もうすぐ北風が強くなる

シリア攻撃、軍産複合体の禁断症状か:山本

ダマスカス
 世界最古の都市の一つ ダマスカス

 米国と欧米のマスコミによる3年にわたるシリア攻撃の盛り上げに、異常なしつこさを感じていました。
 「化学兵器」で攻撃された、ということで誰が攻撃したのかもわからぬままに、証拠もなしに「アサド政権と断定」し、海から巡航ミサイルで攻撃すると言う、
 まさにめちゃくちゃな暴力行為、虐殺行為を行おうとしているわけですが、現在英国が抜けて米仏あるいは米国のみの単独犯行をしようとしている。

 緊張対立、戦乱と中東の混乱を願う「軍産複合体」の動機はわかるが、これに金融寡頭勢力の一部も乗っているらしいとこるが、ブッシュ政権と違って複雑化しているようだ。
 米国のクリントンなどの民主党政権時代は、このような「無理矢理攻撃」はしなかったように思えるのだが、調べて見る必要がある。

 と思っていたら山本尚俊氏が調べて発表してくれた。
 以下の考えに100%同意するものではありませんが、否定出来ない面は多く、オバマ政権の「煮え切らなさ」としては辻褄がよく合うように考えます。
 ーーーーーーーーーーーーー
   英国はシリア軍事介入に参加せず:オバマの今後の行動を占うには98年のクリントン米大統領のイラク軍事介入を振り返るべき  8/30 「新ベンチャー革命」から

1.英国、シリア軍事介入に参加せず

 2013年8月29日、英国議会は英国の対シリア軍事介入を否決しました(注1)。この結果は非常に大きいといえます。これにより、英国のシリア軍事介入参加の可能性がほぼなくなりました。

 今回の欧米戦争屋(米戦争屋ネオコン、NATO、イスラエル)のシリア軍事介入正当化プロセスがあまりに強引であり、かつての米国のイラク軍事介入正当化プロセスと酷似していることから、英国民は、もうだまされないと立ち上がったのでしょう。
 英マスコミの英国民へのインタビューから英国民は戦争の真実を的確に捉えていることがわかります。

 これで、欧米戦争屋のシナリオに待ったが掛かりました、大変、良いニュースです、久しぶりに・・・。

なお、上記、米国戦争屋(世界的寡頭勢力の主要構成メンバー)およびそのロボット・悪徳ペンタゴンを構成する日本人勢力の定義は本ブログNo.687の注記をご覧ください。

2.90年代末の米国のイラク軍事介入正当化プロセスを思い起こせ

 本ブログは米戦争屋をメインテーマに、彼らの行動パターンをずっとウォッチしてきましたが、彼らの特徴、それは、過去に成功した手口を繰り返すことです。
 そして、彼らは自分たちのミッションを達成するのに手段を選ばないことです。
 つまり戦争を起こすための偽旗作戦は当然であり、必要とあらば大統領暗殺すら厭わないということです。

 ちなみに、われら日本の安倍政権も日本政府も彼らに牛耳られているわけですから、彼らは属国日本において不都合な人物の失脚工作、偽装殺人はもちろんのこと、偽旗テロでも選挙不正でも躊躇なく実行します。

 そこで、思い起こされるのは、90年代末、米クリントン政権二期目の時代です。
 この当時、米戦争屋ネオコンは、米政権から下野しており、クリントン政権をイラク戦争に引き摺り込もうと躍起になっていました。

 90年代、クリントン政権の経済政策が奏功して、米国は好景気であり、米財政も健全化していました。
 そのため、クリントン大統領への国民支持率は非常に高かったわけです。
 しかしながら、クリントンは戦争が嫌いでした、その証拠にベトナム戦争時代、反戦運動に参加しており、徴兵忌避疑惑があるほどです。

 クリントンの戦争嫌いにあせった米戦争屋は、クリントンの弱点、女性問題に目をつけ、98年1月、モニカ・ルインスキー事件を引き起こして、大々的なネガキャンを行いました(注2)。
 さまざまな証拠を突きつけられて、クリントンは窮地に追い込まれました。本ブログではこのスキャンダル事件を仕掛けたのは、米戦争屋ネオコンCIAだと見ています。

