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もうすぐ北風が強くなる

異次元金融緩和でマネーストックは増えていない:野口

 ペーパーマネー
 信用乗数効果のないブタ積みのベースマネー。

 アベノミクスとやらのメイン政策である黒田日銀の異次元金融緩和は、マスコミこぞっての景気上昇宣伝にもかかわらず、期待はずれの空気が強まってきている。
 異次元金融緩和が成功しなければ、家計、企業、政府の共倒れの危険も遠ざかる。
 いずれはバブル崩壊で成金階層が全滅するだけだ。
 だが、スタグフレーションで勤労家計が窮乏化するため、再びデフレ恐慌の可能性が増している。
 ーーーーーーーーーーーーーー
    空回りを続けている異次元金融緩和措置 野口悠紀雄 週刊ダイヤモンド12月14日号 ※はもうすぐ北風による注釈。

 マネーストックの対前年増加率は、10月にはM3で見て3.3%となった。これは、貨幣残高の定義がマネーストックに切り替えられて以来、最大の伸び率である。

 これを見て、「異次元金融緩和の効果が出てきた」との印象を持った人が多いだろう。
 しかし、その印象は、統計の数字の示し方によって生じる一種の錯覚にすぎない。
 実際には、マネーストック残高は、今年の6月以降ほとんど増加しておらず、金融緩和政策は「空回り」を続けているのである。
 この間の事情を以下に説明しよう。

 まず、日本銀行が直接に動かせる変数であるマネタリーベース残高は、異次元緩和措置導入以後、著しく増加した。
 すなわち、3月の134.7兆円から10月の186.9兆円まで52.1兆円増加した。
 増加率は38.7%だ。

 ところが、これによって大きく増加するはずのマネーストックは、さほど増加していない。
 M3で見た残高は、3月の1142兆円から10月の1163兆円まで、21.1兆円増加したにすぎない。
 増加率は1.85%だ。

 つまり、冒頭で見たM3の前年からの増加の大部分は、異次元緩和措置以前に実現していたものなのである。
 導入前と後に分けて示すと、次の通りである。

導入前(2012年10月から13年3月までの5カ月間)にM3は16.2兆円増加した。月平均では3.2兆円だ。
 それに対して、導入後(13年3月から13年10月までの7カ月間)には21.1兆円増加した。月平均では3.0兆円だ。
 したがって、導入後の月平均増加額は、導入前の92.9%に低下したことになる。

M2では、減少ぶりがもっと顕著だ。
 すなわち、導入前の増加は15.7兆円で、月平均は3.1兆円だった。
 しかし、導入後の増加額は18.0兆円で、月平均は2.6兆円になった。
 したがって、導入後、月平均増加額は導入前の82.1%に低下したことになる。
 こうした事情があるので、マネーストック対前年比の数字は、今後は低下することになるだろう。

 このように、異次元緩和措置の導入によって、マネーストックの増加速度は、上昇したのでなく、逆に低下したのである。
 マネタリーベースの増加額は大幅に引き上げられたのだから、マネーストック増加額も増えて然るべきなのだが、実際には減少したのだ。

 金融緩和政策に本来期待されるのは、マネタリーベースの増加によって信用創造が生じ、その結果、マネーストックがマネタリーベース増加額の数倍増加することだ。
 実際には、数倍どころか、マネーストックの増加額が、マネタリーベース増加額の5分の1程度にしかならないのである。
 これは、まったく異常な状態だとしか言いようがない。

「金融緩和政策が有効か?」という議論は、マネーストックの増大を前提として、それが経済諸変数にいかなる影響を与えるかに関わるものだ。
 現実には、この大前提が満たされていないのだから、そもそも話にならない

   マネーストックが増えないのは 貸し出しが増えないから

 マネーストックが増えないのは、貸し出しが増えないからだ。実際、貸出残高の推移も、マネーストックの推移と似ている。

銀行計の総貸出平残の推移を見ると、12年10月の398.7兆円から13年10月の407.8兆円へと9.1兆円増加した。率では2.28%の増加である。

 しかし、増加の大部分は、異次元緩和以前に実現したものだ。
具体的には、導入前(12年10月から13年3月までの5カ月間)の増加は6.0兆円であるのに対して、導入後(13年3月から13年10月までの7カ月間)の増加は3.1兆円である。つまり、導入前の増加が約3分の2を占めるのだ。

