JR北海道、異常な組織崩壊
2013-09-25

JR北海道は2011年5月の石勝線トンネル内での全焼事故以来の相次ぐ火災、発煙、脱線に加え、レールの異常を300箇所近くにわたり放置していた。
異常なほどの整備不良、情報疎通の欠如、さらには保線については本社内に責任部署がなかったという恐るべき事態が明らかになっている。
鉄道事業としての組織が崩壊していると言って良いだろう。
内部人事抗争という日刊紙がある。また某元首相はJR東日本に吸収させよと発言した。
いずれにせよ、このまま鉄道事業を続行は不可能だろう。
ーーーーーーーーーーーー
■JR北海道の沿革と概況 9/23 はてな匿名ダイアリー
夏休み前から連日のようにJR北海道の事故がお茶の間をお騒がせしております
これはひとえに、国鉄分割民営化により知識と技術の継承が途切れたからです
今から26年前、1987年に国鉄は分割民営化されました
この時、社員を目一杯抱え込んで発足したため、JR各社は長らく新規採用をやめました
これでは教育が途絶えざるを得ませんでした
日本と同時期に国鉄を民営化した多くの国では、技術が失われたことによる事故が続発して見直しが行われました
一方日本は民営化に起因する事故も信楽高原鉄道事故しか見られず、世界でもっとも成功した国鉄民営化だと考えられてきました
しかしどうやら、国鉄マンの生き残りがJRを支え続けていたにすぎなかったようです
国鉄で鍛えられた彼らがJRを去る日が来ると、JRの現場は誰も気づかないうちに静かに崩壊してしまっていました
それゆえに、諸外国、最も典型的にはイギリスが直面したような、技術の継承が失われてコストカットばかり追求されたがための事故が今になって続々と起きているのです
鉄道車両の点検整備を誰がしているかご存知でしょうか
カーエンジニアと同等、大型で多くの乗客を乗せる以上はもっと専門的な熟練のメカニックかもしれないと思うでしょう
JR北海道について言えば、違います
時給750円、僅かな座学で現場に投入されるアルバイトです
ちなみにこれは、車内清掃と同じ時給です
4月と7月に特急「北斗」、8月に特急「スーパーとかち」が、いずれもボルトの折損からエンジン周りの火災を起こしています
折損自体はやむを得ないもので、車両区に帰ってから発見して直せばそう大きな問題ではありません
JR東海やJR東日本でもしばしば報告はあり、これ自体は、事象の範疇です
問題は折損に気付かずに走らせ続けて火災事故を招くに至ったことにあります
ではどうやって点検するかといいますと、入り組んだ箇所、時にはカバーの下にあるボルトを直接視認することはできませんので、火かき棒のようなものを付近に当て、軽く叩いて打音により判断します
今来たばかりで再来月には音を上げてローソンやセイコーマートに移るアルバイトがどうしてそんな異状を発見できるでしょうか
東日本大震災の2ヶ月後だったため道外では全く知られていないのですが、実は一昨年、特急「スーパーおおぞら」が営業中に全焼する列車火災事故が起きています
国鉄には、列車火災発生時にトンネル内で停まってはならないというルールがありました
国鉄時代の1972年、福井県北陸トンネルを走行中の急行「きたぐに」喫煙室から火災が発生し、トンネル内で停車させた所、一酸化炭素が発生して乗客乗員30名が犠牲になったためです
ところが「スーパーおおぞら」の運転士は列車をトンネル内で停車させてしまい、あまつさえ車掌は乗客に車内で待機するよう指示しました
乗客が指示に従わず勝手に逃げ出して事なきを得ましたが、JR北海道はもう乗客を死なせたに等しいと言っても過言ではないでしょう
過去の悲劇から得られた教訓を忘れ去って教育しない会社に安全運行などできようはずもありません
信頼のなさが招いた不幸中の幸いといえる結果が皮肉ではありますが
この「スーパーおおぞら」の火災原因もまたボルトで、ボルトが破断してエンジンから車輪に回転を伝える推進軸が落ち、燃料タンクを突き破ったものでした
車体をグイグイ左右に振りながら高速で走る極めて特殊な構造の車両のため、モリブデン鋼製(引張・剪断に強い)を使っているはずだったのに、破断したボルトはクロム鋼製(腐食・摩耗に強い)でした
工場での車検・オーバーホールにあたる全般検査を担当するのはさすがにアルバイトではないものの、新製時からお守りをして知り尽くした熟練の匠が退職し、車両メーカーも事業撤退して尻を絡げ、その際メーカー側の資料が失われ、メーカー技術者に至っては転職先の会社も辞めてしまったと伝え聞く今、誰がどうやって特殊な車両を適切に管理できるのでしょうか
JR北海道は車両整備の管理台帳を電子化しています
