戦争犯罪へ進む米国、対シリア“限定”戦争の嘘
2013-09-04

2013/8/1イスラエルのシリア攻撃
対シリア“限定”戦争の嘘 シェーマス・クーク 2013年8月31日 Global Research 翻訳「マスコミに載らない海外記事」から
沈みかけている船からネズミ達は脱出しつつある。オバマの最も強力な同盟諸国も、対シリア戦争準備の基盤である嘘の匂いに耐えられなくなっている。
外交政策全体が、アメリカに“飛べ”と言われると、“どれほど高く?”と問うだけの立場に貶められているイギリスさえもが、オバマの戦争願望にも落ち着いた状態を保つことを選んだ。
アメリカ外交政策によって、長らく傀儡と見なされてきたアラブ連盟も、あやつり糸を断ち切った。
国連安全保障理事会も、リビアで、オバマを信じてはならないことを学んだ後、攻撃を許可するのを拒否した。
残るは、攻撃に“国際的”支持という装いを施す“重要な”ヨーロッパ諸国の表象として、イギリスの代役を果たす、シリアの元宗主国フランスだけだ。
だが、イギリスの傲慢さが、戦争挑発者として動くことはあるまいと“社会主義者”大統領に投票したフランス国民に、感銘を与えるであろうことは確実だ。
オバマは、ごく最近の化学兵器攻撃を行ったのがシリア政府であるという証拠を何も提示していない。
国連査察官カルラ・デル・ポンテは、前回の化学兵器攻撃は、アメリカが支援する反政府勢力が行ったとしており、誰を有罪かと推定することになれば、それは反政府勢力の方向に向くだろう。
諸外国が、オバマの戦いの歌を、ブッシュ大統領がイラク攻撃に用いた歌詞の剽窃だと即座に理解する一方、アメリカ国民の一部は、オバマの甘美な調子に騙されている。
“何日ではなく、数時間”しか続かない“限定攻撃”という穏やかで、安心感を与える響きは、基本的に“悪い”子でいるシリアには、軽いお仕置きが必要だが、その後全てが通常に戻ると言い聞かされているアメリカ国民の神経に対して沈静効果があるのだ。
アメリカ軍兵士は誰も死ぬ必要がない。本当に、大騒ぎするほどのことではない。
だがもちろん、中東におけるいかなる軍事行動も重大事だ。
この地域で、アメリカが戦争をする度毎に、緊張は高まり、自衛の準備がなされ、抑止力として機能すべく地域同盟も用意できている。
アメリカ外交政策に同調しない国々は数多いが、全中東におけるアメリカの血まみれの行進を止めようとうずうずしているのだ。
アメリカ人は、イラク戦争が、中東を一体どのように根本的に変えてしまったのかを理解していない。
かつて多くの人々から誇り高いアラブの国と見なされていたイラクを破壊したことで、アメリカ政府は、この地域の圧倒的大多数の人々から、ひどく憎悪されている。
何百万人ものアラブ人が、同様に非常に強い親近感を抱いている、中東の中心にあるもう一つの国を攻撃すれば、大変な“ブローバック”を生み出すだろう。
どれほど“限定された”攻撃であろうと、外国を爆撃することは、重大な戦争行為だ。
実際、第二次大戦後、ニュルンベルク裁判は、ナチスの“最高の国際犯罪”は、集団大虐殺やホロコーストではなく、他の全ての戦争犯罪は、この原罪から吹き出したのだから、侵略戦争を始めたことだと結論づけた。
もちろん、オバマの侵略戦争計画は、シリアの何輌かの戦車に対して何発かのミサイルを発射するという程度のものではない。
それが海軍駆逐艦を5隻、地域に移動させた理由だ。
それがまた、おそらくフランスの日刊紙ル・フィガロが報じた通り、8月17日に何百人ものアメリカの特殊部隊員と“訓練された好戦的戦士”がシリアに入り込んだ理由だ。
シリア攻撃の本当の意図は、ニューヨーク・タイムズによれば、ほぼ二年間、そして、おそらくはもっと長期間にわたり、銃、訓練や、資金の形で、膨大なアメリカの支援を受けてきて、現在苦しんでいるオバマの反政府勢力にてこ入れすることだと広く推測されている。
