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もうすぐ北風が強くなる

ウォルフレン対談NYタイムス支局長:変わらない安倍政権

 ウォルフレン ファクラー

  ウォルフレン氏「安倍首相が早く訪中していたら称賛浴びた」 2/20  Newsポストセブン

 経済ではアベノミクス、外交では強気の対中姿勢で高い支持率を維持している安倍政権は、果たして世界にはどのように映っているのか。日本研究の第一人者であるK.V.ウォルフレン氏と、ニューヨーク・タイムズ東京支局長のM.ファクラー氏が初対談。
 「世界から見た安倍政権」の実態を語り合った。

ウォルフレン:そもそも、オバマ氏自身が日本に関心を持っているようには見えません。
 ワシントンの日本の扱い方が変化したということをよく考えなければならない。ヒラリー・クリントン前国務長官が対日外交のために国務省に集めた、日本をよく理解し親日であった外交官たちが次々とフェードアウトしています。

 メディアにおいても、ファクラーさんはわずかに残ったフルタイムの駐日特派員の一人ですが、一昔前と比較すると、外国メディアの特派員の数は減り、日本の新政権についての記事も少なくなった。

ファクラー:ウォルフレンさんがいったように、いまのオバマ政権には日本を知る人物がほんのわずかしかいません。
 その一方で、中国に詳しい人物は政権内にもっといる。中国は懸案事項であり、大きな問題ですから。日本よりも関心は中国にある。

 私の感覚としては、オバマ政権は日本にもっと自国の問題は自国で処理してほしいと考えているでしょう。
 米国は日本にいつまでも赤ん坊のようにケアしなければならない存在でいてほしくはない。彼らには、安倍氏がいうような「真の同盟を築く」ための、意思も余力もないでしょう。

ウォルフレン:安倍氏はその代わりに東南アジアを訪れたわけですが、残念ながら東南アジアも安倍氏の歴訪に興味など持っていない
 私は最近タイに行った際、現地の政治アナリストに会いましたが、日本が米国を後ろ盾に対中包囲を進めようとしていることに、タイは全く関心を払っていません。
 彼らは中国との経済連携を進めたがっているから。

 私は安倍氏がこうしたことを本当に理解しているか疑わしく思っている。
 安倍氏の祖父である岸信介・元首相や、麻生太郎・副総理の祖父である吉田茂・元首相は、戦後、日本の国力強化を最優先課題とし、一時的に日本を米国の管理下に置いてこの目標を達成しました。
 そして、国力が整ったら米国の管理を脱して日本を真の意味での独立国とするつもりでした。
 この意味で二人は真の指導的政治家(ステイツマン)でした。
 しかし、安倍氏と麻生氏は祖父たちとは逆に、永久に米国の管理下にあり続けることが日本の安全保障だと考えており、不安を覚えます。

 私は、安倍氏が機会を失ったと述べました。
 安倍氏が政権発足当初に、中国との領土問題に対する平和的解決の糸口を持って北京を訪問し、これまでの合意に戻って話し合いましょうとでもいっていたら、日中両国の問題は部分的に解決し、今頃、政治家として世界からの賞賛に浴することもあったのではないでしょうか

  NYタイムズ支局長「日本は3.11より大きな危機の必要あり」 2/22 

ファクラー:自民党がもし、旧態依然のままなら、いつの選挙かわかりませんが、新たな政権に取って代わられることでしょう。
 国民は官僚システムを打破し、国民の中にある閉塞感を打ち破るものを望んでいる。

ウォルフレン:この前の選挙結果における投票数を見れば、自民党は第一党を占める議席数を獲得したが、実際の得票数は2009年選挙よりも少ない。
 これはつまり、2009年に民主党に投票した人々は、この前の選挙では自宅にいて投票しなかったということ。

 彼らは裏切られたと感じ、マニフェストで約束したことを履行しなかったと憤りを感じたんです。
 もちろん、自民党の圧勝を演出した新聞が、そうした事実を指摘することはなかった。反民主党の新聞にとっては願ってもないことですからね。

