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「主権回復の日」は屈辱の日、半独立国!

普天間

 安倍某政権は、サンフランスコ講和条約の発効日を「主権回復の日」として祝うそうな。
 沖縄からは屈辱の日であるとして、強い批判が出ている。
 3/9の記事「「主権回復の日」は屈辱の日、独立国か?」にて琉球新報社説を紹介しました。
 この社説は沖縄を先頭にしつつも、日本全国が米国支配下の半独立国である事を指しています。

 オスプレイの全国展開、駐留米軍の治外法権、広大な米軍空域の存在などに、自衛隊の実質的な指揮力は米軍が持っていることなど、とても主権国家と言えるものではない。
 それと、気になっていたのですが、この安倍の発言が、例によって「唐突に」表明されたことです。

 これもやはり、米国の直接支持ですか。

 そうです、米国にとっては戦勝の祝いでしょうが、日本にとってのサンフランシスコ講和は治外法権の米軍駐留が継続する「屈辱の日」なのです。

 東京新聞が早速応えくれました。
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  【社説】主権回復式典 心の底から祝えるのか 3/13 東京新聞

 一九五二年に講和条約が発効した四月二十八日。安倍内閣は「主権回復の日」として政府主催式典の開催を決めたが、米軍統治が始まった沖縄県では「屈辱の日」に当たる。
 心の底から祝えるのか。

 「主権回復の日」式典を政府主催で開くのは今年が初めてだ。安倍晋三首相はその理由を「(終戦後に)七年という長い占領期間があったことを知らない若い人たちが増えている。節目の日を記念し、わが国による国際社会の平和と繁栄への貢献の意義を確認する」と説明した。

 敗戦後の占領からの再独立、主権回復を祝うのは、日本国民なら当然といえる。焦土から驚異的な復興を成し遂げた先人の労苦をしのぶ機会になるかもしれない。

 しかし、唐突感が否めない

 安倍総裁率いる自民党は二〇一二年十二月の衆院選で、政府主催式典の開催を公約したが、それ以前の選挙公約には見当たらない。

 政権奪還に向け、保守層の支持を得ようと公約に入れ込んだのなら、党利党略が過ぎないか。

 主権回復の日を強調することで占領下に制定された日本国憲法の正統性に疑問を呈し、憲法改正の機運を高めようという狙いもあるとしたら、素直には祝えない。

 日本の不可分の一部である沖縄県、奄美群島、小笠原諸島にとっては、この日が本土から分離され、苛烈な米軍統治の始まりだったことも、忘れてはなるまい。

 特に沖縄県内には本土復帰後も在日米軍基地の74%に当たる基地が残り、米軍の排他的な使用、管理が続く。在日米軍の軍人・軍属が事件、事故を起こしても、特権的な法的立場が認められている。

 これらは日米地位協定に基づくが、あまりにも治外法権的と言えまいか。
 日本政府は民主党政権時代を含め、運用改善に努めても、改定を提起しようとすらしない。

 安全性に疑問が残る垂直離着陸輸送機MV22オスプレイや米軍機が、日本提供の訓練空域でないルートを飛び回る姿は、日本がいまだに領空の主権を完全には回復していない現実をも見せつける。

 安倍内閣がこれら「半主権」的状況の改善に本腰を入れるのならまだしも、放置しながら主権回復を祝うのは独善的に過ぎないか。

 主権行使できない状況が続く北方領土や竹島が日本国民の手に戻る。地位協定が改定され、沖縄の米軍基地負担も抜本的に軽減される。そうした「真の主権回復」の日が来るまで祝うのは待ちたい

オスプレイ
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チャベスとボリバール革命

チャベス

    チャベスとボリバリアン革命 ウォン・ヨンス レイバーネット コラムから部分転載。

 問題の人間、チャベス

ウゴ・チャベスより多くのものを持った政治的指導者は、多分いないだろう。
政権を奪われたベネズエラの既得権勢力は、彼らが所有する言論を通じ、チャ ベスを悪魔化し、米国政府も裏庭を奪ったチャベスを許さなかった。
物理的な 証拠が少なく、悪の枢軸、テロ国家に入れることができなかっただけだ。

その上、クーデターの前歴を持つ軍人出身の政治家というイメージは民主主義 や社会主義よりポピュリズム扇動政治家にふさわしく、歴代の米政府は巧妙な イメージ操作でチャベスを独裁の化身として、扇動政治家にする国際的なキャ ンペーンを展開した。
しかしさすがチャベス。
彼はしょげることも、臆するこ ともせず、米国と新自由主義に立ち向かった。

