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もうすぐ北風が強くなる

オスプレイ配備拒否集会、10万人を超す

9.9沖縄

 9/9沖縄の宜野湾海浜公園において、米海兵隊の垂直離着陸機オスプレイの配備撤回を求める「オスプレイ配備に反対する県民大会」に10万1千人が集まり、配備拒否の声をあげた。
 復帰後の基地関係県民大会としては過去最大の集会となった。
 宮古島1,500人、八重山(石垣市)500人、岩国300人、東京では国会周りで1万人が同時集会を行い、拒否の声をあげた。
 なお、沖縄県の総人口は140万人。県内の集会参加者は10万3千人。
 沖縄は一歩を踏み出している。
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 社説 県民大会決議/差別と犠牲の連鎖断とう 沖縄の正当性は自明だ 9/10 琉球新報

 続々と会場に向かう人の波を見て、沖縄の人々の良識を思った。オスプレイ配備に反対する宜野湾市での県民大会に10万1千人(主催者発表)が参加した。一文の得にもならないけれど、貴重な時間を投じ、公のために動く人々がこれほど大勢いる。われわれはそれを誇りに思っていい。

 それに引き替え、「配備は米政府の方針で、日本がどうしろこうしろという話ではない」(野田佳彦首相)という国家トップの発言の、何と軽いことか。住民の命を守る責任も、国の主権も放棄するこの政府にもはや当事者能力はない。沖縄が主体的に解決したい。

 生けにえのごとく

 それにしても、「差別」や「犠牲」を強要されているという認識が、これほど繰り返された大会はかつてなかった。
 大会で共同代表の平良菊・県婦人連合会会長は「沖縄の心を、子どもを犠牲にして、日本の平和が成り立つのか」と問い掛けた。翁長雄志那覇市長は「沖縄は戦前、戦中、戦後、十分すぎるほど国に尽くしてきた。もう勘弁してほしい」と述べた。

 日本が米国の歓心を買うために、生けにえのごとく県民が差し出される構造は、もうたくさんだ。あいさつにはそんな思いがにじみ出ていた。今やこれは県民の共通認識と言っていい。

 過去、沖縄への基地集中は「地理的優位性」などという論理で正当化されてきた。だが、軍事合理性に照らしても配備の集中はむしろ非合理的だというのは、軍事専門家も指摘することだ。
 国土の0・6%の沖縄に米軍専用基地の74%があることの不条理は繰り返し指摘されてきたが、政府に、県外移設でそれを改善する意思はない。基地の集中は単に本土が嫌がった結果だというのは、もはや隠しようもない事実だ。

 非民主主義的差別性は米国にも共通する。ハワイでは環境影響評価によって訓練計画を撤回した。ニューメキシコ州では住民の要求で訓練を延期した。
 だが沖縄では全く聞く耳を持たず、米国内なら厳格に守る設置基準も沖縄ならば無視する。まさに二重基準、差別にほかならない。

 差別は「足して二で割る」手法では解決できない。「差別が半分だから許す」という人はいないからだ。ひとたび差別的扱いを自覚すれば、それを解消するまで引き下がれない。その意味で県民の認識は分水嶺(れい)を越えているのだ。
 こうした認識は必然的に、本来あるべき状態の模索に行き着く。犠牲を強要される身分を脱し、尊厳ある取り扱いを求める。県民大会はその表れにほかならない。

 分断統治

 大学生の加治工綾美さんが話す「この青い空はアメリカのものでも日本政府のものでもなく、県民のもの」という言葉は、胸を打った。われわれは誰かの犠牲になるために生まれてきたのではない。その思いは県民共通だろう。
 近現代史に連綿と続く差別と犠牲の連鎖を断とう。大会の成功を、そのための出発点にしたい。
 ここで大切なのは、県民が結束を維持することではないか。植民地統治の要諦は「分断統治(divide and rule)」という。植民地の住民が仲間割れしていれば、宗主国はさも善意の第三者であるかのように装って君臨できる。
 米国にも日本政府にも、そのような顔をさせないことが肝要だ。

 大会決議はオスプレイ配備を「断じて容認できない」と強調した。つい3日前にも安全飛行できず緊急着陸したばかりの欠陥機を、住民がひしめく沖縄に配備する危険性は誰の目にも明らかだ。

