ロシアは遺伝子組換えとうもろこしを輸入停止
2012-11-09

メスは乳房に腫瘍、オスは肝臓腎臓障害、いずれも寿命の短縮。
仏カーン大学G・E・セラリーニのチームによる検証。
ロシアは遺伝子組み換えとうもろこしの輸入停止 癌リスク増大とフランスの大学が発表 9/26 Seetel
フランスのカン大学の研究者が、モンサント社の遺伝子組み換えとうもろこしを食べると、乳癌や肝臓・腎臓障害のリスクが増大するという、2年に及ぶ研究結果を発表した。ラットを用いて行われたこの研究は、ラットの寿命の2年間という研究期間という点が、従来の短期間の研究と異なる。
ロンドンにあるインペリアル・カレッジの癌生物学の教授であるMustafa
Djamgoz氏は、結果が遺伝子組み換えとうもろこしを食べたことと関係していることに「驚き」であると述べた。
遺伝子組み換えに対して中立な立場だと公言するDjamgoz教授はこう言った:「結果は重大である。程度はさておき、実験は今までで最高ものだ。」
…………..
歴史的には、バイオテク企業は、ラットを使った90日間の食用実験に関する試験結果に基づき、遺伝子組み換え作物の安全性を証明している。しかしながら、カン大学の研究者たちは、ラットの寿命である2年という期間、実験を行った。
権威ある科学ジャーナルで発表される前にすでに個別の研究者たちの論評の対象となっていたこの発見は、乳癌や、肝臓及び腎臓障害を4段階あげること示した。
この実験結果は見直されている一方で、この結果を受け、ロシアはアメリカ産遺伝子組み換えとうもろこしの輸入を停止している。
乳癌と臓器障害の関連性を示唆する研究結果を受け、ロシアはアメリカ産遺伝子組み換えとうもろこしの輸入及び使用を停止している。
他にも、欧州食品安全機関(EFSA)は、フランスの大学が行った研究結果に対する独自の見直しを命じた。
ロシアが下した決断に続く他の国々もいるだろう。論争の的である遺伝子組み換え技術に対しては大きな打撃となるだろう。
……….
本日、ロシアの消費者権利監視機関であるRospotrebnadzorは、モンサント社の遺伝子組み換えとうもろこしの輸入及び利用を停止したと発表した。
Rospotrebnadzorによると、ロシアの国立営業研究所が研究結果の妥当性を評価するよう依頼されているとのこと。
さらに、トウモロコシの安全性についてのEUの見解を求めるよう、欧州委員会健康・消費者総局に連絡をとった。
英国やヨーロッパでは消費者の懐疑的態度により、スーパーの棚には遺伝子組み換えとうもろこしはならばないだろうが、めんどり、ブタ、乳牛などの家畜に供給される。
読者の皆さんはお気づきのように、枯葉剤で悪名高いモンサント社が問題の核心である。
同じ実験で、おなじみのラウンドアップという除草剤の極少量の使用が、癌リスク増大に関係しているという証拠が見つかった。
NK603と名付けられている遺伝子組み換えとうもろこしとラウンドアップという除草剤はどちらも、アメリカのバイオテク企業であるモンサント社のものである。
……….
先週モンサント社は、フランスの大学による研究結果がNK603の輸出するためのライセンスに影響するとは思わないが、EFSAの判断を待ちたいとの意を示した。
モンサント社は次のように言った:「我々の当初の報告通り我々は、遺伝子組み換えとうもろこし製品の安全性に関するEFSAの見解の変化を正当化したり、遺伝子組み換え作物の輸入に賛成と言う立場を変更させるような研究結果ではないと信じている」
遺伝子組み換え研究に関与したバイオ産業や大学研究機関は、遺伝子組み換えに対して懐疑的な消費者を説き伏せる為に昨年にわたって主なPR活動をしかけている。
先週、遺伝子組み換え擁護派の科学者たちは、フランスの大学による実験結果を非難し、実験方法を批判する為に結集してきている。
モンサント社は、TPP自由貿易協定策定及び交渉の際に、「利害関係者」と見なされていることを言っておこう。日本がTPPに参加すれば、家族に遺伝子組み換え食品を食べさせたくないという消費者を政府が守ることが出来なくなる。事実、そうなれば店の棚にならぶ遺伝子組み換え食品を識別する食品表示が必要なくなり、消費者はどれが遺伝子組み換え食品なのかわからなくなる。
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遺伝子組み換え食品についての、このブログ内の関連ページ。
ショック・ドクトリン遺伝子組換え作物
遺伝子組換え食品に毒性の疑い:仏ルモンド紙
遺伝子組換えの毒性、批判への回答:仏オプセルヴァトゥール誌
国内に浸透している遺伝子組み換え食品
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通貨戦争(61)オバマ再選後の世界
2012-11-09