 98年12月、女性スキャンダル暴露で大恥をかかされて、窮地に追い込まれたクリントンはやむなく折れて、当時の米戦争屋のターゲットだったイラクに空爆をやらされています、それは“砂漠の狐作戦と呼ばれていました(注3)。
 これは、クリントンがしかたなく実行した軍事作戦で、巡航ミサイルを3日間にわたってイラクに打ち込んだものです。

 このときも、イラクの化学兵器の使用を止めさせるという口実が使われています、
 今のシリア軍事介入の口実とそっくり同じです。

3.オバマもクリントン元大統領と同じことを繰り返すのか

 98年当時、米国で起きたことが、2013年の今日、また繰り返されようとしています。オバマはクリントン同様に、シリアに向けて、数日間、巡航ミサイルを打ちこむつもりでしょうか。

 クリントン時代の98年も、米民主党政権の二期目であり、米軍事企業は湾岸戦争以降8年間も戦争がなく、禁断状態であり、クリントンはやむなく、日照り状態で苦しむ米軍事企業を救済したわけです。

 そして、2013年の今、オバマ民主党政権の二期目であり、米軍事産業はイラク戦争以降10年間も戦争がなく、日照り状態で禁断症状に陥っています。

 ところで、4年任期の大統領制を含む米国政治の二大政党制というのは、米戦争屋のためにあるようなものです。
 米戦争屋が政権(たいていは共和党政権)を獲ると必ず、戦争を始めます。
 しかしながら、4年経つと米国民は戦争に嫌気が差して、戦争屋は政権の座から降ろされます。その際、たいていは民主党政権となります。
 米軍事企業は仕事がなくてもなんとか辛抱できるのは、米戦争屋が下野しているわずか4年間(おもに民主党政権時代)なのです、だから、民主党政権が二期(8年)続くと、米軍事企業の仕事が必ず干上がって、禁断症状に陥ります。

 したがって、2013年、二期目のオバマ政権の今、米軍事企業は禁断症状を呈しているわけです。

 オバマは、クリントン時代やブッシュ時代を観て知っていますから、2013年の今、米軍事企業が禁断症状に陥っていることもわかっており、彼らの要求をかわすのが困難になっています。

4.オバマはクリントンやケネディの二の舞になりたくないはず

 クリントンは戦争嫌いであり、なんとか米戦争屋の要求をかわしていたら、二期目の終わりに世紀の赤っ恥をかかされて、歴史に残る深手キズを負わされたわけです。
 また、オバマの尊敬するケネディ(JFK)は、米戦争屋と真っ向から対立したため、遂に暗殺されています。

 さて、2013年8月28日はキング牧師が人種差別撤廃演説を行った日の50周年記念日ということで、オバマがキング牧師を称える演説を行っていますが、このキング牧師も暗殺されています(注4)。
 オバマもキング牧師と同じく黒人指導者なのでいつ暗殺されるか知れません。

 だから、オバマはキング牧師と同様に、暗殺を覚悟で、命を張って大統領をやっているわけです。
 もし今、オバマが米戦争屋の仕掛けるシリア軍事介入計画の実行を拒否したら、JFKやキング牧師と同じ運命をたどる危険に晒されます。
 クリントンの場合、米戦争屋ボス・デビッドRFの血縁ですから、かろうじて暗殺を免れていますが、オバマが米戦争屋に本気で狙われたら容赦なく命がなくなるでしょう。

5.オバマはシリアに対し、クリントンのイラク空爆と同様に、空爆せざるを得ないのか

 上記のようなオバマの置かれた環境を考察すると、同盟国の英国が一抜けしても、オバマは義務的に、シリア空爆をせざるを得ない可能性があります。

 米軍事企業の圧力をかわして、シリア空爆を本気で拒否したら、オバマの命は保証されないと言えます。

 オバマが今後どのような行動にでるのか、しばらく静観するしかありません。

注1:毎日新聞“シリア:英下院、軍事攻撃容認動議を否決”2013年8月30日
http://mainichi.jp/select/news/m20130830k0000e030173000c.html