 日米両政府は撤回の意思をまだ示さないが、理は沖縄にある。二重基準がまかり通る今の日米の姿を、100年後の世界ならどう見るか。
 決議は「沖縄はこれ以上の基地負担を断固拒否する」と述べたが、沖縄の要求には世界史的正当性がある。丹念に国際世論に訴え、揺るがぬ決意を示したい。
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 社説 オスプレイ県民大会]民意は明確に示された 9/10 沖縄タイムス

 沖縄戦を体験したお年寄りから子どもまで、家族ぐるみで、個人で、団体で、会場に向かう人の列が途切れることがない。会場は怒りの「レッドカード」の赤で染まった。

 宜野湾海浜公園で開かれた米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備に反対する県民大会に、主催者発表で約10万1000人が参加した。米軍基地がらみの集会で復帰後、最大。民意のうねりが鮮明になった。宮古、八重山でも大会が開かれた。

 ソーシャルワーカー與古田ちはるさん(29)=那覇市=は居ても立ってもいられずやってきた。1歳の長女をだっこしながら、おなかには7カ月の長男がいる。「子どもたちの未来を守りたい。オスプレイは配備されれば、必ず落ちる。最近の事故が証明している」と危機感に駆られている。仕事で参加できなかった夫(39)や、職場の同僚らの思いも携えてきた。

 今帰仁村老人クラブは男女約20人で早朝に出発した。仲松保雄さん(68)は「オスプレイは沖縄中を飛び回る。宜野湾市だけの問題ではない。私たちも当事者だ。はっきりと意思表示をしなければならないと思った」と語った。

 会場を回ると、日米両政府の強行配備に対する批判とともに「自分の問題として参加した」「沖縄中が危険地帯になる。人ごとではない」など切羽詰まった声が聞かれた。

 1996年に日米合意した米軍普天間飛行場返還の原点は何だったか。過重な基地負担の軽減と危険性の除去だったはずである。日米両政府が危険性の除去を何ら行わない中で、オスプレイを配備しようとするのは暴挙である。

 野田佳彦首相は当初「米政府にどうしろ、こうしろという話ではない」と語っていた。県民の生命・財産よりも安保体制優先である。どこを向いているのか。対米従属姿勢は情けない限りだ。森本敏防衛相も「地元を説得する自信はない」と言いながら配備計画を変更する考えはない。問答無用の無理押しである。

 県民大会は、県民の代表である県議会、市町村民の代表である41市町村議会の反対決議に支えられている。

 日米両政府は民意を正面から受け止めなければならない。配備はあり得ない民意だ。強行すれば「怒りのマグマ」は臨界点に達するだろう。

 2004年8月13日、沖縄国際大学に普天間所属のCH53大型輸送ヘリが墜落、炎上した事故は、奇跡的に民間人の被害は出ず、「最後の警告」といわれた。

 相次ぐオスプレイの墜落と緊急着陸は普天間配備に対する危険性のシグナルである。

 広大な土地の中にある米本土の基地と住宅密集地の中にある普天間飛行場とでは基地の在り方が全く違う。

 米国の軍事専門家でさえ「普天間飛行場周辺で緊急着陸の場は確保されているのだろうか」と懸念するくらいだ。そもそも、狭隘(きょうあい)な沖縄でオスプレイの訓練をすること自体が県民を事故に巻き込む危険性と背中合わせである。

 飛行・離着陸訓練は、伊江島補助飛行場を含め、北部訓練場、キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンなどで行われる。至る所で飛ぶことになり、危険性は県内全域に拡散する。東村高江で建設が強行されている着陸帯はオスプレイと連動しているのは明らかだ。

 県民大会は終わったが、正念場はこれからである。

 実行委員会は今週半ばに政府に要請し、来月初旬には訪米を予定している。

 県内では地域ごとに集会を開催し、反対の声を草の根から積み上げていく。普天間飛行場のゲート前では、曜日を決めて継続的に反対集会を開くことを検討する。最近では見られなかった取り組みだ。

 オスプレイの低空飛行ルートは全国に張り巡らされ、「本土の沖縄化」が進む。関係自治体に大会決議を送付して議会決議を働き掛けるなど連携と交流を強める考えだ。

 危険の警告が発せられ、民意は示された。森本防衛相は11日に県を訪れ、米フロリダ州での墜落事故を「人為的ミス」と報告する。宮森小に米軍戦闘機が墜落した追悼の日の6月30日に佐喜真淳宜野湾市長にオスプレイの受け入れを要請した件といい、感情を逆なですることばかりだ。
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