この国の報道 中国北朝鮮とどこが違うのか:日刊ゲンダイ
2013-01-31
安倍政権が成立するやいなや、テレビ新聞は「政権の広報番組」と「政権の広報機関紙」に一変した。
指導者の賛美ばかり報道し続ける、どこかの国のマスコミと実にそっくりになってしまった。
安倍政権の「経済政策」とやらを賛美するばかりで、異論、反論は誤魔化し小記事にしてしまう。
足並み揃えて一致した論調をキャンペーンするのが、いかにもかいらいマスコミであることを示しているのだが、それが多数の国民には「空気」と感じて「同調」する。
政権に都合の悪い事実は「報道タブー」にすることで存在しないことにして、巷の話ネタにならないように抹殺している。
新聞は購読者が徐々に減少しているが、テレビは減少せずに世界一視聴時間の長い日本人をますます洗脳し続け、白痴ロボット化を進めている。
この国のマスコミで進行している事態は、最悪の報道統制国家に他ならない。
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この国の報道 中国北朝鮮とどこが違うのか 真相を伝えぬこの国の言論商売に疑惑 1/30 日刊ゲンダイ 「日々担々」資料ブログから
いったい、この国の言論機関はどうなっているのか。
そう叫びたくなるほど、最近の大新聞・テレビの報道はひどすぎる。
政府発表をタレ流し、政権批判は完全に封印、まるで安倍政権の広報機関のようなありさまだ。
安倍首相の所信表明演説には「経済再生への強い決意」とか書いて、「『3本の矢』のうち金融緩和と財政政策が動き出したことは評価できる」と手放しで称賛。5年前の演説との違いを指摘し、安倍が成長したかのように報じたところもあった。
来年度予算案も「財政赤字が改善」「国債発行5年ぶり減少」と報じ、あたかも安倍政権が財政規律を守っているかのように書いている。
これだけバラマキ政策を加速化させているのに、てんで批判せず、勝手に高い経済成長率を設定、税収見積もりを増やして、国債発行を抑えたことを、さも安倍の“成果”のように報じるのだから、呆れてしまう。
中でも、ア然としたのが、13年度の与党税制改正大綱を伝えた大新聞の書きっぷりだ。
日経は「減税効果、年2700億円」、読売も「暮らし配慮 減税拡充」と1面で大きく報じ、庶民に優しい税制改革だと言わんばかりにヨイショしている。
バカも休み休み言えである。来年、再来年と消費税率が5%から10%に引き上げられると、それだけで13兆円の大増税なのだ。
それなのに、2700億円の減税をデカデカ報じる神経を疑う。しかも、この減税効果だって怪しいのだ。
「来年度税制大綱には、住宅ローン減税の延長や、自動車取得税の廃止が盛り込まれていますが、住宅や車を購入しない人には関係のない減税です。
また、大綱は15年から消費税の軽減税率導入が決まったかのごとく盛り込んでいますが、あくまで導入を『目指す』だけ。今後、どうなるか分かりゃしない。
消費増税は国民すべてに対してかかってきますから、庶民にとっては負担増の方が圧倒的に大きいのに、どうして減税効果なんて書くのでしょうか」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
◆安倍の脅しに屈して自主規制
要するに、大マスコミは自民党政権の言い分を右から左にタレ流しているだけなのだ。
悪質で意図的な政権プロパガンダに乗っているわけだが、連日、こんな報道を見せられれば、国民は誤解する。
政権が代わって、本当に政府が「暮らしに配慮」するかのような錯覚に陥っていってしまう。
ところが、実際は消費増税や生活保護費カットで庶民の生活はカツカツになる。
一方、法人税減税に代表される大企業優遇策や、贈与税軽減策などの金持ち優遇があからさまに進み、格差はますます拡大する。
しかし、この国の大メディアはそうした事実はほとんど伝えようとしないのだ。
大マスコミは民主党政権時代、「子ども手当みたいなバラマキはやめろ」と書いてきた。常に財源の裏付けを求め、増税やむなしと煽(あお)ってきた。
それが自民党政権になると、何でもOKとなってしまう。自民党が掲げる200兆円の国土強靱化には文句ひとつ言わないのだから、露骨だ。