注2:モニカ・ルインスキー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC

注3:イラク武装解除問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%82%E6%BC%A0%E3%81%AE%E7%8B%90%E4%BD%9C%E6%88%A6#.E7.A0.82.E6.BC.A0.E3.81.AE.E7.8B.90.E4.BD.9C.E6.88.A6
(※ 砂漠の狐作戦)

注4:CNN“「行進」が国を変えた、オバマ氏 キング牧師演説から50年”2013年8月28日
http://www.cnn.co.jp/usa/35036532.html

ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm

テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html
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報道を封殺されている中で事実を8/30フィフィ

   報道を封殺されている中で事実を フィフィのツイッターから抜粋 https://twitter.com/FIFI_Egypt

8/29 上から下へ進みます。

国連査察団は土曜日にシリアを離れる予定。調査を完了させる事もなく、結論も出さず…調査団の安全が保証できないと理由でシリアの要請を断り調査を中断、撤退。どの勢力が化学兵器を使用したか?実際に化学兵器が使われたのかすら立証しないまま欧米の軍事介入。国連の非中立性と無能っぷりが露骨に

日本政府は化学兵器使用の真相が明らかにされない中、アサド政権を痛烈批判し、軍事介入に同調するか?との記者の問いかけには、コメントを差し控えたいと曖昧な態度。湾岸戦争、イラク戦争等…日本は米国に資金援助する形で攻撃に加担してきたわけで、人道とは簡単に言うけど、平和主義の国なのか?

◻米国「シリアは国際法違反!」→記者「日本への原爆投下は国際法違反だったのか?」→米国「……」
デッカいブーメランwwwロイターの記者かっこいい‼
http://sankei.jp.msn.com/smp/world/news/130829/amr13082912260006-s.htm

日本がこのタイミングで米国に刃向かえばTPPでこれでもかって圧力かけられるのも理解してる。今までだってそうだった、日米同盟は対等じゃないことぐらい、知ってる…日本が少しでも日本らしさを守れますように。私の言葉はキツイかもしれない。でも、もうそれくらいの言葉が必要な時期なんだよ。

◻エジプト カイロのストリートアート
デモで亡くなった方々の肖像画が切ないですが、ガスマスクをしたネェフェルティティが今のエジプトをよく表しています…今の暫定政府は古代エジプトに泥を塗りましたよね。ほんと恥ずかしい。
http://suzeeinthecity.wordpress.com/

それはね、日本は米国の資金源なんだから戦争と関わらせないの、その分働いて上納してもらう。こんだけ働いてる割に慎ましく生活してるし、結局自殺だらけで幸せとか…RT @seekinako: 暴動やテロや殺人で亡くなる人が少ないという点では日本は世界的には平和な国です。治安も良い国です

日本政府も含め茶番です。属米を日本国民に納得させる為に、北の脅威に晒されてる茶番を展開してるに過ぎない。ご安心下さい。米国はここを戦場にはさせません。働いて、消費して、米国にその金を上納する役割がこの国にはありますから。米国を含め極東のトップは裏では仲良しです。知らぬは民衆です。

◻米国「軍事行動は国益の観点で判断」
人道的な観点なわけない!国益の観点!と清々しいほど正直なアメリカ! http://www3.nhk.or.jp/news/html/2013

英国議会でシリアへの軍事介入が否決。一方、日本政府は、米国のご機嫌をとろうと化学兵器使用の証拠も無いまま、アサド政権はどうたらこうたらと強く非難してたのに、米国が軍事介入は"国益のため"と開き直ってしまい…

8月30日、エジプト全土でこれまでにない大規模なデモが予定されている。暫定政府による民衆への非人道的行為と反政府運動への弾圧に抗議するものだが、平和的な民衆のデモ行進が武力により妨害され再び政府による虐殺が行われる懸念もある。デモは金曜礼拝後、日本時間20時頃から予定されている

エジプトで進行中なのは世俗主義と宗教の争いでもなく、反モルシ派を巧みに利用した、前ムバラク側による軍のクーデタであり、それが露骨なムスリム同胞団潰しと民衆虐殺に走っていて、建前上は民主主義の欧米各国が対応に困ってる状態。政府組織も軍もムバラク前政権下のままだったから成し得た暴挙。