個人としてのチャベスは、今までのどんな歴史の本にも存在しないスタイルの 人間だった。軍人が革命家の道を選択した事例はあっても、クーデターの失敗 を率直に認め、責任を取り、大衆的アイコンとして登場し、政治や運動に何の 縁故もなく丸腰で立候補して大統領に当選したのはすべて例外的な事例だった。

そして執権後、大統領として彼の動きはよどみなかった。米国も周辺国の右派 政権も区別せず、街頭の民衆と共に話し、歌い、会う人ごとに自分の考えを吐 き出した。寡頭勢力の言論独占で、唯一利用できる国営放送で大衆と対話する しくみとして「アロー、プレシデンテ(こんにちは、大統領)』という番組を作 り、何時間も大衆と対話した。

チャベスはベネズエラの民衆とボリバリアン革命の支持者を除けば、左右どち らも不愉快にさせる存在だった。
問題を解決するより問題を提起して、対立を 作る問題児だった。
彼は反乱者であり、革命家であった。
自ら駆けまわり、社 会を変え、世界を変化させた。
彼の58年の生涯は、一日も風が収まる日なく、 そのように過ぎた。
このエネルギーの塊のような強大な肉体的活動力は、ただ 癌細胞にしか止められなかった。

チャベスは、ベネズエラとラテンアメリカの階級闘争、社会変革の過程と共に 変化し、成長した。
チャベスの敵は、ボリバリアン革命と21世紀の社会主義を 絶えず嘲笑したが、チャベスは1998年に社会主義と資本主義の間の第3の道路線 から出発し、2002年にはクーデター、石油サボタージュ、2003年のリコール投 票に至る闘争の過程で、大衆とともに政治的、イデオロギー的進化の道を歩ん だ。
そして、その結果が21世紀社会主義プロジェクトとしての「ボリバリアン 革命」だった。

 ドンキホーテ、チャベスが成し遂げた変化

ウゴ・チャベスの個人的スタイルを越え、彼はベネズエラの民衆と共に巨大な 歴史的成果を上げた。
これは以後、チャベスのいないボリバリアン革命の運命 とは無関係にその影響力を行使するだろう。

まずチャベス革命は、既存の政治体制を完全に崩壊させた。
プント・フィホ体制 (1958年形成された連合政治)の二つの主役だった左右政党(民主行動党ADとキリスト 社会党COPEI)は、痕跡なく消滅し、新しい政治地形が創られた。
いわゆる野党は 誰か? 既存の制度政党の残党と、その周辺勢力のごった煮であり、米国と石油収入 に寄生して現在の富を維持する勢力だ。

次に、チャベス革命は20世紀左派のジレンマだった選挙革命不可能論を払拭させた。
1973年、チリのアジェンデ政権がピノチェトのクーデターで崩壊して、 世界の左派は選挙革命不可能論を語り、制度政治に閉じ込められた左派も選挙 による革命的左派の執権は不可能だと感じた。
しかし1998年大統領選挙から 2012年の大統領選挙まで、チャベスは僅差で負けた2008年の改憲国民投票を除 けば、すべての選挙と投票で勝利した。
むしろいわゆる野党勢力が選挙無用論 の擁護者になった。

三つ目、チャベス革命は米国の専売特許である反動クーデターをひっくり返し た。
2002年のクーデターは、20世紀のラテンアメリカと世界を席巻したCIA主演 の政権交代ドラマの繰返しだったが、1998年から2002年まで、闘争で覚醒した ベネズエラ民衆の力でチャベスをミラフロス大統領宮に復帰させた。
これは、 クーデターがもはや反動的右派と帝国主義の武器ではないことを示す歴史的な 事例だった(2008年ホンジュラスと2010年パラグアイのクーデターはこの流れを 逆転させた不幸な事例だ)。

四つ目、チャベス革命は、ベネズエラの国境の中に留まらず、ラテンアメリカ の反帝国主義汎ラテンアメリカ主義を復活させた。
1967年のチェ・ゲバラの死 で消えたラテンアメリカ解放の夢が現実として登場した、
特に、ALBA(ラテンア メリカのためのボリバール代案)、バンコデルスール(南米銀行)、テレスール (中南米テレビ放送ネットワーク)など、
米国の裏庭でラテンアメリカの自主的 な発展の基礎が磨かれ、ラテンアメリカで政治的な孤立から脱け出したキュー バと共に、ボリビア、コスタリカ、ニカラグアなど歴史的左派政権の登場と、 ラテン左派ブロックを形成する歴史的成果もあげた。

