fc2ブログ

もうすぐ北風が強くなる

マスコミの偏向報道と都知事選猪瀬の罪:日刊ゲンダイ

 偏向と捏造にいそしむ既製大手マスコミに抗して、真っ当なスタンスを守り続ける「日刊ゲンダイ」から、マスコミの選挙報道の偏向と都知事選猪木某の罪状。
 いつもながら日々坦々氏に感謝してます。
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
   役に立たない大新聞テレビの選挙情報 今の政治混乱の元凶は少しも変わらぬ報道姿勢  12/5 日刊ゲンダイ 日々坦々資料ブログから

この国の社会の木鐸としてこの混沌選挙でどの政党を支持すべきなのか教えて欲しいと選挙民

衆院総選挙が公示された。今度の選挙は結果次第では、この国の存続を左右する重大な局面を迎えかねない。
ところが、大新聞テレビがまとめる選挙のさまざまな焦点や争点は、クソの役にも立たないものばかりである。
相変わらず、有権者にとって肝心なこと、重要なことを何ひとつ伝えようとしないからだ。

公約でやらないと言った消費税増税を強行したウソツキ野田民主党の正体、失政と病気で政権を投げ出した安倍が再登板する自民党の本性と神経、石原と橋下というウルトラタカ派の独裁者同士が野合で結託した維新の危険性……。
そして何よりメディアが伝えるべきは、この選挙が壮大な茶番劇だという真相だ。

まだ選挙が始まったばかりなのに、水面下では民・ 自・公の増税談合3党に維新がなれ合っている。選挙後の政権の枠組みについて、相手の出方を探り合っているのだ。

「自民党は表向き『自公両党で過半数』を掲げていますが、仮に目標を達成しても参院は、まだ野党多数。ねじれ解消には自公が民主と組むしかなく、3党とも連立を模索しているのです。
そこに選挙後の埋没を恐れる維新が割って入る。
特に石原氏ら元自民党のベテランたちは『憲法改正を目指すなら公明を切ってオレたちと組め』と言わんばかりに、自民との連携を公然と打ち出しています」(政界関係者)

特に民主党主流派は3党連立に前のめりで、野田側近の近藤洋介経産副大臣は「第1党が首相を取り、第2党、第3党が手を結んで安定した政権をつくらなければならない」などとホザいていた。

メディアの堕落に悩まされる有権者

ヒドイ話だ。議席を争っているはずの政党が、実は有権者を欺き、ウラで結託。
選挙後も、民主政治を無視して国民に大増税を押し付けた密室談合体制を続けようとしているのだ。
いったい、何のための選挙なのか。

小沢一郎はブログで、今度の選挙の本質を「大政翼賛会のような『一極集中』を許すか否かが最大の争点」と書いた。

まったく、その通りなのだが、大メディアは小沢が指摘する「本質」を伝えない
談合増税大歓迎だし、小沢一郎を心底、嫌っているからだ。

だから、今度の選挙の争点をごまかし、本質を隠し、表面的なことしか伝えようとしない。もちろん、「不偏不党」「公正・中立」を盾に、自分たちのスタンスも鮮明にしない。
どの政党が今の時代に最もふさわしく、有権者の希望を託すことができるのか。有権者は知りたい情報を何も与えられていないのだ。

「ましてや、今回の選挙は12党もの政党が乱立する混(こん)沌(とん)選挙です。今まで以上にメディアは、多忙な有権者に代わって、各政党の長所と短所を見極め、分かりやすく提示する義務があります。
どの政党ならば、理想とする社会や国家の形を実現できるのか。有権者もその判断基準を熱望しているはずです」(立大教授・服部孝章氏=メディア法)

メディアがマトモな判断材料を示さないため、選挙民はチンプンカンプン。公示直前になっても4割もの有権者が投票先を決めかねていた。
それもこれも全部、メディアの堕落のせいである。

欧米のマスコミなら旗幟鮮明にして支持政党を明確にする

欧米では、日本のメディアのような報道姿勢は許されないし、絶対にあり得ない。
米国の新聞各紙が大統領選のたび、どの候補を支持するかを社説で堂々と表明するのは、よく知られた話だ。

