チェリノブイリの3倍のセシウムが放出された、その意味
2013-09-29

チェルノブイリと同縮尺の東北関東(群大早川教授)。チェルノは爆発で広く降下したが、福島はその十倍近い量が今も地下とプールにある。再度地震等で事故となった場合は、まさにチェルノの汚染範囲を「軽く超える」のは疑いない。
福島からの放射性セシウムの大気中放出量はチェルノブイリの3倍とEU機関計算 9/24 「エビデンスに基づく考察」から
タイトルはEU傘下の研究所(参考資料)の計算によれば福島原発から大気中に放出されたセシウムの総量は21京となった。チェルノブイリ事故では7-8.5京と報告されていることから3倍強の数値が算出された。
事故後間もなく報告された値はチェルノブイリの1/7程だったので、今回の計算により数値が一挙に40倍に増えた。
また、希ガスのキセノンは1100京と保安院により事故から数カ月後に報告されており、この量はチェルノブイリの2倍だった。
更に福島3号機ではMOX燃料がつかわれていたので、半減期の長いプルトニウムも放出された。
汚染水の海洋放出が最近報告されるようになり、にわかに環太平洋国の住民の関心も高まってきた。また新たな核種のストロンチウムやトリチウムも大量に含まれていることが報告された。
海へ放出された各核種の放射線量の濃度は現時点では皆目見当がつかないが、後何年かすれば海水濃度からの推定量が算出されるであろうが、現時点で収束できるならば、回復の見込みもあろう。
太平洋は地球最大の海であり、この環境を守るという気概で取り組み必要がある。
これ以上の汚染水流失は断固阻止すべき義務がある。
トリチウムの浄化は困難だという意見もあるが、実際に浄化は行われており不可能ではない。
汚染水の浄化はトリチウムまで含め全核種で行うべきである。
このように事故の規模がチェルノブイリの数倍になってしまったことは残念であるが、起きてしまった現実は隠すのでなく認め、今後の事故拡大防止に全力を尽くすべきだ。
またこれから始まる4号機の保管核燃料の除去は一歩間違えれば、作業員の撤退から周辺の原子力発電所での事故に連鎖し、日本沈没まで起きかねないそれほど重要なことを認識すべきだ。最も緊急で最も重要な課題と認識すべきである。
被ばく軽減について、チェルノブイリよりはるかに線量が多かったというエビデンスは被ばく被害もそれだけ大きいことを想定すべきだ。
これからまもなく顕著に出てくる甲状腺がんや白血病とする様々な疾病に対する対策も医療界をあげて取り組むべきだ。
以上を考えればオリンピックとかリニア新線で浮かれるのではなく、現実を直視すべきだ。
参考資料
http://enenews.com/eu-funded-research-fukushima-atmospheric-release-210-petabecquerels-cesium-137-upper-bound-simulation-chernobyl-estimated-70-85-petabecquerels
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※ この記事についての小野医師の解説。
「フクシマからの放出放射能-核実験最盛期の全放出量さえ上回っていた」もぜひお読みください。
チェリノブイリと福島の事故の違いは、チェルノが大爆発放射性物質は高空に飛んだのに対し、福島は3号機を含めても小爆発ですが、炉心が丸ごとメルトダウンしたため核燃料の総量が比較できないほどに膨大であり、これからも極めて長期にわたって放出を続けることにあります。
そのような前提現象の差にに「励まされた」東電と政府は放出放射能については、当初から過小な放出量を捏造するようになったわけですが、外国研究者からは露骨な隠蔽と受け取られていました。
この調査計算によればチェルノの3倍の21京(東電発表の40倍)とのことですから、闇に閉ざされたヨウ素についても40倍の可能性があります。
2年目という早期に、子どもの甲状腺異常が既に頻発し始めているのも納得できます
「36%に甲状腺異常、見解と提言:カルディコット」から
「潜伏期間がこれほど短いと言うことは、この子供達が吸入と飲食によって取り込んだ 放射性ヨウ素による甲状腺被曝量が尋常ではない高さであるということは、疑いの余地があり ません
「通常子どもは百万人に一人未満」ですが、40倍ならこんなに早期から爆発的なことも当然で、5年後、10年後はチェルノの数倍を超える可能性があるでしょう。
甲状腺以外の鼻血から脳梗塞、心筋麻痺から神経痛、免疫不全まで、今2年半の私達には予想もつかない増加が来ると考える必要があります。
チェルノから27年が経っても、未だセシウムの半滅にさえ至っていないのです。
いまだにときおりドイツのジャムから20Bq/kgなどと出てきます。
「今も未来も続く欧州の食品汚染」
「4.5年も経てば国民は忘れてほとぼりが覚めるだろう」と政府、マスコミは思っているようですが、放射能は社会現象ではなく物理現象ですから、眼を閉じても、忘れても事態は変わりません。
今現在も東電発表でさえ、毎日2億4千万Bq/日が放出されています。
封じ込めの目処さえも立っていません。
20年や30年ではないのです。
今年生まれた新生児も含めて、今生きている私たちは一生涯放射能に注意して、被曝を極力避けて生きるということなのです。
こんな重大なことが進行中であるにもかかわらず、マスコミは芸能馬鹿番組と捏造報道、「食べて応援」の狂気の次は。オリンピックの狂乱ですか!
