小沢氏:もう一度政権交代目指し参院選へ
2013-01-14
(小沢一郎の年頭所感)私の決意「もう一度政権交代を目指す」 小沢一郎メールマガジン 1/9 「小沢一郎に日本を託す会ブログ」から
皆さん、新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。
皆さんには昨年中、大変お世話になりました。特に、総選挙では非常にお世話いただいたにもかかわらず、良い結果を出すことができませんでした。それについては、私の不徳の致すところ、努力の足りなかったことを、心からお詫び申し上げます。
皆さんもご存知のように、私はずっと、自民・公明に対抗するためにはやはり、私たちも含めていわゆる「第三極」のグループが手を取り合わなければならない、「第三極」が力を合わせて自公に対抗しなければ本当の「受け皿」にはならない―と主張してきました。実際、私は総選挙の直前までその努力をし続けました。
しかし、各グループはそれぞれ独自の考えがあり、結局、「第三極」の全員が力を合わせるには至りませんでした。それでも私は、何とか少しでも多くの人たちが協力して総選挙に当たるべきだと考え、最終的には嘉田・滋賀県知事を旗頭にして3つのグループが一緒になって選挙を戦った次第です。
しかし、総選挙まであまりにも時間が足りなかったうえに、私たちのいろいろな不手際が重なって、皆さんの当初の期待に応えることができず、誠に残念な結果となりました。ご支援をいただいた皆さんにお詫び申し上げたいと思います。
総選挙は自公が圧勝して、3年前の民主党大勝とは真逆の結果となりました。実は私自身、3年半前に政権交代を実現したことで、二大政党を中心とする議会制民主主義が日本に定着する第一歩になると考え、自分なりにその役目を果たしたのではないかと思ってきました。
ところが、その後の民主党政権に対する国民の皆さんの失望感が、そのような結果を生んだと思います。それについても、私の力の足りなかったことをお詫び致します。
しかしながら、私たちが「残念だ」の一言で戦いを終えたなら、日本の将来は暗澹たるものになってしまいます。
特に、安倍首相を中心とする新政権は、非常に右寄りの短絡的な発想を持った政権です。私はそこに深刻な危険さを感じ、日本の政治をこのままにしておくことはできないと思っています。
私たちはもう一度政権奪取、もう一度政権交代を目指して頑張らなければならない。私はその決意を新たにしました。
個人的なことを言えば、政権交代可能な二大政党制の確立を目指して当時の政権与党・自民党を離党してから20年経ちましたが、ようやくつくり上げた、自民党に代わる本格的な政権は、失敗に終わってしまいました。
ここで戦いを終えたら、私自身、今まで何のために政治活動を続けてきたのか分からなくなってしまいます。
何とかもう一度、日本の針路に誤りのないようにしたい。
また、何としても日本に議会制民主主義を定着させたい。
そのために自分に鞭打って頑張りたい。
その決意を年頭に新たにし、皆さんにもお伝え致します。
どうぞ宜しくお願い致します。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
(小沢一郎の見解)全体主義体制阻止のため候補者一本化を
皆さん、お正月はいかが過ごされましたか。ゆっくりなさったでしょうか。ご家族と旅行された方もいらっしゃるでしょうが、皆さんそれぞれに楽しい正月を過ごされたことと思います。
さて、今月末から150日間の通常国会が始まります。
昨年末の衆議院総選挙で自民、公明両党が3分の2以上の議席を獲得しましたので、自公両党は国会の運営についても何でも強引にやろうとすれば、参議院ではなお少数派であっても、衆議院で3分の2以上の多数によって再議決して、法案を成立させることができます。
しかし、なんでも衆議院での再議決によってケリをつけるというやり方は、しょっちゅうできるわけではありません。私たちは3年半前の政権交代の原点を想い起こしながら、私たちの主張を堂々と訴え、正論を繰り返していきたいと思います。
