チェリノブイリの3倍のセシウムが放出された、その意味
2013-09-29

チェルノブイリと同縮尺の東北関東(群大早川教授)。チェルノは爆発で広く降下したが、福島はその十倍近い量が今も地下とプールにある。再度地震等で事故となった場合は、まさにチェルノの汚染範囲を「軽く超える」のは疑いない。
福島からの放射性セシウムの大気中放出量はチェルノブイリの3倍とEU機関計算 9/24 「エビデンスに基づく考察」から
タイトルはEU傘下の研究所(参考資料)の計算によれば福島原発から大気中に放出されたセシウムの総量は21京となった。チェルノブイリ事故では7-8.5京と報告されていることから3倍強の数値が算出された。
事故後間もなく報告された値はチェルノブイリの1/7程だったので、今回の計算により数値が一挙に40倍に増えた。
また、希ガスのキセノンは1100京と保安院により事故から数カ月後に報告されており、この量はチェルノブイリの2倍だった。
更に福島3号機ではMOX燃料がつかわれていたので、半減期の長いプルトニウムも放出された。
汚染水の海洋放出が最近報告されるようになり、にわかに環太平洋国の住民の関心も高まってきた。また新たな核種のストロンチウムやトリチウムも大量に含まれていることが報告された。
海へ放出された各核種の放射線量の濃度は現時点では皆目見当がつかないが、後何年かすれば海水濃度からの推定量が算出されるであろうが、現時点で収束できるならば、回復の見込みもあろう。
太平洋は地球最大の海であり、この環境を守るという気概で取り組み必要がある。
これ以上の汚染水流失は断固阻止すべき義務がある。
トリチウムの浄化は困難だという意見もあるが、実際に浄化は行われており不可能ではない。
汚染水の浄化はトリチウムまで含め全核種で行うべきである。
このように事故の規模がチェルノブイリの数倍になってしまったことは残念であるが、起きてしまった現実は隠すのでなく認め、今後の事故拡大防止に全力を尽くすべきだ。
またこれから始まる4号機の保管核燃料の除去は一歩間違えれば、作業員の撤退から周辺の原子力発電所での事故に連鎖し、日本沈没まで起きかねないそれほど重要なことを認識すべきだ。最も緊急で最も重要な課題と認識すべきである。
被ばく軽減について、チェルノブイリよりはるかに線量が多かったというエビデンスは被ばく被害もそれだけ大きいことを想定すべきだ。
これからまもなく顕著に出てくる甲状腺がんや白血病とする様々な疾病に対する対策も医療界をあげて取り組むべきだ。
以上を考えればオリンピックとかリニア新線で浮かれるのではなく、現実を直視すべきだ。
参考資料
http://enenews.com/eu-funded-research-fukushima-atmospheric-release-210-petabecquerels-cesium-137-upper-bound-simulation-chernobyl-estimated-70-85-petabecquerels
ーーーーーーーーーーーーー
※ この記事についての小野医師の解説。
「フクシマからの放出放射能-核実験最盛期の全放出量さえ上回っていた」もぜひお読みください。
チェリノブイリと福島の事故の違いは、チェルノが大爆発放射性物質は高空に飛んだのに対し、福島は3号機を含めても小爆発ですが、炉心が丸ごとメルトダウンしたため核燃料の総量が比較できないほどに膨大であり、これからも極めて長期にわたって放出を続けることにあります。
そのような前提現象の差にに「励まされた」東電と政府は放出放射能については、当初から過小な放出量を捏造するようになったわけですが、外国研究者からは露骨な隠蔽と受け取られていました。
この調査計算によればチェルノの3倍の21京(東電発表の40倍)とのことですから、闇に閉ざされたヨウ素についても40倍の可能性があります。
2年目という早期に、子どもの甲状腺異常が既に頻発し始めているのも納得できます
「36%に甲状腺異常、見解と提言:カルディコット」から
「潜伏期間がこれほど短いと言うことは、この子供達が吸入と飲食によって取り込んだ 放射性ヨウ素による甲状腺被曝量が尋常ではない高さであるということは、疑いの余地があり ません
「通常子どもは百万人に一人未満」ですが、40倍ならこんなに早期から爆発的なことも当然で、5年後、10年後はチェルノの数倍を超える可能性があるでしょう。
甲状腺以外の鼻血から脳梗塞、心筋麻痺から神経痛、免疫不全まで、今2年半の私達には予想もつかない増加が来ると考える必要があります。
チェルノから27年が経っても、未だセシウムの半滅にさえ至っていないのです。
いまだにときおりドイツのジャムから20Bq/kgなどと出てきます。
「今も未来も続く欧州の食品汚染」
「4.5年も経てば国民は忘れてほとぼりが覚めるだろう」と政府、マスコミは思っているようですが、放射能は社会現象ではなく物理現象ですから、眼を閉じても、忘れても事態は変わりません。
今現在も東電発表でさえ、毎日2億4千万Bq/日が放出されています。
封じ込めの目処さえも立っていません。
20年や30年ではないのです。
今年生まれた新生児も含めて、今生きている私たちは一生涯放射能に注意して、被曝を極力避けて生きるということなのです。
こんな重大なことが進行中であるにもかかわらず、マスコミは芸能馬鹿番組と捏造報道、「食べて応援」の狂気の次は。オリンピックの狂乱ですか!