8/30

◻エジプト軍が文民統制との決別を表明、大統領への宣誓文を修正
王政以降、ムバラクなど軍政時代に一度も行われなかった国民投票で昨年選ばれたモルシを引き摺り下ろし挙句に今後、国民に選ばれた大統領に権限を与えない為の修正

◻フィフィ「本当に大事なことはテレビで発言させないの。下ネタや、下品な笑いはOKでも、国の未来の為に政治的な発言をするのはタブーなのよ。言論の自由なんて、この国では幻想なのよ」 (日刊ゲンダイ)

シリアへの軍事介入がイギリス議会で否決されたのを受け、アメリカと軍事作戦を展開するはずだったフランス政府も"国連の調査報告を待ってから決断する"と慎重な対応に。アメリカは単独でも軍事介入の構えだが、人道的ではなく、国益の観点からの軍事介入である姿勢が表面化し、反感は避けられない。

アル・カイダとは:1978年ソ連のアフガン侵攻対抗を目的に米CIAが支援し育て上げた組織。これはwikipediaにも載っている情報。これが"テロとの戦い"という口実の武力行使を正当化する為の米国お抱えのテロ集団となる。現に米国が支援するシリア反体制派にはアル・カイダも含まれる。

◻米軍が支援する反政府派にはアル・カイダも含まれているが、彼らが政府軍の標的になる事を恐れ、山岳地帯へ移動しているとワシントン・ポストの記事

ニューヨークから日本に戻った2ヶ月後に911が起こった。当時留学生だった私は「元気寿司」の世界貿易センタービル配属予定でキャッシャーの研修を受けてた。日本語が出来ることもあり期待されてたのに、直ぐに辞めてしまったんだよね、あの時、私と一緒に研修受けてたあの子はどうしてるだろう…

シルクロードもイスラム商人によりアフリカから中国へ繁栄がもたらせれました。イスラム商人の利益の分配理念は、奴隷貿易と侵略で繁栄した欧米には障害でしかなかった。イスラム=悪は十字軍によるプロパガンダ。RT @sumiremiya: 本当のムスリムは争いが嫌いなのだと教えられました。

冷戦の構図、これは代理戦争です。反米親露のアサド政権、アルカイダなど過激派を含む親米の反政府派、大国が絡むから複雑化する。国民の判断に委ねる様に国連が現政権に諭すべきなのだけど、国連は米寄り非中立の役立たず。RT @UTVCVC: 「シリアの件は静観するべき」と言えば正解ですか?

◻シリアへの軍事介入についてドイツは軍事作戦参加に対し計画していないと発表
日本政府はシリア化学兵器の国連の調査結果も無く、その使用の有無さえ疑われてるいる最中に、シリア政権を痛烈批判、米軍の軍事介入を支持する始末

◻シリアへの軍事介入案が否決された事について、英国で首相の戦争案が議会で否決されたのは1782年以来の出来事。
国益がの観点から否決されたのもあるが、アラブ人は、多くの英国民がシリアの為にデモした事を忘れないだろう

◻イスラエル政府がエリトリア、スーダンから流入した移民5万人以上帰国させる措置をまもなく開始すると発表
忘れるなよ、イスラエルこそ、難民を受け入れたパレスチナの民を迫害し、追いやり国連の後ろ盾で強引に建国したのを…

世界に5人に1人のムスリムは今後、4人に1人に。世界では経済的にムスリム市場が注目され、その思想や習慣に理解が注がれている。イスラム=悪、テロという西側の偏見と濡れ衣はこのムスリム拡大と団結への脅威に対する妨害に他ならなかった。日本はそれに惑わされ完全に市場に出遅れた形となった。

日本人にとってキリスト教が身近に感じるのは、それが無神論者の市場へ参入を許した所以です。例えばXmasや結婚式のチャペル等、宗教的な意味合いを理解せず商売に利用します。イスラムは金儲けの宗教ではありません。改宗は可能でも布教は無い。それに敬意を払った者だけに触れて欲しいからです。

20分以上遅れで開始した会見でケリー米国務長官は米国独自の調査報告でシリア政府による化学兵器使用を断定し、米国単独でも軍事介入をすると示唆した。調査報告書では化学兵器攻撃の3日前から化学兵器使用準備を米国がモニターしていたと説明がある。
※米国は事前に分かっていた?墓穴掘ったか?

