を持っていますが)、クリミアのロシア系住民、ウクライナ系住民、クリミア・タタール人には禁じられるのです。

もしクリミアの自警団が状況を管理下に置かなかったら、あそこでも犠牲が出ていたでしょう。
なぜ犠牲が出なかったかご存知でしょう?
民衆とその意志に反して戦闘を行うことは難しい、または事実上不可能なのです。
私は流血を起こさず、血を浴びなかったウクライナ軍の兵士に対して感謝したい。
アメリカをはじめとした、私たちの西側のパートナーたちは、国際政治で強い者の権利に従うことを好みます
彼らは自らの優位性を確信しており、彼らだけが正しいのだと思っています
そこかしこで、独立国家に対して武力を適用し、国際組織から必要な決議をたたき出したり、またはそれらを完全に無視したりしています。
ユーゴスラヴィアでもそうでした。

アフガニスタンも、イランもそうですし、リビアに関しては国連安保理決議のあからさまな違反でした。
操作された一連のカラー革命もありました。それらの国の人々が、圧政、貧困、前途のなさに疲れきっていたことは理解できます。
しかし、それらの感情が無恥にも利用されたのです。
結果として、民主主義と自由のかわりに、一連のテロ行為がやってきました。
アラブの春はアラブの冬に変わったのです


 国際的な制裁について

私たちは制裁に瀕していますが、私たちはむろん一連の制限の中で暮らしています。
悪名高いロシア抑止政策が、今日も続いているとするあらゆる根拠を私たちは有しています。
私たちが偽善的ではなく、自分の手柄にしないがために、私たちは常に隅に追いやられようとしています。
しかし何事にも限度があります

今、ヒステリーをやめ、冷戦のレトリックを拒否し、ロシアには考慮し尊重しなければならない国益があるのだと認めることが必要です。
私たちのクリミアでの措置に理解を持って歩み寄った全ての人に、私たちは感謝の念を持って接するでしょう。
クリミアを巡る状況を、完全なる歴史的な視点で見てくれた、中国首脳部に感謝します。

 ウクライナ分割について

私たちは国を分割しようとした人々とは違い、ウクライナの領土的一体性を常に尊重しています。
現在の国民の対立は、完全にそういう人々の責任です。
あなた方をロシアで脅したり、クリミアに他の地域も続くなどと叫んでいる人々を信じないで下さい。私たちはウクライナの分裂を望んでいません
私たちにはそれは必要ありません。
クリミアは長年そうであったように、そこに住む全ての民族にとっての生家となるでしょう。
しかし、クリミアはバンデラのものには決してなりません。
クリミアは私たちの共通の財産です。それは戦略的地域であり、事実上、ロシアという堅固な主権の下にあるべきなのです。

 NATOとの協力について

私たちはNATOとの協力に反対ではありませんが、私たちは軍事組織が私たちの垣根の付近に、私たちの歴史的領土に跋扈することをよしとしません
私たちがセヴァストーポリのNATO海軍兵に招かれて行くなどということは、私は想像できません。
彼らは素晴らしい人々ですが、我らがセヴァストーポリに来てもらう方が良いでしょう。

 国家の一体性について

まさにこういった転機にこそ、国家の成熟が現れます。
ロシア国民も、同胞を支えてそのような成熟を示しました。
ロシアの強さ数百万の人々の意志に基づくものであり、国家の一体性に基づくものです。
私はこの気運に対し、皆に感謝申し上げたい

西側の政治家の中には、制裁だけでなく国内の状況が悪化するぞと私たちを脅してくる人がいます。
彼らが何を視野に入れているか知りたい。
第五列(スパイ)の行動でしょうか?私たちはそのような宣言を、攻撃的なものとみなしており、彼らに対しては相応の形で反応するでしょう。
私たちは文明世界がそうしているように、自ら善隣関係を築くつもりです。

私たちは私たちのパートナーたちと衝突しようとは一切していません。それは東も西もそうです。
住民投票で問題提起したクリミア住民のことを、私は極めて率直に、はっきりと理解しています。
確信を持って言えるのは、クリミアの指導部は、問題を形にして、集団的利益の上に立ち上がったのです
彼らは人々の根本的な利益を重要視したのです。
住民投票は公開で、クリーンに行われました。
クリミア住民ははっきりと自らの意志を示しました
彼らはロシアとともにあることを望んだのです。

ロシアもまた、難しい決定を下さねばなりません。
ロシアの人々の意見はどうでしょうか?
様々な視点がありますが、圧倒的多数の国民の立場は明らかです。
95%の国民が、ロシアはクリミアに居住している人々の利益を守るべきだと考えています。
民衆だけがあらゆる権力の拠り所なのです


 2つの新たな連邦構成主体について

クリミア共和国とセヴァストーポリ市という2つの新たな連邦構成主体のロシアへの編入に関する憲法的法律を連邦議会に提出し、審議を要請する。
また、クリミア共和国とセヴァストーポリ市のロシア連邦編入に関する準備条約の批准を要請する。
皆様の支援が得られるものと思う。
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ロシア5万人世論調査、圧倒的なクリミア編入支持!