公共事業のバラマキでしかないアベノミクスを礼賛し、まるでバラ色の未来が待っているかのように喧(けん)伝(でん)する。
この差は一体何なのか。あまりにも身勝手、ご都合主義だ。ある全国紙の記者はこう言った。
「メディアはいまや安倍政権の広報機関と化しています。現場の記者が自民党に批判的な一文を記事に加えたら、デスクが『この部分は中立的とはいえないなあ』なんて言いながら、バッサリ削除したという話もある。
その背景はさまざまですが、ひとつには安倍政権がマスコミを選り好みして、逆らうメディアを締め出しかねないところがあるからでしょう。内閣に批判的に報じた新聞をフェイスブックでネチネチと“口撃”したり、テレビ局を謝罪させている。本来ならば、ふざけんな、とならなきゃいけないのに、逆にメディアは萎縮し、自主規制しているのです」
安倍ごときの脅し、牽制に屈するなんて、もうメディアは看板を下ろした方がいい。
◆権力の犬となり、国民を去勢する大マスコミ
こうしてみると、この国の言論機関は、中国や北朝鮮とどこがどう違うのかと思えてくる。
ならず者国家の北朝鮮は言うまでもなく、中国でも共産党指導部が報道を統制しているのは周知の通り。
習近平体制になって、ますます言論弾圧を強めていて、今月3日にはリベラル紙「南方週末」の政府批判記事を当局が書き換える事件が起こり、話題になった。
これに対し、日本のメディアは「中国の言論統制はどこへ行くのか」(日経)なんて書いていたが、批判できる立場なのか。
権力から強制されるか、勝手に自主規制するかの違いだけで、報道の中身は中国や北朝鮮と同じ、政権発表のタレ流しなのだ。
政治評論家の森田実氏はこう憤慨する。
「この国の大ママスコミに隣国を批判する資格はありません。タテマエでは“言論の自由”を主張しているが、権力への批判記事もなければ、まともな調査報道、検証報道もない。
中国、北朝鮮の機関紙と似たり寄ったりで、オール『人民日報』、オール『労働新聞』というありさまです。
ここまでひどいと、国民の敵と言っても過言ではありませんよ」
権力の走狗と化し、数え切れないほどの無実の人間を犯罪者に仕立ててきた点も、かの国と似ている。小沢事件がその典型だ。
中国事情に詳しい政治評論家の本澤二郎氏は、「中国の方がまだマシですよ」とこう言った。
「貧富の格差が拡大する中国では共産党指導部への批判が渦巻き、当局が必死になって世論の監視を強めています。
それでも、ネット上には次々と政府への批判が書き込まれ続けている。著名人もこうした動きに加わっていて、メディアも巻き込み、国中で『言論の自由』への機運が高まっています。
それに比べて、日本の大マスコミは何ですか。自ら政府の宣伝機関に成り下がり、国民を去勢しようとしているのだから悪辣の極みです」
◆庶民は笑いながら死にかねない
デタラメといえば、大メディアはさんざん増税しろと言い続けたくせに、いざ消費増税が決まると、新聞協会を通じて「新聞にも軽減税率を」なんて訴えている。
そうやって時の権力にこびへつらい、自分たちだけ甘い汁を吸おうとするわけだ。つくづく、とんでもない連中だ。
前出の森田実氏が言う。
「あまりに卑しいというか、誇りがないというか。結局は自分たちさえよければいいのです。
参院選が終われば、安倍首相は独裁軍事政権の色を強めて、憲法9条改正に突き進むでしょう。
本来なら大マスコミは、今からそのことを警告、批判しなければならないのに、とりあえず、よろいを隠し、『経済前面』を打ち出している安倍政権の目くらましを積極的に報じて、後押ししている。
こんな大マスコミの報道を信じている国民は、喜んで増税を受け入れ、笑いながら死んでいくことになりかねない。そこが悲劇的です」
大本営発表そのままの大マスコミの報道をうのみにしていたら、国民はいいようにやられてしまう。
それでなくても衆院で圧倒的な数を制した安倍自民党は、独裁政権になりつつある。
野党は死に体、メディアも全面協力となれば、何でもあり。行き着く先は恐ろしい。
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※