 それでも、自民党に入れたくもないし、投票したくもなかったため自宅にいた人が大勢存在するのは間違いありません。
 もし安倍政権が、日本の進むべき方向性について国民が納得できる形で示すことができなければ、この先、予測しがたいタイプの新たな政治家、政治グループが登場していくことになるでしょう。

ファクラー:維新の会がそれを担うのかもしれないし、そうでないかもしれない。
 ただ私は、日本は今後、この国の制度・システムに対する本当の危機が起こり、それに対処する形で変革せざるを得なくなるだろうと考えています。
 外的要因としては領土問題などを抱える中国、内部要因としては日本の財政危機でしょうか。

 その意味では、3.11の東日本大震災、福島原発事故でさえ日本にとって真の危機にはならなかったわけです。
 なぜなら、あれほどの災害でも東京電力はまだそこにあり、旧態依然とした“原子力ムラ”の体制、やり方に戻っていってしまっているのですから。

 官僚は原子力関係への天下りを温存し、学者は原子力業界からの研究資金を得続けて、メディアは原子力を推進する企業の広告をいまだに数多く扱っている。
 これでは変わりようがありません。日本のシステムを変革するには、ある意味で3.11より大きな危機に直面する必要があるのかもしれません。

ウォルフレン:官僚を中心とした権力構造が改革を妨げる。
 まさに私が指摘してきた「人間を幸福にしない日本というシステム」ですね。
 安倍氏も「戦後レジームからの脱却」を唱えながら、全くその思考から逃れられていません。

■カレル・ヴァン・ウォルフレン
 ジャーナリスト、アムステルダム大学名誉教授。1941年オランダ生まれ。1972年にオランダ『NRCハンデルスブラット』紙の東アジア特派員として来日以来、日本研究を続けている。近著に『いまだ人間を幸福にしない日本というシステム』(角川ソフィア文庫)など。
■マーティン・ファクラー
 ニューヨーク・タイムズ東京支局長。1966年米国生まれ。ブルームバーグ東京支局、AP通信社各支局を経てニューヨーク・タイムズ日本支局記者になり、2009年より現職。昨年、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』(双葉新書)がベストセラーになった。

※記事は上下いずれも週刊ポスト2013年3月1日号
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 このブログ内のカレル・ヴァン・ウォルフレン氏関係ページのリンク一覧。

・ ウォルフレンの小沢一郎論
・ ウォルフレン:米国の変質
・ 政権を妨げる内外の力:ウォルフレン11/24
・ 大震災の直前に小沢一郎を排したこの国の不幸:ウォルフレン
・ 小沢一郎、ウォルフレン7/28上杉
・ 小沢一郎7/28自由報道協会会見
・ ウォルフレン:小沢叩きで洗脳するメディア
・ ウォルフレン:世界に例を見ないメディアと司法
・ 財政危機の罠とTPPの罠:ウォルフレン
・ 在日米軍は国民に利益ゼロ:ウォルフレン
・ ウォルフレン:官僚独裁の勝利か
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チェリノブイリの子ども:スベトラーナ・シュリャク

   地球の生きている花 スベトラーナ・シュリャク(13) 「チェリノブイリの子どもたち」から

 人間は宇宙から地球に来たと、時々耳にする。
 地球は私たちの家である。その地球で生彩を放っているのは、子どもたち。子どもは地球の生きている花である。その彩りのない地球を想像することができるだろうか。
 いやできない。地球には元始より、子どもが生きていくための環境がつくられているのだ。

 それぞれの子どもにそれぞれの運命があり、それぞれの宿命がある。
 大切なのは、地球という家によい足跡を残し、両親がくれたよりよいものを、混乱のなかでも失わないことである。私の生命はつい最近始まった。13年前に。

  私たちの娘 スベトラーナちゃん
  あなたは開いたばかりの草の葉っぱ
  私たちの愛はあなたと一緒
  最初のかわいいお花ちゃん

 この未完成の詩は、幼な子キリストを抱く聖母マリアのように母が私を腕にだいている私の最初の写真に、母が書きつけたものだ。
 これはまるでイコン(※)のようだ。
 それは私の最も好きな写真だ。私はその写真を長い間ながめ、すばらしかった幼い日のことを思いだしている。
 そのとき私はまだ、人生がいかにすばらしいか、よく考えもしなかった。
 初めて春の地面に咲くか弱い花がやさしい太陽の光に包まれているように、私も両親の抱擁(愛情・優しさ)と愛に包まれていた。