 しかも、本来であれば金融緩和措置によって増加すべき設備資金の貸出残高が、あまり伸びない。
 特に製造業に対する設備資金貸し出しがそうだ。

 増加を続けているのは、個人に対する住宅ローンだ。これだけで設備資金の約半分になる。
 住宅ローン金利が上昇したにもかかわらず、消費税増税前の駆け込みで増えているのだ(以上についての詳細なデータは、『ダイヤモンド・オンライン』に連載中の「期待バブルが幻滅に変わるとき」を参照されたい)。


投資の中期動向

(※ リチャード・クー氏の「黒田日銀は己の失敗を願うべき」をぜひ御覧ください。)

 ところで、以上のような事態になるのは、実は当然のことである。
 なぜなら、金融緩和政策が機能するのは、資金需要が強いにもかかわらず、それが満たされない場合だからである。
 ところが現実には、すでに過剰準備状態だから、日銀当座預金が増加したところで、貸し出しに対する制約が緩和されるわけではない。
 単に、過剰準備が増えるだけのことだ。
 また、設備投資の需要がそもそもない
 さらに、企業の内部留保が大きいため、借り入れの需要がない

 食料不足で栄養失調になっている人に食料を与えれば、状況を改善することができる。
 しかし、飽食状態にある人に食料を与えたところで、食べてくれないだろう。
 現在の日本は、資金に関して言えば、まさに飽食状態にあるのだ。
 こうした状況の下では、そもそも金融緩和が機能するはずはないのである。

 別の喩で言えば、次のようなことだ。
 車のエンジン(マネタリーベース)が力不足だというので、大騒ぎをした結果、これまでの8気筒エンジンを16気筒に変えることにした。
 しかし、車のスピード(マネーストックの伸び)は、上がるどころか、むしろ落ちてしまった。
 スピードが上がらなかった原因は、エンジンの力不足ではなく、タイヤがパンクしていた(貸し出しが伸びるような状態になかった)ことだったのだ。
 エンジンは、8気筒でも過剰な状態だった。

   今年春に膨れ上がったユーフォリアが崩壊

 以上で見たように、貸し出しが増えないのも、マネーストックが増えないのも、当然のことである。
 金融緩和政策が空回りすることは、あらかじめ予想されていたことなのだ。

 驚くべきは、金融緩和措置が機能しないことが過去のデータによって明らかであったにもかかわらず、それが経済活性化の切り札と考えられて、大規模な金融緩和が導入されたことだ。
 そして、異次元緩和措置以後、マネーストックが増大していないという明白なデータがあるにもかかわらず、「金融緩和が機能している」と錯覚している人が多いという事実だ。

 前回述べたように、異次元緩和措置の導入後、実質GDP成長率は、むしろ低下している。
 これも格別驚くには当たらない。
 なぜなら、円安で消費者物価が上昇すれば、実質消費の伸び率は抑えられるからである。
 また、消費税増税の時点が近づくにつれて、住宅をはじめとする駆け込み需要が減少するからである。

賃金は上がらず、物価だけが上がっている。
 したがって、人々の期待は悪化する
。このことも、データに表れている。
 内閣府の「景気の現状判断指数」は、3月にピークに達した後、低下を続けている。消費者動向指数も4月から悪化を続けている

 今年の春には、「新しい政策が導入される」とのメッセージが喧伝されたため、日本社会に一種のユーフォリアが現出し、経済が活性化するとの期待が高まった。
 しかし、その後、政府・日銀と一部メディアの宣伝にもかかわらず、現実経済の状況を見て、人々の夢は覚めつつあるのだ。
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 ※ 以下は勤労者賃金、所得の再配分と消費増税、デフレに関連するページ。