米国が政府軍による化学兵器使用と言うなら、軍事介入で化学兵器使用を停止させられると、なぜ断言できるのか?限定的な軍事介入によってアサド政権に何の効果を期待してるのか?限定的のつもりがアサド側が抵抗すれば泥沼化するし、中露が出てこれば代理戦争。結局、武器を使っておきたいだけでしょ。

◻シリアの化学兵器攻撃は反政府軍側の誤射である可能性と伝えるスクープ記事
http://bit.ly/1fozJAd :アレックス・ジョーンズ
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原発事故をきっかけに、腐り壊れる国

フクシマの悪夢〉 ―増え続ける小児甲状腺がん―  8/28 三上英次 janjanblog

 この国では、24時間コンビニが開いていて必要なものはすぐ買える。映画も見られるし、DVDショップのラインナップも豊富だ。
119番をすれば消防車は来てくれる。子どもは学校に通える。国会議事堂はあるし、最高裁の建物も立派だ。

 だが…、それらはうわべだけのことで、本当はこの国はすでに〈国家〉の体(てい)を成していないのではないだろうか――。

 ふとそんな思いにとらわれるのも、〈3.11〉による原発事故以降、

  ○ 10数万人の人たちがふるさとを追われ

  ○ 除染対策とやらで大手ゼネコンだけが潤い、原発労働者は使い捨て、

  ○ 復興予算が不正流用され

  ○ 形だけの「子ども被災者支援法」は作られたまま放置

  ○ 原発の汚染水流出には、有効な手立てが見つからない

 というのが、2年5ケ月前から今までの状況だからである。
さらに、「脱原発」の声をあげる国民(主権者)に、公務員ら(下僕)がSLAPP訴訟をしかける。
「美しい国」を標榜する総理大臣が、放射能にまみれた国土をそのままに海外での原発“訪問販売”に奔走する。
そして、一部報道に見られるように、「巨悪を眠らせない」はずの検察が、原発事故の責任を問われるべき原子力ムラの関係者らを不起訴にしようとしている。
もし〈国〉といったものがあるのならば、その〈国〉が他のすべてを投げ打ってでも最優先で取り組まなければならない原発問題に、何ひとつ有効な手が打たれず時間だけが過ぎて行っているようにも思われる。

 いくつかの放置されたままの問題の中で最も許しがたいのは、〈年間1ミリシーベルト〉までという被ばく基準が、原発事故後に20倍の〈年間20ミリシーベルト〉にまで引き上げられたことだろう。
そのために、チェルノブイリ原発事故の場合ですら〈年間5ミリシーベルト〉で人々は強制避難となったのに、日本では「放射線管理区域」と同レベルの場所で、人々がものを食べ、そこで眠り、日々被ばくを繰り返しているのである。

130222.jpg
 バスに分乗して上京し、東京地検前で、起訴を求めるボードを掲げる福島の人たち〔2013年2月22日〕 (撮影・三上英次 以下同じ)

 その結果、どうなったか――。

 それは、とどまることのない小児甲状腺がんの発生である。
福島県「県民健康管理調査」検討委員会が8月20日に発表したデータによれば、同調査で小児甲状腺がんと診断された子どもは、前回6月の12人から6人増えて18人になり、「がんの疑いが強い」とされた子どもは15人から10人増えて25人にまで増加してしまった。

 これは検査対象36万人のうち、7月までに検査を終えた21万7千人の中からの〈18人/25人〉であるが、「小児がんの確定者とその疑いのある者」は「3人/7人」(2013年2月)から「9人/15人」(2013年6月)、そして8月発表の「18人/25人」と、増加の一途をたどっている。