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再稼働は福島の被害とまたの大事故を容認すること:中島さん
2013-09-29
フクシマの訴え「暮らしを根こそぎ奪った」~福島相馬市の被災者が 玄海原発訴訟で弁論 9/29 Finance GreenWatch
47都道府県6,751人の市民が国と九州電力を相手取って玄海原子力発電所の操業停止を求めた「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が9月27日、佐賀地裁で開かれた。
福島県相馬市の被災者で原告の中島孝氏(57)と、長崎の被爆者で原告の川原進氏(68)が意見陳述した。
中島氏は、福島原発事故の被害と現状を語り、「いったん事故を起こせば取り返しがつかない。言葉に尽くせぬ大変な事態を、我々は福島で日々体験している」と訴えた。
47都道府県6,751人の市民が国と九州電力を相手取って玄海原子力発電所の操業停止を求めた「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が9月27日、佐賀地裁で開かれた。
福島県相馬市の被災者で原告の中島孝氏(57)と、長崎の被爆者で原告の川原進氏(68)が意見陳述した。
中島氏は、福島原発事故の被害と現状を語り、「いったん事故を起こせば取り返しがつかない。言葉に尽くせぬ大変な事態を、我々は福島で日々体験している」と訴えた。
川原氏は、「原発も、ピカドンと同じように放射性物質をまき散らし、内部被曝を起こす」と述べ、「私の(被爆)体験と、(福島第一原発事故で)内部被曝を受けた人たちの今後が重なるように見える。
ヒロシマ、ナガサキが苦しんできたように、同じことが起こるのではないかと恐ろしい」と、放射能の危険性を訴え、ピカドンも原発もない「核なき世界」を呼びかけた。
中島氏は、福島原発の被害者が原状回復を求めて福島地裁に提訴した「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟の原告団長。
相馬市でスーパーを経営し、店から1kmのところにある漁港に水揚げされる新鮮な魚を販売していた。
震災の直後は、店の近くまで津波が押し寄せ、「津波の最前線に唯一残った店」となった。
地震から2年半経過したが、再建のめどが立たない。「地元相馬の魚を中心とした営みは大きくねじまがった」と語った。
相馬市は放射線量の高い山中のダムが水道水源になっている。
市は安全としているが、「市民は不安に思い、ペットボトルの水でご飯を炊き、みそ汁をつくっている家庭が今も多くある」と紹介。
一方、低線量被曝の健康被害をめぐって、意見の対立が、市民同士の分断を生んでいると述べた。
「放射能の危険に脅えることのない平穏な環境で生活することは、我々の最も基本の権利」と指摘し、
「原発は止まるもの、なくなるものと思っていた。
国も電力会社もフクシマから何も学ばないのか。また第2のフクシマを引き起こすつもりなのか」と、怒りを込めて告発した。
原発事故の被害とはなにか、福島県民が日々直面していることはなにか。
「地域が丸ごと失われ、暮らしが根こそぎなくなってしまうこと。明日を信じられないこと。ここまで頑張れば救われるという励みを持てずに暮らすこと」と、中島氏は訴えた。
「私が福島からこの裁判に参加したのも、同じ事故を2度と起こしてはいけないという強い憤りからです。
原発を再稼働することは、半永久的に続く福島の被害を容認すること、再び事故が起きることを容認することだ」
原告側は、原発の被害について、400ページ以上の準備書面を提出。
放射能による健康被害が重大で取り返しがつかないにもかかわらず、国が原子力利用を推進するために、被爆放射線基準をゆるめ、命と健康を軽視していると指摘。
原発事故は、自然災害と違って、復旧復興まで長期間かかり、回復不可能で、被害が終わらないこと、家族の分断、文化の喪失、生業と生きがいを奪い、金銭で事後的に回復することはできない被害だとしている。
原発労働者の被爆、事故が起きなくても稼働しているだけで周辺住民に生じている健康被害、処分方法が未確立なまま放射性廃棄物を大量に生み出していることをあげて、原発の稼働そのものが被害を引き起こすと述べている。
次回弁論は、12月20日。九州電力・国が原告の主張に反論する。
報告集会で、板井優弁護団共同代表は「いよいよ九電、国が反論する。どう勝っていくか。なぜ戦争ができなくなったのか。1945年の前と後で何が違うか。憲法ができた。ルールが変わった。公害も同じだ」と力説。
