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もうすぐ北風が強くなる

広島原爆120万発分の使用済み核燃料

高レベル 人骨

 私が子どものころにアメリカとソ連は核兵器の開発を競り合い、宇宙ロケットと大陸間弾道弾をつくり、青少年時代にはそこに英仏と中国が加わった。
 地球上を数十回にわたって全滅させることが可能な量の核弾頭ロケットが配備されており、今もほとんど変わらない量の核兵器が打ち上げ準備を整えて即発射可能になっている。

 核戦争は現実の可能性であり、放射能で地球人類絶滅という本当の危機と恐怖だったのです。
 いわゆる「原子力の平和利用」、つまり原子力発電が盛んになる中で、この核戦争とその放射能で人類絶滅の危機と恐怖は目くらましにされてきました。
 大衆的な核と放射能への危機感が薄められてしまったのです。
 
 世界中で「原子力の平和利用」がいかにも良いこと、正しいこと、人類の明るい幸せにつながるものなどと教育洗脳が進みました。
 キーポイントは原発の「安全神話」です。
 スリーマイルは軽微に捏造され、チェリノブイリは「ソ連」だからと片付けられ、この国では厚顔にも「安全神話」教育と宣伝がますます進んできたのでした。

 だが、核兵器と原発は原理も放射能も同じ事なのです。
 使用済み核燃料の膨大な量、廃炉にするとこれにとてつもない量のコンクリートと鉄が加わります。
 さらには防護服からスパナの果てまでの低レベル廃棄物。

 すべては処分、処理のしようもないのです。
 この地球を放射能汚染の惑星にしてしまうのが「原子力の平和利用」なのです。
 この高レベル、低レベル放射能廃棄物を作り始めて60年以上が経ちましたが、まったく未だに何の展望もなく「10万年地下に保管する」などというプロガバンダがまかりとおっています。

 原発というものを最初につくるときから、分かっていたことです。
 あと数年先から各原発は高レベル廃棄物の仮置き場に窮することになります。
 廃炉の技術さえ展望がない中で、全国の原発は危険な放射能の巨大貯蔵庫に変わり、じわじわとこの国土、環境を、そして人間を汚染してゆくことになります。

 原発は最初から作ってはならない物だったのです。
 原発には最初から反対です。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
  日本学術会議「高レベル核廃棄物の処分方法を白紙に戻して考え直す」
  9/13 たね蒔ジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章 書き起こし「kiikochan.blog」から

千葉:
今日は毎日新聞論説委員の池田昭産とお話を伺います。
まず最初のニュースなんですけれども、こんなニュースが伝わってきています。
日本学術会議が、今政府が考えている300m以上の地下深くに、
原発から出る高レベル廃棄物を埋めるという最終処分法は火山活動が活発な日本では難しいとして、
白紙に戻して考え直すよう提言したということなんですけれども、これを小出さんはどう思われますか?

小出:
当り前のことをようやくにして学術会議が言いだしたという事だと思いますが、
あまりにも遅すぎると私は思います。
日本の学問を背負ってきた人たちがこれまで原子力のゴミの始末の仕方に関して、
何も発言をしないまま、むしろ容認を続けてきたということなわけで、
今になって言って下さるのはありがたいけれども、
なんで今まで黙っていたのか?と私は思います。

池田:従来から小出さんはおっしゃっていましたよね。

小出:はい。

池田:それが今になってという、ね。

小出:
もう何十年も前からこの問題があるという事は誰の目にも明らかだったし、
日本というような世界一の地震国に、放射能のごみを埋め捨てに出来るという場所はない
私はもちろん思ってきましたし、
普通の常識のある方ならばどなたでもそう思わなければいけなかったのですが、
日本の原子力を進めている人達は、しゃにむに「出来る出来る」と言って今日まで来てしまいました。

池田:学術会議が今になって「なぜ?」って思われますか?

小出:
w、思います。
一体何なんだと、この人達は何なんだろうと、ま、大変私としては悲しいですけれども、
思ったことは善は急げで言って下さった事はもちろんいい事だと思いますけれども、
「何で今か」という思いはぬぐえずに残ります。

千葉:
今世界中を見渡してみても
最終処分法として安全性が確立されたものというのはないんですよね?

