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もうすぐ北風が強くなる

安倍某の経済政策?恐怖のシナリオか?

 日銀の国債買取、金融緩和、公共事業増発とジャブジャブ通貨を「増刷」してばら撒いても、それが金融資本と生産企業を潤わすかも知れないが、勤労者賃金の上昇に結びつくとは誰も思わない。
 雇用は最低時給の非正規労働が増えるだけだ。
 
 物価上昇2%を目指すそうだが、勤労者所得が増えないで、内需が増えるわけもなく企業投資すなわち資金需要が増えるわけもない。
 金融、輸出大手が喜ぶだけで、消費増税を価格転嫁できない小売りは、農林漁業と中小製造を巻き添えにして淘汰され、失業と窮乏を蔓延させる。
 
 実体経済に回らないカネは何処へ行く?
 もちろん、金融投機市場にまわるしかない。
 仮に2%物価上昇したと仮定するなら、金利も2%になるか、あるいは同時に消費がさらに落ち込み資金需要がなくなることで、金利が上がらないかのどちらかだ。

 金利が2%になるなら、日銀の国債買い受けに当然国際金融は円売りとなる。
 ならないなら、窮乏疲弊した経済ということで円は相対安定となるが、資金は米国に流出。
 可能性が高いのは、実体経済の破綻と物価上昇が同時に進むこと
 恐怖のシナリオもあるわけです。
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  焦る財務省、諦めの日銀「緩和総裁」が破局を招く? 1/4 山田厚史 ダイヤモンド・オンライン

 自民党の政権復帰は、霞が関の力学構造にも及んでいる。「直勝内閣」と言われたほど野田政権を操っていた財務省は逆風にさらされ、「消費税増税」さえ危うい。

 日銀は、財務省と密かに握った「次期総裁は元財務次官の武藤(敏郎)氏」という人事案が宙に浮いた。原発事故で窮地に立つ経産省は「援軍来たる」と活気づいている。「国土強靭化」という積極財政が踊り出し、財政再建は後退するだろう。
 2013年は波乱含みの幕開けだ。円安・株高へと経済の潮目も変わった。「好転」なのか「破局」への道なのか。政府への信任が問われる年になる。
  
  実質的な日銀による国債引き受け

「大胆なマクロ政策の転換」を叫ぶ安倍政権の経済政策は、年度の上半期に、その真贋が見えてくるだろう。注目点は「4~6月の景気」「金利上昇」「国債発行高」である。

 例えばこんな事態も起こるかもしれない。

 4月×日、日銀の白川総裁が退任、金融緩和を積極的に行う新総裁が登場した。
 首相の期待に沿い大胆な「買いオペ」で市場に資金を流し始めた。30兆円から始めた「買い入れ基金」は6月に100兆円を突破した。

 この裏にはもう一つの事情があった。1月の大型補正予算から始まった財政の大盤振る舞いで政府は財政資金の不足が深刻になっていた。
 国債消化を円滑にするため、日銀が金融機関の保有する国債を、一層、買い上げなければならなくなったのである。
 「買いオペ」は銀行が保有する国債を日銀が買い取ることで、市場に日銀券(通貨)が供給される。日銀には国債が溜まる。日銀はオペを通じて実質的な国債の「日銀引き受け」を始めたのである。

「財政再建」を目指す財務省にとって、日銀に国債を買ってもらうことは財政規律を歪め、あってはならない事態だった。
 だが財務官僚から異論は出ない。消費税増税の条件に「名目成長率3%」の高いハードルがあるため「増税にこぎ着けるまで無理な財政出動にも耐えるしかない」という事情がある。
 「景気が回復しない限り増税はできない」という政権の意向を無視できず、資金を国債に頼る財政出動→景気対策に歩調を合わせた。

 官邸は7月に発表される「4~6月の成長率」を見守っている。夏の参議院選挙を左右するのは経済、と見ているからだ。「憲法改正」などの安倍カラー濃厚な懸案を封印し景気対策に邁進した。
 財務省も4~6月のGDPが増税の可否に影響するだけに必死だ。日銀の新総裁は、集中的に資金を投入し、市場から国債を買いまくる。

 そんな状況の中で「日本の中央銀行は財政をファイナンスしている」という観測が海外で囁かれるようになった。
 円安で儲けたヘッジファンドが、今度は国債売りを仕掛けてきた。下がりっぱなしだった金利が上昇し始める。
 市場では、「通貨価値を落とすインフレ政策が本格化する」という見方から金利の高騰が始まった。
 安倍首相が野党自民党総裁のころ主張していた「日銀が輪転機を回しておカネを刷りまくればいい」という言葉が、現実味を帯びる。

 銀行は大慌てだ。金利が上がれば保有する国債の価格が下落し、経営は大打撃を受ける。
 買い手が引っ込んだ国債は「消化難」となり財務省は高い金利をつけて国債を売り出す。
 金利はさらに跳ね上がり、日銀内部では「これ以上の金融緩和は危険だ」という声が高まった――。