ご無沙汰!うちらははひたすら刷るしかしかないんで堪忍してや。
リーマン・ショック後の世界通貨は概ねドルが3倍、ユーロが2倍の金融緩和(過剰な流動性供給)を続けており、さらにドルはQE3(住宅担保債券)、ユーロは債務国国債の買取により拡大を続けることになる。
財政出動を伴わない金融緩和は実体経済に向かわず、世界金融市場に溢れる。
ために中国は国内への流入するドルを買取るために人民元の流動性供給をさらに拡大することとなる。
こうした世界通貨戦争のために、日本は円高の恐怖に怯える輸出産業の圧力により、日銀が効果のない小出しの金融緩和をずるずる広げるだろう。
今後の米欧日は財政出動で着ないために、せめての金融緩和を拡大するしかないだろう。
中国は財政出動できるが通貨戦争の最も大きなあおりで金融緩和が拡大することになる。
つまり、米欧中日のペーパーマネーが溢れかえることになる。
実体経済に見合わない超過剰な流動性がストックされてペーパーマネーの過剰資本が形成されてゆくのである。
その行く先は、
はっきりしていることは、もちろん歴史上に類を見ない程の信用崩壊。
すなわち、世界大恐慌でしかない。
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一層強化されそうな世界の金融緩和 その弊害は? 11/9 闇株新聞
オバマ大統領が再選された翌日(11月7日)のNY株式市場は、312ドル安の12,932ドルとなりました。
大統領選挙が終わり、そして上下院が再びねじれ状態となったことで、本年末からの減税失効や連邦予算の強制削減など6070億ドルもの「財政の崖」への懸念と、オバマ再選により金融規制が強化されることへの懸念が、改めてクローズアップされたようです。
結局2期目のオバマ政権も、2014年1月にバーナンキが再選されそうなFRBによる超金融緩和の継続に頼ることになります。
そして本日(11月8日)から中国で10年に1度の共産党大会が始まりました。胡錦濤から習近平に総書記が交代することは規定の事実ですが、その他の首脳人事は良く分かりません。
しかし中国でも経済対策が最重要であることは間違いなく、またロムニーの落選で為替操作国への指定もなくなり、ここでも積極的な金融緩和に頼るしかなさそうです。
またEUの経済見通しでは、ユーロ圏17か国の実質経済成長率が2012年でマイナス0.4%、2013年で0.1%と、今年5月の予想よりそれぞれ0.1%、0.9%もの下方修正となりました。
特にイタリアは2012年がマイナス2.3%、2013年がマイナス0.5%、スペインが両年ともマイナス1.4%となっており、それぞれ財政問題を解決できる経済成長が全く期待できないことになります。
つまり大統領選挙後の米国も、共産党大会後の中国も、財政問題の解決が急務のユーロ圏も、結局は強力な金融緩和に頼るしかないことになります。
政治以前の混迷状態が続く日本でも、全く同じことです。
見極めなければならないことは、ここから世界中が一層強力な金融緩和を推し進めた場合に、どういう弊害が出てくるかです。
現在10兆ドルを超える世界の外貨準備に占めるドルの割合は62%、ユーロは25%、それにポンド・円・スイスフランなどが合計で5%です。しかし3兆ドルを超える中国の外貨準備が通貨別内訳を発表していないのですが、ドルに偏重しているはずなので実際はもっとドルの割合が大きいと思われます。
外貨準備に占める割合が、そのまま国際通貨としての流通量を表しているわけではないのですが、大雑把に言って3分の2が米ドル、4分の1がユーロ、ポンド・円・スイスフランなどを合わせて5%と言えます。
極論すれば、世界で流通している国際通貨はドルとユーロしかなく、その2つで90%を占めていることになります。
そのドルとユーロが、今までにも増して世界に供給されてくることになります。
もちろん供給されると言うことは、FRBもECBもより積極的に市場から資産を購入することになり、その中には従来と違った資産も含まれてきます。
それがECBでは南欧国債であり、FRBでは住宅ローン担保付債権(MBS)なのです。
つまり金融緩和の手段としてだけでなく、ECBは南欧諸国の国債発行を容易にするため、FRBは国内の不動産市況対策も兼ねているのです。
つまり世界で流通しているドルの中にはMBS(つまり米国不動産)が、ユーロの中には南欧国債がかなり含まれていることになるのです。
そのドルとユーロが、もっともっと供給されて世界で流通していくのです。
中国人民銀行はその資産の中に3兆ドルを超える外貨準備を抱えています。つまり人民元の中にはドルがかなり含まれていることになり、その人民元をこれまた大量に国内に供給して、同時に国際化しようとしているのです。
良く分かりませんが、何か良くないことが起こりそうな気がしています。
日本銀行の対応も含めて、もっと考えてみることします。

セト
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