「原発を止めるには、ルールを変えなければいけない。それには、国民世論を変えないといけない。福島の思いを日本全体のものにし、日本全体の思いを福島の思いにする。そのことが原発廃炉の力」と訴えた。
47都道府県6,751人の市民が国と九州電力を相手取って玄海原子力発電所の操業停止を求めた「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が9月27日、佐賀地裁で開かれた。
福島県相馬市の被災者で原告の中島孝氏(57)と、長崎の被爆者で原告の川原進氏(68)が意見陳述した。
中島氏は、福島原発事故の被害と現状を語り、「いったん事故を起こせば取り返しがつかない。言葉に尽くせぬ大変な事態を、我々は福島で日々体験している」と訴えた。
47都道府県6,751人の市民が国と九州電力を相手取って玄海原子力発電所の操業停止を求めた「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が9月27日、佐賀地裁で開かれた。
福島県相馬市の被災者で原告の中島孝氏(57)と、長崎の被爆者で原告の川原進氏(68)が意見陳述した。
中島氏は、福島原発事故の被害と現状を語り、「いったん事故を起こせば取り返しがつかない。言葉に尽くせぬ大変な事態を、我々は福島で日々体験している」と訴えた。
川原氏は、「原発も、ピカドンと同じように放射性物質をまき散らし、内部被曝を起こす」と述べ、「私の(被爆)体験と、(福島第一原発事故で)内部被曝を受けた人たちの今後が重なるように見える。
ヒロシマ、ナガサキが苦しんできたように、同じことが起こるのではないかと恐ろしい」と、放射能の危険性を訴え、ピカドンも原発もない「核なき世界」を呼びかけた。
中島氏は、福島原発の被害者が原状回復を求めて福島地裁に提訴した「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟の原告団長。
相馬市でスーパーを経営し、店から1kmのところにある漁港に水揚げされる新鮮な魚を販売していた。
震災の直後は、店の近くまで津波が押し寄せ、「津波の最前線に唯一残った店」となった。
地震から2年半経過したが、再建のめどが立たない。「地元相馬の魚を中心とした営みは大きくねじまがった」と語った。
相馬市は放射線量の高い山中のダムが水道水源になっている。
市は安全としているが、「市民は不安に思い、ペットボトルの水でご飯を炊き、みそ汁をつくっている家庭が今も多くある」と紹介。
一方、低線量被曝の健康被害をめぐって、意見の対立が、市民同士の分断を生んでいると述べた。
「放射能の危険に脅えることのない平穏な環境で生活することは、我々の最も基本の権利」と指摘し、
「原発は止まるもの、なくなるものと思っていた。
国も電力会社もフクシマから何も学ばないのか。また第2のフクシマを引き起こすつもりなのか」と、怒りを込めて告発した。
原発事故の被害とはなにか、福島県民が日々直面していることはなにか。
「地域が丸ごと失われ、暮らしが根こそぎなくなってしまうこと。明日を信じられないこと。ここまで頑張れば救われるという励みを持てずに暮らすこと」と、中島氏は訴えた。
「私が福島からこの裁判に参加したのも、同じ事故を2度と起こしてはいけないという強い憤りからです。
原発を再稼働することは、半永久的に続く福島の被害を容認すること、再び事故が起きることを容認することだ」
原告側は、原発の被害について、400ページ以上の準備書面を提出。
放射能による健康被害が重大で取り返しがつかないにもかかわらず、国が原子力利用を推進するために、被爆放射線基準をゆるめ、命と健康を軽視していると指摘。
原発事故は、自然災害と違って、復旧復興まで長期間かかり、回復不可能で、被害が終わらないこと、家族の分断、文化の喪失、生業と生きがいを奪い、金銭で事後的に回復することはできない被害だとしている。
原発労働者の被爆、事故が起きなくても稼働しているだけで周辺住民に生じている健康被害、処分方法が未確立なまま放射性廃棄物を大量に生み出していることをあげて、原発の稼働そのものが被害を引き起こすと述べている。
次回弁論は、12月20日。九州電力・国が原告の主張に反論する。
報告集会で、板井優弁護団共同代表は「いよいよ九電、国が反論する。どう勝っていくか。なぜ戦争ができなくなったのか。1945年の前と後で何が違うか。憲法ができた。ルールが変わった。公害も同じだ」と力説。
「原発を止めるには、ルールを変えなければいけない。それには、国民世論を変えないといけない。福島の思いを日本全体のものにし、日本全体の思いを福島の思いにする。そのことが原発廃炉の力」と訴えた。
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