 以上は、今年予想される「悪いシナリオ」である。夢物語ではない。日銀や財務省でも、表だっては言われていないが、その危険性は内部で共有されている

  経済政策の助言に二派

 安倍政権の発足で彼らが眉をしかめた人事がある。内閣官房参与に藤井聡京大教授が任命されたことだ。

「右派の論客・西部邁氏の弟子で、国土強靭化政策の提唱者です。安倍首相のブレーンで、国債を大量に発行して大規模な公共事業を行うことを進言してきた」(財務省幹部)

 日銀批判の急先鋒・浜田宏一エール大名誉教授も内閣官房参与になった。「金融緩和を強調する浜田先生は財政規律への配慮は大事と言われる。しかし藤井教授の主張は国債大量発行が前提となる。
 本来は並び立たないのに安倍さんの政策は、国土強靭化を軸に金融超緩和・財政膨張・国債の日銀買い入れがワンセットになっている。極めて危うい政策だ」(日銀OB)

 安倍首相に経済政策を助言する人に二派ある、という。一つは浜田教授に象徴される金融緩和論者。デフレは市場に流通する通貨が足らないので起きる、じゃんじゃんお札を刷って金融を緩和しよう、という主張だ。
 「リフレ論」とも呼ばれ、竹中平蔵氏やダイヤモンド・オンラインの論客である高橋洋一氏などがかねてから主張していた。みんなの党や橋下氏の日本維新の会も同調している。

 もう一派は公共事業による景気対策を主張する財政膨張論。「コンクリートから人へ」の民主党によって否定された路線が、国土強靭化という新たな装いで再登場した。
 自民党にはこの路線の支持者が多い。3年8ヵ月の野党暮らしで自民党の政治家は、緊縮財政もあって選挙区へのお世話ができなかった。政権を取った今、支持者への恩返しもしたい、という心理も働いている。
 東日本大震災からの復興、笹子トンネルに象徴されるインフラの劣化。政権復帰を機に財政膨張への期待が一気に吹き出ている。

 デフレ脱却を狙う金融の超緩和に公共事業の大盤振る舞いが重なること、日銀がお札をじゃんじゃん刷って、国債を買い、その金で公共事業に邁進する、という「平成ニューディール」が始まるという。

 景気のいい話だが、浮かれる時が一番危ない。返済の当てが無くなった、と市場が見たとき国債の暴落が起こる。
 「日本売り」の好機と見て円売り・国債売りを仕掛ける投機筋にとって絶好のチャンスでもある。

 日本にとって本当に恐いのは金利の高騰、すなわち国債暴落だ。

 政府の借金は1000兆円を突破した。その大部分は国債だ。先進国で例を見ない借金財政でも経済がおかしくならないのは、日本人の貯蓄が銀行を経て国債に回っているからだ。
 「国債安全神話」が支えになっている。みんなが買っているから安全、国が破綻することはないだろう、という「漠然たる信頼」で、国家の信用は維持されてきた。

 だが「アベノミクス」は通貨の価値を下げ、インフレにする、という。物価が上がる、ということは金利も上がる、ということだ。

 金利上昇には二つのタイプがある。景気がよくなり資金需要が出て金利が上がる。もうひとつは国債が売れなくなり、買ってもらうために金利を高くする
 後者は「悪い金利高」とされている。国債が売れなくなり長期金利は20%台まで跳ね上がったギリシャ。国債の市場金利が7%を超えて大慌てしたイタリアなど、景気回復と無縁な悪い金利高は世界各地で起きている。
 日本だけがそうならない、とは言えない。

 1000兆円の借金を抱える財政で金利が3%上昇したら、単純計算で財政負担は30兆円増加する(実際には一気に30兆円の増加にはならない)。消費税換算で約12%分の財源が吹っ飛ぶ勘定だ。

 物価は黙っていても上がる。円安で輸入物価が値上がりするからだ。いま輸入は輸出を大きく上回っている。
 円高は輸出業者に深刻だったが、円安は消費者に打撃を与える。

 通貨が下落し、物価に波及すれば、次は金利上昇である。国債暴落を招けば、物価が急騰するという意味でハイパーインフレにつながりかねない。

「金利が上がったら、速やかに金融を締めればいい。オイルショック後の狂乱物価やプラザ合意後のバブル経済も、日銀は見事に火を消し危機を乗り切った」と言う人がいる。そうだろうか。

  今年最大の懸念は「日本売り」

 先に述べた「悪いシナリオ」に続きを書こう。

 7月のある日、国債金利が跳ね上がった。

 強靭化政策で財政支出が膨らみ、市場は日銀の積極的な買いオペを「財政ファイナンス」と受け取るようになっていた。
 金利上昇は市場の警告だった。これ以上の国債買い入れは不健全な財政の片棒を担ぐことになる、という意見が吹き出し、日銀の金融政策決定会合は大揺れ。