その通常国会は後ろに参議院選挙を踏まえているので、大幅な会期延長はできません。たぶん7月に参院選が行われることになります。誠に残念ながら、私たちは先の総選挙で民主党とともに惨敗してしまいましたが、参議院ではまだ民主党が第一党であり、自公と一線を画す政党を合わせれば過半数を維持しています。
しかし、6カ月後の参院選で自公が参議院でも過半数を獲得すると、日本の政治は正に全体主義的な体制、いわば「翼賛体制」になってしまいます。
それを阻止するために、私たちは何としても参院選で踏ん張らなければなりません。国民の皆さんにも、ぜひそのことをご理解いただきたいと思います。
総選挙の時のように、各党、各会派がそれぞれ自分の意地を通して候補者を擁立すれば、非自公勢力は結局共倒れして、自ら自公に勝利を与える結果になります。
民主党はじめ各党とも先月の敗戦を大いに反省して、候補者一本化の必要性を強く認識しているのではないかと思います。
今度こそ、非自公勢力は互いに協力して、候補者を一人に絞って戦わなければなりません。そうしないと、絶対に自公に勝てません。
私自身、昨年から総選挙―参院選に向けて候補者一本化を主張してきたので、私たちは我を通すことを止めます。参院選では何としても、考え方が同じで、同じ方向を向いている人たちが力を合わせて頑張っていきたいと考えています。
今度の参院選で日本の将来、行く末がほぼ決まってしまいます。
先の総選挙では、3年半前の総選挙で投票した人たちの10%以上が棄権に回りました。それは私たちの責任ですが、参院選では必ず投票していただきたいと願っています。
私たちは全力で、自公に対抗して力を合わせる態勢をつくり上げるよう頑張ります。
どうか皆さんも、このままの政治体制で日本の将来を守ることができるのか、本当に国民の生活を守れるのか―をもう一度考えていただき、私たちをご支援いただきますよう心からお願い申し上げます。
皆さん、新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。
皆さんには昨年中、大変お世話になりました。特に、総選挙では非常にお世話いただいたにもかかわらず、良い結果を出すことができませんでした。それについては、私の不徳の致すところ、努力の足りなかったことを、心からお詫び申し上げます。
皆さんもご存知のように、私はずっと、自民・公明に対抗するためにはやはり、私たちも含めていわゆる「第三極」のグループが手を取り合わなければならない、「第三極」が力を合わせて自公に対抗しなければ本当の「受け皿」にはならない―と主張してきました。実際、私は総選挙の直前までその努力をし続けました。
しかし、各グループはそれぞれ独自の考えがあり、結局、「第三極」の全員が力を合わせるには至りませんでした。それでも私は、何とか少しでも多くの人たちが協力して総選挙に当たるべきだと考え、最終的には嘉田・滋賀県知事を旗頭にして3つのグループが一緒になって選挙を戦った次第です。
しかし、総選挙まであまりにも時間が足りなかったうえに、私たちのいろいろな不手際が重なって、皆さんの当初の期待に応えることができず、誠に残念な結果となりました。ご支援をいただいた皆さんにお詫び申し上げたいと思います。
総選挙は自公が圧勝して、3年前の民主党大勝とは真逆の結果となりました。実は私自身、3年半前に政権交代を実現したことで、二大政党を中心とする議会制民主主義が日本に定着する第一歩になると考え、自分なりにその役目を果たしたのではないかと思ってきました。
ところが、その後の民主党政権に対する国民の皆さんの失望感が、そのような結果を生んだと思います。それについても、私の力の足りなかったことをお詫び致します。
しかしながら、私たちが「残念だ」の一言で戦いを終えたなら、日本の将来は暗澹たるものになってしまいます。
特に、安倍首相を中心とする新政権は、非常に右寄りの短絡的な発想を持った政権です。私はそこに深刻な危険さを感じ、日本の政治をこのままにしておくことはできないと思っています。
私たちはもう一度政権奪取、もう一度政権交代を目指して頑張らなければならない。私はその決意を新たにしました。
個人的なことを言えば、政権交代可能な二大政党制の確立を目指して当時の政権与党・自民党を離党してから20年経ちましたが、ようやくつくり上げた、自民党に代わる本格的な政権は、失敗に終わってしまいました。