こちらは東京。日本中央放送局です。
指導者の賛美ばかり報道し続ける、どこかの国のマスコミと実にそっくりになってしまった。
安倍政権の「経済政策」とやらを賛美するばかりで、異論、反論は誤魔化し小記事にしてしまう。
足並み揃えて一致した論調をキャンペーンするのが、いかにもかいらいマスコミであることを示しているのだが、それが多数の国民には「空気」と感じて「同調」する。
政権に都合の悪い事実は「報道タブー」にすることで存在しないことにして、巷の話ネタにならないように抹殺している。
新聞は購読者が徐々に減少しているが、テレビは減少せずに世界一視聴時間の長い日本人をますます洗脳し続け、白痴ロボット化を進めている。
この国のマスコミで進行している事態は、最悪の報道統制国家に他ならない。
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この国の報道 中国北朝鮮とどこが違うのか 真相を伝えぬこの国の言論商売に疑惑 1/30 日刊ゲンダイ 「日々担々」資料ブログから
いったい、この国の言論機関はどうなっているのか。
そう叫びたくなるほど、最近の大新聞・テレビの報道はひどすぎる。
政府発表をタレ流し、政権批判は完全に封印、まるで安倍政権の広報機関のようなありさまだ。
安倍首相の所信表明演説には「経済再生への強い決意」とか書いて、「『3本の矢』のうち金融緩和と財政政策が動き出したことは評価できる」と手放しで称賛。5年前の演説との違いを指摘し、安倍が成長したかのように報じたところもあった。
来年度予算案も「財政赤字が改善」「国債発行5年ぶり減少」と報じ、あたかも安倍政権が財政規律を守っているかのように書いている。
これだけバラマキ政策を加速化させているのに、てんで批判せず、勝手に高い経済成長率を設定、税収見積もりを増やして、国債発行を抑えたことを、さも安倍の“成果”のように報じるのだから、呆れてしまう。
中でも、ア然としたのが、13年度の与党税制改正大綱を伝えた大新聞の書きっぷりだ。
日経は「減税効果、年2700億円」、読売も「暮らし配慮 減税拡充」と1面で大きく報じ、庶民に優しい税制改革だと言わんばかりにヨイショしている。
バカも休み休み言えである。来年、再来年と消費税率が5%から10%に引き上げられると、それだけで13兆円の大増税なのだ。
それなのに、2700億円の減税をデカデカ報じる神経を疑う。しかも、この減税効果だって怪しいのだ。
「来年度税制大綱には、住宅ローン減税の延長や、自動車取得税の廃止が盛り込まれていますが、住宅や車を購入しない人には関係のない減税です。
また、大綱は15年から消費税の軽減税率導入が決まったかのごとく盛り込んでいますが、あくまで導入を『目指す』だけ。今後、どうなるか分かりゃしない。
消費増税は国民すべてに対してかかってきますから、庶民にとっては負担増の方が圧倒的に大きいのに、どうして減税効果なんて書くのでしょうか」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
◆安倍の脅しに屈して自主規制
要するに、大マスコミは自民党政権の言い分を右から左にタレ流しているだけなのだ。
悪質で意図的な政権プロパガンダに乗っているわけだが、連日、こんな報道を見せられれば、国民は誤解する。
政権が代わって、本当に政府が「暮らしに配慮」するかのような錯覚に陥っていってしまう。
ところが、実際は消費増税や生活保護費カットで庶民の生活はカツカツになる。
一方、法人税減税に代表される大企業優遇策や、贈与税軽減策などの金持ち優遇があからさまに進み、格差はますます拡大する。
しかし、この国の大メディアはそうした事実はほとんど伝えようとしないのだ。
大マスコミは民主党政権時代、「子ども手当みたいなバラマキはやめろ」と書いてきた。常に財源の裏付けを求め、増税やむなしと煽(あお)ってきた。
それが自民党政権になると、何でもOKとなってしまう。自民党が掲げる200兆円の国土強靱化には文句ひとつ言わないのだから、露骨だ。
公共事業のバラマキでしかないアベノミクスを礼賛し、まるでバラ色の未来が待っているかのように喧(けん)伝(でん)する。