労働分配率の強制修正
世界で日本のみデフレ
日銀の金融緩和は誰のためか
信用創造と言えば聞こえは良いが
信用創造とは
公務員叩きとデフレ政策
通貨、金利と信用創造の特殊な性質
信用創造(3)無政府的な過剰通貨
デフレ脱却には賃金上昇が不可欠:根津
これからの経済生活はどうなるのか
なぜデフレなのか、なぜ放置するのか
ゆでガエル!
消費増税でデフレ強行を目指すかいらい政権
日本の労働は封建主義の農奴農民か 
窮乏化、3軒に1軒が貯金もなし
逆進課税とデフレ恐慌
消費増税を許すな!三党談合政権を倒そう
破滅の緊縮財政か、恐慌を断ち切る財政出動か
景気対策ではない、消費増税を通すためのGDP操作だ
安倍某の経済政策?恐怖のシナリオか
安倍の過激刺激策は過去のミス繰返し:人民網
家計、企業、政府の共倒れ破綻
生活と円安、アベノミクスが招くこと
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勤労者の地獄と国際金融資本の高笑い
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なぜ消費増税に固執するのか
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アベノミクスの展開と帰結:吉田繁治
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失業、窮乏、貧富の拡大を目指す安倍政権
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注意!大マスコミが好景気を「演出」している
小沢氏4/1経済も安倍政権もこのままでは持たない
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目算違いの金利高騰、荒れる債券市場は何故か
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国民に思考停止を強制する秘密保護法:山田

 ナチス共産

 秘密保護法は自民公明の巨大与党によって、文字通りに強行採決された。
 文字通りにというのは、まともな議論さえなしで発言を封殺し、問答無用で強行したその過程こそが、秘密保護法の凶暴さを表しているからである。

 「デモはテロ」だという石破発言は彼らの本音を表したものだが、同時に秘密保護法の本質も表している。
 だからこそ、石破は部分的に修正しても発言の基本を撤回しない。
 
 以下の山田厚史氏の記事はジャーナリストとしての立場からのものであるが、ジャーナリストとしての主義主張をはっきりと述べている点で、真っ当な「報道」である。
 参議院強行採決の前に書かれたものであるが、内容に変わりはない。 
 ーーーーーーーーーーーーーーー
  特定秘密保護法案は成立目前 「成長戦略国会」はどこに消えたのか  12/5  山田厚史 ダイヤモンド・オンライン

「期待されていることより、やりたいことを優先したことが失敗だった」

 第一次安倍内閣を反省した安部首相は、どこへ行ったのだろう。

 内閣法制局長官の首をすげ替え、NHK経営委員をお友達で固め、道徳教育教科書を押し付け、そして特定秘密保護法(以下、秘密保護法)である。

   本来は「成長戦略国会」のはずが……

「やりたかったこと」ばかり。日本が直面する優先課題はどこに行ったのか。

 秋の国会は「成長戦略国会」になるはずだった。特区をあちこちに作って特例の規制緩和や資金投入をすることが本当に力強い成長につながるか、そこは疑問である

 だが与野党が正面から議論し、日本再生への処方箋を探ることこそ国会のなすべきことだった。来年4月から消費税増税が始まる。賃金が伸びない中での増税は消費を委縮させる

アベノミクスも化けの皮が剥がれつつある
 インフレ期待を煽って物価を上昇させるはずだったが、今起きているのは、円安による輸入インフレ。つまり「悪い物価上昇」である。
 円安を喜んでいられない。輸出企業の採算を向上させたが、輸出数量は増えていないばかりか、消費者の購買力を委縮させる。そんな中での消費増税である。

汚染水は完全にコントロールされている」という首相発言がウソであることも日々の事実が示す
 フクシマでは早急に手を打たなければならない非常事態が続いている。
 汚水処理、除染は急務だが、放射能にまみれた土や水や核廃棄物の処分地が決まらない。
 真剣な合意形成に政治が取り組んでいないからである。

 普天間基地の移転はどうだ。「沖縄の負担軽減」は口先だけで、「振興策」と呼ばれる心をカネで買ういつもの手法。心は無視されカネは特定の人たちだけに落ちる。

 政治の核心は、山積する課題に優先順位をつけ、着手できるよう合意形成をすすめることである。首相に欠落しているのが優先順位付けと合意形成へのやる気である。

   石破流のテロの解釈

 秘密保護法国会はその象徴ではないか。

 昨年12月の衆議院選挙で政権に返り咲き、7月の参議院選挙で足場を固めた安倍政権だが、いずれの選挙でも秘密保護法は影さえ見えなかった
 政権を取った後に、突然持ち出したのである。