※イコン
 板に描かれた宗教画

 だが、このか弱い花に、いまいましいチェルノブイリの雨がふりそそいだ。
 説明できないほどの恐怖と好奇心でいっぱいになり、私は大人たちの話しに耳をすまして、彼らの顔や目をじっと見た。
 特に、私をおびえさせたのは「棺桶代」という言葉だった。
 私は以前、祖父の葬儀のときにもこのおそろしい言葉を聞いたことがある。私はこのお金でお棺を買い、死ぬのだと思っていた。
 その当時私は死を少しも恐れず、神様や悪魔やあの世にあるもの全てを見るために、死にたいとさえ思っていた。

 チェルノブイリの最初の打撃は、今思いだすだけでも、とげのような氷のかけらで私の心臓を貫く。
 私は学校の式典の途中に気を失い、5分後に意識を取り戻した。
 母の顔は青ざめ、目は恐怖で琥珀色になっていた。
 耳にはこれからおこる悲劇を知らせる鐘の音が聞こえてきた。そのとき、私は7歳だった。
 いつのまにか頭痛があらわれ、関節が痛むようになった。
 甲状腺炎と診断された。お医者さんたちは「全てチェルノブイリによってあらわれた、破滅をもたらすニガヨモギのせいだ」と結論づけた。

 私の明日はどうなるのだろうか。
 病気になった人は全く別の、全く「特殊な」人になると思う。
 彼らは世界を違った目でみる。
 私は今、人生のほこりだらけの道を歩いているような気がする。
 私は病気のことを考えないことにしている。生命はすばらしい。毎日、新しい、未知のものをいっぱいもたらしてくれる。
 だが、道はセシウムとストロンチウムのほこりでいっぱいだ。

 夕方になると、ベッドに横になって、星をながめるのが好きだ。
 いつもほかの星の同じ年の女の子と出会うのを想像する。
 私は夢の中で、絶対に彼女に会えると信じている。その時、最初に私が頼みたいのは、地球の子どもに本当の子どもの生活を送れるようにしてほしいということだ。
 そしていっしょに手をとりあって、私たちの家であるこの地球を飛び回りたい。

 分からないように、赤ちゃんのところに飛んでいこう。
 神様は子どもの目を借りてものを言うそうだ。彼らの目に冷淡のままでいられる人はいるだろうか。
 子どもはみんな、手をとりあい、大人の目を見つめる-神様が見つめるように。
 そうしたら地球ではもう誰も決して、自分や子どもたちのために、壊滅的な被害をもたらす放射能など、考え出すことさえもないだろう。
 悲しみを運ぶ鳥は、その翼で、地球の誰にも触れはしないだろう。
 そして、永遠に、地球の生きている花は咲き続けるだろう。
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放置されている原発被災支援法

 この国の政府は原発事故の被害者を支援するつもりも無いのか。
 
 原発を推進してきた国の責任を踏まえて、原発事故の被害者を支援する基本スタンスで成立したはずの「原発被災者支援法」が放置されている。
 成立した法律を施行しないのは違法行為であるとともに、極めて悪質なサボタージュである。
 避難者の苦しみを解ろうともしない、非人道的サボタージュ。

 昨年10月には、井戸川双葉町長、福島集団疎開原告団などが、ジュネーブの国連人権理事会に提訴した。
 「集団疎開裁判が国連人権理事会へ」、「10/30国連:井戸川双葉町長、私たちは人権がないのか?」、「10/30国連:フェルネックス、柳原、福島母、郡山中学生」、「10/31国連:井戸川、柳原、垣内会見」。
 