小出:何一つありません。

千葉:
うーん、
今回学術会議はですね、いつでも廃棄物を取り出せる施設をつくって、
数十年から数百年を目安に一時的に、
一時的に保管する
ことを提言したという事なんですけれども、
この保管だけでも簡単にできることではないですよね。

小出:
もちろんとてつもなく難しいです。
ただ、今日学術会議が言ったことは、私がもう何十年も言い続けてきたことです。
地下に埋め捨てにすることは許せないことなので、
とにかく私たちの目の黒い場所で保管し続けるしかやり方が無いと私も言ってきました。
ただしそれ自身が何百年で終えることが出来るのか、何千年やらなければいけないのか、
それすら私にも分からないのです。

小池:あれですか…これを一時的って言えるんですかね?

小出:
w全く無意味な言い方だと私は思います。
これまでも原子力発電をやることによって出るゴミというのは沢山ありまして、
今学術会議が言いだしたのは高レベル放射性廃物というのですけれども、
その他にも膨大な堆積の低レベル放射性廃物というのが毎日毎日生み出されてきて、
それは青森県の六ヶ所村に全て押し付けられることになってきました。
すでに二十万本を超えるドラム缶が六ヶ所村に埋め捨てにされてしまいましたが、
それが管理を続けていって、「管理をしなくてもいいという日が来るのは300年後に来る」と
日本の政府は言ってきました。
しかし300年後って、私は死んでいますし、原子力を進めてきた人たちもみーんな死んででいますし、
多分自民党も民主党もありません。
そういった時まで、いったい誰がどういう責任で面倒を見ることが出来るのか
私にはそれすらが分からないで来ました。

ましてや高レベルの放射性廃棄物というのは
十万年百万年強調文という長い間にわたって隔離をしなければいけないゴミなのであって、
そんなものをいったい、誰がどういう権限で生みだすことができるのか
それがまず私は不思議です。

千葉:でも、今まさにもう、高レベル廃棄物というものがあるんですよね?

小出:
そうです。
広島原爆がばら撒いた核分裂生成物に比べると、
120万発分をすでに生み出してしまっていてそれがあります。

千葉:それは今、どうやって管理されているんですか?そんなの。

小出:
一部が原子力発電所の使用済み燃料プールの底に沈んだままになっています。
東京電力の福島第一原発も同じでした。
一部は六ヶ所村の再処理工場に3000トンという燃料プールをつくって、そこに沈めてあります。
一部はイギリスとフランスの再処理工場に送ってしまって、
そこで再処理という作業をしてガラス固化になった形で、まだ残っています。
いずれ全てが日本に戻ってきます

池田:
そうですね、最近のニュースでもイギリスとフランスが、
「高レベルの廃棄物を引き取れ」と言っているんですよね。

小出:そうです。当然のことなのですよね、契約がしてありますし。

千葉:
でも、プールの中に何時までも入れておくわけにもいかないだろうし、
そのガラス固化体になったものも野ざらしにしておくわけにはいかないという事でを考えると、
学術会議はですね、
十万年単位で安全に保管できる容器の開発」というのを提言しているんですけれども、
十万年前というと旧石器時代で、日本にマンモスが住んでいた時代なんですけれどもww

小出:そうです。

千葉:今の科学技術がそんな事が出来る可能性があるんですかね…?

小出:ありません。

千葉:ないですよね。

小出:はい。明確にありません

千葉:ないですよね。

小出:はい。

千葉:
という事は最終処分地というのは、
「その高レベルの放射性廃棄物と十万年お付き合いしなさい」という土地
を選ぶという事なんですよね。

小出:
そうです。
日本というこの国でも原子力安全保安院という組織がですね、
埋め捨てにする場所をこれまでに20年近く探し求めてきました。
調査をさせてくれれば20億円やるぞ」という金をちらつかせて候補地を探し求めてきたのですが、
さすがにこれに関してはどこの自治体も「うん」とは言いませんでした。
そのため、とうとうこの日本という国は「高レベル放射性廃物をモンゴルに捨てに行く」という、
そういう案まで出すようになっています。