「特に英国の新聞は党派色が強いですね。ガーディアン紙は労働党、テレグラフ紙は保守党とスタンスを鮮明にしています。
とはいえ、支持政党に迎合するという感覚ではありません。労働党が与党の時はガーディアン紙もしっかり政府を批判します。
これが英国の伝統的なジャーナリズムの精神です」(国際政治学者・安井裕司氏)

欧米メディアには「公正・中立」なんてタテマエは存在しない。大事な選挙があれば、候補者の人柄や政党の政策と実力を吟味し、今の時代に求められる勢力を世論にはっきりと示す。
そのことが国民の利益につながると信じて疑わない。
これが民主国家のあるべきメディア像である。

「キッパリと支持政党を打ち出す半面、欧米メディアは厳しい説明責任を課せられます。このように権力のチェック機関としての使命と、政治に責任を持つことの大事さを実行しているのです。
その点、日本のメディアは気楽なものです。あえて『不偏不党』を掲げ、幅広い読者や広告主の獲得を優先しているようにも思えます」(服部孝章氏=前出)

大マスコミの選挙報道には現場からも疑問の声が上がっている。日テレ元キャスターの小栗泉氏は自著「選挙報道」で、こう書いていた。

〈「公正・中立」の傘のもと、そこから先の議論は国民にいわば丸投げし、メディアは思考停止状態に陥っていた〉〈自らの論陣を張るとなれば、恥ずかしいことはできないと猛勉強し、メディアの質を向上させることにも繋がる〉

なぜ、おかしさに気付きながら、変わろうとしないのか。

日本の政治がここまで腐り、混乱した元凶はメディアの報道姿勢にあると断じてもいいほどだ。

投票に値する政党はひとつしかない

今度の選挙で有権者がどの党に投じるべきかは歴然だ。

野田民主はウソツキ、安倍自民は無節操、石原と橋下の野合維新は論外だ。

貴重な一票を投じるに値しない政党があふれる中、反増税に脱原発と国民の生活と命の安全を守ろうとする「未来の党」の存在は貴重である。

「せっかく、『未来』という真の第三極が出来上がったのに、メディアは意図的に小沢氏を悪者扱いして、足を引っ張ろうとしているのは残念です。
選挙報道の中心は常に維新。比例投票先調査で維新の躍進を伝える一方で、未来は『5%にとどまる』『期待しない70%』と伸び悩みの印象を植え付けようとしています。
しかし、政党の良し悪しは人気以上に政策や党の体質で判断すべきです。
今の選挙報道はその点のチェックをおろそかにし、『この党に勢いがある』という人気投票の結果しか伝えません。
有権者に満足な判断材料を与えない報道姿勢は疑問です」(筑波大名誉教授・小林弥六氏)

談合・翼賛体制を許すのか否か。
インチキ民主に鉄槌を下すのか否か。
安倍の出戻りを許すのか否か。
暴走老人に権力を与えるのか否か―
―今回の選挙の「争点」を真剣に考えれば、答えは言わずもがなである。
 ーーーーーーーーーーーーーーー
   小泉の応援にニコニコ 猪瀬が「道路公団民営化」でやったこと  12/5 日刊ゲンダイ 日々坦々資料ブログから
息子を助けて慎太郎に取り入って…

4年前に政界引退を表明してから、めったに表舞台に出てこない小泉純一郎元首相(70)がきのう(4日)、都知事選に出馬している猪瀬直樹氏(66)の選挙応援に駆けつけて関係者を驚かせた。

親密ぶりをアピールした割には、小泉が猪瀬の選挙事務所に滞在したのは30分ポッチ。応援スピーチも5分間と短かったが、「総理大臣時代に大変お世話になった」「道路公団民営化を粘り強く成し遂げ、税金を使わないで借金を減らすことができたのは猪瀬サンのおかげ」とヨイショした。

だが、ちょっと待って欲しい。猪瀬氏は“改革派”を自称するが、道路公団民営化は決してほめられた結果につながっていない。「道路公団改革 偽りの民営化」を出版した田中一昭氏(「民営化推進委員会」元委員長代理)はこう指摘する。