ここで戦いを終えたら、私自身、今まで何のために政治活動を続けてきたのか分からなくなってしまいます。
何とかもう一度、日本の針路に誤りのないようにしたい。
また、何としても日本に議会制民主主義を定着させたい。
そのために自分に鞭打って頑張りたい。
その決意を年頭に新たにし、皆さんにもお伝え致します。
どうぞ宜しくお願い致します。
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(小沢一郎の見解)全体主義体制阻止のため候補者一本化を
皆さん、お正月はいかが過ごされましたか。ゆっくりなさったでしょうか。ご家族と旅行された方もいらっしゃるでしょうが、皆さんそれぞれに楽しい正月を過ごされたことと思います。
さて、今月末から150日間の通常国会が始まります。
昨年末の衆議院総選挙で自民、公明両党が3分の2以上の議席を獲得しましたので、自公両党は国会の運営についても何でも強引にやろうとすれば、参議院ではなお少数派であっても、衆議院で3分の2以上の多数によって再議決して、法案を成立させることができます。
しかし、なんでも衆議院での再議決によってケリをつけるというやり方は、しょっちゅうできるわけではありません。私たちは3年半前の政権交代の原点を想い起こしながら、私たちの主張を堂々と訴え、正論を繰り返していきたいと思います。
その通常国会は後ろに参議院選挙を踏まえているので、大幅な会期延長はできません。たぶん7月に参院選が行われることになります。誠に残念ながら、私たちは先の総選挙で民主党とともに惨敗してしまいましたが、参議院ではまだ民主党が第一党であり、自公と一線を画す政党を合わせれば過半数を維持しています。
しかし、6カ月後の参院選で自公が参議院でも過半数を獲得すると、日本の政治は正に全体主義的な体制、いわば「翼賛体制」になってしまいます。
それを阻止するために、私たちは何としても参院選で踏ん張らなければなりません。国民の皆さんにも、ぜひそのことをご理解いただきたいと思います。
総選挙の時のように、各党、各会派がそれぞれ自分の意地を通して候補者を擁立すれば、非自公勢力は結局共倒れして、自ら自公に勝利を与える結果になります。
民主党はじめ各党とも先月の敗戦を大いに反省して、候補者一本化の必要性を強く認識しているのではないかと思います。
今度こそ、非自公勢力は互いに協力して、候補者を一人に絞って戦わなければなりません。そうしないと、絶対に自公に勝てません。
私自身、昨年から総選挙―参院選に向けて候補者一本化を主張してきたので、私たちは我を通すことを止めます。参院選では何としても、考え方が同じで、同じ方向を向いている人たちが力を合わせて頑張っていきたいと考えています。
今度の参院選で日本の将来、行く末がほぼ決まってしまいます。
先の総選挙では、3年半前の総選挙で投票した人たちの10%以上が棄権に回りました。それは私たちの責任ですが、参院選では必ず投票していただきたいと願っています。
私たちは全力で、自公に対抗して力を合わせる態勢をつくり上げるよう頑張ります。
どうか皆さんも、このままの政治体制で日本の将来を守ることができるのか、本当に国民の生活を守れるのか―をもう一度考えていただき、私たちをご支援いただきますよう心からお願い申し上げます。
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家計、企業、政府の共倒れ破綻
2013-01-14

安倍政権が景気対策と称して
物価上昇2%を達成するまでの金融緩和(流動性供給)。
国債日銀引受で公共事業などの大型財政出動。
などを主張してデフレ脱却を図るというが、消費増税の中で一体何を考えているのか。
資本主義の経済体制は通貨、金利と信用創造の三点セットを活用することによって、資本の拡大する回転(循環)によって「成長」する。(「成長」しないと「信用不安」を招きそのまま放置すると循環恐慌と言う名の調整に至る。)
拡大成長の基本的な「母体」はむろん「通貨」の「資金」などではない。消費と投資の「有効需要」である。
需要があって供給があるのである。欲しい人がいてこそ売ることが出来るのである。