世界の車窓からのICT広告でやっている電子カルテのように、全社でデータを共用できるため大変便利になるはずでした
しかし台帳にデータがきちんと入力されるのは全体の半分ぐらいです
電子化により、共用どころか整備データが残らなくなってしまいました
そんな空白の履歴を持つものをいったいどうやって適切に整備するのでしょうか
信号無視が相次いでいます
鉄道の信号は道路の信号とは全く別の概念で、一区切りの閉塞区間、信号と信号の間に一つの列車しか入れないことで安全を保っています
青信号なら絶対に前に列車はおらず、赤信号なら絶対に前に列車がいるのです
電車は急に止まれず、ブレーキを掛けても600m滑走するため、こうしないと安全が確保できません
道路で信号無視しても、交差する道路や横断歩道に何もいなければ9000円分の過ちにすぎません
しかし鉄道の赤信号冒進は、そこに何かいると示されているのに進行する行為、確実な衝突・追突への道です
確かにJR北海道は信号や閉塞の概念を廃止するGPS列車運行システムを開発中ですが、未来への夢を描きすぎて、現時点で持っていなければならない枯れた技術の重要性を軽視してはいないでしょうか
寝台特急「北斗星」の運転士が安全装置のATSをハンマーで叩き壊す事件が起きました
機関車を二台使う重連運転で二台目のスイッチを切り忘れていたようです
この機関車を折り返し使用する寝台特急「カシオペア」では当然ATS故障が起き、途中まで走って機関車を入れ替えました
はて、その途中までは安全装置なしで走っていたのでしょうか
突っ込みどころが多すぎてもう何も言えません
線路が25mmずれていてJR貨物のコンテナ車を脱線させてしまった事故がありました
事故を受けて調べたところ、97箇所で最大28mmの軌間狂いを放置していた事実が判明しました
これは線路を急いで総点検したわけではなく、台帳を探して発見されたもので、つまり検測は行っていて記録が残っていました
検測結果が基準値を越えると報告、しませんし、直すように指示が、別に出ません
基準値19mmを越えて直す必要があると思うと保線区から自発的に直しに行くようになっているので、予算もないし人手も補充されずにどんどん減っているし先送りしておこうと思うとそのままです
理論上43mmから脱線の危険性があると聞かされていれば、28mmならまだ行けると思ってしまうかもしれません
しかしこの数値は計算上軌間に車輪が落ちてしまう値で、それ以下でもぶっちゃけ脱線はします
軌間狂いは通常7mm、ポイント付近で5mmに抑えるべきもの、最後のデッドラインが25mmとされていたのです、昔は
国土交通省の数値基準が規制緩和でなくなったからといって、理論になっていない理論を振りかざして基準値を緩和しさらに無視していいわけがありません
どこまでが安全か、積み上げてきた知見すら失われているのではないでしょうか
はてなー好みに不安定雇用の招く社会崩壊を安全地帯から論じたり、逆に右っぽく労組の度重なる非強力ぶりを論ったり、技術こそ全てで文系に任せたらこうなると吼えたり、階級社会にして労働者を教育しようぜと三浦朱門ばりに上から唱えたり、失われた25年とそして永遠に失われたものを思って真っ青になったり、旗印として国鉄民営化を必要とした新自由主義を今こそ問い直したり、どういう大きな話に結び付けるのが適切なのか、よく分かりません
ただ、JR北海道けしからん吊るし上げろだけでは解決しない大きな流れの中の問題であると捉えて、我が社会の類型的な問題として考えてみていただければ幸いです

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視覚、覚、嗅覚、古細菌に始まる受容体
2013-09-25
故リー湘南クリニック院長の遺稿「異端医師の独り言」から
☆☆ 五感のうち、三つは似たもの同士 2012年11月07日
「視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚」を五感という。
このうち、視て、嗅いで、そして味を感じる仕組みは、非常に似かよっていて、網膜、鼻粘膜、そして舌にある「細胞膜 7回貫通型受容体(注1)」が、電磁波(注2)、臭い分子、あるいは糖やアミノ酸と反応すると、それらが電気信号として、脳に送られ、色や映像、臭い、そして味として認識される、
というより、これら感覚が脳で生まれる。
脳内アドレナリン受容体や脳下垂体ホルモンの受容体も「細胞膜 7回貫通型」なのです。
熱湯中や硫黄やメタンを餌とする「古細菌」という一群の生物がいる。
それら細菌は、植物とは全く異なる仕組みで光合成を営む。