 提訴を受けた国連人権理事会は特別報告者を派遣し、2012年11月15日から11日間にわたって、被災者、政府関係者、医療従事者などへの調査を行った。
 中間報告は記者発表され、「国連人権理事会A・グローバー会見」に紹介しました。
 発表の最後に、
 ・ 生活支援等については、被害者、とりわけ弱者を意思決定に十分に参加させること。
 ・ そのためには、原発被災支援法を早急に施行すること。
 を政府に要請しています。
 事実上の「勧告」にあたるものです。
 
 その部分を引用します。
 ーーーーーーーーーー 
日本政府に対して、被害に遭われた人々、特に社会的弱者を
全ての意思決定プロセスに十分に参加してもらうよう
要請いたします。
こうしたプロセスには、
健康管理調査の策定、避難所の設計、汚染除去の実施等に関する参加などがあげられるでありましょう。

この点については、
東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が
2012年6月に制定されたことを歓迎します。
この法律は原子力事故により影響を受けた人々の支援及びケアに関する枠組みを定めたものです。
この法律はまだ施行されておらず、
私は日本政府に対して同法を早急に施行する方策を講じることを要請いたします。
これは日本政府にとって、社会的弱者を含む被害を受けた地域が十分に参加する形で、
基本方針や関連規制の枠組みを定めるよい機会になることであるとおもいます。
 ーーーーーーーーーー
 被害者の国連提訴もこの中間報告発表もテレビ、新聞はほとんどが報道していません。
 明らかに国民が忘れ去るのを期待しているわけですが、被害者は忘れるわけには行かないのです。
 またどこまでが被害者なのかとの大問題もあります。
 例えば東京の東半分はウクライナの基準では移住権利ゾーンです。政府は生活保障しなければならないはずです。
 マスコミ、政府が知らぬ顔で放置しています。
 腐れきったマスコミの中で、中日・東京新聞、日刊ゲンダイが真っ当な報道をしています。
 ーーーーーーーーーー
 社説 原発被災支援法 政治は放置したままか 2/19 東京新聞

 原発事故の被災者の生活を支える「原発事故子ども・被災者支援法」が半年以上も眠ったままだ。
 政府の基本方針が一向に定まらないからである。地域指定などを急ぎ、適切な支援策を示すべきだ。

 支援法は、東京電力福島第一原発の事故による放射能被害が長引く中、民主、自民など超党派の議員立法として提出され、昨年六月の通常国会で成立した。全会一致だった。

 原発政策を進めてきた国に責任があるとし、被災者の不安を和らげ、生活の安定を助ける支援をするべきだと明記
 特に、放射線被ばくの影響を受けやすい子どもや妊婦への配慮を求めている。

 意に反して故郷を離れた人びとにとって、頼りになる法律なのだが、実のところ、政府が幹となる基本方針を定めないことには、具体策は発進できない。
 住宅確保や子の就学、就労…。条文に支援内容は連ねてあるものの、法を生かすには基本方針に基づく予算措置などが必要だからである。

 だが、取りまとめ役の復興庁がそれを固め切れない。政権交代があったとはいえ、いかにも遅い。
 住宅の無料貸し出しひとつとっても、行政の裁量にまかせている現状では一貫性に欠け、被災者の不安をかえって募らせる。

 基本方針では、支援対象地域をまず優先して決めるべきである。後は、おのずと固まってくるのではないか。
 被災者からは要望がいくつも寄せられている。
 「福島県全域」と、一般人の被ばく線量の限度とされる「年間一ミリシーベルト以上の地域」を指定するよう求めている人が多い。
 東海地方の避難者の会が一月、福島県いわき市の住民約六十人に行ったアンケートでも、約七割が同じ内容の回答だった。

 その通りにすれば支援の範囲は福島県外に広がるが、ここは支援法の精神にのっとり、当事者の訴えを反映させるべきだろう。

 支援にあたっては東京電力にきちんと費用請求してもらいたい。今年に入り超党派の「子ども・被災者支援議員連盟」もできた。
 議員立法への“責任”を果たす姿勢と受け止めたい。

 復興庁のまとめで、福島県からの県外避難者は、避難指示を出された人を中心に今も約五万七千人いる。さらには関東方面からの自主避難者も多い。

 一月末、原発避難の福島県郡山市の男性が、東京で孤独死していた。対応を急いでほしい。
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