イスラム過激派の民兵が、アサドに反対する中で、最も強力な戦闘部隊であることは議論の余地がない事実だ。もしアサドが倒れれば、彼等が権力を握るのだ。
アメリカが支援する過激派反政府勢力は、アサドを打倒する何らかの希望を持つには、それよりももっと強力な支援が必要なので、もし小規模な爆撃作戦だけが行われるとすれば、後日、更なる爆撃が行われるのは確実だ。
オバマ側の、本質的に打ちのめされている反政府勢力と、シリア政府の間の力のバランスを変えるには、リビアに似たやり方の大規模爆撃作戦が必要だ。
リビアでの一連の出来事を忘れるべきではない。
アメリカが支援するリビア反政府勢力が敗北に直面すると、オバマは、何千人ものリビア国民の虐殺を防ぐためには“緊急行動”がなされなければならないと主張して、国連の“無邪気さ”につけこんだ。
国連は愚かにも“民間人保護”という曖昧な決議に合意し、オバマはそれを、すぐさま侵略戦争と体制転覆をしかける口実に利用し、ジェット戦闘機でリビアに何千発もの爆弾を投下し、軍事と民間標的両方を攻撃し、その過程で国家の縫い目を引き裂いた。
ヴィジャイ・プラシャドの素晴らしい著書、“アラブの春、リビアの冬”はこの戦いを詳細に論じている。
リビアの例の後、国連はオバマの嘘に騙されなくなった。
そこで、今、対シリア戦争をする上で一番難しい部分は、戦争を始めることだ。
戦争が、一度足掛かりを得てしまえば、戦争の論理が即座に乗っ取り、それが、通常、拡大の方向の、新たな、不測の力学を即座に生み出すのだ。
この“不測の”戦争の要素こそが、まさにオバマが計画しているものである可能性はきわめて高い。
例えば正気の軍事アナリストなら誰でも、シリアが自国を防衛することを予想するだろう。
そしてシリアは、リビアやイラクがそうであった以上に、そうする能力がずっと高かろう。
アメリカ国民は、基本的に、シリアは多分ひどいかんしゃくを起こした後、従順に懲罰を受け入れるだろうと聞かされているので、これには覚悟ができていないのだ。
しかし、シリアには高度な武器体系があり、例えば、アメリカ海軍駆逐艦を爆撃したり、あるいは、おそらくは、攻撃に何らかのレベルで確実に関与しているので、それゆえ合法的な軍事目標であるイスラエルを標的にしたりして、シリアが自らを守ろうとするのは全く合法的で、合理的なことだ。
イスラエルは、過去六ヶ月の間に、シリアを何回か爆撃している。
アメリカ国民に、戦争をエスカレートする為の“本当の”理由が得られるよう、オバマが、シリアに強い反撃をさせようとする可能性は十分あり得る。
イランとシリアは相互防衛条約を締結しているので、シリアに対するいかなる攻撃も、イランを紛争に巻き込む可能性がある。
だから、それが究極的な狙いなのかも知れない。
イランが軍事的関与をするよう挑発し、アメリカが、戦争を、長年アメリカの照準十字線にあるイランへと拡張する言い訳が得られるようにするのだ。
もし、国際的、国内的圧力が、単なるシリアが反撃をしてこない程度の“形だけの”攻撃をするようオバマに強いれば、アメリカ外交政策にとって、アメリカの国際的覇権の衰退を示す、歴史的屈辱となるだろう。
しかし、たとえ“局部”攻撃であっても、極めて危険な前例となり、必然的に近い将来に再開されるであろう将来の攻撃の為の扉を大きく開くことになる。
帝国というものは単純に忘却のかなたへと消えていくものではないのだから、今回のひ弱な戦争準備は、次回、オバマ政権を一層戦争に対して貪欲にさせるだろう。
もしオバマが、この時点でシリアを攻撃すれば、イラク攻撃時のブッシュより、彼の同盟国は少ない。
ノーベル平和賞受賞者のオバマは、50年前 1963年3月に、マーチン・ルーサー・キング・Jrが演説したワシントンの土地を、厚かましくも汚した。
オバマは、対シリア戦争を計画しながら、偉大な調停者を褒めたたえた。
オバマは、ブッシュの様な形で、自分の品格を実に急速に破壊してしまった。
彼はチェルシー(旧ブラドリー)・マニングの様な内部告発者を投獄したが、マニングの唯一の犯罪は戦争犯罪を暴露したことであるのに、大統領は、現在シリアに対する遥かに大きな戦争犯罪を準備している。