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再稼働は福島の被害とまたの大事故を容認すること:中島さん
2013-09-29
フクシマの訴え「暮らしを根こそぎ奪った」~福島相馬市の被災者が 玄海原発訴訟で弁論 9/29 Finance GreenWatch
47都道府県6,751人の市民が国と九州電力を相手取って玄海原子力発電所の操業停止を求めた「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が9月27日、佐賀地裁で開かれた。
福島県相馬市の被災者で原告の中島孝氏(57)と、長崎の被爆者で原告の川原進氏(68)が意見陳述した。
中島氏は、福島原発事故の被害と現状を語り、「いったん事故を起こせば取り返しがつかない。言葉に尽くせぬ大変な事態を、我々は福島で日々体験している」と訴えた。
47都道府県6,751人の市民が国と九州電力を相手取って玄海原子力発電所の操業停止を求めた「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が9月27日、佐賀地裁で開かれた。
福島県相馬市の被災者で原告の中島孝氏(57)と、長崎の被爆者で原告の川原進氏(68)が意見陳述した。
中島氏は、福島原発事故の被害と現状を語り、「いったん事故を起こせば取り返しがつかない。言葉に尽くせぬ大変な事態を、我々は福島で日々体験している」と訴えた。
川原氏は、「原発も、ピカドンと同じように放射性物質をまき散らし、内部被曝を起こす」と述べ、「私の(被爆)体験と、(福島第一原発事故で)内部被曝を受けた人たちの今後が重なるように見える。
ヒロシマ、ナガサキが苦しんできたように、同じことが起こるのではないかと恐ろしい」と、放射能の危険性を訴え、ピカドンも原発もない「核なき世界」を呼びかけた。
中島氏は、福島原発の被害者が原状回復を求めて福島地裁に提訴した「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟の原告団長。
相馬市でスーパーを経営し、店から1kmのところにある漁港に水揚げされる新鮮な魚を販売していた。
震災の直後は、店の近くまで津波が押し寄せ、「津波の最前線に唯一残った店」となった。
地震から2年半経過したが、再建のめどが立たない。「地元相馬の魚を中心とした営みは大きくねじまがった」と語った。
相馬市は放射線量の高い山中のダムが水道水源になっている。
市は安全としているが、「市民は不安に思い、ペットボトルの水でご飯を炊き、みそ汁をつくっている家庭が今も多くある」と紹介。
一方、低線量被曝の健康被害をめぐって、意見の対立が、市民同士の分断を生んでいると述べた。
「放射能の危険に脅えることのない平穏な環境で生活することは、我々の最も基本の権利」と指摘し、
「原発は止まるもの、なくなるものと思っていた。
国も電力会社もフクシマから何も学ばないのか。また第2のフクシマを引き起こすつもりなのか」と、怒りを込めて告発した。
原発事故の被害とはなにか、福島県民が日々直面していることはなにか。
「地域が丸ごと失われ、暮らしが根こそぎなくなってしまうこと。明日を信じられないこと。ここまで頑張れば救われるという励みを持てずに暮らすこと」と、中島氏は訴えた。
「私が福島からこの裁判に参加したのも、同じ事故を2度と起こしてはいけないという強い憤りからです。
原発を再稼働することは、半永久的に続く福島の被害を容認すること、再び事故が起きることを容認することだ」
原告側は、原発の被害について、400ページ以上の準備書面を提出。
放射能による健康被害が重大で取り返しがつかないにもかかわらず、国が原子力利用を推進するために、被爆放射線基準をゆるめ、命と健康を軽視していると指摘。
原発事故は、自然災害と違って、復旧復興まで長期間かかり、回復不可能で、被害が終わらないこと、家族の分断、文化の喪失、生業と生きがいを奪い、金銭で事後的に回復することはできない被害だとしている。
原発労働者の被爆、事故が起きなくても稼働しているだけで周辺住民に生じている健康被害、処分方法が未確立なまま放射性廃棄物を大量に生み出していることをあげて、原発の稼働そのものが被害を引き起こすと述べている。
次回弁論は、12月20日。九州電力・国が原告の主張に反論する。
報告集会で、板井優弁護団共同代表は「いよいよ九電、国が反論する。どう勝っていくか。なぜ戦争ができなくなったのか。1945年の前と後で何が違うか。憲法ができた。ルールが変わった。公害も同じだ」と力説。
「原発を止めるには、ルールを変えなければいけない。それには、国民世論を変えないといけない。福島の思いを日本全体のものにし、日本全体の思いを福島の思いにする。そのことが原発廃炉の力」と訴えた。
47都道府県6,751人の市民が国と九州電力を相手取って玄海原子力発電所の操業停止を求めた「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が9月27日、佐賀地裁で開かれた。
福島県相馬市の被災者で原告の中島孝氏(57)と、長崎の被爆者で原告の川原進氏(68)が意見陳述した。
中島氏は、福島原発事故の被害と現状を語り、「いったん事故を起こせば取り返しがつかない。言葉に尽くせぬ大変な事態を、我々は福島で日々体験している」と訴えた。
47都道府県6,751人の市民が国と九州電力を相手取って玄海原子力発電所の操業停止を求めた「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が9月27日、佐賀地裁で開かれた。
福島県相馬市の被災者で原告の中島孝氏(57)と、長崎の被爆者で原告の川原進氏(68)が意見陳述した。
中島氏は、福島原発事故の被害と現状を語り、「いったん事故を起こせば取り返しがつかない。言葉に尽くせぬ大変な事態を、我々は福島で日々体験している」と訴えた。