猪瀬氏は、委員会が開かれていないのに独断専行で小泉首相や国交省幹部と水面下で接触し、道路族が満足する“骨抜き民営化案”をまとめました。まるでフィクサーのように動いたのです」

その結果どうなったか。
なし崩し的に未着工の高速道路約2000kmが建設できる抜け穴が作られ、40兆円に膨れ上がった借金を45年かけて返済なんて気の遠くなるような話になった。
猪瀬氏の目的は何だったのか。ジャーナリストの横田一氏が言う。

「いま振り返ると、論功行賞目当てだったことがよく分かります。猪瀬氏は自民党の古賀誠元幹事長ら族議員の猛反対で板挟みになっていた当時の石原伸晃国交相に助け舟を出した。小泉元首相のメンツも保ちました。それに恩義を感じた伸晃氏の父親の慎太郎氏が副知事に抜擢、後継知事にまで指名したのです」

猪瀬氏は石原都政を継承し、圏央道と外環道、中央環状線の「三環状道路整備」に6528億円を投じることも容認しようとしている。

本当にこんな人物が知事になっていいのか。
都民はマジメに考えた方がいい。
 官邸1206
 首相官邸前2012/6月脱原発行動
関連記事

笹子トンネルの吊天井事故(2)

 笹子3

 12/2の朝中央高速道の笹子トンネルで起きた天井板の落下事故については「笹子トンネルの吊天井事故」にて、紹介と解説を書きました。
 事故の翌日3日の時点で貼りますが、概ね、次のような指摘が可能と考えました。

 ・ 当時、なぜこのような重量吊天井が設計されたのか。
 ・ 常に通過振動するトンネル内では目視点検は意味が無い。
 ・ 打音検査はしていなかった。
 ・ 点検検査基準に打音検査が義務づけていなかった。
 ・ 開通前の会計検査院報告で、トンネル巻立て部のコンクリート厚が頭頂部ほどに設計より不足していること。強度不足が指摘されている。
 ・ 振動、共鳴するトンネル内構造は、地山の動き、歪みが加わればコンクリートは劣化しやすく、厚が不足して地山と空隙が大きければなおさらである。ボルトについても当然である。
 ・ 地震と火山の国内で、地山に動きがあるのは当然であるから、点検検査の基準、体制改善と維持補修費、人員の強化が放置されるなら、今後この種の事故が頻発する時期にかかって来ると考えられること。

 一部の報道ではあたかも金属のボルトが劣化腐食のような書き方をしていますが、130mにわたってほぼ一斉に落下したことからも、それは非常に考えにくい発想です。

 この事故について、船舶工学科卒で石川島(現IHI)の技術者でもあった山本尚利氏が、意見を書かれているので紹介します。
 今の段階ではありますが、極めて初歩的で致命的な設計ミスが、長年まかり通っていた可能性。
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
   中央自動車道・笹子トンネルの換気ダクト崩落事故:接着剤系アンカーボルトの誤用という重大な設計ミス  12/4 山本尚利 「新ベンチャー革命」から

1.2012年12月2日、中央自動車道の笹子トンネルで大事故発生

 2012年12月2日の朝、中央自動車道の笹子トンネルで天井パネル崩落事故が発生し、9人もの犠牲者がでました。

 その後のマスコミ報道にて、この事故原因が見えてきました。トンネル上部の換気ダクト吊り下げ金具の固定アンカーボルトがトンネル上部のコンクリート壁から抜け落ちたようです。

 このアンカーボルトはマスコミ報道の説明から、接着剤系アンカー(ケミカルアンカー)(注1)と思われます。

 筆者はIHIの設計エンジニア時代、プラント構造物の基礎アンカーにこの接着剤系アンカーボルトを使用した経験があります。

2.この事故原因は接着剤系アンカーボルトの引き抜き強度に依存した設計だったという人災

 上記、接着剤系アンカーボルトの抜け落ちが事故原因と報道され、筆者は仰天しました。

 接着剤系アンカーボルトを使用した経験のある筆者はこの報道を観て、背筋が寒くなりました。この換気ダクト構造が全国の高速道路や国道のトンネルに使用されているなら、これは重大な設計ミスです。
 その意味でこの事件は日本全国の高速道路や国道のトンネルに潜む重大な危険を露呈させました。

