小沢氏3/28高校生へ
2013-03-31

生活の党・代表 小沢一郎衆議院議員 講演 YouTube文字起こし
2013年3月28日(木)「 僕らの一歩が日本を変える 高校生100人×国会議員Vol.2 」 3/30 「銅のはしご」氏から
皆さん,お早うございます。きょうは今もお話しありましたが,5分間という事ですので原稿を書いて参りましたからそれに従いまして申し上げます。
まずは,『僕らの一歩が日本を変える』という皆さんのこの催しにお招きを頂きまして有難うございました。
5分のスピーチで終わりだって言うんで,ちょっと色んな議論をする時間はなくて残念ですけれども,まず一番皆さんに申し上げたい事を簡潔に言ってみたいと思います。
日本の国というのは,しばしば「リーダーがいない国」というふうに言われます。
事実,国の成り立ち,民族の成り立ちから来る要素が非常に大きいんですけれども,すなわち強いリーダーはいなくても平和で安定した生活が営む事ができて来たという,日本のある意味「島国」でしかも非常に気候温暖なこの国土とそしてその国民性が培われて来たという要素が強いと思いますが,
しかし色々な危機的な状況にあっては,改革をしなくてはいけないという志を持った若いリーダーが現われまして,革命,日本人は変化を嫌いますので,日本では革命という言葉を使いたがらないんですけれども,革命的な改革を成し遂げて来ました。
幕末の明治維新もそうでありますし,遠く遡れば天智天皇=中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)の大化の改新しかり,また僕流に言わせますと中世の殻を破った織田信長の大改革しかり。
そういうことで特に明治維新は,欧米の帝国主義の支配に服することなく近代国家として生まれ変わった訳でありまして,それは非常に合理な事だったと,わたくしは思っております。
いつの時代でも同じなんですけれども,改革というのは1人ひとりの考え・志から大きなうねり・力になって,世の中を変えて行くという事だと思います。
皆さんも「僕達の一歩が」という事で今日お集まりになった,わたくしはその考え・志,それにたいへん興味を持っておりますし,また,評価をしております。
私は政治談議はするつもりはないんですけれども,自民党を離党して以来,なぜ,政権与党の自民党をわたくしが離党したのかと。
多分,自民党にいればですね,きっとラクな政治家の生活を送ることが出来たと思います。
しかしまあ,それじゃあいけないと思いまして,自分なりに考え方を持って離党し今日(こんにち)まで来ました。
その目的は何かと言うと,日本に民主主義・議会制民主主義を定着させなければいけないという,わたくしの年来の強い思いであります。
皆さんは,日本は民主主義国家だというふうに思っておられるかも知れませんが,わたくしから言わせますと,到底,民主主義国家とは程遠い日本人の現状であり日本国の現状である,というふうに私は思っております。
これを本当に民主主義社会にするっていうためには,僕は「自立と共生」と言う理念をずうっと掲げてきているんですけれども,
民主主義というのは,個人個人の「自立」があって初めて民主主義社会というのは成り立ちます。
ですから,それぞれが自分達で考え,自分達で判断し,自分達で責任を持って行動する,と。
こういう事が行なわれない限り,民主主義社会は成り立ちません。
何かその時々のムードや,その時々のイメージでもって右行ったり左行ったり,そして行動もそういうふうに左右されると。
そして,選挙,政治で言えば,選挙もその時々のムードで右行ったり左行ったりという話しになる訳ですけれども,それでは民主主義社会は成り立ちません。
ですから明治以来,不完全ながらも政党政治・議会政治が(手元の時計を気にしながら)見られましたけれども,その失敗はやはり今言ったように,それぞれの日本人が自立した個人として,自分自身で考え,判断し,行動することができなかった,その時々,その時のムードでもって行動してしまった。
その大きな悲劇が戦前の昭和史であります。
いずれにしても,もう5分過ぎちゃったから終わりますけれども,皆さんにお話ししたい事は,とにかくきちんと自分自身を確立して欲しいと,自立して欲しいという事であります。
そして自分が何かやってですね,他人のせいにしたり何のせいにしたりって言うんじゃあ,これはわたくしは感心できません。
自分のやった事は自分で責任取んなきゃいけません。
それを社会のせいにしたり親のせいにしたり大人のせいにしてちゃあダメですよ。
ですから,そういう意味で,どうぞ皆さんにはそういう自立心と,そして大きな,大きな志を持って下さい。