川原氏は、「原発も、ピカドンと同じように放射性物質をまき散らし、内部被曝を起こす」と述べ、「私の(被爆)体験と、(福島第一原発事故で)内部被曝を受けた人たちの今後が重なるように見える。
ヒロシマ、ナガサキが苦しんできたように、同じことが起こるのではないかと恐ろしい」と、放射能の危険性を訴え、ピカドンも原発もない「核なき世界」を呼びかけた。
中島氏は、福島原発の被害者が原状回復を求めて福島地裁に提訴した「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟の原告団長。
相馬市でスーパーを経営し、店から1kmのところにある漁港に水揚げされる新鮮な魚を販売していた。
震災の直後は、店の近くまで津波が押し寄せ、「津波の最前線に唯一残った店」となった。
地震から2年半経過したが、再建のめどが立たない。「地元相馬の魚を中心とした営みは大きくねじまがった」と語った。
相馬市は放射線量の高い山中のダムが水道水源になっている。
市は安全としているが、「市民は不安に思い、ペットボトルの水でご飯を炊き、みそ汁をつくっている家庭が今も多くある」と紹介。
一方、低線量被曝の健康被害をめぐって、意見の対立が、市民同士の分断を生んでいると述べた。
「放射能の危険に脅えることのない平穏な環境で生活することは、我々の最も基本の権利」と指摘し、
「原発は止まるもの、なくなるものと思っていた。
国も電力会社もフクシマから何も学ばないのか。また第2のフクシマを引き起こすつもりなのか」と、怒りを込めて告発した。
原発事故の被害とはなにか、福島県民が日々直面していることはなにか。
「地域が丸ごと失われ、暮らしが根こそぎなくなってしまうこと。明日を信じられないこと。ここまで頑張れば救われるという励みを持てずに暮らすこと」と、中島氏は訴えた。
「私が福島からこの裁判に参加したのも、同じ事故を2度と起こしてはいけないという強い憤りからです。
原発を再稼働することは、半永久的に続く福島の被害を容認すること、再び事故が起きることを容認することだ」
原告側は、原発の被害について、400ページ以上の準備書面を提出。
放射能による健康被害が重大で取り返しがつかないにもかかわらず、国が原子力利用を推進するために、被爆放射線基準をゆるめ、命と健康を軽視していると指摘。
原発事故は、自然災害と違って、復旧復興まで長期間かかり、回復不可能で、被害が終わらないこと、家族の分断、文化の喪失、生業と生きがいを奪い、金銭で事後的に回復することはできない被害だとしている。
原発労働者の被爆、事故が起きなくても稼働しているだけで周辺住民に生じている健康被害、処分方法が未確立なまま放射性廃棄物を大量に生み出していることをあげて、原発の稼働そのものが被害を引き起こすと述べている。
次回弁論は、12月20日。九州電力・国が原告の主張に反論する。
報告集会で、板井優弁護団共同代表は「いよいよ九電、国が反論する。どう勝っていくか。なぜ戦争ができなくなったのか。1945年の前と後で何が違うか。憲法ができた。ルールが変わった。公害も同じだ」と力説。
「原発を止めるには、ルールを変えなければいけない。それには、国民世論を変えないといけない。福島の思いを日本全体のものにし、日本全体の思いを福島の思いにする。そのことが原発廃炉の力」と訴えた。
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4号機の核燃料取り出し、損傷接触で北半球が終わる危険性
2013-09-27
4号機プールの核燃料は広島原爆の1,500発分と言われている。
プールは格納容器なしで地上30mの高さで空気に開放されているのである。
これの取り出し作業中に破損、接触、落下などが起きた場合は、再び人間が近づくには多大な時間がかかる。
その間に水漏れ、地震、火災などがあれば、福島第一の敷地には人間が入れない事態となる。
その場合の核燃料は広島原爆の5,000発分と言われる量が、冷却されずに放置される結果となる。
日本列島は西と北に分断されて人間は行き来できなくなる。
5,000万人が避難する場所は無い。
放射能汚染は全国はもちろん、ユーラシア大陸の東半分に及び、その後は北半球全体に及ぶ。
大げさなことを言っているのではありません。
脅しているのでもありません。
広瀬隆氏が昨年あたりから、しきりに「怖い」と言い出したのは、この4号機の「事実」からです。
すでに隠蔽や捏造、サボで山のような実績を作った東電、日本政府には、人類の運命に関わるような重大で危険な作業を遂行する能力などあるわけがありません。
直ちに国際協力団を構成し、対策を検討すべきです。
ーーーーーーーーーーーーー
人類の命運がかかっている4号機の燃料取り出し作業 9/26 カレイドスコープから (抜粋)
11月中旬からの使用済み燃料の取り出し作業開始へ向けて最終段階に入った東電。
しかし、今までの情報隠し、制御できない放射能汚染水の漏出、東電に任せきりの政府、オリンピック招致のために世界中に大嘘を言った現政権のトップ、東電のスポークスマンと化した規制委員会の田中俊一委員長…。
「こんな連中に我々の運命を預けるわけにいかない」と海外から強い懸念が示されている。
東電、政府には、これに取り組むだけの科学技術力がない
日本のマスコミは、いつものように一切シャットアウトしていますが、海外では、いよいよ秒読み段階に入った4号機・使用済み燃料プールからの燃料取り出し作業に強い懸念が示されています。
それは、東電、政府の怠慢と犯罪的とも言える隠ぺい工作の数々、オリンピック招致のためには世界中に平気で嘘をつくこの国の首相の愚劣さに呆れ果て、日本という国そのものが、まったく信用されなくなっているからです。
事実はどうなのか。
かなり危険な、どころか、祈らずにおれない作業です

【福島第1原発の現状】 燃料取り出しへ最終段階 第1原発4号機プール 9/25 共同
東京電力は、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールに保管している1533体の燃料を取り出すため、プールや隣接する圧力容器周辺に落下したがれきの撤去を始めた。原子炉建屋上部を覆うように燃料取り出し用カバーの工事がほぼ完了し、11月中旬の取り出し開始に向け、準備は最終段階に入った。