 秘密保護法の核心は次の3つだ。

①知る権利の制約
 ②国家権力の強大化
 ③社会を暗くする公安国家


 安倍さんのいう「強いニッポン」とはこういう姿なのか。

 秘密保護法がコワいのは、いくらでも拡大解釈できること。「テロ対策」が象徴的だ。
 自民党の石破幹事長が、秘密保護法反対を叫ぶ抗議活動を「本質的にテロと変わらない」とブログで書いた。大音量の絶叫を耳にして恐怖感を抱いた、という。

 秘密保護法案は、テロリズムを次のように規定する。

「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう」

 デモ隊のシュプレヒコールは「特定の主義主張」であり、石破氏が恐怖を感じたから「社会の不安もしくは恐怖を与える目的」の行動にあたる。
 「人の殺傷」や「重要施設その他の破壊」はないが、本質的にはテロと同じ、というのが石破流解釈である。

笑いごとではない。巨大与党の幹事長が真顔で示した解釈である。警備の機動隊ともめごとが起き防止柵が壊れたりしたら、正真正銘の「テロ行為」とされかねない。

 秘密を漏らしたら懲役10年。教唆・共謀も厳しく問われる。漏えいに至らなくても、働きかけたたり謀議しただけで処罰される
 権力を持つ者がその気になったら、この法律を治安維持法のように使って「国家の反逆者」を摘発することができる。

   医者は患者カルテの提出を拒否できない

 マンションの郵便ポストにセールのチラシを入れても普通は犯罪とされないが、政党のチラシだと「家宅侵入罪」で立件され逮捕・起訴される事件が起きている。
 公安警察というのは、政治性のある警察で事件を作り出すことが可能だ。
 今の法律でもその気になったら個人や組織を攻撃できる。

 前回の「世界かわら版」で、都内のイスラム社会に対する警視庁捜査の一端を紹介した。普通に暮らしいている人たちに捜査の照準が当てられ、人権を無視した監視活動が続いている

秘密保護法が成立すれば「テロ防止」「特定有害行為(スパイ)防止」と称し、本人の知らないところで身辺調査や監視活動が増えることは間違いない。
 秘密を扱う公務員や民間の担当者は「適格性」があるか調べられる。配偶者の親族の元の国籍から本人の酒癖まで……。

 国会で「病歴調査」が問題になった。患者のカルテの提出を求められたら医師は拒否できるか、が問われた。政府答弁は「提出は医師の義務」だった。患者との信頼関係で診立てた「病歴」も医師は拒否することはできない。

 なじみの酒場に警察がやってきて酒癖を聞き出す、というシーンも絵空事ではない。

   情報操作が狙いのリークは大目に見る?

 われわれジャーナリストの仕事は秘密との戦いである。官庁取材はその典型だ。
 最近はどこの役所も広報課を設け、取材は広報を通して、と防壁をめぐらす。
 だが広報や発表を待っていたら行政が何をしているか、国民は知ることはできない

役所だろうと企業だろうとハラワタを探らなければ本音や活動実態は見えてこない

 公務員には「職務上知り得た秘密は漏らしてはならない」という法律の縛りがかかっている。
 ハラワタすなわち内部情報を探ることは、厳密にいえば公務員法違反教唆である。
 この障壁を越えるため個人的な信頼関係を築き、場合によっては相手の立場を応援したり、逆にきわどい情報をもらったりする貸し借り関係が取材の基盤になっている。

 取材先がどこまで「秘密の壁」を越えられるかは、その人物の価値観もさることながら、地位・権限、信頼感など組織の掌握力も無関係ではない。つまり組織の上に行くほど秘密を漏らす自由度が高い

 この漏えいは、多くの場合「組織の都合」を背負っている。分かりやすく言えばリークである。
 秘密ではあるがその情報を流した方が仕事を進めやすかったり、組織の社会的評価が高まる、という種類の漏えいだ。検察が流す捜査情報は捜査の秘密を漏らす行為だ。
 容疑者の供述や事件の背景情報を流し、検察の捜査が社会正義に沿っているという世論工作をする。