彼の大統領としての地位は、炎に包まれて、目覚しい速度で下落しつつあり、この国の他のすべてをも引きずり降ろす可能性がある。
土曜日、8月31日は、対シリア戦争に反対の抗議行動をする国際的な日だ。アメリカにおける大規模な反戦行動は、より多くの戦争支持派のネズミに、船から飛び降りるよう納得させるだろうし、特に大規模行動は、軍艦を一発で沈没させる可能性もあろう。
原文はグローバル・リサーチ(カナダ)http://www.globalresearch.ca/the-lie-of-limited-war-against-syria/5347354
どこぞの原発の地下、活断層ではないことになった。これで、再稼働可能ということにするのだろう。
常識で考えれば、猿でもワカル。福島第一原発のメルトダウン、別に、福島第一原発地下の、活断層が動いて、大地震が起きたためではない。
活断層であろうとなかろうと、原発は限りなく危険なのだ。
シリアについては、宗主国と、属国の傀儡首脳、密接に連絡をとりあうという。
集団自衛権が承認されていれば、日本軍も、現地に駆けつけることになっていただろう。そして、一緒に攻撃することになっていただろう。
福島第一原発メルトダウンだけでも、国家存亡の瀬戸際にあるのに、いくら宗主国の命令とはいえ、海外侵略をする資金的・人的余裕は全くないだろうに。
それで、同じ言葉を、しつこく書いておこう。
売国とアメリカ語で書く三代目
- 関連記事
-
- シリア危機のまとめ、中東の安定へ:田中 (2013/09/19)
- シリア攻撃は戦争の拡大と国連瓦解の危機、ロ米の合意成立 (2013/09/15)
- シリア攻撃阻止でG20を牽引するプーチン (2013/09/07)
- 報道を封殺されている中で事実を9/6 フィフィ (2013/09/06)
- プーチン:シリア攻撃は違法な侵略行為 (2013/09/05)
- 戦争犯罪へ進む米国、対シリア“限定”戦争の嘘 (2013/09/04)
- 欧米の大量破壊兵器「民主主義」、オバマの後退 (2013/09/04)
- 人道の名で戦争犯罪を進める欧米:長周新聞 (2013/09/03)
- オバマ戦争権限を議会に移譲 (2013/09/03)
- 報道を封殺されている中で事実を9/1フィフィ (2013/09/02)
- 証拠もなしに攻撃したら国際法違反行為:プーチン (2013/09/01)
欧米の大量破壊兵器「民主主義」、オバマの後退
2013-09-04

ダマスカス ウマイヤド・モスク
大量破壊兵器「デモクラシー」 9/2 ロシアの声
化学兵器の使用について西側諸国はシリア政府を非難している。
しかし正当な非難でないことは明らかだ。おそらく化学兵器を使用したのは蜂起勢力の側である。
どちらにせよ、これ(「化学兵器の使用」)はアサド政権への非難の外面でしかない。非難の中核にあるのは、シリアに「独裁制」が敷かれ、「民主主義が機能していない」という点なのだ。
この中核となるポイントに関しては、西側諸国は誠実であると言えるだろうか。
彼らはシリアに現代的な、民主主義的な社会を建設しようと、真剣に考えているのだろうか。専門家エヴゲーニイ・エルモラエフ氏の意見を聞こう。
10年前、当時の米国大統領ジョージ・ブッシュ氏は、イラクへの米国の侵攻を正当化するため、こう言った。
<イラクの民主主義は勝利する。その勝利によって、あらゆる民族にとって自由は宿命であるということが示されるだろう>と。
その後に起こったこと、そしていまのイラクの状態を見て、それを勝利とは言いがたいものがある。
国家は瓦解し、経済は低落し、宗派対立が深刻化した。
しかしどうやら、ワシントンは、イラクの例を成功例と見ているらしい。
イラクの次には欧州よびアラブの同盟国たちとほぼ同様の<民主主義>をリビアに持ち込んだ。
今度はシリアというわけだ。