4号機の原子炉建屋は水素爆発で大破、東電はプールを支える補強工事をしたが、地元などから大地震でプールが倒壊する恐れがあると不安視する声があり、早期の取り出しが求められている。
事故発生時、4号機は定期検査中で、シュラウド(炉心隔壁)という巨大設備の交換作業をしていた。水素爆発で重さ約200キロの台車用階段や長さ約10メートルの金属板、無数のコンクリート片などがプール内に落下した。
原子炉内に燃料がなかったため、炉心溶融した1~3号機と比べ建屋周辺の放射線量は低い。8月27日に始まったがれき撤去作業は遠隔操作ではなく、作業員が専用の装置を使って進めている。それでも作業による被ばく線量は1日2ミリシーベルトとなる見込み。
1日最大86人で作業に当たる 。プール内の水を浄化して透明度を向上させた上で、水中カメラで確認しながら作業する。
10月初めには、プール内で保管されていた制御棒などを圧力容器内の新設ラックに移す。その後、燃料ラックの上のがれきを撤去しながら、燃料を専用の輸送容器に入れて別棟の共用プールに移送する。
燃料取り出し作業は来年末まで続く予定。
隣の3号機プールでは来年3月以降に建屋カバーを設置した上で、2015年9月ごろの使用済み燃料の取り出しを目指す。
「東電に任せている場合ですか」-まったくそのとおりです
神保哲生氏のビデオニュース・ドットコムで、9月7日、田中三彦氏(元国会事故調委員・科学ジャーナリスト)を招いて、4号機の使用済み燃料プールからの核燃料の取り出し作業について
(抜粋)
神保:
いよいよ4号機建屋の使用済み燃料プールから使用済み燃料の取り出し作業が始まる。
取り出し作業中に、失敗が起これば当然、今までの苦労が水の泡になるどころか全滅してしまう心配さえある。
その場合は、汚染水どころの話ではない、日本が終わるかもしれないという話。
作業員の人たちは一斉に避難するだろう。でも彼らに罪はない。
今まで、汚染水の漏出、タンクの水漏れ、何度かの電源喪失…これだけの失敗を重ね、しかも重大な情報を隠してきた企業に任せきりでいいのか。なんと、この作業においては、東電が日本の命運を握ることになるのだ。
この作業を東電がやるということに、どうしても違和感がある。この作業は前人未到の凄い作業になるはずだ。
1体91トン、全長5.5mの中に22本の核燃料棒を収めるという。(これは、ドライ・キャスクのことを言っているのか)
原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「大した問題ではない」と言っているが、場合によっては日本だけの問題でなくなって世界の問題になる。
国は東電に任せきりだが、本当にこれでいいのか。それよりなにより、「大丈夫なのか」ということだ。
田中:
規制委員会の田中委員長の「取り出し作業は通常の作業と同じ」というのが引っかかる。
彼が言っている「通常」とは、燃料集合体を取り出して乾式キャスクに入れて共用プールに入れる、ということだけ。
今回は、前代未聞の大量の燃料棒を移し替える作業だし、毎日作業をやっていくうちに巨大地震が起きるかもしれない。
「東電は、建屋本体を切り離した」と言うが、巨大地震では建屋の残りの本体そのものがダメになるかもしれない。
また、プールの中には瓦礫が落ちていて、それをどける作業で、燃料を損傷したり、燃料同士が接触してしまう事故が起こる可能性もある。
そういったことを想定すると、田中俊一委員長の「通常と同じ」というのは、いったいどこが?と思う。
9月2日の外国特派員協会の会見でも、「汚染水は基準値以下にピュリファイ(浄化)して、海に放出せざるを得ないのではないか」と他人ごとのようなことを言っていたが、本来、東電が言いたいことを、なぜ規制する側の委員長が代弁・擁護するような発言をするのか理解できない。
田中俊一委員長の一連の発言は、あきらかに規制する側の立場の発言ではない。
以下、2本ほど、海外の記事を紹介します。
過激に見えるかもしれませんが、これが、まともな人間の反応です。
「世界の未来の明暗がきっちり分かれる危険な作業」が迫っているのに、無反応の日本人。どうもおかしくなっている。
人類にとって、もっとも危険な時がやってくる:4号機の燃料取り出し作業、それは人類の存亡に関わることなのだ
Humankind’s Most Dangerous Moment: Fukushima Fuel Pool at Unit 4. “This is an Issue of Human Survival.”
(グローバルリサーチ: ハーヴェイ・ワッサーマン 2013年9月20日)
私たちは、この2ヵ月以内に、米ソ核戦争勃発の恐怖に慄いた※キューバ危機以来、人類にとってもっとも危険な時を迎えつつある。
(※1962年10月のキューバ危機は、歴史的には米ソ核戦争の一歩手前だった、ということになっていますが、米ソ首脳は、実はホットラインでつながっていた。これは現在のイラン内部のグローバリストとオバマの関係と同じ)
われわれ人類のもてる力のすべてが、福島第一原発4号機使用済み燃料プールに投入されるに違いない。
東電は、60日以内に地上約30mのところに設置されている使用済み燃料プールの中にある1300本以上の核燃料棒の取り出し作業を開始すると発表した。
4号機の使用済み燃料プールは、壊滅的な損傷を受け、傾いている建屋の上に載っている。
次の地震で容易に崩れ落ちてしまうかもしれない。
プールの中に収納されている使用済み燃料は400トンにもおよび、これは広島に投下された原爆が放出した放射能の15000倍もの放射能を放出するのだ。
しかし、東電は、これに取り組むだけの科学力や技術力、財源のどれも持っていないのだ。
これは日本政府も同じだ。
この状況は、トップクラスの科学者、トップクラスの技術者を結集しければならないことを示している。
なぜ、これが、そんなに重大なことなのかだって?