これらも「細胞膜 7回貫通型」蛋白を使っている(注3)。
原始地球に登場した細菌が、海水中の栄養分を感知するために、受容体に役割を変えていったらしい・・・。
(注1)「受容体」とは、細胞膜表面にある、大小様々な鍵穴みたいなもので、この鍵穴に合う鍵(=「ホルモンと称される大小の蛋白質」や「モノアミンと称される化学物質」)がはまると、信号が細胞内へリレー式に伝達されて行く。
受容体を構成する蛋白質の長い鎖が「一筆書き」で、細胞膜の内と外を出たり入ったり 7回膜を貫通するので、「細胞膜 7回貫通型」と呼ばれる。
(注2)ヒト様が感じない波長の電磁波を「紫外線と赤外線」そして音波を「超音波」という。
ある生物は、紫外線(蜜蜂)や赤外線(蛇)を認識し、そして超音波を認識する(コウモリやイルカ)。
はて、昆虫や植物達が情報伝達手段に使うが、「ヒト様」の「嗅覚受容体に反応しない匂い」を何と呼びましょう、「超臭(ultra smell)」とでも。
(注3)牧野尚彦・著「ダーウインとヒラメの眼」に詳しい。
ーーーーーーーーーーーーー
故リー湘南クリニック院長の遺稿「異端医師の独り言」の関連ページ。
異端医師の独り言
がん検診の無理、効果に根拠はない
後世学(Epigenetics)の誕生
長寿国、自殺者数の増加、がん死者数の激増の真実
胃がんと抗がん剤治療
癌の縮小(奏効率)で患者は延命しない
ニセ科学の犠牲者、売上を誇る医師
食塩の政治学
The (Political) Science of Salt(全訳)
疑わしいサプリメントの効能と副作用
薬の犠牲、薬害を撒き散らす医師
乱用されている医療放射線機器
地中海型の食事と健康
地球温暖化の怪
「医療」の餌食にならない、無作為化対照試験(RCT)
なぜ日本に証明医療が定着しないのか
特定保健食品、黙認される誇大広告
風邪薬の犠牲者
有害な検診、有害な前立腺摘出
東電に群がる原発芸人文化人たち
詐欺:効かない薬の大量処方と有害無益の手術など
簡素な睡眠者、ハエや虫もぐうぐう眠るらしい
癌:希望と詐欺、そして現実と認識のギャップ
こんなにあるニセ科学
動物の深い悲しみの謎
リー湘南クリニック院長のご冥福を
検便の日
ヨッチャンの想い出
恐怖のカーレース、酒気帯び、起訴
僕の母親は、韓国の思い出
-40度、パーティ、Cockett城
睡眠とアルツハイマー、胃がんの原因、高血圧症?
医療の繁栄、コレステ、高血圧と認知症
米国での論文審査、学会発表
☆☆ 五感のうち、三つは似たもの同士 2012年11月07日
「視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚」を五感という。
このうち、視て、嗅いで、そして味を感じる仕組みは、非常に似かよっていて、網膜、鼻粘膜、そして舌にある「細胞膜 7回貫通型受容体(注1)」が、電磁波(注2)、臭い分子、あるいは糖やアミノ酸と反応すると、それらが電気信号として、脳に送られ、色や映像、臭い、そして味として認識される、
というより、これら感覚が脳で生まれる。
脳内アドレナリン受容体や脳下垂体ホルモンの受容体も「細胞膜 7回貫通型」なのです。
熱湯中や硫黄やメタンを餌とする「古細菌」という一群の生物がいる。
それら細菌は、植物とは全く異なる仕組みで光合成を営む。
これらも「細胞膜 7回貫通型」蛋白を使っている(注3)。
原始地球に登場した細菌が、海水中の栄養分を感知するために、受容体に役割を変えていったらしい・・・。
(注1)「受容体」とは、細胞膜表面にある、大小様々な鍵穴みたいなもので、この鍵穴に合う鍵(=「ホルモンと称される大小の蛋白質」や「モノアミンと称される化学物質」)がはまると、信号が細胞内へリレー式に伝達されて行く。
受容体を構成する蛋白質の長い鎖が「一筆書き」で、細胞膜の内と外を出たり入ったり 7回膜を貫通するので、「細胞膜 7回貫通型」と呼ばれる。
(注2)ヒト様が感じない波長の電磁波を「紫外線と赤外線」そして音波を「超音波」という。
ある生物は、紫外線(蜜蜂)や赤外線(蛇)を認識し、そして超音波を認識する(コウモリやイルカ)。
はて、昆虫や植物達が情報伝達手段に使うが、「ヒト様」の「嗅覚受容体に反応しない匂い」を何と呼びましょう、「超臭(ultra smell)」とでも。
(注3)牧野尚彦・著「ダーウインとヒラメの眼」に詳しい。
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故リー湘南クリニック院長の遺稿「異端医師の独り言」の関連ページ。
異端医師の独り言
がん検診の無理、効果に根拠はない