 委員の意見は「金利上昇が起きたからには、緩和政策にブレーキを掛けるべきだ」と「ここで緩和を緩めれば景気回復の腰を折る」に割れた。
 代わったばかりの新総裁は「金融緩和の継続」を譲らなかった。総裁と一緒に安倍政権が任命した二人の副総裁も同意見だった。日銀は国債買い入れオペを一段と強めた。

「景気対策の手を緩めたら参議院選挙は戦えない」という声は与党に強く、日銀は抵抗のすべもなかった。
 市場で買い手のつかない国債を日銀が買い支える。投機筋の売りが円と国債に殺到し、国債の値崩れが始まった――。

「日本売り」は今年最大の懸念である。日銀が「買いオペ」を通じて、国債保有を増やしてきたのが昨年だ。
 政府の圧力を回避するため、「自発的」に買い取りを進めてきた。

「買いオペ」による保有も、財政法で禁止されている「日銀の国債引き受け」も、実質は変わりない。市場を通すか、通さないか、の違いだけで政府の財政を日銀が支えていることは変わりない。

 問題は「危険水域に入ったとき、やめる決断ができるか」である。

 国債の買い取りが「市場の金融調節」として行われているならやめればいい。だが「危険水域」では政権は存亡の危機に見舞われる。
 日銀がそっぽを向けば、政府は資金繰りに行き詰まる。そんな時に「毅然たる姿勢」を取ることは容易ではない

「金融緩和に積極的な総裁」が「政府に逆らえない総裁」であったらことは重大である。
 「政府が大変なとき日銀は打ち出の小槌を振ってお札を刷りまくる」と見なされるような人が総裁になったら、通貨価値は地に落ちるだろう。

 どんな人が日銀総裁に選ばれるか。
 まずはこのあたりから今年の金融財政運営が読みとれるだろう。
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詐欺:効かない薬の大量処方と有害無益の手術など

 病状を拡大解釈して有害無益な薬を処方する。
 同じく勝手に拡大解釈して削除手術。さらに高度治療と称して有害無益な療法を続けて、患者から保険からカネを絞る。
 そうした「詐欺」が横行している。
 おのおの方もご注意召されたし候。
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  いい加減な薬を販売するのはやめて(3) 「丘を越える」から

・そういえば、もう10年以上前に鼻血が止まらなくなってとある開業医に行った。
 その医者もお偉いので当然質問は許されず(というか質問したのだが逆上されたのでおとなしくしていた)、処置なしの上に大量の薬を処方された。

・医者から戻りすぐに再出血したので市街の中病院に連れていかれた。
 そこの女医はまず処置しなかったことに怒りだし(わたしにではなく、処置しなかった医者に対して)、「薬見せて」というので見せたらまさに文字通りかたっぱしからごみ箱に放り込んでいた。

・血がなかなか止まらなかったので、いろいろと処置してもらい何とかなった。
 彼女はヒステリー持ちだったがまともな医者だった。
 薬漬け
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★ 詐欺  1/9  リー湘南クリニック「異端医師の独り言」から 

 先週、62歳女性が「肺がん」のセカンドオピニオンを求め来院された。
 彼女は、近藤誠・著「患者よがんと闘うな」を読破されていたにもかかわらず、職場検診(CT)で発見された肺がんの手術(右肺上葉部分切除と中葉切除術そしてリンパ節廓清術)を 2年前に受け、術後から「ユーエフティー」を処方されていた。
 そして、驚いたことに術後、横浜の病院で「活性化リンパ球療法」を受けていた。
 相談の主な内容は「最近、左肺に影が見つかり、切除術を勧められているがいかがなものか」。

 私の助言は「症状が無いのに手術を受けても、得るものはありません。様子見がベストですよ」、「ユーエフティーは有害無益なので即刻中止してください」そして「活性化リンパ球療法は、何の効果もないのに法外な料金をとる、これは詐欺以外の何ものでもありません」。

 それにしても、活性化リンパ球療法、LAK療法、NK細胞療法などなど、何の効果も無いのに効果を喧伝し、患者を集め一回数十万円をぼったくる、大学病院でもかかる行為を施行しているところがあると聞く。
 これは、藁をもつかむ患者を鴨にした立派な詐欺です。被害者が訴えれば詐欺罪*が成立すると思うが、被害者の生存期間は限られている。
 同じ文脈で、「効果の無いユーエフティー」を長期処方するのも詐欺に近いと思う。すると、転移がんに延命効果の無い治療を「標準治療」と称して施行するのも詐欺に近いのではないだろうか。

*詐欺罪とは、人を欺いて財物を交付させたり、財産上不法の利益を得たりする(例えば無賃宿泊をする、無賃乗車するなど、本来有償で受ける待遇やサービスを不法に受けること)行為、または他人にこれを得させる行為を内容とする犯罪のこと。刑法246条に規定されている。未遂も罰せられる(250条)。
 肺手術 UFT.jpg
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