すで福島第一原発構内からは、何千トンもの高濃度放射能汚染水が漏れだして太平洋に流れ込んでいる。それは半減期の長い、まさに毒の水である。
…高濃度放射能汚染水のほとんどは、構内に拙速に組み立てられた強度の弱い1000ほどの巨大なタンクに収められている。すでに、その多くから汚染水が漏れだしている。
そのすべてのタンクは次の地震で崩れ、膨大な量の毒の水が太平洋に流れ込むのだ。
また、構内の地下を流れる汚染水は、使用済燃料プールを支えている4号機建屋の残っている構造物を徐々にむしばんでいる。
…全体として、5号機、6号機、共用プールで冷却されている分も併せると11,000を超える燃料集合体が福島第一原発構内に散在しているのだ。
…取り出し作業で万一、失敗すれば燃料棒は空気にさらされ、放射能火災を起こしながら環境中に恐怖の放射能をまき散らすだろう。
プールは、地面に落下して砕け散り、飛び出した核燃料棒は核分裂を起こして爆発するかも知りない。
そうなれば終わりだ。
チェルノブイリ原発事故の時は、原子炉の爆発後10日で放射能雲がカリフォルニアに到達したが、福島の核災害では1週間もしないうちにカリフォルニアに到達した。
4号機で核燃料火災が起これば、致死的な放射能が何世紀にもわたって降り注ぐだろう。
元駐スイス大使の村田光平氏(セシウムはチェルノブイリの85倍)は、「福島第一原発のある放射能が全面的に環境中に放出されれば、地球全体の環境が破壊され、ひいては私たちの文明そのものが破壊されるだろう。これは絵空事ではない。人類が生存できるかどうかの問題だ」と言っている。
東電も日本政府も、いつまでも単独で事故収束に取り掛かっていていいはずがない。
世界トップクラスの科学者と技術者による統合チームを構成し、この非常事態に当たることに何ら疑問の余地がない。
あと、残すところ2ヵ月だ。
今、私たちは、世界的な科学者、技術者を福島での使用済み燃料の取り出し作業に動員させるよう、国連とオバマ大統領に請願しているところだ。
下は、有力ブログ「ワシントン・ブログ」の記事。かなり手厳しい。
しかし、これが海外の人々が、日本に抱いている本音です。
残念ながら、自民党政権などを選んだ日本人は、すでに世界から信用されていないのです。このことは、国内の情報に洗脳されている日本人には知る由もないでしょう。
本当のことを知ろうと探求しない日本人。おめでたい日本人。その凄まじい無知に世界はうんざりなのだ。
東京電力に福島原発を“片づけさせる”のは、殺人犯にVIPの脳外科手術をまかせるようなもの
(Washington's Blog 2013年8月14日 日本語訳 「マスコミに載らない海外記事」さん)
もし、ある無能な医者が、ありふれた手術をして、無数の患者を殺していて、それを偽っていて、隠蔽しようとした場合、その医者に、例えば大統領のようなVIPの脳外科手術をまかせるだろうか?
もちろん、まかせることはなかろう。
それなら、一体なぜ、東京電力に福島の燃料棒を取り出すのをまかせるのだろう?
東京電力には見るも無残な実績がある。
・技術者達は事故の前、長年、東京電力と日本政府に対して、原子炉は地震に対して安全ではなく、… 地震で原発は壊滅しかねないと警告してきた。
津波が押し寄せる前に、… 福島原発は致命的に損傷し、津波が襲う前に、地震が原発を破壊していた。
・ある公式の日本政府の調査は、福島事故は、政府と東京電力との間の“癒着”と、原子炉設計のまずさによって引き起こされた“人”災だと結論づけている。
・東京電力は、2011年の事故直後に、3基の原子炉で格納容器が破壊しており、核燃料が“行方不明になり”、実際本当に全く何の封じ込めもないことを知っていた。東京電力は2年半もこれを必死に隠蔽し続け… 原子炉が“冷温停止”にあるふりをしていたのだ。
・東京電力は、膨大な量の放射能に汚染した水が地下水と太平洋に漏れ出ていることを、2年間知っていたことを認めたばかりだ。(※ つまり、「知りながら隠していた」「嘘をついていた」と言うのが正しい表現。)
・東京電力には、本当に事を解決する財政的動機は皆無で、片づけるふりをしているに過ぎない。これをご覧願いたい。
・化学薬品を使って、原子炉下の土地を凝固させるという東京電力の最近の取り組みは、とんでもない裏目に出た。(※ 海側に凝固剤で遮水したため、当然ながら陸側の地下水が上がってさらなる漏水。)
またNBC Newsはこう報じている。
“[東京電力]は原発周辺の地下を凍結させることを検討している。
本質的に、これまで決して試みられたことのない、水の流出を防ぐ為の1.6キロもの長さの地下氷壁建設だが、私が話したある科学者は、このアイデアを、東京電力がこの問題を想定しそこね、わらをもつかもうとしている …
今や、解決もできないというもう一つの証拠に過ぎないといって取り合わなかった。”
ところが東京電力は、大統領の脳外科手術に等しい事に取り組もうとしているのだ。具体的には、2012年に書いた通り、人類に対する最大の短期的脅威は福島原発燃料プールだ。
もしプールの一つが崩壊すれば、あるいは火がつけば、アメリカ合州国に対して深刻な悪影響となりかねない。実際、ある上院議員は、アメリカにとっての国家安全保障の問題と呼んでいる。
次の地震による、使用済み核燃料プール破壊で引き起こされる放射能放出は、数日中にアメリカ西海岸に到達する可能性がある。この使用済み核燃料の安全な封じ込めと保護は、絶対に、アメリカ合州国にとっての安全保障上の問題だ。
原子力の専門家アーニー・ガンダーセンも医師のヘレン・カルディコットも、万一福島の燃料プールの一つが崩壊すれば、人々は北半球から避難しなければならないと語っている。ガンダーセンはこう語っている。
万一そうなったら赤道から南に移動することです。それが教訓だろうと思います。
元国連顧問の松村昭雄は、福島燃料プールからの放射性物質の取り出しは“人類生存の問題”だと言う。
燃料プール廃止措置の危険の度合いは、実に極めて高い。しかし、東京電力は、この極めて困難な作業を自力で始めようとしている。
その他、病的虚言癖のある東電と無能な日本の官僚、政治家(海外メディアの中には、はっきりこう書くものもある)たちに任せておいたら大変なことになる、という強い論調で海外紙は書き立てています。
「M5.3の地震が福島を襲う」(US Today)(「不安いっぱいの廃炉作業)
「M5.8の地震が福島県を襲う」(ロイター)
その他、多数の海外メディアは、東電と、それに任せきりの日本政府に批判的です。
日本はどうでしょう。原発推進メディアは、まだ安倍礼賛。
広告費目当てに国民の命を危険にさらしている犯罪的なメディアなど百害あって一利なし。すぐに購読を打ち切るべきです。
精神分裂状態の安倍晋三と自民党政権
東京にオリンピックを招致するため、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、「福島第一原発の放射能汚染水は原発から0.3キロ以内にブロックされています!」と声高に“宣言”して世界の度肝を抜いた安倍晋三。
国内外からの猛烈な批判に突き動かされて、あわてふためいて、9月19日、福島第一原発の視察に訪れたはいいが、小野所長に、「港湾内の0.3キロはどこ?」と質問したという話が伝えられています。
彼は、「港湾」が何かも理解していなかったのです。

「福島第一原発の放射能汚染水は原発から0.3キロ以内にブロックされています!福島原発はコントロールされており、子供達は福島でサッカーボールを蹴っている」安倍発言!