わたくしの言いたい事はそういう事でありまして,明治の時代に札幌農学校でクラーク博士が言った言葉をお借りすれば
“ Boys , be ambitious ”「少年よ,大志を抱け」その志はどんな志でも良いんです。
何も社会的な高い地位を求める必要もなければ,社会的な大きな影響を持つような志でなくても,それはもう,それぞれ自分自身の目標・志を大きく持って,自分の判断で自分の責任で立派な人生とそして立派な日本をつくって頂きたいと思います。終わります。
(会場拍手)
◇ 参考① Wikipediaなどを参照して補足
天智天皇(てんちてんのう / てんじてんのう) 第38代天皇
推古34年(626年)― 天智天皇10年12月3日(672年1月7日))
在位期間 668年2月20日―672年1月7日
和風諡号は天命開別尊(あめみことひらかすわけのみこと / あまつみことさきわけのみこと)。一般には中大兄皇子(なかのおおえのおうじ / なかのおおえのみこ)
クラーク博士=ウィリアム・スミス・クラーク William Smith Clark
札幌農学校(現北海道大学)初代教頭 専門;植物学
1826(文政9)年7月31日― 1886(明治19)年3月9日
Boys, be ambitious.(少年よ、大志を抱け)
札幌農学校創立15周年記念式典で行った講演内容を、安東幾三郎が記録。安東が当時札幌にいた他の1期生に確認の上、この英文をクラークの言葉として、1894(明治27)年ごろに同窓会誌『恵林』13号に発表していたことが判明した。安東によれば、全文は「Boys, be ambitious like this old man」であり、このまま訳すと「この老人のように、あなたたち若い人も野心的であれ」という意味になる。
◇ 参考 ② 以下のウェブサイト,ホームページなど参照
国民の生活が第一 生活の党 ―People's Life Party―http://www.seikatsu1.jp/ お知らせ
僕らの一歩が日本を変えるhttp://hgst-pw.tumblr.com/event
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皮膚呼吸と皮膚の吸収・排泄
2013-03-30

人間の皮膚における呼吸と吸収・排泄の機能。
従来現代医学のセオリーでは臓器の発達進化によって、ほとんどその機能は失われているということになっているらしい。
だが、最近は皮膚、消化器系統共に、いわゆる感染悪玉菌と共生善玉菌による掃討と均衡の場であることが解ってきた。
と言うか、動物自体がその動物の遺伝子的な本体で恒常性維持されているのではなく、多種多様な菌類などの共生集合体として維持されていると言うことが解ってきている。
つまり、進化論的に言えばヒトと言う動物の系統樹はさておき、多様な微生物との複合的な進化ということになってきているのである。
系統樹の他に地下茎のつながりとその複合的な進化、ということである。
人間の皮膚における呼吸と吸収・排泄の機能のもんだいについても同様で、ヒトの進化に伴う臓器の発達によって、ほとんどその機能は失われているとするのは、極めて主観的な人間中心主義の進化論主義と考えられる。
人間が文化を創りだしたとはいえ、ヒトが別段に動物として全面的に各機能が最高に進化したわけではまったくない。
哺乳類の肉体が持っている機能は共生生物も含めて、ヒトにも濃厚に残存しているはずである。
以下の引用について、すべてではありませんが、その多くに納得するもの、あるいは貴重な示唆を感じるので紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ヒトの皮膚呼吸、皮膚の吸収・排泄機能をもっと高く評価すべきです 2013年02月26日 「薬屋のおやじのボヤキ」から
(文中(※ )はもうすぐ北風の注釈)
現代医学では、ヒトの皮膚は、単なる防護膜ぐらいにしか考えられていません。
生きた表皮細胞群(基底層)が、バリアとなる表皮(順次死んでいく細胞)を作り続け、その表面が順次垢となって剥がれ落ちる、といった程度の評価です。
皮膚というものは、動物の種によって、その構造や役割は実に多様性を持っていますが、いかなる種にあっても、単なる防護膜としての機能だけではなく、様々な非常に重要な働きを担っていると言えましょう。
例えば、皮膚には物質の透過性がありますから、動物の種によっては、皮膚呼吸そして有用物質の吸収や老廃物の排泄を主として皮膚で行なうものも多いです。
ヒトの皮膚の構造や役割は、ヒトに近い種である猿とではまるで違います。