後世学(Epigenetics)の誕生
長寿国、自殺者数の増加、がん死者数の激増の真実
胃がんと抗がん剤治療
癌の縮小(奏効率)で患者は延命しない
ニセ科学の犠牲者、売上を誇る医師
食塩の政治学
The (Political) Science of Salt(全訳)
疑わしいサプリメントの効能と副作用
薬の犠牲、薬害を撒き散らす医師
乱用されている医療放射線機器
地中海型の食事と健康
地球温暖化の怪
「医療」の餌食にならない、無作為化対照試験(RCT)
なぜ日本に証明医療が定着しないのか
特定保健食品、黙認される誇大広告
風邪薬の犠牲者
有害な検診、有害な前立腺摘出
東電に群がる原発芸人文化人たち
詐欺:効かない薬の大量処方と有害無益の手術など
簡素な睡眠者、ハエや虫もぐうぐう眠るらしい
癌:希望と詐欺、そして現実と認識のギャップ
こんなにあるニセ科学
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恐怖のカーレース、酒気帯び、起訴
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泉田知事9/18定例会見
2013-09-25

9/18定例記者会見要旨 新潟県
質疑から原発と消費税関連を抜粋。
(原発関連問題について)
Q
原子力規制委員会が発足1年を迎えます。あらためてこの1年間の規制委の活動内容をご覧になって知事の評価をお聞かせください。
A 知 事
1年間見て事業者行政だけやって責任範囲を限定したいということでやっているのかなという印象しかないです。
原子力規制委員会はその任務の中に原子力利用の安全確保に関すること、すなわち国民の安全を守ること、これをしっかりやらなければいけないという所掌事務を持っているにもかかわらず、加えて勧告権を持っているのです。
にもかかわらず事業者の原子力発電所の性能基準ばかりに力を入れている、そういうところしか見えませんでした。
例えば福島の事故、なぜ2号機の格納容器が破壊に至ったのか。それに対する対策どうするのですかという説明もないわけです。
最も放射能を飛散させた2号機に対する対応をしているのかしてないのか、説明がない状態です。
科学立国アメリカと比べればいいというものではないかもしれませんが、米国と比べて、宇宙開発と比べて原因を究明して対策を取って次どうするかという社会的コンセンサスを作っていくというプロセスが全部省かれているというのは極めて残念に思っています。
Q
関連して田中委員長との面会が実現していませんが、あらためてその点の所感をお願いします。
A 知 事
例えば新潟県では中越沖地震で複合災害を疑似体験しています。
そのときに何があったのかを直接当事者から聞かずになぜ基準が作れるのかということです。
福島第一原発事故の検証もしていません。
面会しないというのは結局質問に答えられず、国民に顔を向けていないからではないかと受け止めざるを得ないと思っています。
Q
原発のフィルターベントに関してお聞きします。先週土曜日に、フィルターベントに関する東京電力の説明の変遷についてというこれまでの経緯を記した発表が県からありました。東電の発言の矛盾を指摘する内容なのかと思いますが、知事は東電の説明のどういったところに問題点があると思っているのでしょうか。
A 知 事
報道資料に書かれているとおりで、(東電の)発言内容が変わっていくということです。
Q
具体的にはどの発言とどの発言を指して・・・。
A 知 事
報道資料として具体的に出させていただきました。見てもらえればはっきりとわかると思います。
Q
報道資料の中で特に下線を引いて説明しているのが、今年の1月に「一体化しなくても大丈夫」という旨の説明を県が受けたということと、7月の廣瀬社長との面談時に「フィルターベントの基礎と建屋がずれて動くことはない」という説明を受けたことと、先日の柏崎刈羽原子力発電所長の記者会見で「同じ地震動を入れてもシンクロして動くわけではない」ということです。
横村柏崎刈羽原子力発電所長の「シンクロして動くわけではない」という最近の記者会見での発言がこれまでの説明と違うという指摘でしょうか。
A 知 事
経緯をずっと見ていくと違う説明をしています。同じではありません。状況が変わると説明が変わるということだと思います。
Q
どの点を問題と感じているのでしょうか。
A 知 事
説明が変遷している点です。
Q
福島第一原発事故に伴う損害賠償請求について、東京電力から一部支払いを受けたと思いますが、支払額や支払い対象を含めてどう受け止めていますか。
A 知 事