 このアンカーボルトは構造物や建造物の基礎施工用ですから、下向き(重力方向)に使用するのが常識です。

 その場合、アンカーボルトに引き抜き力がかかるのは、上部構造物が地震を受けたり、風圧を受けたときのみで、これは、短期荷重設計対象です。

 このアンカーボルトを上向きに使ったり、長期荷重支持に使うのは非常に危険です。

 今回のトンネル事故現場での接着剤系アンカーボルトの使われ方は“誤用”といってよいでしょう。

 従来のアンカーボルトは基礎コンクリートの打設前、鉄筋組と同時に、アンカーボルトをセットし、鉄筋に溶接します。形状もJ型となっており、構造的に非常に安心できるものでしたが、施工面では面倒でした。
 一方、接着剤系アンカーボルトは、基礎コンクリートを打設した後、施工しますから、非常に施工しやすいアンカーボルトです。

 この接着剤系アンカーボルトは確かに施工が容易ですが、通常のアンカーボルトに比べて、引き抜き強度に不安があります。
 なぜなら、接着剤とコンクリートの接着力に強度依存しているからです。
 接着剤による接着力は、施工条件に大きく左右され、信頼性が今一です。

3.笹子トンネルの換気ダクト設計は大変お粗末

 今回、笹子トンネルで崩落した換気ダクトにはコンクリート・パネル(5m x 1.2m x 8cm厚、1.2t)(注2)が使用されていますが、換気ダクトは天井に吊り下げるので通常は軽量構造とします。
 そこに、わざわざ重いコンクリートを使用したことはダクト材料選定の誤用とみなせます。

 トンネルの設計者は土木工学出身者でしょうから、材料はコンクリートしか浮かばなかったのでしょうが、大変、お粗末です。

 以上より、笹子トンネルの換気ダクト設計には大きく二つの設計ミスがあります。

(1) 施工信頼性の低い接着剤系アンカーボルトを上向きに使用(誤用)し、ダクト重量支持(長期荷重設計)に使用したこと。
(2) 本来、軽量化すべき天井換気ダクトの材料に、重いコンクリート・パネルを使用したこと。

4.笹子トンネルのあるべき換気ダクト設計とは

 筆者なら、笹子トンネルの換気ダクト用パネルにはアルミパネルを使用、そのスパンも10m長の一本ものにします(このパネルは5mスパンで中央分割してはならない)。
 このパネルをトンネル側部の両端に設置される受け金具で固定します。
 そして、パネルの中央部のたわみ防止のため、トンネル上部の中央部に吊り下げ金具を取り付け、パネルを支持します。

 この構造なら、仮に中央部吊り下げ金具の固定部が抜けても、パネルはたわむだけで落下しません。さらにトンネル上部の吊り金具固定に接着剤アンカーボルトを使用しても、それは誤用ながら、かかる荷重が小さく安全設計となります。

5.テロの可能性も否定できない

 今回の事故の特徴は、崩落パネル100枚、110m長に渡っている点です(注2)。これは大きな謎です。

 高圧送電線鉄塔のような鉄骨構造は、軽量となる代わりにトラス構造のバランスで強度維持されています。そのため、強度部材の一部が破損するとバランスが崩れて全崩壊する危険があります。
 しかしながら、笹子トンネルのパネルは相互に独立しており、支持金具もパネル毎に設置されていますから、そのどこかで支持金具が脱落しても、それを起点に大規模崩壊が起こる可能性は少ないと思われます。
 なぜ、100m長の連鎖崩落に至ったのか、また、なぜ、全長崩落に至らず、途中で崩落が止まったのか、これは重大な謎です。

 筆者は、笹子トンネルのパネル崩落の画像を観て、コントロールド・デモリッション(注3)を連想しました。これは9.11事件におけるWTCビル崩壊に使用されたといわれています。

 本ブログ前号No.685にて、公共事業費の急減を取り上げました(注4)。12.16総選挙にて自民政権を復活させて、ハコモノ公共事業を復活させたい勢力が日本に存在するのは間違いありません。この事故の発生にて、近未来、膨大な土木工事が必要となるのは確かです。