千葉:
今回日本学術会議は最終処分法で、
「深い土の中に埋めるというのは考え直すように」と言っていますけれども、
今のような十万年単位で安全に保管できるような容器の開発とか言っているという事を考えると、
ま、結論の先延ばしが意図なのかな?と思えなくもないんですが。

小出:
そうですね。
わたしも、大変申し訳ありませんが、私にしてもどうしたらいいのか分からないのです。
学術会議というのは日本の学者のトップの組織ですけれども、
そこにいる人達にすら、どうしていいのか全く分からない課題なのです。
全く分からないという事は私自身も何十年も前から分かっていましたし、
学術会議は当然分からなければいけなかったのですが、
今の今までないも言わないまま原子力をやりたい放題にさせてきたんですね、学術会議も含めて。

千葉:
で、今回の学術会議でもうひとつ驚くこととして、
「総量規制」
つまり原発から出る廃棄物の量の上限を決めようというように提言しているんですが、
という事は、今までは処分法も決まっていないけれども、廃棄物はどんどんどんどん出していいという
出し放題の状態だった訳
ですか?

小出:
そうです、原子力をやり始めた当時から原子力はトイレノないマンションだと言われていた訳で、
皆が知っていました。
「ゴミの始末が出来ない」という事は。
でもいつか何とかなるだろうという期待のもとにここまで来てしまったのです。
日本というこの国はまだ「原子力発電所の再稼動」なんていう事を言っているわけですし、
2030年に何パーセントだなんていう議論をしているわけですけれども、
やればやるだけ自分で始末の出来ないゴミが溜まってきてしまいます。
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重要!被曝の症状と予防:ステパノワ

 福島の18歳未満の36%に甲状腺異常が現れたことは、当初の公表よりも数倍の放射性物質が降下したらしいことが推定されます。
 また、福島はもとより関東と東北では、環境中の放射能がゴミの焼却や雨風によって大気中を循環し、あちこちに高濃度の汚染スポットを作り出しています。

 安全キャンペーンに邁進するマスコミや政府のいうことを信じるわけにはいきません。
 被曝を避けること、できるだけ減らすこと。被曝の症状に注意すること、対策と予防治療を知ることが大切です。
 2011年12月の収録ですが、チェリノブイリ(ウクライナ)の医療からの実際的で詳しい報告です。
 現在関東東北の子どもたちと、子をもつ親にとって重要なことと思います。

  「被ばくの症状と予防対策」エフゲーニャ・ステパノワ博士 OurPlanetTVのインタビュー  書き起こし「kiikochan.blog」から

  kiikochanによる内容の簡単なまとめなど

1986年事故当時ウクライナの子どもが訴えた症状

疲労が激しい
衰弱
神経不安定
頭痛
めまい
不眠、
首の部分の痛み
喉がいがらっぽい

失神
吐き気と嘔吐
便通不順
鉄の味がする

典型的な反応

呼吸器症候群
リンパ組織の過形成
胃腸管活動障害
心臓血管系の機能障害
血液データの変化
バセドー氏病の臨床兆候が無い「甲状腺肥大」
肝臓と脾臓肥大

1987~1991年にみられた症状

極度の疲労
衰弱
精神不安定
頭痛
めまい
不眠
胃腸不調
心臓あたりの不快感

90年代にかけての症状

動脈圧の不安定
肺の呼吸機能障害
心臓の機能変化
胃の機能障害
運動後の疲れやすさ
免疫力の低下
肝臓機能の一時的障害
呼吸器官の疾患
消化器系の疾患

91~93年にかけて慢性的な傾向を示すようになる

肺・肝臓・脾臓、胃などの慢性的な病気の症状

ウクライナの子どもたちは一年に一回、各専門科の医者のもとで、総合的な健康診断を受ける

小児科
血液科
内分泌科
神経科
咽頭科
眼科
外科
歯医者
血液検査と尿検査
甲状腺超音波検査

予防対策

汚染されていない食品で食べ物を摂る
充分なビタミンをとる
体力増進に努める
汚染地域から離れて保養施設などで休む(最低でも4週間)
ーーー
最近、我慢が出来ずにすぐにカッとして怒鳴ったり暴れたりする子ども、
いきなり高熱を出す子ども
咳がなかなか治らない、何度もトイレに行く、
疲れたと言う、
頭が痛い、胸が痛いと訴えてくるが、熱はない