ヒトは、裸の猿で皮膚を露出させていますから、皮脂分泌が盛んで、この皮脂膜が水分蒸散の防止、病原菌の侵入阻止という非常に重要な働きを担っています。
また、汗腺は、猿が全身にアポクリン腺(しっとりと汗をかき、体毛で蒸散させる)を張り巡らせているのに対して、ヒトはこれを脇の下など一部に残すだけで、大半をエクリン腺(大量に汗を噴出させ、無駄に滴らせる)に変えてしまっています。なお、猿のエクリン腺は、掌・足の裏にあり、滑り止めのために発汗させています。これは、ヒトも同じです。
ここで、ヒトの皮膚の働きにはどんなものがあるのかを考えてみましょう。
まず、皮膚呼吸ですが、これはあり得ないものとして否定されています。また、物質の吸収についても、防護が不完全であるから浸み込むだけのことであって能動的な吸収はないとされていますし、排泄についても、汗で垢や過剰な皮脂が押し流される程度にしか考えられていません。
そして、格段に進化したヒトという動物の皮膚は、原始的な動物のような皮膚呼吸や物質の吸収・排泄といった機能は既に失ってしまっていると決め付けているのです。
でも、皮膚のこれらの役割は、大なり小なりヒトでも果たしていると考えるべきでしょう。
そう思われる事例を幾つか挙げてみることにします。
皮膚呼吸については、007の映画「ゴールドフィンガー」で有名な“全身に金粉を塗ると皮膚呼吸ができなくなり死んでしまった”というのがあります。これは少々オーバーな表現かと思われますが、しかし、ヒトにおいても皮膚呼吸という役割はけっこうありそうなのです。例えば、西勝造氏が提唱された西式健康法の中で次のように書かれています。
胎児の間は、呼吸がないから肺循環の必要がなく、右心房と左心房との間には卵円孔という短絡道があるが、これが胎児が呼吸を始めると、この卵円孔が閉鎖されねばならぬ。この時間内は、肺循環が不完全であるから、皮膚がその間の(呼吸の)補助的作用を営むのである。私が、胎児は生まれてから1時間40分裸体でおくことが必要であると主張するゆえんである。こうすると、…新生児黄疸を起こさないのである。
人間は衣服で皮膚を包むが、包みすぎると肝臓が弱くなり…腸の蠕動が鈍化して便秘に陥る…これが脳に影響して手足の神経を麻痺する…血液の循環が悪くなって…腎臓に故障を起こし…これが万病に発展する…
皮膚機能の障害は、その根本は皮膚を包みすぎることからきている。皮膚の酸化作用や同化作用が障害を受け、一酸化炭素の発生を促し、アンモニアの生成が妨げられる。
…皮膚の鍛錬を…風療法…で行なう…。これは、皮膚を空気にさらす方法であって、主として酸化作用ならびに尿酸の発散を促し、血液、リンパ液の浄化をつかさどるものである。…保健の目的では、春秋の二季に3ヶ月…やると、体質を改造して病弱者も健康になることができる。
どうでしょうか。既に戦前に確立しているこの西式健康法は、戦後においても採用され、今日に引き継がれていて、その効果が実証されています。ですから、皮膚呼吸というものは、新生児でなくても、どれだけかは補助的に行なわれていると考えるべきです。
(※007もそうだが、いわゆる「金粉ショウ」では皮膚呼吸ができなく苦しくなるために30分程度で終わり、すぐ洗い落とす。というルポ記事を記憶しています。)
次に、物質の吸収です。これについては、まず、体に悪い物質の吸収がだんだん分かってきています。
それを、「医学博士・歯学博士・薬学博士 堀泰典オフィシャルサイト」から引用します。
(温泉研究N0.9 特集1基調講演「温泉と健康・長寿」(講師:堀泰典) 2012.9.1)
従来、皮膚からの物質の吸収は殆どないとされてきた。しかしながら、1960~70年代、洗剤による肝臓、脾臓、腎臓機能障害や、2011年に石鹸に配合された加水分解小麦粉によって、小麦に対するアレルギーが発現し、小麦製品(パン、うどん等)が食べられなくなった事例が1500件以上報告された。また、スマトラ島沖地震(2004年12月26日)の大津波で、日本人や外国人女性のご遺体の腐敗速度が他に比べて明らかに遅く、遺体の判別が容易であったという。このことは、化粧品などに含まれるパラベン、エデト酸などの防腐剤が身体に残留していた可能性は否定できないと現地の法医学者が唱えている。(同氏の別文献から補足:先進国と後進国の間で遺体の腐敗に大きな差があったと現地で伺いました。特に女性に大きな差が出たとの事でした。つまり、先進国と後進国の差は食品に含まれる防腐剤であり、男女の差は化粧品に含まれる防腐剤と考えられます。つまり我々は生きながらにミイラ化されていることになります。)