ロシア

   【統計】クリミアのロシア編入をロシア国民はどう考える?  3/18  「ロシアぶろぐ」氏から

16日、クリミアではロシアへの編入をめぐる住民投票が行われました。
結果は96.8%がロシア支持という驚異的な数字を叩き出しました。

この結果を受け、欧米各国はロシアを制裁するようです。この住民投票の結果は、欧米的には「偽の民主主義」なのだそうです
じゃあ、ロシアはクリミアについてどう思っているんでしょうか。

火曜日15時からプーチン大統領がコメントを出すそうですが、その前に一般のロシア国民に対して行った世論調査が興味深かったので紹介します。

  「私たちは驚くべき数字を目にしている」

 社会学者の調査によれば、90%以上のロシア国民がクリミア編入に賛成

10人に9人のロシア国民が、クリミアがロシアの一部になることに賛成していると、『世論基金(ФОМ)』と『全ロシア世論調査センター(ВЦИОМ)』の共同調査の結果が示している。

この結果に関して、通常、反体制的気運の高いモスクワの住民を含めたロシア全国の住民が一致した見解を持っているということを、社会学者たちは驚きとともに指摘している。
圧倒的多数のロシア国民が、クリミアは「わが国固有の領土」だと考えており、90%以上のロシア国民が、連邦構成主体としてクリミアをロシアに編入することに賛成していると、『全ロシア世論調査センター』と『世論基金』の共同調査の結果が示している。

私たちは驚くべき数字を目にしています。ある問題に関して、これほどの意見の一致を私たちは見たことがありません。これはユニークで、これは経験的事実でもあります」―このように、世論基金のアレクサンドル・オスロン会長は月曜日、共同世論調査の結果を示し発言した。

本紙が伝えているように、『全ロシア世論調査センター』と『世論基金』は、2014年3月14日から16日に、ロシア国民に対し、クリミア情勢に関する共同電話調査を行った。
調査には国内の全地域の4万8590人が参加し、4つの質問に回答した。

ロシア連邦構成主体として、クリミアがわが国に編入することに、あなたは賛成ですか、反対ですか?
という質問に対し、91.4%が「はい、賛成です」と答えたと、オスロン会長は伝えた。

彼はまた、「クリミアのロシア系住民やその他の民族の利益を、ロシアは守るべきだと思いますか
という質問に対し、94%の回答者が「守るべき」、3%が「守るべきではない」、3%が「回答困難」と答えたと付け加えた。
また、83%の回答者が、「他国との関係が困難になったとしても、ロシアはクリミアのロシア系住民やその他の民族の住民の利益を守るべき
と考えている。

その他、86%の回答者が「クリミアはロシア」との見解に賛成しており、9%が反対、5%は回答困難だったと、オスロン会長は述べた。
彼の発言によれば、社会学者たちはこれまで「これほどの意見の一致を見たことがない」という。
しかし、このような結果は予期されていたという。
なぜなら、先行する調査では、注目の度合い、共に体験するという度合い、クリミアというテーマへの関心の度合いが際立っていたからだ。

「例えば、『先週、どんな出来事が印象に残っていますか?』との質問に対し、五輪ピーク時に、五輪と答えた人がおよそ50%だったのに対し、クリミアと答えた人は75%でした」―このようにオスロン会長は伝えている。

調査結果によれば、ロシア平均でクリミアのロシア連邦編入に反対している回答者は4.1%である。モスクワに関してはどうかというと、88.8%のモスクワ市民が編入に賛成しており、クリミア編入に反対しているモスクワ市民は8.1%であった。
ロシア平均との違いは非常に小さいと「全ロシア世論調査センター」のヴァレリー・フョードロフ会長は「世論基金」側と共に指摘した。

「つまり、わが国で最も反体制的な考えを持つ人が集まっているモスクワでさえ、クリミアのロシア編入・再編入が正しく、不可欠であるとの見解が絶対的に優勢であるということです」―このように、彼は説明した。

今どきロシア国民の見解がこれほど一致しているということは稀なことです。このような驚くべき結果や、これほどの意見の一致はもうずっとありませんでした
―このように、本紙の取材に対し、コンスタンチン・シモノフ政府付属財政大学「応用政治学」講座主任は語った。

「今回多くの点で、プーチンの政策は国民投票での問題提起を促進し、彼の行動はウクライナからのクリミア分離を可能性のあるものとしました」。
クリミアの住民もまた、極めて高い水準で賛成を示しているため、いかなる議論もないだろうと専門家は確信している。
「この世論調査の結果も、クリミアでの住民投票も、ロシア国民やクリミアの住民が考えていることに何ら疑問はありません。圧倒的多数のロシア国民が、これはわが国固有の領土だと考えており、結果が明らかなので数字も誤差とはいえません」―このように、専門家は補足した。