 ちなみに、チェルノブイリ原発事故(1986)での小児甲状腺がん発生件数は、
1986年に2件、
1987年に4件、
1988年が5件、
翌年7件(1989)と微増していき、
事故後4年で【29件】に激増する。
そして、その後も59件(1991)、
66件(1992)、
79件(1993)、
82件(1994)
と増加を続けていくが、日本は、2年数ケ月で、小児甲状腺がんが(その疑いの強い者を含めて)【43件】である。
福島県立医科大学の鈴木眞一教授らは「チェルノブイリでは小児甲状腺がんの発生は4年後」といった、事実ではないことを口にして、いまの時期の小児甲状腺がんと原発事故による被ばくの因果関係を否定するのに躍起になっている――。
では、あと1年半経ってからの―つまり原発事故後4年の―小児甲状腺がんについては、「原発事故後の被曝の影響によるもの」だと、因果関係(とその責任)を認めるのだろうか?

 こうした危機的な状況に対して、8月24日、安倍総理大臣に「非常事態宣言」を求める人たちが現れた。その中の、港区から官邸前に駆けつけた女性(65)はマイクを握って次のように呼びかけた。

 ――福島にまつわることを聞いて座り込みに来ました。どうして私たちが、このような行動に出なくてはいけないのでしょうか。
いま、漏れ出た放射能の汚染水が、そのまま海に流れ出ています。
340基もある汚染水タンク(注:汚染水タンクは全体で1000基あるが、汚染水漏れが疑われているタイプのタンクが約340基ある)、東電はいったい何をしているのですか?

 ――レベル7以上の原発事故を起こして、原因追求や補償等が終わらないままに再稼動を企てて…
まずは、事故の収束や補償が(再稼動よりも)先ではないですか? 
そして何よりも、汚染地域から子どもたちを逃がすことが、最優先されるべきではありませんか?

 ――事故は、現在進行形でいまも起きています。いまも起きていることについて、目をつぶらないで下さい。
耳をふさがないでください。
年間の被曝基準を、それまでの20倍にも引き上げて、政府は子どもたちを殺す気ですか!

 ――このような現実を、私たちは見過ごしてはいけないと思います。
汚染地域の子どもたちを気にかけなくなったら、私たちはヒトではなくなってしまいます。
前回の発表から、およそ3ケ月で、小児甲状腺がんは6名増えて18名になってしまいました。
原発事故が起きるまでは、子どもの甲状腺がんは「きわめてまれ」と言われて来たのです。
2年ちょっとで、甲状腺がんと確定した子どもたちが、18人もいるのです。
いまの事態を放っておくということは、子どもたちの〈見殺し〉に他なりません。

 同じく24日、東京・有楽町では「ふくしま集団疎開裁判の会」のメンバーが、やはり子どもたちの放射能汚染地域からの避難の必要性を訴えていた。

 ――福島の子どもたちにもうこれ以上被ばくをさせてはいけないという思いでやって来ましたが、福島では、もう小児甲状腺がんが18名も出てしまいました。
こんな危機的な状況なのに、「除染」「安全」「復興」キャンペーン等で人々が、危険な地域に帰されようとしています。
危険は去ったというキャンペーンのもとで、人々を避難させず、“彼ら”はデータだけをとっているのです。
福島の子どもたちを、モルモット実験の餌食にさせてはいけません。

 さて、福島県「県民健康管理調査」検討委員会が8月20日に「福島で小児甲状腺がん18名」を発表した翌21日、お昼のNHKニュースは、これまで通り、そのニュースには一切ふれず、むしろ次のような“時間つぶし”としか思えないニュースを流し続けていた。

  ○ 松阪投手、自由契約に
  ○ 海外の学生対象の就職面接会開催
  ○ パキスタンの神学校、アメリカの制裁対象に
  ○ サバの水揚げ、昨年の倍近くに

 子どもたちを見殺しにするような〈国〉、いまだ何ひとつ収束していない中で、なお原発「再稼動」を画策するような〈国〉、これが本当に「美しい国」などと呼べるのだろうか。

130824.jpg
 8月24日、官邸に向けてマイクを握る女性(右)

  《関連》

「福島原発告訴団」

「ふくしま集団疎開の会」

「原発利権には屈しない」―吉沢さんの呼びかけ―

◎ 「あさこはうす」の闘い
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