このように皮膚は外来異物の侵入に対する最も重要な防御機構ではあるものの、その作用は完璧ではなく、条件によっては異物の侵入を許すことが再認識されてきている。
一方、体にいい成分の吸収も知られてきつつあります。
同上堀泰典氏基調講演の中で次のように話されています。
…温泉にゆっくりつかることにより、ミネラルを経皮から吸収させることは大変重要な要因であるといえよう。自分に合う成分の温泉を選び、温泉にゆっくりつかり…お勧めする。…
このことについては、何も温泉でなくても、家庭の風呂に食塩を一握り入れると、末梢血流改善、体が温まる、湯冷めしないなどの効果が出ることが分かっており、これは、ナトリウムイオンが皮膚から吸収されることによる効果です。200リットルに対して一握り(20g)の食塩は0.01%にしかならない薄い濃度ですが、たったこれだけの濃度であっても、十分に吸収されてしまうのです。
次のことは別文献(出典不詳)からですが、皮膚からの吸収としては、ミネラルの再吸収があるとのことです。つまり、汗をかいたときに、汗とともにどれだけかは排泄される各種ミネラルが、再び体内に戻るというものです。日常的に汗をかいている人は、大汗でない限り、この機能がうまく働いていて、ミネラル欠乏になりにくいと言われています。
そして、小生が思うには、ミネラルの再吸収はこれに止まらず、体表の壊れた表皮細胞(垢)の中にある各種ミネラルまでもが、きっと再吸収されることでしょう。
と言いますのは、汗から出るミネラルであっても、壊れた細胞から出るミネラルであっても、再吸収される仕組みは同じと考えられるからです。
このように、皮膚は、体に悪いもの、体にいいものに関わらず、“吸収する力”があり、決して、皮膚の防御不完全が原因であるとして片付けてしまうことはできないでしょう。
(※ アレルギーに限らずパッチテストは広範囲に行われています。皮膚の吸収性がかなりのものであることは皮膚科の医師なら分かっているはず。)
3つ目が、物質の排泄です。
排泄の本来の目的は、有毒物質や老廃物を外へ出すことにあります。
この仕事は腎臓に全て依存しているわけではありません。例えば水銀などの有害金属は、ヒトの場合、髪の毛に集めて、毛が抜けることによって放出されているように、腎臓が全てを担っているのではないのです。当然に、皮膚にもその機能が備わっています。
日頃全く汗をかかない人が、サウナで汗をかいた後、すっきりした気分になれるのは、皮膚から老廃物が排泄されたからではないでしょうか。
また、汗をかかなくても、断食すると皮膚から嫌な臭いがしてくることが多いようです。
これは、揮発性老廃物の排泄としか考えられません。
考えられるのは、断食による体内細胞の貧栄養が引き金となって、細胞が老廃物を細胞外へ放出し、それを尿としてではなく、皮膚に集めて体外排泄するからでしょう。
なお、断食した後は、サウナ以上に身も心も格段にすっきり感が味わえるとのことですから、揮発性老廃物以外の各種老廃物も同時に排泄されると思われます。
(※ 皆さん御存知の通り、登山などで長時間にわたって発汗していると、水分摂取量に比べて排尿の量が非常に減ります。)
小生は、ヒトの皮膚呼吸そして物質の吸収・排泄が、思いのほか盛んに行なわれているのではないかと考えています。
と言いますのは、断食によって皮膚からの排泄がグーンと高まることから推し量られるのですが、表皮基底層で順次作られた細胞は、まさに断食状態にあります。そこへは、真皮層の組織液からの栄養が届きにくくなるばかりでなく、真皮層に存在する毛細血管から染み出る酸素も届きにくくなっているからです。
そうした細胞は、まだ生きており、生き続けようとします。
飢餓状態になりますから、老廃物を真っ先に吐き出すことでしょう。そして、表皮細胞の隙間の組織液に含まれる外界から溶け込んできた酸素を得ようとするでしょうし、代謝で生じた二酸化炭素を細胞外へ放出します。つまり、皮膚呼吸をすることでしょう。
こうして、単細胞真核生物と同じ生命活動をするようになると考えて良いと思うのです。
ここで、動物とは何なのかを原点に立ち返って考えてみましょう。
ヒトの遺伝子は、単細胞真核生物とどれだけの違いもありません。ヒトは、単細胞真核生物が単に多細胞化しただけのことであって、少々複雑な形状になっているから、それぞれの器官に特有な機能が、それぞれの器官の所在部位で目立って発現しているだけのことであると考えた方がよいでしょう。
ヒトの体の中の一つ一つの細胞を捉えてみると、細胞膜を通して細胞外液から酸素と栄養物を入れ込み、二酸化炭素と老廃物を排泄しているのですから、皮膚の表皮細胞とて、そうした機能を当然に持っていますし、飢餓状態となれば、能動的な吸収・排泄を必至になって行なおうとするでしょう。