プールは格納容器なしで地上30mの高さで空気に開放されているのである。
これの取り出し作業中に破損、接触、落下などが起きた場合は、再び人間が近づくには多大な時間がかかる。
その間に水漏れ、地震、火災などがあれば、福島第一の敷地には人間が入れない事態となる。
その場合の核燃料は広島原爆の5,000発分と言われる量が、冷却されずに放置される結果となる。
日本列島は西と北に分断されて人間は行き来できなくなる。
5,000万人が避難する場所は無い。
放射能汚染は全国はもちろん、ユーラシア大陸の東半分に及び、その後は北半球全体に及ぶ。
大げさなことを言っているのではありません。
脅しているのでもありません。
広瀬隆氏が昨年あたりから、しきりに「怖い」と言い出したのは、この4号機の「事実」からです。
すでに隠蔽や捏造、サボで山のような実績を作った東電、日本政府には、人類の運命に関わるような重大で危険な作業を遂行する能力などあるわけがありません。
直ちに国際協力団を構成し、対策を検討すべきです。
ーーーーーーーーーーーーー
人類の命運がかかっている4号機の燃料取り出し作業 9/26 カレイドスコープから (抜粋)
11月中旬からの使用済み燃料の取り出し作業開始へ向けて最終段階に入った東電。
しかし、今までの情報隠し、制御できない放射能汚染水の漏出、東電に任せきりの政府、オリンピック招致のために世界中に大嘘を言った現政権のトップ、東電のスポークスマンと化した規制委員会の田中俊一委員長…。
「こんな連中に我々の運命を預けるわけにいかない」と海外から強い懸念が示されている。
東電、政府には、これに取り組むだけの科学技術力がない
日本のマスコミは、いつものように一切シャットアウトしていますが、海外では、いよいよ秒読み段階に入った4号機・使用済み燃料プールからの燃料取り出し作業に強い懸念が示されています。
それは、東電、政府の怠慢と犯罪的とも言える隠ぺい工作の数々、オリンピック招致のためには世界中に平気で嘘をつくこの国の首相の愚劣さに呆れ果て、日本という国そのものが、まったく信用されなくなっているからです。
事実はどうなのか。
かなり危険な、どころか、祈らずにおれない作業です

【福島第1原発の現状】 燃料取り出しへ最終段階 第1原発4号機プール 9/25 共同
東京電力は、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールに保管している1533体の燃料を取り出すため、プールや隣接する圧力容器周辺に落下したがれきの撤去を始めた。原子炉建屋上部を覆うように燃料取り出し用カバーの工事がほぼ完了し、11月中旬の取り出し開始に向け、準備は最終段階に入った。
4号機の原子炉建屋は水素爆発で大破、東電はプールを支える補強工事をしたが、地元などから大地震でプールが倒壊する恐れがあると不安視する声があり、早期の取り出しが求められている。
事故発生時、4号機は定期検査中で、シュラウド(炉心隔壁)という巨大設備の交換作業をしていた。水素爆発で重さ約200キロの台車用階段や長さ約10メートルの金属板、無数のコンクリート片などがプール内に落下した。
原子炉内に燃料がなかったため、炉心溶融した1~3号機と比べ建屋周辺の放射線量は低い。8月27日に始まったがれき撤去作業は遠隔操作ではなく、作業員が専用の装置を使って進めている。それでも作業による被ばく線量は1日2ミリシーベルトとなる見込み。
1日最大86人で作業に当たる 。プール内の水を浄化して透明度を向上させた上で、水中カメラで確認しながら作業する。
10月初めには、プール内で保管されていた制御棒などを圧力容器内の新設ラックに移す。その後、燃料ラックの上のがれきを撤去しながら、燃料を専用の輸送容器に入れて別棟の共用プールに移送する。
燃料取り出し作業は来年末まで続く予定。
隣の3号機プールでは来年3月以降に建屋カバーを設置した上で、2015年9月ごろの使用済み燃料の取り出しを目指す。
「東電に任せている場合ですか」-まったくそのとおりです
神保哲生氏のビデオニュース・ドットコムで、9月7日、田中三彦氏(元国会事故調委員・科学ジャーナリスト)を招いて、4号機の使用済み燃料プールからの核燃料の取り出し作業について
(抜粋)
神保:
いよいよ4号機建屋の使用済み燃料プールから使用済み燃料の取り出し作業が始まる。
取り出し作業中に、失敗が起これば当然、今までの苦労が水の泡になるどころか全滅してしまう心配さえある。
その場合は、汚染水どころの話ではない、日本が終わるかもしれないという話。
作業員の人たちは一斉に避難するだろう。でも彼らに罪はない。
今まで、汚染水の漏出、タンクの水漏れ、何度かの電源喪失…これだけの失敗を重ね、しかも重大な情報を隠してきた企業に任せきりでいいのか。なんと、この作業においては、東電が日本の命運を握ることになるのだ。
この作業を東電がやるということに、どうしても違和感がある。この作業は前人未到の凄い作業になるはずだ。
1体91トン、全長5.5mの中に22本の核燃料棒を収めるという。(これは、ドライ・キャスクのことを言っているのか)
原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「大した問題ではない」と言っているが、場合によっては日本だけの問題でなくなって世界の問題になる。
国は東電に任せきりだが、本当にこれでいいのか。それよりなにより、「大丈夫なのか」ということだ。
田中:
規制委員会の田中委員長の「取り出し作業は通常の作業と同じ」というのが引っかかる。
彼が言っている「通常」とは、燃料集合体を取り出して乾式キャスクに入れて共用プールに入れる、ということだけ。