現代社会では様々な広告や洗脳によって欲求が「作り出される」が、これはこの社会の異常な所作であり、基本的な経済原理ではない。書画骨董や詐欺まがいを経済分析はしない。
需要が親で、その生み出す行為が供給(生産と輸送、販売)である。
有効需要の核心は、極度に対外貿易に依存する国以外では、勤労階級の可処分所得すなわち「生活消費」に依存する。
従って、現在先進諸国が陥っているデフレ的な不況、(日本の場合は本当の「デフレ」であるが)に対して、最も確実で有効な対策は
1 消費性向の高い貧困層の可処分所得を増やすこと≡法定最低賃金を大幅に上げること。積極的な再配分。
2 中間下層階級の可処分所得を増やすこと≡これは減税、消費税の生活品無税化、下級公務員の賃金を上げて労働市場の純民間賃金上昇を図ること。
これらによって消費を増加させることで、企業投資が拡大し、賃金総額に跳ね返ることで資本の循環は縮小基調から拡大基調へ転換することができる。
最も有効で確実な対策であるが、この二つが政治的に困難な場合(ひどい政治ですが)は
3 財政出動により「投資」する。概ね公共事業である
公共による投資は企業の需要なのでその分有効なのだが、それが企業投資につながり、賃金総額と雇用の増加、そして消費という拡大基調に乗り、かつ「安定したことが確認されるま」で続けなければならない。
なぜなら、上記1、2に比べて3の財政出動政策は間接的に投資を作ることで、さらに間接的に消費に結びつける過程を踏むために、しっかりとした拡大基調が揺り戻ししないことが必要条件となる。
目安は賃金総額の安定上昇である。
この20年の経験では多少の財政出動では、10年以上かかる。
そこで重大な問題は、「3」の財政出動の場合だが、財源は概ね中央銀行の国債引受、またオペ買いとなる。流動性の過剰供給である。
資金需要が仮に高まれば当然金利上昇を招くので、長期金利は国債に跳ね返る。
また、資金需要が高まらなければ失敗であるが、それだけでは済まない。現在の情勢は海外ファンドの円売り、国債売りが激化する。
過剰流動性供給は世界通貨戦争への参戦を意味するが、この国の政治家と官僚が欧米の利害と闘えるかと言えばとてもそんな能力はない。
つまり、「3」の方策は勤労家計の所得減少。消費増税による農林漁業、中小製造などの倒産、失業のなかで、物価上昇による窮乏化。
一般企業と家計は消費の更なる落ち込みによる、デフレ縮小循環の激化であり、政府は税収減と債務の利払い激増。
つまり、家計、企業、政府の共倒れ心中である。笑い話ではないのだ。
正気の沙汰ではないのだが、仮に正気だとするならマスコミによる国民騙しに味をしめて悪乗りした経済ブレーンによる経済潰し=米国への納税作戦なのだろう。
「景気対策ではない、消費増税を通すためのGDP操作だ」
資本主義経済は信用創造という危うい制度の上に乗っている。
信用創造が機能しなくなった国民経済に、一般原則をバラバラに当てはめても効果があろうはずが無い。
この通貨制度を続ける限りは、国内需要の成長以外に回復の道は無いのである。
そして、国内需要の回復は、賃金、福祉、税制などにより、勤労家計への可処分所得の再配分を強行すること。
最も確実で2、3年で効果のある経済対策である。
政治家たちまでマスコミの御用経済学者に洗脳され、わざわざ自分でも訳の分からない事を口走っている現実である。あるいは多くが個人利害をマスコミか米国に掴まれているのか。
マスコミ御用学者などはかつて「ダムの水が溢れるように下流にも行き渡る」などと言っていたようですが、今度は公共事業で儲けた企業が即労働者の賃金を上げるとか、また馬鹿話を始めるのでしょう。
以下:英国留学中の経済部学生が、教授に日本のデフレ脱却について相談しました。
賃金水準を上げることが一番効果的ではないか、との意見をもらいました。(中略)
簡単に言えば、賃金が下がることで消費を抑える傾向が高まり、その結果商品の在庫がだぶつき、価格が下がる。そうするとさらに企業の業績が悪化するため、賃金カットが行われてさらに賃金が下がる。このスパイラルから脱却するためには、賃金を上げることが不可欠である、という話でした。
このような意見をより詳しく説明されているサイトとして、幾つかご紹介します。
もうすぐ北風が強くなる デフレ脱却には賃金上昇が不可欠
RIETI - 「デフレの罠」?