この差は一体何なのか。あまりにも身勝手、ご都合主義だ。ある全国紙の記者はこう言った。
「メディアはいまや安倍政権の広報機関と化しています。現場の記者が自民党に批判的な一文を記事に加えたら、デスクが『この部分は中立的とはいえないなあ』なんて言いながら、バッサリ削除したという話もある。
その背景はさまざまですが、ひとつには安倍政権がマスコミを選り好みして、逆らうメディアを締め出しかねないところがあるからでしょう。内閣に批判的に報じた新聞をフェイスブックでネチネチと“口撃”したり、テレビ局を謝罪させている。本来ならば、ふざけんな、とならなきゃいけないのに、逆にメディアは萎縮し、自主規制しているのです」
安倍ごときの脅し、牽制に屈するなんて、もうメディアは看板を下ろした方がいい。
◆権力の犬となり、国民を去勢する大マスコミ
こうしてみると、この国の言論機関は、中国や北朝鮮とどこがどう違うのかと思えてくる。
ならず者国家の北朝鮮は言うまでもなく、中国でも共産党指導部が報道を統制しているのは周知の通り。
習近平体制になって、ますます言論弾圧を強めていて、今月3日にはリベラル紙「南方週末」の政府批判記事を当局が書き換える事件が起こり、話題になった。
これに対し、日本のメディアは「中国の言論統制はどこへ行くのか」(日経)なんて書いていたが、批判できる立場なのか。
権力から強制されるか、勝手に自主規制するかの違いだけで、報道の中身は中国や北朝鮮と同じ、政権発表のタレ流しなのだ。
政治評論家の森田実氏はこう憤慨する。
「この国の大ママスコミに隣国を批判する資格はありません。タテマエでは“言論の自由”を主張しているが、権力への批判記事もなければ、まともな調査報道、検証報道もない。
中国、北朝鮮の機関紙と似たり寄ったりで、オール『人民日報』、オール『労働新聞』というありさまです。
ここまでひどいと、国民の敵と言っても過言ではありませんよ」
権力の走狗と化し、数え切れないほどの無実の人間を犯罪者に仕立ててきた点も、かの国と似ている。小沢事件がその典型だ。
中国事情に詳しい政治評論家の本澤二郎氏は、「中国の方がまだマシですよ」とこう言った。
「貧富の格差が拡大する中国では共産党指導部への批判が渦巻き、当局が必死になって世論の監視を強めています。
それでも、ネット上には次々と政府への批判が書き込まれ続けている。著名人もこうした動きに加わっていて、メディアも巻き込み、国中で『言論の自由』への機運が高まっています。
それに比べて、日本の大マスコミは何ですか。自ら政府の宣伝機関に成り下がり、国民を去勢しようとしているのだから悪辣の極みです」
◆庶民は笑いながら死にかねない
デタラメといえば、大メディアはさんざん増税しろと言い続けたくせに、いざ消費増税が決まると、新聞協会を通じて「新聞にも軽減税率を」なんて訴えている。
そうやって時の権力にこびへつらい、自分たちだけ甘い汁を吸おうとするわけだ。つくづく、とんでもない連中だ。
前出の森田実氏が言う。
「あまりに卑しいというか、誇りがないというか。結局は自分たちさえよければいいのです。
参院選が終われば、安倍首相は独裁軍事政権の色を強めて、憲法9条改正に突き進むでしょう。
本来なら大マスコミは、今からそのことを警告、批判しなければならないのに、とりあえず、よろいを隠し、『経済前面』を打ち出している安倍政権の目くらましを積極的に報じて、後押ししている。
こんな大マスコミの報道を信じている国民は、喜んで増税を受け入れ、笑いながら死んでいくことになりかねない。そこが悲劇的です」
大本営発表そのままの大マスコミの報道をうのみにしていたら、国民はいいようにやられてしまう。
それでなくても衆院で圧倒的な数を制した安倍自民党は、独裁政権になりつつある。
野党は死に体、メディアも全面協力となれば、何でもあり。行き着く先は恐ろしい。
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こちらは東京。日本中央放送局です。
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