しかしそもそもこの国は、市民戦争が勃発するまでは、この地域でも最も民主主義的な国家であったのだ。
少なくとも複数政党制が生き、理想的なものではないにしろ、ともかくも選挙が行われていた。君主制の湾岸諸国には政党も選挙もない。
しかしその国々には米国はどうやら無関心でいられるらしいのだ」
つまり西側は中東・北アフリカ地域の中でも既に民主主義が存在する国を強制的に民主化しているということになる。
それによって民主主義を完成し、発展させるのでない、むしろ破壊しているのである。
いわゆる中東民主化について、専門家ヴィクトル・ナデイン=ラエフスキイ氏は次のように語っている。
「西側は、中東諸国に民主主義や自由についての西側的な観念を植え付けるべく、インターネットを通じて多くのことをなしている。
それにより、そうした国々には、西側モデルの民主主義を信奉する社会層が形成されている。それは事実だ。
いまシリア政権を相手に戦っているのは、イスラム主義者ばかりというわけでもない。おそらく、中には、誠実に、全てのことがヨーロッパのようにあってほしいと願う人もいるのだろう。
しかし欧州が、現在民主主義と呼ばれるものを勝ち取るには、実に数世紀を要した。その過程は単純ではなかった。しばしば血が流れた」
西欧の民主主義というのは、試行錯誤の果てに見出された、社会的な不調和の平和的な解決手段である。
この「平和的な」という点が重要である。
現実には西側諸国は中東を力によって変革させ、そして力を行使する側の人々ばかりを応援している。
率直に言って、西側諸国は民主主義の建設でなく、破壊ばかりを事としているように見える。
そして廃墟の上に、マリオネットの指導者率いる、脆弱な国家が打ち立てられるのである。
その支配は完全に西側が握る。
民主主義の欠如というのは方便に過ぎない。理想的な社会というのはどこにも存在せず、かつて存在しなかったのである。
ーーーーーーーーーーーーーー
アメリカ大統領のシリア攻撃に関する立場の変化 9/1 イラン国営放送
ミールターヘル解説員
アメリカのオバマ大統領が、1週間にわたり、繰り返しシリア攻撃を示唆した後、それまでの立場を後退させました。
オバマ大統領は、シリアでの化学兵器の使用は、アメリカとその同盟国にって脅威であるとしながら、アメリカのシリアへの軍事介入は、議会の許可にかかっているとしました。
オバマ大統領は、「私はアメリカ大統領として、攻撃の指示を出す立場にあるが、議会にもその決断を求める」と語りました。
オバマ大統領は、シリア攻撃は、あすかもしれないし、1週間後、あるいは1ヵ月後かもしれないとしながら、「我々はアメリカであり、シリアで起こっていることを無視するわけにはいかない」と述べました。
アメリカ議会は、2週間以内に決定を下すと発表しています。
アメリカの憲法では、戦争に関する権限の項目の中に、一つの例外が存在します。それは、大統領が議会の許可なく、戦争の指示を出すことができるということです。
それは、アメリカ、あるいはアメリカ軍、そしてアメリカの領土が攻撃を受けた場合、あるいはその恐れがある場合です。
オバマ大統領は、シリア攻撃の問題を、議会の許可が必要なケースと見なしているようです。
オバマ大統領の明らかな立場の変化は、最近の地域や世界の情勢に関係していると思われます。
オバマ大統領は、シリア攻撃に関して、国連安保理で国際社会の賛同を得ることができませんでした。
西側やアラブのその同盟国が提示した、シリアに対する圧力強化を目指す安保理の決議は、これまでに3度、否決されており、最近では、イギリスが、シリアへの軍事攻撃を可能にするための決議案を提示しましたが、それも失敗に終わりました。
オバマ大統領は、イギリスが辞退したため、現在、ヨーロッパの同盟国の中でも、フランスのみを自らの支持国と見なしています。
フランスでも、シリア攻撃への同調に反対する声が多くなっています。