あくまでも第一弾と受け止めています。
Q
途中経過に過ぎないということですか。
A 知 事
そうです。
Q
特段、例えば何に対応していない、これに対して支払いがないのはおかしい等、そういう印象はありますか。
A 知 事
問題があるという報告は受けていません。(整理の)終わったものから順次支払い(が行われている)と今は受け止めています。
Q
請求の一部は支払いを受けていて、協議が続いている状況だと思いますが、一方で企業局管轄の汚泥の引取りの件について進展はありますか。
A 知 事
今はありません。
Q
フィルターベントの説明に関してですが、東電の説明は変わってますという報道発表がありましたが、東電の姿勢についてどう感じていますか。
A 知 事
まず事実関係を広く知っていただくことが私は重要だと思っています。
世の中の状況が動くと説明がこのように変わっているというところをまず知っていただくことです。それからではないでしょうか。
Q
今の質問に関連してですが、フィルターベントに対する説明が変わっていること自体について、こういう理由で説明が変わっていると県に対して説明はないのでしょうか。
A 知 事
(東京電力は)記者会見で発表しています。
こういう理由という話は、私のところに事前に上がってきてはいません。
Q
横村柏崎刈羽原子力発電所長は、建屋と異なる基礎の上に置くことで揺れを吸収する方がよいという考えを示しているのですが、その考え方自体について知事はどのように受け止めていますか。
A 知 事
配管が外れることになると生の放射性物質が出てしまいます。
いろいろと言うのであれば、最も安全なのは(建屋の)中に作っておくということではないでしょうか。
どのようにすれば住民をより危険にさらさずに済むのかという観点の思考が必要だと思います。
正当性を強調する言い方が揺れ動きながら進めていますが、姿勢の問題です。
(配管が)外れたら生の放射性物質が出てしまうということに対して、我々としてはこのように考えて対応するということをやはり考えるべきだと思います。
実際に2007年のときには(配管が)外れて火事が起きています。
Q
東京電力の廣瀬社長との再面談も視野に入れた事務当局での調整について、現状での進行具合は・・・。
A 知 事
返事待ちという状況です。
Q
やり取りを続けていて、今は返事待ちということだと思いますが、これまでの期間の中で進展しているという実感は持っていますか。
A 知 事
ゼロではありません。
Q
いつかはゴールと言いますか、お互いの・・・。
A 知 事
それは東京電力次第だと思います。
Q
先頃また原発が全号機停止した一方で、新規制基準に基づく審査が進み、運転再開の道へ一歩ずつ進んでいます。国全体の動きとしては、福島第一原発事故の検証・総括が重要という知事の考えと矛盾している部分もあるかと思いますが、知事としてはどのように受け止めていますか。
A 知 事
リリースを出したとおりです。
Q
(新規制基準に基づく)審査が粛々と進んでいるという状況についてはどのように見ていますか。
A 知 事
進んでいるのは進んでいるというだけであって、大飯原発の話とは関係ないと思います。
Q
大飯原発も(新規制基準に基づく)審査を受けるということになって・・・。
A 知 事
リリースを出したとおりです。他県の状況について承知して、責任を持って話せる立場にないので、新潟県知事としてはコメントしません。
(消費税増税について)
Q
消費税について確認させてください。先ほどの説明の中でも腰折れのリスクがあるという話や、地方への目配りというか対策という話もありました。政府は10月初めにも最終判断すると思いますが、現時点で知事は来年4月に消費税3%上げることに賛成なのでしょうか、それとも反対なのでしょうか。
A 知 事
政府はまだ決めていません。
Q
知事としてはどのように考えていますか。
A 知 事
リスクは高いと思います。
何のために消費税を上げるのかと尋ねれば(答えは)増収したいからなのですが、景気腰折れで、減収のリスクを負っているということです。
方法についても先送りするのか、1%刻み(で増税)なのか、(一気に)3%増税するのか、また地方への目配りをするのかしないのか、弱者対策をどうするのかといったことを総合的に見ないとコメントは難しいという状況だと思います。
リスクはあります。特に地方については今聞いていただいたとおり、どんどん力強く(GDPが年率で)3.8%回復していますという話ではないと思います。
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