さて、皮膚における有用物質の吸収ですが、その大半は表皮の上部から行なうことになります。体表の皮脂膜には細菌がビッシリと生息しています。これを皮膚常在菌と言いますが、彼らは皮脂腺から分泌される皮脂と皮膚の垢(たんぱく質)を食べつつ有機酸を排泄しています。これによって、皮膚表面の皮脂膜は弱酸性に保たれ、病原菌(一般に中性や弱アルカリ性で増殖し、弱酸性では増殖不可)の侵入を防いでくれていて、ヒトと皮膚常在菌は共生関係にあります。
そして、この有機酸は、ブドウ糖に代る栄養にもなるのです。腸内環境が優れていると、大腸で食物繊維が腸内細菌によって発酵し、有機酸が作られ、これが大腸で吸収されてブドウ糖の代替になるのと同じです。(ゴリラはこれを盛んに行い、ヒトもどれだけか可能で、オリゴ糖を多く摂取すると、ヒトも有機酸の産生が盛んになります。)
よって、飢餓状態にある表皮細胞は、皮膚常在菌が作ってくれた有機酸をエネルギー代謝して命を長らえようとするに違いありません。
ここで、一つお断りしておきますが、通説では、皮膚常在菌は皮脂しか食べないとされています。せいぜい皮膚常在菌がたんぱく質を分解するのは、脇の下などアポクリン腺から出るたんぱく質だけであって、不潔にしておくと、これを皮膚常在菌が分解して様々な窒素化合物を作り、それでもって異臭を発生させるぐらいなものと説明されています。
でも、小生はそのようには考えていません。あまりにも異常すぎる日本人の徹底した清潔文化の下においては、垢は皮膚常在菌に食べられる前に、タオルに付けたボディーシャンプーでゴシゴシ洗いされて剥がれ落ちてしまうから、皮膚常在菌は垢を食べないとされているだけのことでしょう。
小生は風呂に入ったとき、石鹸もボディーシャンプーも使わず、体も擦りません。単に、シャワーをたっぷり浴び、湯船に浸かるだけです。そうすると、浴槽に垢がくっ付くことはないですし、下着に垢が張り付いているようには全く思えませんから、体表で皮膚常在菌が垢を食べて分解してくれていると考えるしかないのです。これでもってしても、体臭がすることは全然ないです。
ただし、顔はけっこう脂ぎっていますから、シャワーや浴槽内で掌でどれだけか擦りますが、これは過剰な皮脂を洗い流しているだけで、垢までは落ちていないと思われます。
もっとも、頭皮も脂ぎってきますから、時々シャンプーを使い、このときには過剰な皮脂とともに垢(ふけ)も洗い流されるでしょうが。
少々横道にそれましたが、話を元に戻しましょう。
こうして、表皮細胞群は、皮膚呼吸そして物質の吸収・排泄を真皮層の組織液に頼らなくても、表皮層でもって独自にかなり行なうことができると思われるのです。
そして、表皮層にも組織液があって、表皮・真皮の組織液はつながっており、相互に物質の移動が可能となりますから、一旦吸収された有用物質(有機酸)や汗で放出され再吸収されたミネラルは、真皮の方へ受け渡され、真皮層に届いている血管中へと入り込んでいくことも考えられましょう。また、血管から染み出した老廃物なり真皮層で生じた老廃物が、その逆の流れで排泄されもしましょう。
ヒトの皮膚(表皮、真皮)は厚さ約2mmで、総重量は約3Kgもあり、肝臓(約2.5Kg)を上回る最大の臓器です。ですから、皮膚細胞群における皮膚呼吸そして物質の吸収・排泄作用は、決して無視できるものではなく、皮膚のこれらの機能が健全に働くか否かは、ヒトの健康にも大きく影響していると考えざるを得ないのではないでしょうか。
もっとも、皮膚呼吸そして物質の吸収・排泄機能の主力となる箇所は表皮であり、表皮だけを捉えてみると、厚さ約0.2mmで総重量は約0.3Kgしかなく、小さな臓器になってしまいますが、表皮は真皮と深い関わりがありますし、真皮層にある汗腺や皮脂腺などの働きも表皮に重要な影響を与えますから、表皮・真皮を一体として皮膚として捉え、総合的に働きを評価する必要があります。
こうしたことから、「健康な皮膚づくり」を考えたとき、まずもって、表皮層に存在する飢餓状態の細胞群が少しでも命を長らえることができるように表皮の快適な環境を保持してあげるとともに、真皮への十分な血流の確保、そして汗腺や皮脂腺の正常化が必要となりましょう。
このことは、肌荒れ、敏感肌やアトピー性皮膚炎を改善する上で、重視すべき事項となります。
次号においては、アトピー性皮膚炎の皮膚がどのような状態になっているかをみてみることにします。そして、対症療法について、述べることにします。
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シオニストが謝って済むなら神はいらない!