フランスのメディアは、「オランド大統領は、オバマ大統領のシリア攻撃において、ヨーロッパで唯一の同調者だ」としています。
実際、このような状況の変化により、オバマ大統領は、自分のシリア攻撃を支持する国はほとんどないと見なしています。
しかしオバマ大統領は、シリア攻撃の責任を単独で背負いたくないと考えています。
実際、オバマ大統領は、特別な権限を認めた法に基づき、単独でシリア攻撃の許可を出すことができたはずでした。
それにより、大統領は、議会の許可がなくても、それを完全に単独で実行することができます。
オバマ大統領は、アメリカの世論の賛成を得ることができていません。
世論調査によれば、アメリカ人の60%以上がシリア攻撃に反対しています。
アメリカ議会の賛同は、オバマ大統領に対し、より強い立場から行動する許可を与えるものです。
アメリカ下院は、シリアへの軍事介入に賛成しています。民主党が過半数を占める上院も、恐らく、この法案に賛成するでしょう。
一部の専門家は、政府が議会での表決を提案したのは、初めから結果が分かっているためであり、より大きな支持を得た上で、それを行えるとしています。
オバマ大統領は、アメリカ議会の賛同を得ると見られていますが、たとえ否決されたとしても、オバマ大統領はそれを守る必要はありません。
なぜならこの票決は、意見を伺うものに過ぎないからです。
(※しかし?)政治的な観点からも、議会の反対を無視するのは非常に難しいことです。
概して、オバマ大統領の今回の決定は、"シリアでの化学兵器の使用に対しては、断固とした対応が必要だ"とした当初の立場に比べると、明らかな立場の後退と見なされます。
オバマ大統領は最終的に、シリアに対して限定的な攻撃を行うと見られていますが、それに関する迷いや疑いは、明らかに、アメリカの同盟国、特にアラブ諸国やトルコのオバマ大統領に対する信用にマイナスの影響を与えることになるでしょう。
- 関連記事
-
- シリア攻撃は戦争の拡大と国連瓦解の危機、ロ米の合意成立 (2013/09/15)
- シリア攻撃阻止でG20を牽引するプーチン (2013/09/07)
- 報道を封殺されている中で事実を9/6 フィフィ (2013/09/06)
- プーチン:シリア攻撃は違法な侵略行為 (2013/09/05)
- 戦争犯罪へ進む米国、対シリア“限定”戦争の嘘 (2013/09/04)
- 欧米の大量破壊兵器「民主主義」、オバマの後退 (2013/09/04)
- 人道の名で戦争犯罪を進める欧米:長周新聞 (2013/09/03)
- オバマ戦争権限を議会に移譲 (2013/09/03)
- 報道を封殺されている中で事実を9/1フィフィ (2013/09/02)
- 証拠もなしに攻撃したら国際法違反行為:プーチン (2013/09/01)
- サウジが給料も化学兵器も供給 (2013/09/01)
加速するインフレ、下がる長期金利はデフレ恐慌へ向かう
2013-09-04

国際金融資本の巣 国際決済銀行(BIS)バーゼル
加速する物価上昇 低下する長期金利 9/3 闇株新聞
8月30日に7月の全国消費者物価指数が発表され、最も一般的な生鮮食品を除く総合は前月比0.2%、前年同月比で0.7%のそれぞれ上昇となりました。
この前年同月比は、6月が0.4%、5月が0.0%、4月がマイナス0.4%だったので、かなり加速していることになります。
ちなみに2012年の年平均(前年比)では、2012年がマイナス0.1%、2011年がマイナス0.3%、2010年がマイナス1%だったので、久々の物価上昇となります。
ただ7月の酒類以外の食品及びエネルギーを除く総合(コアコア)では、前年同月比で0.1%のマイナスなので、国内の需要が拡大して「良い物価上昇」が起こっているようにはみえません。
消費者物価に先行する7月の国内企業物価(速報)は前月比で0.5%、前年同月比で何と2.2%の上昇となっていました。この前年同月比は6月が1.2%、5月が0.5%、4月が0.1%のそれぞれ上昇だったので、これもかなり加速していることになります。