6.高速道路で高額の通行料をとっておきながら、安全対策が不備なのはなぜか

 最後に、われら国民は高速道路で高額の通行料を取られていますが、米国などは税金で高速道路を建設しており、ほとんどがタダです。その意味で、日本の高速道路はほんとうに“ぶったくり”の極致です。
 ところが、その通行料の7~8割は、建設費借入金の償還と借金の利払いに充てられています(注5)。
 だから、笹子トンネルを含む全国の高速道路の安全対策にカネが充分に回らない収支構造となっています。

 筆者の長年の疑問、それは、米国の高速道路はほとんどただ(フリーウェイ)なのに、なぜ、日本の高速道路は通行料が高いのか、というものです。

 日本の高速道路には、巧妙な国民だましが隠されているような気がします。そのため、国民から高額な通行料をとっていながら、安全対策にはカネが回らないのです。ほんとうに、国民はなめられています。
 この事故をきっかけに、覚醒しましょう。

注1:アンカーボルト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%88#.E3.82.B1.E3.83.9F.E3.82.AB.E3.83.AB.E3.82.A2.E3.83.B3.E3.82.AB.E3.83.BC

注2:笹子トンネル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%B9%E5%AD%90%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB

注3:コントロールド・デモリッション
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

注4:本ブログNo.685『この10年、公共事業が急減しているのに、なぜ、国の借金が急増するのか:国民の素朴な疑問にまったく答えない朝日新聞』2012年12月2日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/30987567.html

注5:(独)日本高速道路機構“営業中高速道路の収支状況”
http://www.jehdra.go.jp/pdf/290.pdf  
関連記事

闇の中ではない、明るく輝くろうそくが:本澤

 本澤2

 闇の中ではない、明るく輝くろうそくが増え続けている。
 本澤二郎「日本の風景」から。
 ーーーーーーーーーーーーーーー
 本澤二郎の「日本の風景」(1214)

 <ナベツネと小沢の死闘>

 12月4日公示の衆議院選挙の勝敗の行方は混とんとしている。いい加減、出まかせの情報を週刊誌は、面白おかしく流して関係者を一喜一憂させている。
 今回の隠れた決戦は、小沢退治の黒幕であるナベツネと小沢の死闘の行方であろう。筆者の注目点である。

 ナベツネは滋賀県知事が立ち上げた「未来」に対して、即座に批判の社説を掲げて、大方のジャーナリストを驚かせた。小沢退治への執念であろう。日本記者クラブでの各党党首の討論会は、例によってナベツネの子分を揃えて質問させていた。
 しかし、小沢は潰れない。猛然とナベツネ工作を乗り越えている。常人に出来ないことである。これが小沢ファンにとって、たまらなく魅力的なのだろう。死闘は始まったばかりである。

 左翼共産党から極右に転向したナベツネは、児玉誉士夫・大野伴睦・中曽根康弘らと提携しながら、読売の出世階段を駆け上った。この間、ワシントン支局にも籍を置いて、ワシントンの共和党右派人脈をも手にしている、と見られている。

 戦後の読売を急成長させた元内務官僚・正力松太郎は、CIAのコードネームもあったことが判明している。ナベツネはその後継者となって、これまた元内務官僚の中曽根と連携して原発推進の音頭を取ってきた。
 小沢新党ともいえる「未来」は、10年以内に原発のない日本にすると公約した。原発NOだ。
 世論を受け入れたまともな公約だが、それはナベツネに対する挑戦状でもあった。このナベツネ路線を踏襲する政党が、安倍・自民党と石原・維新の会ということになる。極右の連携なのだ。

 余談だが、小沢の恩師・田中角栄は、児玉の仲間である笹川良一にメスを入れようとして失敗した。笹川財団は今日の日本財団だ。競艇ギャンブルの売り上げを原資にしている右翼で知られる。
 戦前右翼は、財閥富豪を攻撃したが、戦後右翼は自ら富豪の道を歩んで、むしろ彼らの防衛に努めている。