2013-03-29

2010/5/31
2009年のダボス会議でイスラエルのペレスがパレスチナ問題への余りにも傲慢な発言をし、あまりの傲慢な発言にトルコのエルドアンは猛烈に怒りつけて退席した。
その後もイスラエルはガザの封鎖を続け、ガザを救うため各方面の人道団体、イスラム団体などが決死の救援物資輸送を図るが、すべてイスラエルによって阻まれる。
その中で2010年トルコを中心とした輸送船団をイスラエルは武力攻撃し、9人を殺害するという暴挙に出た。
まさに狂気のシオニスト国家である。
それはそうなのだが、イスラム世界から見るともう少し複雑な経過が肉付けされて覗われるようである。
以下の筆者はトルコに十数年在住の建築士。
ーーーーーーーーーーーーーー
やいイスラエル、謝って済みゃ警察はいらねえ 3/26 「つれづればな」氏から
日本ではまったく報道されていないと思うが、このあいだイスラエル政府が生まれて初めて謝った。誰にって、それはトルコ共和国にである。
あれはもう三年近く前、滅茶苦茶な事件だった。
イスラエルに一方的な攻撃を受け続け食料も医薬品も底をついたパレスチナのガザ地区に救援物資を届けるため地中海を就航中の六隻の民間船(トルコ、アメリカ、ギリシア船籍など)がイスラエル軍に行く手を阻まれ、そのうち一隻が攻撃に遭い死傷者が出た。
「PressTVの動画」
過半数がトルコ人、そして周辺のイスラム・非イスラム国32カ国からなる総勢748人が分乗する船団はもちろん非武装であった。乗組員も民間の社会活動家や医師、記者などであった。
2010年5月30日、地中海各地からキプロス島に集まった船がガザに向かって出航した。
事件は早くもその日の深夜におこる。午後10時を過ぎた頃、船団に対しイスラエル側から警告が始まった。イ海岸線から50海里以上はなれた公海上である。
法律上、公海は全ての国に解放された水域であり、そこではその船の掲げた国旗の示す国の法律によってのみ拘束される。この地点でイスラエルにとやかく言われる筋合いはない。
この救済船団の主要船であったマーヴィ・マルマラ号の船長は、航行の目的と積荷の明細をイスラエル側に告げ、また停泊・進路変更の意思も義務もないことを伝えた。数時間におよぶ無線応答のあいだも船団は南下を続けるがイ領海を侵すことはなかった。
拿捕の上イスラエルに連行する旨を伝えられるが船団はこれを拒否、なおも南下を続けた。乗組員たちは万一に備え救命胴衣とガスマスクに身を包んで待機した。
無線以外の通信手段は妨害電波により絶たれていたためNATOにも国連にも通報できなかった。

(緑の破線が船団の航路、赤破線がイスラエル軍、紫の海域は各国の領海域を示す)
そして夜明け間近、依然として公海上にありしかも応戦する装備などない船団にヘリと高速船が近づいた。
自動小銃をにぎる完全武装の特殊部隊が強行に乗り込むと六隻のうち五隻は無血で拿捕されたが、大型船であったマーヴィ・マルマラ号はそうは行かなかった。
イスラエル兵は無抵抗の乗組員に対しいきなり発砲し、昏倒するまで殴りつけた上に至近距離から頭や胸を撃ち抜いた。
普段からガザで働いている暴行と同じ手口、その模様は乗組員たちが撮影している。ましてや各国の報道関係者が撮影機材を積み込んでおり攻撃の詳細が記録されることはイスラエル側もわかっていた筈だ。
これが世界中に公開されることも目的の一つであったかのようである。
なぶり殺しにされぬために、甲板にあった角材や金属パイプで乗組員たちは必死に防戦した。
しかし死傷者が増え続けることを恐れた船長は降伏し拿捕受け入れを決定、白旗を掲げてその意を示したがその後も攻撃はしばらく続いた。
死者9名、重軽傷者54名。死者のうち8人がトルコ人で一人はアメリカ国籍を併せ持つ未成年のトルコ人であった。
イスラエル国防軍の特殊部隊とは何やら強そうだがそのうち三人が武器を奪われて袋叩きにされている。本当は弱いのだろうか?
イスラエルの行動などはもとより理解不能なため見失いがちだが、静観すると不自然なところがいろいろ浮かんでくる。
船団のなかには20人規模の船もあったというのにわざわざ500人以上も乗船している船を選んで騒ぎを起こすのはおかしい。
日本とは違いトルコには兵役があり、成人男子は素手で武装者と戦う訓練を一応受けている。いくら武装しているからとはいえ、大勢に囲まれればそれなりに不利になるし、それを見越した装備であったとも思えない。
乗組員たちの行動は極めて冷静であった。
イ兵の銃を奪い取るが使用はせずに海に投げ捨て、負傷し降伏した兵士の手当ても船医が速やかに行っている。仮に奪った銃を発砲して応戦してしまったとすれば海賊行為を働いたとの嫌疑が向けられていただろう。また負傷兵を見殺しにしていたとすれば殺人罪で起訴された可能性もある(生きたまま重しをつけて海に放り込んでやりたいのを必死でこらえたことだろう)。
負傷したイ兵の懐中には乗組員の名簿があり、氏名・職業などの詳細が写真とともに詳細に載せられていた。どの船に誰がいるかまで知られていた。
おそらくこの事件の裏には過去のイザコザが関係している。