五つ目、チャベス革命は、世界的な反新自由主義-反帝国主義の先鋒だった。
特 に9.11事態以後、テロとの戦争という名で強行された米国の覇権主義に対抗し、 反新自由主義-反帝国主義ブロックの形成にチャベスは決定的役割を果たした。

この15年間、チャベスの登場と共にベネズエラが経験した政治的・社会的変化 は、グローバルな新自由主義の全面的な支配構造の下ではとてつもない変化だ。
特に、ポスト冷戦体制の米国中心の覇権構造の下で、ほぼ唯一の進歩的変化で あり、その中心にチャベスとボリバリアン革命があった。

 左派にもやっかいなチャビスモ(Chavismo)

自称左派にとっても、チャベスはやっかいな存在だった。
絶えず喚き出して、 予測できない行動を続け、特にリビアのカダフィやイランのアマディネジャド と同盟を結び、米国に立ち向かうチャベスの現実主義を理解するのは容易では なかった。
さらに、21世紀社会主義という名で左派のライセンスまで持ってい き、少なからぬ左派を怒らせ、激烈な論争に火をつけた。

ゴリゴリの極左は、チャビスモをポピュリズムと定義することで、誇らしくも 帝国主義に加担した。
チャベスの反労働者的行為を暴露し、21世紀社会主義が 改良主義だという非難もはばからなかった。
圧倒的にチャベスに票を投じるベ ネズエラの大衆が、いつかインチキ社会主義勢力のチャベス政権を打倒する闘いに立ち上がるという、きわめて主観的な希望を表明した。

チャベスとチャビスモ(チャベス社会主義)に対する左派的な批判に全く根拠が ないわけではないが、左派が国内外的に理論と実践において停滞し、突破口を 探せない状況で、ベネズエラの革命は既存の理論的フレームで説明するのは難 しい多くのジレンマを提起していることを忘れてはならない。
まるで準備され た前衛が、一糸不乱に階級闘争と蜂起を遂行し、社会主義政権を樹立して反動階級を粛清するという1917年のシナリオの反復だけに期待することは、自ら ユートピア的妄想にかかっていることの告白だ。

ボリバリアン革命は、チャベス個人への依存と、主体としての組織/党の問題、 社会主義的な再編戦略などで多くの限界と問題を持っている。
しかし、これら の問題は、それ自体が固定された限界というより進行中の革命の課題でもある。
したがって、チャビスモへの批判のかなりの部分は、ちょうど、天才カール・ マルクスが20世紀資本主義を間違って予測したから誤りだと批判するように、 根拠のない批判のための批判であり、ただひとつの解決策と答しか存在しない という形而上学的な盲信を仮定するものだ。

ベネズエラの左派運動も自由でない。
1991年のクーデターの時に革命軍と協力 することにした民間運動勢力は、偉業の当日に姿を消し、1994年の釈放以後、 チャベスはすべての運動勢力に協力を要請したが拒否された。
1998年に大統領 選挙に突入し、チャベスが有力候補として登場すると、一部の勢力が参加した が、革命以後もいわゆる伝統的左派は大衆運動の成長の中でも成長できず、ベ ネズエラ統合社会主義党(PSUV)の周辺か野党陣営で少数派として存続している。

 死んでもやっかいなチャベス

人生と死の問題は、いつも難解だ。
ウゴ・チャベス・フリアスの肉体的な死が ベネズエラの社会に、ラテンアメリカに、世界にどんな影響を持たらすのだろ うか。
米国とベネズエラの反動勢力は、彼の死を喜ぶ。
その反対で、彼の死を 悲しみ、革命の守護を叫ぶチャビスモの支持者がいる。
その間で混乱の感情で 沈黙する多数がいる。

運動と現実政治を行き来して、ベネズエラ社会とラテンアメリカを揺るがした ドンキホーテは、死んでもやっかいな存在だ。
もしボリバリアン革命が失敗し、 寡頭的反動勢力が復帰して、彼が実現した成果が失われたら?
多分その時には チャベスの力と成果が可視的に実体化されるかも知れない。

チャベスは問題児だった。
しかし問題は、彼は死んでも死なないので、さらに 問題的な人間だ。
ある意味、ウゴ・チャベスの肉体的な消滅で、ボリバリアン 革命に新しい課題を投げかけたようだ。
外形上の変化や指標ではなくこの15年 に作られ、鍛練された民衆権力が、ベネズエラの未来を決めるだろう。
たとえ 革命が短期的に失敗してもチャビスモの記憶はチャベスにより、シモン・ボリ バールが復活するように、解放と革命の神話で絶えず復活するためだ。

カラカス
 2013/3/6 カラカス
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 ※ 関連するページ。
ウゴ・チャベス氏の功績を讃える
 
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