 <老いぼれに足元の亀裂>

 中曽根も94歳、最近、夫人に先立たれた。老いると、夫婦の情愛は格別といわれる。かなりまいっているだろう。
 それはナベツネとて年齢には勝てない。16歳後輩の小沢をひねりつぶそうとしたが、失敗してしまった。全てのマスコミを動員して小沢を悪党に仕立て上げた。その先に捜査機関を、検察が証拠をねつ造しても、駄目だった。検察審査会を投入しても、成功できなかった。

 恐らく、この3年間の小沢とナベツネの攻防戦は、以上のような経緯を辿ってきたと見られている。小沢はしかし、耐えた。見事に耐えた。これに筆者も驚愕するばかりである。
 この間、ナベツネの足元が揺らいできている。彼の数々の政治工作を暴露させる作業も進行している、と風の便りに聞く。
 86歳の現役主筆は立派だが、頭脳の衰えは明らかだ。それが先の小沢新党への暴走社説に現れている。

 <小沢のコンプレックス>

 小沢の強さを教えてくれる人物が現れた。彼は「小沢の強さは、コンプレックスからきている。やられても何くそと反発して耐える。優等生に出来ないことだ」と指摘した。

 「小沢の父親は苦学して弁護士になった。東京市議を経て政界に飛び出した。東京では2号と生活、小沢は幼くして岩手で母親との生活。父親への反発を母親と共有しながら。そして父を越えようとして東大を目指したが失敗。やむなく慶応で司法試験に挑戦、大学院で果たそうとしたが、大学院に入れなかった。
 やむなく父親が苦学した日大の大学院に入って、勉強を続けたが、やはり駄目。とうとう父親を超えることが出来なかった」

 コンプレックスの塊が、小沢の精神を強くさせているというのだ。なるほど理解できる。小沢がナベツネごときに屈するはずはない。原発新聞に未来はないだろう。
 軍配はいずれ小沢に上がる。早ければ12月16日になるのだが?

 <民自公は欠陥商品>

 ナベツネ支配のマスコミは、自民党と公明党が過半数を制することに期待をかけて報道している。もしも、届かなかった場合は、民主党を抱き込めばいいと想定している。民自公の連立政権である。

 これは財閥と官閥とワシントンCIAの計略と思われる。10%消費税派の思惑である。
 新聞テレビに誘導されるだけの有権者ばかりだと、民自公政権・大増税政権が誕生する。霞が関に対するメスは入らず、日本衰退に拍車がかかるだけである。民自公は商品に譬えると、欠陥商品なのだ。
 新聞テレビが世論形成をするわけだから、民自公政権の可能性は低くはない。むろん、増税で1000兆円を超える借金大国を経営することは不可能であるが。ネット報道の行方も注目される。

 <プラス維新は最悪>

 安倍は憲法を改悪して、日本を戦争国家に改造しようとしている。アメリカの戦争に加担することが、米軍の下請け国防軍が、日米同盟と信じる危険人物だ。アジアに緊張を振りまこうという極右人物だ。
 この考えの持ち主は、石原・橋下の維新の会である。民自公に石原を加えて3分の2を実現しようとしているため、石原との連携に前向きだろう。
 第一、石原の2人の息子は自民党ではないか。
 日本はかなり危ない橋を渡ろうとしている。その水先案内人がナベツネ新聞テレビということになろうか。ここは小沢にかけるしかないだろう。

 <未来に希望>

 小沢公約は、世論に委ねている。ふと、先輩の角栄秘書の早坂茂三を思い出した。彼は1年生代議士に対して「朝日新聞の社説を読め」と指示していた。今は大分変化しているが、昔の朝日は灯台の役目を担っていた。
 朝日の言い分を演説すれば、有権者から支持を得られるというものだ。早坂も左翼から保守に変質した人物だが、ナベツネほど極右に走らなかった。田中も早坂も「日中友好はアジアの平和と安定の基礎」という理念の信奉者だった。

 小沢には、田中や早坂のリベラルが膚に沁み込んでいると思いたい。
 自民党時代の小沢ではない。それは亀井静香にも言える。彼は福田赳夫や中曽根の派閥にいたこともある。しかし、郵政民営化問題と3・11で保守的1本やりの思考を変えた。
 史上空前の原発大惨事・民族の存亡を目の前にして反原発の立場、自立する日本に舵を切った。
 ワシントン服従の日本に危機感を抱いている。官邸包囲デモに賛同した理由だ。