東京都下ですが、そのような訴えが日々あります。
「夏休みの疲れが出たんだ」
「いつまでも暑いからね」
「(頭が痛いとか言って)甘えたいんじゃないか」
同僚はそのように言います。

福島や他のホットスポットの地域とは違うので、
だれ一人として放射能の影響だとは考えていない様子です。
そして、被ばくのせいだとは決して証明されないのです。
この地域に住んでいるとなおさら”被ばくが原因”とはならないのでしょう。

ただ、去年の今の時期よりも体調不良を訴える児童数は確実に多いと思っています。

そして、スーパーに行けば
北関東と東北産の野菜しか売っていません。
学校給食は検査もしていません。
地域の人々は内部被ばくに関して非常に無関心に見えます。
 ーーーーーーーーーーーー

チェルノブイリからの警告 〜5万人の子どもを診察した医学博士〜

 OurPlanetTVの白石草です。
今、年間20ミリシーベルトという放射能基準は安全なのか?
チェルノブイリ事故で被ばくした子供たちに何が起きているのか?
今、福島第一原発事故により子供への健康被害が懸念されています。
今日の特集はチェルノブイリからの警告
25年間現地で子どもたちを見てきた専門家にお話を伺います。

 5万人の子どもを診察した医学博士

エフゲーニャ・ステパノワ博士。
ウクライナ放射線医学研究センターの放射線小児先天遺伝研究室長です。
今年10月には文部科学省の森裕子副大臣がウクライナを訪れ、
アドバイスを受けたことでも知られています。
25年間で5万人以上の子どもたちを診察した経験がある博士は、
チェルノブイリ事故後に起きた子どもに対するの影響に関して、最も詳しい一人と言われています。
今回は国際的な環境NGOグリンピースの招へいで来日しました。

白石:
今日はウクライナ放射線医学センターのエフゲーニャ・ステパノワ医学博士にお越しいただきました。
よろしくお願いします。

 ウクライナの子ども 健康影響は?

白石:
博士は25年間5万人に及ぶ子どもたちをウクライナで見ていらしたということなんですけれども、
今日本でも、やはり子供たちに対する健康への影響というのが一番の関心事となっています。
まず25年前、事故直後の時からですね、どのような影響が子どもたちに出てきたのか、
今までを振り返ってまずお話を頂きたいんですけれども。

ステパノワ:
1986年4月26日にチェルノブイリ事故が起こりました。
その時、放射能の雲というものがとても沢山発生いたしました。
そして私たちはチェルノブイリ事故からずっとこれまで、
チェルノブイリの被災地域から避難した子どもたちの状況と、
そして避難していない、汚染地域に残っている子どもたちの健康状況というものを
ずっと調査してまいりました。

その時に子どもたちが、一番どのような症状を訴えたかというと、
いわゆる疲労が激しいとか、衰弱、それから神経不安定、頭痛、めまい、不眠、
それから首の部分、特にそこには甲状腺がありますので、首の部分の痛みとかを、
そういうものを訴えることになりました。
u1.jpg

1986年当時、チェルノブイリ周辺の子どもたちは、
喉がいがらっぽい、鉄の味がする、咳が止まらない、疲れやすいなど、さまざまな症状を訴えていました。
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ステパノワ博士の診断によると、
呼吸器やリンパなので様々な障害が出ていたと言います。
u3.jpg

その後90年代にかけて子どもたちの間には、
極度な疲労、衰弱、頭痛、めまい、不眠など、さらに深刻な症状が見られました。
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ステパノワ博士は
動脈圧の不安定、肺の呼吸器機能障害、心臓の機能変化、胃の機能障害などがあらわれたといいます。

ステパノワ:
そういった子どもたちの動脈圧の低下というもの、ま、不安定なんですね。
動脈圧が上がったり下がったりするというのも私たちは発見いたしました。
心臓のあたりの不快感、それから免疫システムの障害
それから呼吸器官の疾患というものも私たちは気が付きました。
たとえば運動とか勉強とかをすると、かなり抵抗力が無いというか、我慢が出来ない
いつもではありませんけれども肝臓障害というものも時々見られることになりました。