クリミアのロシアへの編入の返答として西欧は経済制裁を行う可能性があると、政治学者は考えている。
「しかし、おそらく、住民の保護が経済損失の可能性よりも優先事項であると、わが国の国民は考えています
いずれにせよ私たちがクリミアに経済支援をする必要があり、それには損失は不可欠であることをロシア国民は理解しています
国民はそれらの支出の実現を大統領に委任し、意識的にその方向に進んでいるのです。
ロシア国民にある『血縁感情』が経済損失を明らかに上回っているのです」―このように専門家は説明した。

ロシアの社会学者たちがこのような大規模な調査を行ったのは、この専門家の記憶によれば初めてのことだという。
調査はИСЭПИ(「社会経済・政治調査研究所基金」、人民戦線「シンクタンク」で知られる)によって依頼されたものだ。
「ロシア国民5万人に対する電話調査、社会調査が行われました。私はこれほどの規模のサンプル数は久しく記憶にありません」―このようにシモノフ主任は補足した。

政治学者たちもまた、モスクワ市民と全国の住民との意見の一致を指摘している。
ロシア国民の大多数がクリミアのロシア連邦編入を支持しているということについて、社会学者たちの結論は予想通りであった。
なぜなら、クリミア半島はロシアの多くの人にとって母国であるからだと、政治学者のオレグ・マトヴェイチェフ氏は考えている。

「異なる結果は予想されていませんでした。クリミアは多くのロシア国民にとって母国なのです。ですから、現在の状況は、ロシアでは再編入と受け取られています」―このように、マトヴェイチェフ氏は「インタファクス通信」に語った。

また、専門家の見解によれば、モスクワでの調査結果は特徴的である。「マイダンに共感する人が多いモスクワは、クリミア支持という質問に関しては、ロシア全国の結果とあまり大きな違いはありません」―このように、専門家は語った。

周知の通り、ウクライナでは2月22日にクーデターの特徴をもつ政権交代があった。
最高会議がヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領を政権から遠ざけ、憲法を変更し、選挙を5月25日に行うとした。
ロシア連邦は、最高会議による決定の合法性は疑念を引き起こしていると考えている。

ウクライナ東部、南部の一連の州は、クリミアと同様、最高会議の合法性を認めておらず、住民投票に関する決定を採択した。
日曜日、クリミアの地位に関する住民投票が行われた。
投票所から回収された投票用紙を100%開票した結果、投票に参加した人の96.77%がクリミアのロシア連邦編入に賛成票を投じた
本紙が伝えているように、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、火曜日15:00にクレムリンにおいて、下院議員、上院議員、ロシア連邦地方首長、民間団体の代表の前で、クリミア共和国とセヴァストーポリ市のロシア連邦への編入に関し、メッセージを発する。
ロシア連邦大統領広報が伝えている。

<ポイント>

・ロシア国民の9割以上がクリミアのロシア編入に賛成

・ロシア国民の8割以上が、「他国との関係が悪化しても、クリミアの住民の利益をロシアが守るべき」と考えている

・ロシア国民の8割以上が、「クリミアはロシアである」と考えている

・クリミアはもともとロシアなのだから、今回は編入というより「再」編入

・ロシア国民的には、クリミア住民の保護>>>>経済損失

・なぜなら、クリミアとロシアは血縁だから

西側の発言では、ロシアによるウクライナ侵略だとされているけれど、ロシア国民的には「クリミアはそもそもロシアの一部だから」という意見が圧倒的に多いらしい。

クリミア半島は、場所柄、いろんな民族が出たり入ったりしてきた地域。
古代のキンメリア人から始まり、ギリシャの植民地が建設され、13世紀にはモンゴルに占領され、その後トルコとロシアの争いの地となり、1783年にロシア領。
1921年にクリミア・タタール人(テュルク系ムスリム)により、クリミア自治共和国が形成されるも、1944年にスターリンにより強制移動。

1954年にロシアから同じソ連の一部だったウクライナに帰属替えが行われ、1991年にウクライナ内のクリミア自治共和国となるも、ウクライナがソ連から独立すると、クリミアのロシア系住民がウクライナからの自立とロシアへの接近を主張。
1944年に強制移動させられたクリミア・タタールの帰還もあり、かなり複雑な状態になっている。
歴史的には、クリミア・タタールよりギリシャの方が古いので、たとえばここでギリシャが「クリミアはもともとうちの植民地だから」とか言い出したらどうなるだろうか、などと考えるのはナンセンスだろうなあ。

ウクライナびいきであったフルシチョフが、クリミアをウクライナへの帰属替えをしていなければ、これほどややこしいことにはならなかっただろうに。
ロシアの詩人たちがクリミアの詩をたくさん書いているように、ロシア人にとってのクリミアは昔から愛着のある土地なのかもしれない。

それゆえに、経済制裁を受けようと、犠牲を払おうと、身内を守らなければという思いがあるのかもしれない。
当事者のロシア国民の世論では、欧米メディアによる「悪のロシアによるウクライナ侵略の構図」とは違う印象を受けますね。
クリミア
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