 琵琶湖畔での小沢と滋賀県知事の密会では、こうしたやりとりがあったのだろう。
 小沢はナベツネの裏をかいている。ナベツネの時代も幕引きが始まっているとみたい。

  本澤二郎の「日本の風景」(1215)

 <財界も脱原発へ始動>

 経済音痴のもとへ最新の大手町情報が寄せられてきた。事実ならいいニュースである。
 「財界が脱原発に舵を切った」というのである。ということは、今度の総選挙で原発再稼働派の民主党はいうに及ばず、続原発派の自民党や原発促進派の維新の会に対して、金と票の支援をしないか、薄めることになる、というのだ。
 どうしてか?「財界人の多くは、原発ではもう飯が食えない」ということがわかってきた。
 そういえば、アメリカはシェールガス発電に切り替わる。3・11脱原発の影響は、国際的広がりを見せている。各国とも原発は、核のゴミ一つとっても深刻な負の遺産であることに気付いたからなのだ。

 <重電の日立・三菱の連携>

 最近、日立と三菱の重電機部門の提携・合体が明らかになった。「3・11の福島原発大惨事が、もろに影響している」が、その筋の解説だ。
 日本の原発ビジネスは、各国の市民・人類から拒絶されてしまった。日本での新規建設は100%不可能である。
 欧州も無理だ。アジアでも反原発世論が大勢を占めている。中国でも無理だろう。人民が受け入れない。強行すれば、人民が力で反対するだろう。福島事件の知られざる人類に対する貢献である。人類は福島の教訓を学んでいる。
 こうした分析から重電器メーカーも、ビジネス認識を新たにしたようなのだ。日立と三菱の連携は、経済界のみならず関係方面に衝撃を与えている。性能のよいガスなどの火力発電機の開発に力を入れることになる。

 <孤立した東芝>

 その点で、東芝の対応が遅れている。東芝は3・11をまるで反省していない原子炉メーカーだ。表向き社会的責任を吹聴しながら、原子炉製造に必死という狂った企業である。
 米原子炉メーカーを、大金はたいて子会社化したものの、まだまだ元が取れていない。そのため買収資金相当の利益を挙げねばならない、と考えているようだ。

 依然として現在も、東芝ビジネスの核は原子炉製造である。しかし、日本ではもう作れない。用無しだ。「輸出でぼろ儲けできる」という判断をしているのだろうが、3・11の影響は地球全体に行き渡っている。
 第一、福島の東芝製3号機の核爆発さえ秘匿して、真実を公表出来ないでいる。こんな不誠実な企業の原子炉を「信用しろ」と言う方がおかしい。
 たとえ途上国の政府を買収したとしても、ネット時代の住民がおいそれと受け入れることはないだろう。
 先見の明のない無責任・無能の経営者として、人々から非難されるだろう。いかにテレビCMを大量に流しても、無駄なことだろう。

 <住化の経団連会長も孤立>

 東芝は三井住友傘下に入る。経団連会長の米倉も住友出身者だから、必死で原発ゼロに反対している。
 しかし、すでに内部で孤立してしまっているようだ。彼は三菱と日立の重電機メーカーの合体について、相当にショックを受けたという。

 ナベツネ読売は、野田に対して「原発・消費税・TPPをちゃんとやるのであれば、支持する」と言明していたことが、昨夜届いた極秘メモに記述されていた。
 消費税の10%を強行した野田は、TPPを選挙の争点にしたが、そこにはワシントンと連携するナベツネとの駆け引きも存在したようだ。
 むろん、原発再稼働もナベツネの意向にも順じた行動の一つとみたい。
 そうして見ると、卒原発の未来の党に対して、真っ向から排除しようとの主張理由が理解できる。
 堕ちた言論人は、しかし、財界内部や世界の変身に気付いていない。それは米倉孤立にもいえる?