91年92年93年にかけて、
そういった症状というものが次第に慢性的な傾向を示すようになりました。
どんな慢性的な病気が見られるか?というと、
たとえばとか、肝臓それから脾臓、胃などの慢性的な病気の症状が見られるようになりました。
慢性的な病気を持った子どもたちの数というものがだんだん増えていき
そして健康な子どもたちの数が減って行きました
u5.jpg
ご説明いたしますと、右が慢性的な病気を持っている子どもたち
そして左の棒グラフがいわゆる健康な子供です。
この図からわかるように健康的な子どもの数が減り、そして、
慢性病を持った子どもたちの数がすごく増えているのがこのグラフから分かると思います。

u6.jpg
この表から分かることは、
甲状腺に被曝をうけた線量が高ければ高いほど、
たとえば一番左の棒グラフですけれども、0.3。これは単にはグレイです。
要するに甲状腺への被ばく線量が高ければ高いほど、一番右は2.0グレイですけれども、
高ければ高いほど健康な子どもの割合というものが低くなっていると、
小さくなっているというのがこの表の中から分かると思います。

 ウクライナの避難対象区域

白石:
いま、プリピチェから避難した子どもというのが、先程
4万5000人のうち1万7000人いるというふうにお話しいただいたお思うんですけれども、
ウクライナでは4つのゾーンで避難だったりとか、
あるいは放射線を管理していたりするというふうに聞いているんですけれども、

一番最初の立ち入り禁止区域というのはすぐに実行されたと思うんですけれども、
その他(2~4)の子の線量を測ってから避難というのは,
大体いつごろ行われたのか、という事はお分かりになりますか?

ステパノワ:
私たちのところでは、避難というのが行われたのは、
1986年でもすでに第一地域以外もすべて行われていました
それは放射線を測った結果、高濃度であるというのが分かった場所から避難が始まりました
それは555kベクレル/平方メートルあたりの汚染度があったところであります。
そこからの人々がまず避難させられました。

そして放射能の雲というものは、様々なところに点在して行ったわけでありまして、
第二区域の人達も年間5ミリシーベルト以上の被ばく線量があるところの人達というところも
強制移住という事の対象になりました。

それから第三区域に住んでいる人々というのは、
自分たちが避難したければ避難するという地域でありまして、
そして受ける年間線量の割合で言えば1ミリシーベルト/年間であります。

そして第四区域の人達というのはどこにも移住をするわけではなくて、そこに住んでいますが、
ただ、健康管理の観察対象にはなるという事です。
この地域というのは放射線の環境状況というのは、ずっと管理対象になるということです。

 増える子どもの消化器系疾患

白石:
そうしたらですね、一つ気になるのは先ほどプリピチェから避難された方とか、
あるいは消防作業に関わったお子さんたちに、非常に健康が不調だという事がわかるんですけれども、
それ以外のたとえばですね、
この2番、3番の地域に暮らすような子どもたちの間で、健康上でなにか観察されるような事があるのか、
という事が日本の中では関心があるんですけれども、そこらへんはどうなるんでしょうか?

ステパノワ:
もちろん同じように健康の悪化は見られますし、
慢性病の傾向というのももちろん高くなっています。
特に私が指摘したいのは、そういった子どもたちの中で一番症状が悪く見られる場所というのは、
胃腸系です。
それはどうしてかというと、
汚染地機というのは基本的には農村地域です。
ですから、地元産の汚染されたところで出来た、
自分たちの親たちが作った野菜とかそういうものを食べている訳であります。
それと同時にもうひとつ言えることは、牛の問題があります。
汚染された地域で牛を放牧していると、
汚染された草を食べた牛から出てくる牛乳というのは当然のごとく汚染されています。
そしてウクライナでは牛乳というものが最もウクライナの子どもたちの主要な栄養源になっています。