トルコは新政府樹立から親イスラエルで知られていた。トルコ軍の高官はすべてイスラエルの肝煎りで、軍備はほとんどイスラエルから調達していた。国家の武器庫の内訳をにぎられていたことにもなる。(いや、そんな国がほとんどである筈なのに戦争だの国防だのといっているほうが可笑しい)
しかしこの最後の十年でトルコは進路を変えた。親イスラムの政権が生まれイスラエルとは当然距離を置くことになった。
イスラエルに媚びへつらって私腹を肥やしていた軍人や政治家はその勢いをほぼ失った。
2009年のダボス国際フォーラムにおいて、トルコのエルドアン首相はイスラエルのペレス(敬称不要)に対しガザ(パレスチナ)への暴力を面と向かって批判した。
ペレスが激昂し反論するには、パレスチナで暴れているのは我々ではなくハマスである、我々は平和を求める民族であり、それに牙を剥くハマスと戦っているに過ぎない、お前は何も分かっていない、と。
それを受けたエルドアン首相は頭から湯気を出して怒った。
(過去においてハマスは武装集団としての活動が目立ったが近年は代替わりが進み、いまでは国民に支持された与党政党である。しかし国連とアメリカはハマスに対しテロ組織としての指定をまだ解除していない。)
ロイターの動画
この模様は日本語でも紹介されておりご存知の方もあるだろう。
しかし英語から日本語に訳したものでは微妙に感触が違うので筆者がトルコ語から日本語に直してみた。
首相が伝法に喋るのは皆様の気のせいである。
(映像で最初にでてくるのはイスラエルのペレス、エルドアン首相の演説は一分を過ぎたころからはじまる。)
年寄りのくせしてふてえ声を出しやがる。悪党どもの声がでかくなるのは負い目があるからに違えねえ。
やい、てめえらは人殺しにかけちゃあ見上げたもんだ。
こちとらガザの海岸でてめえらが年端もいかねえ子供らをどうやって殺したかはよっく知ってらあ。
そういやイスラエルの昔の首相の中で二人の野郎が面白れぇこと言ってやがったな。戦車に乗ってパレスチナに入ったときの気持ちよさときたら他たぁ一味違うんだとよ。それから戦車に乗ってパレスチナに入ったときゃあ滅法幸せな気持ちになるんだとよ。
てめえらも許せねえが、この極悪非道を手を叩いて囃し立てる連中も許せねえ。子殺し人殺しを誉めそやす奴らも同じ穴のムジナってことよ、てめえらの悪行を洗いざらいぶちまけてやりてえがそれほど暇じゃねえ、たったの二つだけしゃべらしてもらうから神妙に聞きやがれ!
ここまで話すと司会者が邪魔に入る。時間がありませんから、と、一体何様のつもりか知らないが一国の首相の肩を揺すり喋らせまいとする。
司会者を睨んで一分待ちやがれすっこんでろと怒る首相、しかし執拗に首相の言葉を遮る司会者に堪忍袋の緒が切れた。
へえへえありがとさんにございやす、あっち(ペレスの持ち時間)が25分でこっちがたった12分たぁどういうことでえ!こんなふざけたダボスなんざ呼ばれたって二度と来るもんか畜生め!
そういい捨てるとエルドアン首相は席を立ってダボスを後にした。
(後日、首相は危うくあの司会者をぶん殴るところだったと述懐している)
イスラム教国諸国はもとよりパレスチナを援助するキリスト教団体やそのほか人権擁護団体からは首相のこの発言に対し感謝の声が降り注いだ。
国内の野党からも一切の批判は出なかった。
誰がどう見ても主催者側の態度はおかしく、イスラエルの嘘もあからさまだった。
後でペレスから届いた弁明によれば耳が遠いので何を言われたのかよく理解できなかったため誤解が生じたとか、何やら爺くさい言い訳だがどう聞き間違えればイスラエルが悪くないことになるのかは不明である。
いずれにしてもこの騒動はここで幕を閉じた。しかしイスラエル政府やそれと同じ穴のムジナたちはさぞ面白くないことだろう、首相を賞賛する声で沸き返る国内もいつかイスラエルから手の込んだ嫌がらせを受けることは肌で感じていた。
イスラエルによるパレスチナの攻撃は緩急の差はあろうとも止むことはない。
飛び地状態のガザ地区は二方をイスラエルと国境を接し一方には海が迫り、残りの一方はパレスチナに対して頑なであったエジプトに面していたため正に陸の孤島、食料も飲み水も燃料もイスラエルの機嫌しだいで皆無になることもあった。
市民は国連による雀の涙ほどの援助でようやく命を繋いでいた。
首相が名指しで批判したのはイスラエルだけではない。
同じ穴のムジナたち、つまりこの非道を止める気のない国連、まともな救援活動をしないWHO,WFP,勘定奉行のIMF,イスラエルの使い走りのEUと欧州議会、イスラエルの産みの親であり御目付役であるアメリカ合衆国政府、そしてそのアメリカに引導を渡し知らぬ存ぜぬを通す世界中の人々全てに対し啖呵を切ったのであった。
そして起こったのがかのマーヴィ・マルマラ号事件であった。
国連に救援物資を委託してはドブに捨てるも同然、そこでトルコの市民団体がわざわざ80万ドルを負担して船を購入しての救援活動だった。
積み込まれていたのは食料や薬品のほか、手術や検査のための医療器具、建築資材、工具など、一刻も早く役立てねばならない品々であった。
イスラエルに連行された船団と乗組員は二ヶ月以上軟禁されてようやく帰国することができたが、その喜びとは別に言葉にできない悔しさをかみ締めていた。船体に残る銃痕は事件を言葉なく語っていた。