特に輸入物価指数が前年同月比で7月が18.5%、6月が13.8%、5月が14.1%、4月が9.6%の上昇なので、我慢しきれなくなって輸入物価の国内転嫁が始まったところに、さらに輸入物価が上昇していることになります。
それに加えてここのところシリア情勢から原油価格が上昇しており、低迷していた資源価格まで上昇しはじめています。
どう考えても日本の物価は、国内企業物価・消費者物価とも、もっと上昇が加速するはずです。物価上昇メリットが全部海外に流出してしまう典型的な「悪い物価上昇」ですが、政府および日銀の目標である2%の物価上昇(消費者物価の前年同月比の上昇と思われます)が、まもなく実現してしまうことになります。
せっかく政府および日銀の目標が実現しそうなので、そこからどうなるのかを考えてみましょう。
常識的には長期金利が上昇します。長期金利とは10年国債利回りと「ほぼ同義語」です。
本日(9月2日)の10年国債利回りは0.74%です。
消費者物価が前年同月比で0.7%上昇しており、もっと加速することが確定的な国(日本)の10年国債利回りが0.74%なのです。
どう考えても合理的な説明ができません。
先週末(8月30日)の主要国の10年国債利回りは(カッコ内は世界的に本年最低利回りだった5月初旬の利回り)、米国が2.78%(1.62%)、ドイツが1.85%(1.16%)、英国が2.77%(1.62%)、イタリアが4.40%(3.76%)、スペインは4.53%(4.04%)、豪州が3.89%(3.03%)と軒並み上昇しています。
ちなみに7月の消費者物価は、米国が2.0%、ユーロ圏が1.6%のそれぞれ上昇です。
日本の10年国債利回りは、5月23日に瞬間1.0%をつけてから「世界で唯一」低下しています。その間の日本の消費者物価上昇幅は、米国・ユーロ圏とほとんど同じです。
思いつく答えは1つしかありません。
日本経済が「近い将来」減速するということです。今でも日本経済が加速しているわけではないので、再度低迷するといった方が正確かもしれません。そうなると国内の物価水準も再度下落に向かいます。
経験的に、長期国債利回りは経済の見通しを最も正確に反映するものだと、今も確信しているからです。
この利回り低下が消費増税の悪影響も反映しているのかどうかはわかりませんが、少なくとも予定通りに消費増税を強行すると(するはずですが)、日本経済にも日本株式にも「かなり深刻な」悪影響がでることを暗示しているのです。
ーーーーーーーーーーーー
※ (北風)
物価上昇の加速と長期金利の低下は、所得が増えない以上は消費需要の悪化と金利の反転上昇で均衡に向かう。
つまり、再びデフレ恐慌が悪化することになり、もちろん物価は下げ圧力が強まる。
そこに予定どおり消費増税が加わるなら、最悪の消費需要崩壊が引き起こされる。
在庫ショックから生産停止、金融ショックに発展しかねない。
国際金融資本が雪崩のような日本売りに至る可能性は、月ごとに高まるだろう。
- 関連記事
-
- アベノミクスの危険が現れてきた (2013/10/24)
- みずほ銀行と金融庁(麻生)の命運? (2013/10/12)
- よくわかる?消費税 (2013/10/04)
- 法人減税で賃上げ?景気回復?の馬鹿話 (2013/10/01)
- アベノミクス、米国へ大流出している日本の資金 (2013/09/18)
- 加速するインフレ、下がる長期金利はデフレ恐慌へ向かう (2013/09/04)
- 中原圭介インタビュー:通説経済学に騙されるな (2013/08/24)
- デフレ脱却ではなくスタグフレーション:野口 (2013/08/22)
- アフラックに屈服、国民皆保険の崩壊:山田 (2013/08/01)
- アベノミクスは米国と国際金融の草刈り場 (2013/07/31)
- インフレ目標は宗教か脅しか:中原 (2013/07/26)