白石:
じゃ、ちょっとこちらの方で説明して頂きたいんですけれども、これは
これが消化器系の疾患が増えているという、

u7.jpg

ステパノワ:
その説明を簡単にしますと、まず一つ目は折れ線グラフが見えますよね、
折れ線グラフの黄色の部分。
その部分というのはウクライナの子どもたちの、
被ばくしていない子どもたちに見られる消化器官の疾患レベルを示しています。
で、これを見ると残念ながらウクライナの被ばくしていない子どもたちは
かなり消化器官系の病気が多いという事が分かりますが、
それと比較しますと今度は上の方ですけれども、
上の方(棒グラフ)は最も汚染された地域の子ども達に見られる消化器官の疾患レベルであります。
これを比較してみると、
汚染された地域からの子どもたちのレベルというのがかなり高いことが分かります。

白石:
消化器系の疾患が増えているという事なんですけれども、
ウクライナ全体で見た時に、もちろん甲状腺がんの人数などというのはハッキリ出ているんですけれども、
ざっと見て、たとえば今保養が必要だったり、
保養は必要ないけれども若干体調が不調だったり、感染症に弱いとか、
たとえば、こう何らかの健康上の問題、
いわゆる元気な子ではない子というのは、どのぐらいの割合というか、

ステパノワ:
現在ではデータとしては健康な子どもが27%で、
何らかの病気を抱えているという子どもたちは70%もいるわけですね。
ですから、これは私たちのウクライナの状況にかかっているのかもしれませんけれども、
残念なことにウクライナの子どもたちは、あまりいい環境にいるとは言えないですね。
被災した子どもたち、人達から言えば、
多分この健康な子どもたちの数というのは
27%よりももっと低くて、その二分の一になる
でしょう。
もし私たちがなにも手立てを施さなかったら、
健康的な子ども、健康な子どもの数はもっと悪くなっていたでしょう、少なくなっていたでしょう。

 内部被ばくを低減へ ウクライナの食品対策

白石:
ウクライナではそういった子どもたちのために、いまどのような事の対応・対策が取られているのか、
今後私たちも参考になると思うんですけれども、

ステパノワ:
まず第一に汚染されていない食品というものをなるたけ摂るようにしています。
私たちの国では幼稚園とか学校に於きましては、食事は全て無料で提供されております。
それぞれの行政地区に於きまして、自分たちの菜園で採った、つくった食品など、
放射能の検査をする放射能検査センターというのがあります。
自分たちが作った野菜をそこに持ってきて、無料で数値を測ることが出来ます。
食料に対しての許容基準というものが決められていて、
その基準よりも高い場合には食用をしてはいけないというふうになっている訳であります。
特に厳しい基準が取られているのが、子どものための食品であります。
小さければ小さいほど、その身体というものは放射能に対して敏感に反応をしてしまうからであります。

日本の食品の暫定基準値は
一律1kg500ベクレル。水は1kgあたり200ベクレルに定められています。

※この番組は2011年12月15日放送です
日本では20012年4月から食品の基準値が変更になっています。
u8.jpg

これに対しウクライナでは
果物は70ベクレル、ジャガイモは60ベクレル、野菜は40ベクレル、
パン、パン製品は20ベクレル、卵は6ベクレル、水は1リットル当たり2ベクレルと定められています。
u9.jpg

白石:
ウクライナでは子どもの基準があるわけですけれども、
今日本ではご存じではないかもしれないんですけれど、
食品は一律500ベクレル/kg(2011年12月現在)という基準で、
今見直しをしているところなんですけれども、
やはり今のお話を聞いていると、
子どもたちに対してはより厳しい基準を設けることが大切なのではないかというふうに言えるのでしょうか?