今回は、前代未聞の大量の燃料棒を移し替える作業だし、毎日作業をやっていくうちに巨大地震が起きるかもしれない。
「東電は、建屋本体を切り離した」と言うが、巨大地震では建屋の残りの本体そのものがダメになるかもしれない。
また、プールの中には瓦礫が落ちていて、それをどける作業で、燃料を損傷したり、燃料同士が接触してしまう事故が起こる可能性もある。
そういったことを想定すると、田中俊一委員長の「通常と同じ」というのは、いったいどこが?と思う。
9月2日の外国特派員協会の会見でも、「汚染水は基準値以下にピュリファイ(浄化)して、海に放出せざるを得ないのではないか」と他人ごとのようなことを言っていたが、本来、東電が言いたいことを、なぜ規制する側の委員長が代弁・擁護するような発言をするのか理解できない。
田中俊一委員長の一連の発言は、あきらかに規制する側の立場の発言ではない。
以下、2本ほど、海外の記事を紹介します。
過激に見えるかもしれませんが、これが、まともな人間の反応です。
「世界の未来の明暗がきっちり分かれる危険な作業」が迫っているのに、無反応の日本人。どうもおかしくなっている。
人類にとって、もっとも危険な時がやってくる:4号機の燃料取り出し作業、それは人類の存亡に関わることなのだ
Humankind’s Most Dangerous Moment: Fukushima Fuel Pool at Unit 4. “This is an Issue of Human Survival.”
(グローバルリサーチ: ハーヴェイ・ワッサーマン 2013年9月20日)
私たちは、この2ヵ月以内に、米ソ核戦争勃発の恐怖に慄いた※キューバ危機以来、人類にとってもっとも危険な時を迎えつつある。
(※1962年10月のキューバ危機は、歴史的には米ソ核戦争の一歩手前だった、ということになっていますが、米ソ首脳は、実はホットラインでつながっていた。これは現在のイラン内部のグローバリストとオバマの関係と同じ)
われわれ人類のもてる力のすべてが、福島第一原発4号機使用済み燃料プールに投入されるに違いない。
東電は、60日以内に地上約30mのところに設置されている使用済み燃料プールの中にある1300本以上の核燃料棒の取り出し作業を開始すると発表した。
4号機の使用済み燃料プールは、壊滅的な損傷を受け、傾いている建屋の上に載っている。
次の地震で容易に崩れ落ちてしまうかもしれない。
プールの中に収納されている使用済み燃料は400トンにもおよび、これは広島に投下された原爆が放出した放射能の15000倍もの放射能を放出するのだ。
しかし、東電は、これに取り組むだけの科学力や技術力、財源のどれも持っていないのだ。
これは日本政府も同じだ。
この状況は、トップクラスの科学者、トップクラスの技術者を結集しければならないことを示している。
なぜ、これが、そんなに重大なことなのかだって?
すで福島第一原発構内からは、何千トンもの高濃度放射能汚染水が漏れだして太平洋に流れ込んでいる。それは半減期の長い、まさに毒の水である。
…高濃度放射能汚染水のほとんどは、構内に拙速に組み立てられた強度の弱い1000ほどの巨大なタンクに収められている。すでに、その多くから汚染水が漏れだしている。
そのすべてのタンクは次の地震で崩れ、膨大な量の毒の水が太平洋に流れ込むのだ。
また、構内の地下を流れる汚染水は、使用済燃料プールを支えている4号機建屋の残っている構造物を徐々にむしばんでいる。
…全体として、5号機、6号機、共用プールで冷却されている分も併せると11,000を超える燃料集合体が福島第一原発構内に散在しているのだ。
…取り出し作業で万一、失敗すれば燃料棒は空気にさらされ、放射能火災を起こしながら環境中に恐怖の放射能をまき散らすだろう。
プールは、地面に落下して砕け散り、飛び出した核燃料棒は核分裂を起こして爆発するかも知りない。
そうなれば終わりだ。
チェルノブイリ原発事故の時は、原子炉の爆発後10日で放射能雲がカリフォルニアに到達したが、福島の核災害では1週間もしないうちにカリフォルニアに到達した。
4号機で核燃料火災が起これば、致死的な放射能が何世紀にもわたって降り注ぐだろう。
元駐スイス大使の村田光平氏(セシウムはチェルノブイリの85倍)は、「福島第一原発のある放射能が全面的に環境中に放出されれば、地球全体の環境が破壊され、ひいては私たちの文明そのものが破壊されるだろう。これは絵空事ではない。人類が生存できるかどうかの問題だ」と言っている。
東電も日本政府も、いつまでも単独で事故収束に取り掛かっていていいはずがない。
世界トップクラスの科学者と技術者による統合チームを構成し、この非常事態に当たることに何ら疑問の余地がない。
あと、残すところ2ヵ月だ。
今、私たちは、世界的な科学者、技術者を福島での使用済み燃料の取り出し作業に動員させるよう、国連とオバマ大統領に請願しているところだ。
下は、有力ブログ「ワシントン・ブログ」の記事。かなり手厳しい。
しかし、これが海外の人々が、日本に抱いている本音です。
残念ながら、自民党政権などを選んだ日本人は、すでに世界から信用されていないのです。このことは、国内の情報に洗脳されている日本人には知る由もないでしょう。
本当のことを知ろうと探求しない日本人。おめでたい日本人。その凄まじい無知に世界はうんざりなのだ。
東京電力に福島原発を“片づけさせる”のは、殺人犯にVIPの脳外科手術をまかせるようなもの
(Washington's Blog 2013年8月14日 日本語訳 「マスコミに載らない海外記事」さん)
もし、ある無能な医者が、ありふれた手術をして、無数の患者を殺していて、それを偽っていて、隠蔽しようとした場合、その医者に、例えば大統領のようなVIPの脳外科手術をまかせるだろうか?