(中略)
教授の意見は以下のとおりでした。
もちろん、民間企業に賃金水準を強制させることはできないが、政府がとりうる手段は二つある。
一つは最低賃金を上げることやサービス残業不払いを厳しく取り締まるなど、最低限のルールを作り守らせること。
もう一つは、公的部門の賃金を上げることによって、消費の拡大を図ると共に民間部門の賃金上昇を促すこと。
中原圭介氏が勤労者所得とデフレスパイラルの因果関係を的確に指摘しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
金融緩和のやりすぎは国民生活を苦しくする 12/4 中原圭介の「経済を読む」から
日本経済は1999年より、物価が継続的に下落するデフレに陥っています。
消費者物価の推移を見ると、2007年から08年にかけて一度だけ物価が上昇に転じたものの、ほぼ一貫して物価が下がり続けている状況です。
日本の消費者物価は98年をピークに下落を続け、現在ではピーク時よりも4%も低い水準にあります。
デフレが続く過程では、経済は「物価の下落→所得の減少→消費の減少→物価の下落」という悪循環が起こると言われています。
これが「デフレ・スパイラル」と呼ばれるもので、日本が長期停滞から脱せない原因は、このデフレ・スパイラルを断ち切ることができないからだと解説されていることが多いようです。
しかし、私はこのデフレ・スパイラルの説明が経済の本質上、順序立てで大きく間違っていると考えています。
その理由として私は、日本をデフレに陥らせている最大の原因は、労働者の所得が下がり続けている点にあると見ているからです。
つまり、「物価の下落→所得の減少→消費の減少」という順番は誤りであり、「所得の減少→消費の減少→物価の下落」がデフレを説明する上での正しい順序なのです。
これは、「鶏が先か、卵が先か」といった問題と同列にはできません。あくまで原因が先で、結果は後に来なければならないからです。
国税庁の「民間給与統計実態調査」によれば、2011年の日本の給与所得者の平均年収は409万円です。
1997年の467万円をピークに翌98年から減少傾向が続き、現在では89年当時とほぼ同じ水準にまで下がってしまっています。
この十数年の間に日本人の平均年収は実に1割以上も減ってしまっています。
給与所得者の平均年収が下落し始めたのは98年、消費者物価指数が下落を始めたのが99年ですから、この二つの統計の時系列は、原因と結果の関係を見事に示していると思われます。
日本がデフレとなった原因については、これまでに、
①土地や株価の下落による資産デフレ、
②銀行の融資削減による信用収縮、
③資源高や円高などによる企業収益の悪化、
④新興国の台頭による競争激化、
⑤少子高齢化による需要の減少
など、さまざまな原因が指摘されてきました。いずれの原因も一面では正しく、デフレを助長させる一因になっているのは間違いありません。
内閣府の試算によると、90年以降、土地と株式の値下がりで生じた損失は1500兆円、銀行の融資削減による信用収縮が480兆円、資源高や円高などによる企業収益の悪化が160兆円になると見られています。
いずれの原因も景気回復の大きな足かせとなっているのは明らかです。
しかし、もっとも大切なのは、さまざまな原因の中から本質的な原因を見誤ってはならないということです。
本質を見誤ってしまうと、処方箋を間違い、デフレは解消されたとしても、国民生活をいっそう苦しくする結果になってしまうからです。
その間違った処方箋の代表格というのが、無制限の金融緩和や2%のインフレターゲットの設定などの「過剰な金融緩和」です。
これは、金融危機後の米国や韓国の例を見ても明らかです。政治家はもっと経済の本質や歴史を学ぶ必要があります。
デフレの本質を完全に見誤り、誤った処方箋を考えている政治家にこの国の経済運営を任せることは、国民にとってこの上ない不幸なことです。
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勤労者賃金、所得の再配分とデフレに関連するページ。
労働分配率の強制修正
世界で日本のみデフレ
日銀の金融緩和は誰のためか
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信用創造とは
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