ステパノワ:
子どもたちに対して特別に作られている基準というのは、食品によって決まっているんですね。
基本的には1kg当たり、牛乳は1リットル当たり100ベクレルなんですね。
だけれども、子どもに関しては1リットル、もしくは1kgあたり40というふうになっていて、
基本的には大人と子供と比べると、子どもの方が厳しいという事になります。

それから、それぞれの住民の人達は自分たちがつくった野菜とか肉とか牛乳とか、
そういうものを持って計測センターに行く訳です。
計測センターには必ず、いわゆる説明書というのが、厚い、すごく厚い説明書があって、
その説明書の中にこの食品がいくらというふうに全部基準が書かれています。
その基準にしたがって専門家の人達が
「この肉はいい」「この野菜はダメ」「このフルーツはいいけどこの野菜はダメ」とか、
ちゃんと厳しくそれぞれに対して答えを出します。

放射線が高かったものに対しては、その先をどのようにすべきかというのを教えていきます。
たとえば肉は肉の中にある放射性物質と、
それから野菜の中にある放射性物質を少なくするためにはどういうふうにすべきか?というような、
つまりこれは、私たちから言えば、出来るだけ多くの人達に衛生面での啓蒙教育、活動というものを、
私たちは常に行っているわけです。

たとえば簡単な例を出しますと、
汚染されていたミルク、それをチーズにする。
チーズに加工する、そうすると放射性物質の量というのは10分の1になります。

 ウクライナの健康診断 7つの専門科が実施

白石:
健康診断の方もさまざま行われていると聞きましたけれども、
現状、どのような健康診断、子どもに対して、あるいは大人に対してもそうでしょうけれども、
どのような体制で、どのような診察というかですね、あるいは管理をされているのか?
そこもちょっと教えていただけますか?

ステパノワ:
まずウクライナでは法律が採択されています。
そこに書かれているのは何が書かれているか?というと、
「汚染地域に住んでいる人たちの健康に対するモニタリングを行う、
国、及び地方自治体、医療関係者、社会保障分野の関係者が行うべき義務及びその権利」
について詳しく書いてあります。
この法律にしたがいまして、
子どもたちは一年に一回、それぞれの各専門科の医者のもとで、
総合的な健康診断を受ける
ことになります。

どんな分野のお医者さんかと言いますと、
小児科、血液科、内分泌科、神経科、咽頭科、と目。
それと外科、歯医者
です。
その他に子どもたちは必ず血液検査を受けます。
それから尿検査も行います。
そして甲状腺などに関しましては超音波診断が行われますし、
それと同時に体内の放射性物質の活動がどのように起こっているか、という事についても調べます。
そして子どもたちに何か変化が見られたら、悪い傾向が見られたら、
子どもたちは治療に送られます。
チェルノブイリ事故の被災した州というのがちゃんと決まっていまして、
その被災した州は特別にチェルノブイリの事故被災者たちを治療する病院があります。
そしてもっとより深刻な病気が見つかった場合、
それから放射性セシウムの量がかなり高いレベルで見つかった場合には、
そういった子どもたちは私たちのウクライナ医学アカデミーの放射線医学研究所のほうに送られてきます。

そしてここで言っておきたいことは、ウクライナの憲法によりまして、
大人も子供も医療に関しては無料になっています。

白石:
今、検査体制のお話を伺いまして、
7つの専門医が、専門科がさまざまなところをチェックするということなんですけれども、
今日本でも健康調査が始まっていまして、
ただ、チェックするところは基本的に甲状腺がんしかチェルノブイリでは観察されていないということで、
その他の部分というのは確認するような体制にはなっていないんですけれども、
こういう体制になったのにはいろいろと背景があるかと思うんですけれども、
甲状腺がんも早め早めに分かれば治療は出来るとも聞いていますけれども、
なにかその点で、健康の経過を見ていく、
子どもたちをみていく過程で重要なこととはどういうふうにお考えなのか教えていただけますか?

ステパノワ:
甲状腺がんというのは確かにチェルノブイリ原子力事故の影響で、一番大きな病気となりました。
他の病気、今私がお話した病気ですけれど、
この病気に関しては様々な議論を呼び起こしています。
「本当に放射能の影響であるか?」それとも「全く放射能の影響ではない」というような、
さまざまな議論が行われています。
で、この問題というのはまだ解決しておりません。

しかしながら、甲状腺がんに関しましては国際社会は認めているのですが、
甲状腺がんは明らかに甲状腺に放射性ヨウ素を受けたことによって発病したと認められております。

事故直後のしばらくは、甲状腺がんというのも関係があるとはまだ認められていませんでした。
あとから認めるようになったわけですから、国際社会の意見というのは変化する強調文事があります。
いずれにしても分かっていることは、
子どもたちの健康の状況は悪くなっているという事
です。

そして子どもたちの健康を維持するために何をする事が必要かと言えば、
時期を逃すことなく適切に治療を行う事、予防対策をとること
そのために私たちは現在も健康診断を行っております。

 汚染地機の子ども 健康を守る対策は?