もちろん、まかせることはなかろう。
それなら、一体なぜ、東京電力に福島の燃料棒を取り出すのをまかせるのだろう?
東京電力には見るも無残な実績がある。
・技術者達は事故の前、長年、東京電力と日本政府に対して、原子炉は地震に対して安全ではなく、… 地震で原発は壊滅しかねないと警告してきた。
津波が押し寄せる前に、… 福島原発は致命的に損傷し、津波が襲う前に、地震が原発を破壊していた。
・ある公式の日本政府の調査は、福島事故は、政府と東京電力との間の“癒着”と、原子炉設計のまずさによって引き起こされた“人”災だと結論づけている。
・東京電力は、2011年の事故直後に、3基の原子炉で格納容器が破壊しており、核燃料が“行方不明になり”、実際本当に全く何の封じ込めもないことを知っていた。東京電力は2年半もこれを必死に隠蔽し続け… 原子炉が“冷温停止”にあるふりをしていたのだ。
・東京電力は、膨大な量の放射能に汚染した水が地下水と太平洋に漏れ出ていることを、2年間知っていたことを認めたばかりだ。(※ つまり、「知りながら隠していた」「嘘をついていた」と言うのが正しい表現。)
・東京電力には、本当に事を解決する財政的動機は皆無で、片づけるふりをしているに過ぎない。これをご覧願いたい。
・化学薬品を使って、原子炉下の土地を凝固させるという東京電力の最近の取り組みは、とんでもない裏目に出た。(※ 海側に凝固剤で遮水したため、当然ながら陸側の地下水が上がってさらなる漏水。)
またNBC Newsはこう報じている。
“[東京電力]は原発周辺の地下を凍結させることを検討している。
本質的に、これまで決して試みられたことのない、水の流出を防ぐ為の1.6キロもの長さの地下氷壁建設だが、私が話したある科学者は、このアイデアを、東京電力がこの問題を想定しそこね、わらをもつかもうとしている …
今や、解決もできないというもう一つの証拠に過ぎないといって取り合わなかった。”
ところが東京電力は、大統領の脳外科手術に等しい事に取り組もうとしているのだ。具体的には、2012年に書いた通り、人類に対する最大の短期的脅威は福島原発燃料プールだ。
もしプールの一つが崩壊すれば、あるいは火がつけば、アメリカ合州国に対して深刻な悪影響となりかねない。実際、ある上院議員は、アメリカにとっての国家安全保障の問題と呼んでいる。
次の地震による、使用済み核燃料プール破壊で引き起こされる放射能放出は、数日中にアメリカ西海岸に到達する可能性がある。この使用済み核燃料の安全な封じ込めと保護は、絶対に、アメリカ合州国にとっての安全保障上の問題だ。
原子力の専門家アーニー・ガンダーセンも医師のヘレン・カルディコットも、万一福島の燃料プールの一つが崩壊すれば、人々は北半球から避難しなければならないと語っている。ガンダーセンはこう語っている。
万一そうなったら赤道から南に移動することです。それが教訓だろうと思います。
元国連顧問の松村昭雄は、福島燃料プールからの放射性物質の取り出しは“人類生存の問題”だと言う。
燃料プール廃止措置の危険の度合いは、実に極めて高い。しかし、東京電力は、この極めて困難な作業を自力で始めようとしている。
その他、病的虚言癖のある東電と無能な日本の官僚、政治家(海外メディアの中には、はっきりこう書くものもある)たちに任せておいたら大変なことになる、という強い論調で海外紙は書き立てています。
「M5.3の地震が福島を襲う」(US Today)(「不安いっぱいの廃炉作業)
「M5.8の地震が福島県を襲う」(ロイター)
その他、多数の海外メディアは、東電と、それに任せきりの日本政府に批判的です。
日本はどうでしょう。原発推進メディアは、まだ安倍礼賛。
広告費目当てに国民の命を危険にさらしている犯罪的なメディアなど百害あって一利なし。すぐに購読を打ち切るべきです。
精神分裂状態の安倍晋三と自民党政権
東京にオリンピックを招致するため、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、「福島第一原発の放射能汚染水は原発から0.3キロ以内にブロックされています!」と声高に“宣言”して世界の度肝を抜いた安倍晋三。
国内外からの猛烈な批判に突き動かされて、あわてふためいて、9月19日、福島第一原発の視察に訪れたはいいが、小野所長に、「港湾内の0.3キロはどこ?」と質問したという話が伝えられています。
彼は、「港湾」が何かも理解していなかったのです。

「福島第一原発の放射能汚染水は原発から0.3キロ以内にブロックされています!福島原発はコントロールされており、子供達は福島でサッカーボールを蹴っている」安倍発言!
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