 <京セラ・稲盛はソーラー発電>

 民主党スポンサーで定評のある京セラの稲盛も、いち早く松下政経塾の前原の後援会長を降りて、目下のところ、脱原発・反TPP・反増税の小沢に接近しているという。
 先見の明のある経営者でも知られる稲盛だ。動きが速い。
 彼は人間や地球と共存できない原発コストが、自然エネルギーに比べて、べら棒に高いことを熟知している。原発のない社会へとビジネスを軌道修正して当然だろう。

 筆者は知らなかったが、京セラは太陽光発電メーカーでは、シャープ・パナソニックに次いで3番手を走っている。小沢政治の開花と京セラの発電ビジネスの拡大は、双方に利害の一致を見てとれる。
 既に報道されているのであろうが、小沢と嘉田の琵琶湖密会をセットした人物が稲盛というのだ。
 先見の明のある経済人は、既に松下政経塾離れをしていたのだ。

 <ソフトバンクやトヨタも>

 一時、大阪の橋下に接近していたソフトバンクの孫正義も、石原の配下となったことから「現在は小沢にかけている」と見られている。彼は既に大がかりなソーラー発電建設に取り組んでいる。孫の投資先は自然エネルギー発電に絞られている。
 隣国との緊張や対立を煽り、改憲で世論を分断する石原・橋下路線に反対しているのだろう。

 中国に投資している企業、とりわけ自動車業界も小沢に接近しているというのだ。あり得るだろう。
 日中関係の改善を極右の安倍には、当然のことながら期待できない。「安倍が天下を取ると、自民党は分裂する」との見方も出ている。「アジア重視の小沢にかけるしか、トヨタなど日本の自動車メーカーは生き延びることは出来ない」という指摘はその通りだろう。

 石原と野田の尖閣問題化が、財界の小沢への期待となっているという。財閥内部も複雑に割れてきている。
 トヨタの城下町で知られる愛知県は、長い間、労働組合が政治の主導権を握っていた。トヨタ経営陣は自民党を相手にしなかった。
 「奥田が肩書に浮かれて財界に手を出して変身したが、もともとは金もうけ主義。政治に翻弄されないできた。
 今回の石原・野田の尖閣表面化で内心、怒り狂っている。中国ビジネスを軌道に乗せるためには、小沢に期待するしか手はない、という思いだろう」と専門家も指摘している。

 <原発と尖閣が小沢支援>

 世の中は変わる。地球は動いている。裁判から解放されて、自由の身となった小沢に心ある経済人も支援を始めている。
 ワシントンの属国に反発する市民・文化人も、亀井静香や小沢に期待している。
 ナベツネ主導の新聞テレビは、相変わらず小沢叩きに懸命だが、ネット社会での小沢人気はすごい。
 12月16日の結果が待たれるところである。

 <ケニアの地熱発電は日本の技術>

 日本は地震大国だ。地熱発電による発電も無尽蔵にある。
 これまで不熱心な政府のため、日本の地熱発電技術は海外で活躍している。アフリカのケニアでは、地熱発電が電力の主力になりつつある。
 この地熱なら日本で大がかりな開発が可能だ。地震国では、地熱発電の需要が増大している。日本もそうすれば原発など不要だ。
 政府がここに集中して投資環境を用意すればいい。次の政権の課題だ。財界の小沢接近が選挙でどうなるのか、にも注意していくべきだろう。

 全てが闇の日本ではない。1本のローソクは輝いている。
関連記事

 | HOME | 

 

プロフィール

もうすぐ北風

Author:もうすぐ北風
こんにちは。
いろんな旅を続けています。
ゆきさきを決めてないなら、しばらく一緒に歩きましょうか。

最新記事(引用転載フリー)

カテゴリ

経済一般 (118)
経済一般~2012冬まで (161)
日本の経済 (224)
通貨戦争 (70)
ショック・ドクトリン (12)
震災関係 (23)
原発事故発生 (112)
事故と放射能2011 (165)
放射能汚染2012 (192)
汚染列島2013-14 (146)
汚染列島2015-16 (13)
福島の声 (127)
チェリノブイリからの声 (27)
政治 (413)
沖縄 (93)
社会 (316)
小沢一郎と「生活の党」 (232)
健康と食 (88)
環境と地球の歴史 (28)
未分類 (175)
脳卒中と入院 (7)

カウンター

最新コメント

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

このブログをリンクに追加する

カレンダー

11 | 2012/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

最新トラックバック

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

Template by たけやん