白石:
最後に一点だけ、
今もうすでに体調が、博士がおっしゃるように、
疲れやすいとか、いろんな症状が出ている子どもたちも福島県内含めてですね、
いろいろと出てきているんですけれども、
国際社会が認めている一つとして甲状腺がんがあるという事で、
これに対しては日本の中でもかなり体制をつくって診断体制から、
おそらく治療も、日本のレベルは非常に高いレベルでお金もありますので、
そういう意味では早期発見が出来るのではないかというふうに多くの人々が思っているんですが、
今やはり、多くの親たちが心配しているのが、
年間20ミリシーベルトよりも低い地域
という、
20ミリシーベルト以上は避難地域になっていますけれども、
それよりも低い地域というのは避難させてもらえない地域ですから、
そこの地域の中で、たとえばチェルノブイリの汚染地帯の子どものように、
将来的にさまざまな複合的な健康の被害が出るのではないかと、
もし、そういうものを防ぐためにいったい何が出来るのか?
というような事が一番の関心事にあるんですけれども、
その、議論になっているという事で、それが直接放射能に関係あるのかないのか、ということは、
なかなか今の状況でおっしゃることは難しいとはいえ、
なにかそういったことで不安を抱えている日本の多くの親、
あるいはその地域の人々に対して
アドバイスできることがあるとしたら
どういう事があるのか教えていただけますか?

ステパノワ:
まず一番重要なのは健康的な生活を送ることです。
どういう事かというと、汚染されていない食品で食べ物を摂ること。
充分なビタミンをとること。
そして体力増進に努めること。

もうひとつ重要なことは、
一年に一回でもいいですから汚染地域から離れて保養施設などで休むこと
私たちの経験から言いまして、
子どもたちが汚染されていない地域に移る時ですが、その保養に行く時ですが、
まず、新しい先に適応するには時間がかかるし、そして、そこで健康増進を図ってそこで治療、
ま、治療みたいなものをするわけですが、
そのためには最低でも4週間は必要ではないかなと私たちは思っております

保養施設でありますけれども、
事故直後といっても事故直後1ヶ月の場合もありますけれども2ヶ月の場合も3ヶ月の場合もあります。
いろんな場合があったわけですけれども、
そういう保養に行く時は子どもたちが通っている学校単位で行く訳です。
つまり、教師が一緒についていって、
そして保養施設で健康増進を図ると同時に勉強もするわけです。
だから勉強が遅れるという事はありません。

で、今は25年経過しておりまして、実際には直後のような被ばく線量を受けている訳ではありませんと、
ですから、今は大体4週間ぐらいであります。
まあ、経済的な問題というのもあるから4週間になっていますけれども、
線量も低くなっているという事もあります。

もし、子どもたちを汚染されていない地域に保養に送ったとすると、
1年間に受ける年間線量の10%は少なくすることが出来るわけです。

白石:
これから日本はこうしたチェルノブイリの経験などを学びながら、
いろんな対策をしたり、私たちも出来ることをやっていきたいと思うんですけれど、
最後に博士から日本の人達にメッセージをお願いしたいと思います。

ステパノワ:
もう一度皆様方、子どもたちそしてご家族のみなさんの健康をお祈りいたします。
そして皆様が合われた不幸を、不幸に立ち向かう勇気というものを持っていただきたいと思います。
私たちも不幸な目に遭いました。
しかしながら、いろんな助けを借りて私たちもこうして順調に戻っております。
その不幸から得た経験というものを、有益な経験というものを、
医療関係者、そして行政当局、そして国へと伝えていけたらいいと思います。
私たちは体験した経験というものを皆様方に使っていただく用意があります。


白石:
今日はステパノワ先生ありがとうございました。
ウクライナの子どもたちの健康についてエフゲーニャ・ステパノワ博士にお話を伺いました。
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