 組織の社会的評価につながるリークの典型は国税庁の脱税摘発だ。税務調査は秘密が原則で、どこの誰が申告漏れしたとか重加算税を課せられた、ということは公表しないことになっている。
 それでも時々、脱税が紙面に載るのはリークがあるからだ。

この種の漏えいは、情報操作とも言えるもので、秘密保護法が施行されても大目に見られるだろう。
 権力の情報操作は、秘密の網を広く掛け、都合のいい情報だけリークするという手法を取る。

   異分子が活発に動ける組織は強い

 新聞や放送など大手のメディアには、リークの受け皿になる敏腕記者がいる。警視庁、検察、国税などの担当記者、政治部の番記者、経済部の業界記者など。
 取材先と一心同体で批判記事などまず書かない「与党記者」が少なからずいる。

 その一方で、付かず離れずで権力のハラワタに迫る記者もいる。
 いい仕事をすればするほど取材先の風当たりは強くなる

 この場合の取材対象は組織上層部だけでは済まない。

 大組織になれば組織の方針に疑問を抱く人は少なくない。役所は特にそうだ。
 方針や慣例はすぐに変わられない。先輩が定めた轍(わだち)の上を着実に進むのが安定した運営だが、時代や世界情勢は変わる。
 志をもって官僚を目指した人の中にはしっかりした人がいる。方針や裁定を巡り意見の違いも必ずある。

 ハラワタ取材で一番大事なのは「内部にいる健全な批判者」に出会うことだ。

 役所の方針の変更や、既得権益の打破は、少数ではあるが時代の方向を先取りした「健全な異分子」が増えることで実現する

 長年の取材で感じたことは「異分子が活発に動ける組織は強い」ということだ。
 役所によっては「隠れ異分子」が調査課長とか企画課長といった要職にいることもある。逆にやたら秘密の多い組織は弱い。
 無能な役人ほど「マル秘」のハンコを押したがる。人に知らせない方が仕事がやり易い。だが外部のチェックを受けない隠しごとは組織を弛緩させ、時には腐敗させる

 監視社会を内包する秘密保護法は「健全は異分子」の活動にブレーキを掛ける。
 組織の中だけに通用する論理や、皆がうなずき合い形式的な会議で物事を決めるようになるだろう。
 秘密の厳格な管理を求める米国は、一方で情報公開制度が発達している。政府は自分たちが作り、情報は自分たちのもの、という感覚が背景にある。

   未だ民主主義は発展途上

 天皇の統治で近代が始まり、政府は「お上」とあがめる日本で、官僚は上から目線で民を見ている。
 頭の悪い民衆に情報を流せばバカなことを言い出すから「知らしめるべからず」
という態度だった。

 戦後の憲法で主権在民が謳われたが、未だ民主主義は発展途上である。
 大事なのは民が自分で考えること。
 情報公開がこれからの流れのはずだった。
 それが逆流する

国家には「秘密」がある。国民には「知る権利」がある。
 どちらが大事か。知る権利に決まっている。
 秘密は税金で集めた国民のもの
である。

 安倍さんは「私は選挙で選ばれた。好きなようにやる」という調子だ。

「アンタには、そこまで頼んでいないよ」と叫んでも、聞く耳を持たない。
 問答無用の国会運営がそれを示している。秘密保護法は間もなく参議院で強行採決されそうだ。

「傲慢」と「秘密」が結合すると、この社会は間違いなく息苦しいものになる。
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
 ※ 特定秘密保護法の関連ページ。

従わない者は軍法会議で処刑する:自民改憲案
麻生のナチス礼賛発言に世界の怒り
特定秘密保護法案とは?
秘密保全法の危険性!岩上IWJ
「戦前を取り戻す」特定秘密保護法案:東京新聞、道新
聞くな、言うな、語るな:秘密保全法
内部告発を抹殺、米軍に共同、実質改憲:山田
秘密保護法で作られる公安警察国家:山田
意見や主張、表現の自由を抹殺する秘密保護法
特定秘密保護法の世の中
特定秘密保護法案の衆議院強行採決を受けて:生活の党
特定秘密保護法案の衆院通過に思う:闇株新聞
特定秘密保護法、戦前と同じ監視社会へ:山本
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