内心どうあれ国連、NATO,EUからはこの事件に関しイスラエルを非難する声明が出されている。船団の届けるはずだった救援物資は国連が責任を持ってガザ市民に分配すると約束した。
(そもそもこいつらがまともに仕事をしていれば起きない事件であった。盗っ人猛々しい。)
しかしアメリカは、市民団体の援助はハマスに対し向けられたものでイスラエルの権利を害する行為にあたり、またイ軍の制止を強行に突破しようとしたのは犯罪的である、即ち事件をイスラエルの正当防衛とする意見を出した。
繰り返しになるが船団はイスラエルの領海には掠りもしていない。そのままガザに到達しようがイ軍には制止する権限など存在しない。
つまりアメリカでは海軍が公海を鮫のようにうろつき、軍人が装備のない民間船に乗り込んで一般人に殴る蹴るの暴行を加えた上に射殺することは正当な防衛なのだそうだ。
なるほど、そういえばアメリカの裏路地では警官が同じようなことを市民に行っている。
その「力」を誇示することが存在の目的であるかのように何かしらを絶え間なく攻撃するしか他にやることがないのである。
凶暴な上に嫌われるのが好きでたまらないという物理的かつ生理的に迷惑な国、イスラエルとはそんな国だ。
報道陣の撮影を妨害しなかったのは事件後に公開させたかったからである。
妨害電波を張り巡らせて救援を呼ばせなかったのはNATOに対する「思いやり」であろう。
トルコ人を執拗に挑発し反撃させようと試みた。
特殊部隊の中に弱い奴を混ぜて置いたのか、あるいは芝居を打たせたのかはわからないが意図的に武器を奪わせ使わせようとした。そして殺させようとした。
そしてその映像を公開し「民間人を使ってハマスのテロに加担するトルコ政府」と銘打ってにっくきトルコの顔を潰そうとしたのである。
誰を射殺するかは事前に手に入れた乗船名簿から検討されていた。
アメリカも、アメリカ国籍を持つ少年の射殺に対し眉一つ動かさないことでトルコ側に弁解の余地がないとする態度を強調するつもりだった。が、そうは問屋がおろさなかった。
乗組員の冷静な行動によりマーヴィ・マルマラ号作戦は失敗に終わった。
そして三年ちかく経ったつい先日、イスラエルは事件の非を認め謝罪してきた。
遺族および被害者に対する補償も要求どおり行うとも言ってきた。
トルコ政府は謝罪を受け入れる方針を示したが実のところは謝罪ということを建国以来一度もしなかった国からこういわれたので薄気味悪くて困っている。
ぎりぎりの外交努力で掴んだ謝罪には違いないが素直に喜ぶわけには行かない。
たしかに三年前の勢いはイスラエルにない。欧米とてみな自国の経済難を何とかすることに忙しくイスラエルのすることにかまっていられるほどの余裕はない。
また中東でのトルコの発言力は増す一方で欧米はもはやこれを無視できなくなっている
。欧米は中東・アフリカ地域の管理・搾取をトルコを利用することでより潤滑に行いたいため、うわべだけでもトルコに仁義を切ろうとする。
だから仕方なく謝罪してきたのかと思えば、それだけでもないだろう。
国際社会におけるトルコの地位を必要以上に引き上げ中東の「君主」として舞い上がらせることで石油成金諸国(サウジ、クウェート、バーレーン、ヨルダンその他)との仲たがいをさせたがっている。
小さなことですぐに関係が壊れるのがこの地域の危ういところである。
アラブ人たちが国家間紛争を部族同士の小競り合いと同じ次元でしか考えていないからである。
エルドアン首相は周辺諸国に対し協和の大切さを強調し、欲からは欲が、憎しみからは憎しみしか生まれないこと、欧米の庇護を受けずに自立した上で自国民のための政治を行うべきだと説いて回っている。
石油漬けで頭が働かなくなった王族たちの理解を得るのは至難の業だがエルドアン首相は決して怯まない。
そんなことをされては商売上がったり、欧米にしてみれば迷惑千万である。
イスラム社会の覚醒ほど彼らが嫌うものはない。
長年かけて築き上げてきた西欧中心の唯物主義社会が音を立てて崩れ去るかもしれないからである。だから彼らは今、イスラムの弱点を探し漁りそれを突くことに血道をあげている。
これに対抗できるのは法的手段でも復讐や憎悪でもない。人の手による法律などは人がいかようにでも利用することができる。
懲罰は神に委ねるべきものであり、憎しみに任せて手を振り上げることは許されない。仲間の額を打ち抜いた兵士を捕まえても血祭りに上げなかったのは神への畏れがそうさせたのである。
イスラエルの兵士とて人の子、神の創造物である。その罪を問うのは神であって人ではない。
憎しみは悪魔の糧、復讐は悪魔の余興、これを悪魔に貢いではいけない。一人が武器を捨てれば100人の血が救われる。
皆が憎しみを捨てれば、この世の傷は明日にでも癒える。
日本人が仮に国の外で拘束され、酷い目に合わされたとしても日本政府は救出はおろか補償に関しても一切の外交努力をしないだろう。
その気もなければ能力もないときてるから恐れ入る。どなたさんもお気をつけなすって。
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